「2018年 6月」の記事一覧

音の質を聞き分けて曲に生かしていく

こんにちは。

音の質を聞き分けていく耳。

できるだけ早い段階からその練習をしていければ、と考えています。

 

先日の小学校6年生のレッスンの時。

学校の伴奏オーディションにチャレンジし、みごと合格した生徒さん。

前回までのレッスンで、伴奏曲はとても上手に仕上げていました。

その後も練習を重ね、今回のレッスンではさらに美しく音楽的に弾けるようになっていました。

 

音の質についても、今回はかなり気を配っている様子が分かりました。

「強いときと弱いときでは、力のかけ方はどう変わってきますか?」

こういう質問からも、身体の使い方にとても気を配れるようになっていることがわかります。

音の強さ・質によって、肩からかけることも、ひじから・手首からと身体のイメージが変わってきます。

その辺りのお話をして、同時に音の質がどう変わるか、聞いてもらいました。

 

上から下へ力を入れていく。

指の先の一点に力を集めたイメージで弾く時の音。

手前から向こうへ力を入れていく。

鍵盤にはさっきよりもう少し指先の広い部分が触れている時の音。

向こうから手前へなでるように手を使う。

鍵盤にはさらにもっと広い部分が触れる時の音。

 

それぞれ音色が違います。

生徒さんも「全然違う」と言っていました。

「曲によって、さらに曲の中でもフレーズのイメージによって、弾き分けていく。例えば、プレインベンションだとこの音を中心に。ショパンだとこういう音を多く使って…。」と続けてお話をすると、

「楽しそう!」

そう、その通りです。

この弾き分けが意識できて、曲の中で使えると、工夫の余地がとても増えて楽しいのですね。

その部分をとらえることのできる感性。

楽しめる気持ち。

これからもっともっと成長していきます。

ゆっくりから始める

こんにちは。

ついつい知っている曲だと、最初から「耳で聞いて知っているテンポ」で弾きたくなりがち。

特にお子さんはそうですね。

ただそうすると「次、何の音かわからない」「右手と左手があわない」などトラブルが起こります。

そして「難しい…」ということになってしまいます。

 

小学校3年生、2回目のレッスンの生徒さん。

お引っ越ししてきて、ピアノは今までも習っていました。

今はミッキーマウスマーチの途中です。

前回のあと、忙しくて、あまり練習時間がとれなかったとのこと。

 

前半は4月5月中にしっかり練習できていたので、なかなか良いテンポで弾くことができます。

そのテンポのまま、後半を弾こうとして「あれあれ?」となってしまいました。

とてもしっかりしたお子さんなので、一度最後まで弾いた後、「どこが弾きにくい?」と聞きました。

すると、コーダの部分が難しいとのこと。

 

ミッキーマウスマーチ。

基本的にマーチは2拍子ですが、このミッキーマウスマーチの楽譜は八分の六拍子で書かれています。

(今、調べてみたら、2拍子の楽譜と八分の六拍子の楽譜が見つかりました)

そして、ずっと♩♪♩♪|♩♪♩♪|♩♪♩♪|♩♪♩♪|(なぜか八分音符が大きいですね)のリズムが続きます。

ところが、コーダになると同じ音型が付点四分音符で出てくるのです。

そこのリズム感がつかみにくかったのですね。

 

2拍取りだと難しいと思ったので、6拍数えてゆっくり練習することにしました。

まず、右手と左手とそれぞれ別々に練習。

音が頭に入ってから両手。

何回か練習すると、両手がスムーズに動くようになってきました。

それからだんだんテンポを速めていきました。

かなりテンポが速く弾けるようになったところで、コーダに移る前の部分からつなげて弾いてリズムを確認していきました。

 

これも最初は前半部分をあえてゆっくりと6拍数えて、コーダまでつなげていきます。

できるようになったらだんだん速くして。

短時間でスムーズに弾けるようになりました。

知っている曲だけに、最初からマーチのテンポで弾きたくなっていたのですが、ゆっくりから段階を追っていくと、結果的に短時間で弾けるようになります。

お家での練習も、段階の説明をもう一度して、「わからなくなったらゆっくりね。」とお話ししました。

楽しんで練習をしてもらえると良いな、と思いつつレッスンを終えました。

成長する1年生

こんにちは。

小学校1年生の生徒さん。

小学校に入学して2ヶ月。

ピアノのレッスンを始めてからも2ヶ月。

昨日のレッスンで成長著しいと実感しました。

 

音楽ドリルも昨日はドレミファソラまで進みました。

前回課題だったミとソの区別、ファとラの区別。

カードを使ってクイズで確認しました。

バッチリ、正解。

 

ピアノでも、この音符は?と確認してから弾くのですが、「これはド。これはファ。」としっかり答えてから弾くことができました。

新しい曲でも、音符が正しく読めて、一緒に4拍ずつ数えながら弾くことができました。

お家でお母さまも教えてくださっているとのこと。

音符の色塗りも慣れて上手に塗れるようになってきましたし、集中力もずいぶんついてきました。

1年生のこの時期。

いろいろなものをどんどん吸収して成長していきます。

また、これからのレッスンも楽しみです。

2018.06.07

指遣いをよく考える

こんにちは。

ここのところフォーレのノクターン2番の譜読みをしています。

その中で、ピアノの譜読みの上で、大切だと改めて思ったのが指遣いです。

 

もちろん、今までも考えていました。

でも、今まではまだ甘さがあった、ということに気がつきました。

きっかけは4月。

モーツァルトを弾いた時、最終段階までとても弾きにいと感じる部分がいくつか残ってしまいました。

そこをゆっくり練習していたのですが、その原因として指遣いが悪い、と思ったのです。

本番直前なので、弾きにくさを承知で指遣いはそのままにすることにしました。

 

それ以降、最初の段階の指遣いを今までよりももっと慎重に決めることにしました。

次のヘンデルのシャコンヌから実行。

バロックですが、特別な指遣いが必要な部分は多くはありません。

でも、試しに全部の音符に指遣いを書き込んでみました。

 

その結果、今までよりも一つ一つの音に気を配れるようになりました。

この奏法の場合には、手の使い方、特に重心の位置が指遣いによって大きく変わってきます。

また、私の場合、手が小さいので楽譜に書き込まれた指遣いでは間に合わないこともたくさんあります。

どうすれば弾きやすく、無駄なく手を使えるか?

最初の段階で、まとめてそこを考える時間をとったので、次の段階がとてもスムーズになりました。

 

フォーレはヘンデルよりも音がずっと複雑です。

やはり今、指遣いを全部の音に書き込んでいます。

時間があるときに、楽譜だけ見て書き込み、その後ピアノに向かって実際に弾きながら修正しています。

片手ずつ弾いているときと、両手で弾くときとでは、弾きやすい指遣いが違うこともあり、いろいろ試しながら決めていきます。

 

指遣い、単純な音型だったり、決まった形だったりすると、ついつい「何となく」弾きがちですが、一つ一つそこを確認することで、また今までとは違う感覚で曲に取り組めるようになりました。

2018.06.05

弾き方でピアノのピッチ(音の高さ)が変わる

こんにちは。

昨日は、御茶ノ水にレッスンに行ってきました。

発表会ではヘンデルのシャコンヌを弾くつもりですが、選曲の時に候補に挙げていただいたフォーレのノクターン2番も練習中。

昨日はそれをみていただきました。

 

時代的にもヘンデルとは全く違い、音も複雑。

しかも、私としてはあまり経験のないフランス音楽。

どう弾こうか?どんな音を出そうか?

いろいろ考え中です。

 

レッスンで一度弾いた後、ショパンのタッチの復習。

ここのところ、モーツァルト・ヘンデルと古典以前の作品のレッスンが続いていました。

鍵盤に対して縦方向に入れるタッチを中心にレッスンしていただいていたので、ショパンのタッチは、私の頭の中の引き出しでも奥のほうにしまいこまれていました。

「しまった!」という感じ。

イメージとともに、そのタッチを復活させ、もう一度弾いている途中のことです。

 

「こう、爪の方向にもっと力を逃がしてみて。そうするとこういう音が出るから。もっと立ち上がりの良い音。」

先生が弾いてくださいました。

確かに、立ち上がりの良い、フランス音楽らしい音色。

弾いていただいて、そのイメージで自分で弾いてみると…。

驚いたことに明らかにピッチ(音の高さ)が上がりました!

もちろん、弾き方でピッチが変わることは知っていました。

今までもレッスン中に「そこはソ♭ではなくてファ♯の音。」と言われて高めにしようと意識して弾くこともありましたが、今回は意識せず、しかもかなり上がったので、びっくり。

その分、よけいに明るい、フランス音楽に合う音色に感じられました。

 

このショパンのタッチベースに、縦方向に弾いていくタッチや今までに学んだ他のタッチをまじえ、どんな音色をどこに使って、どう弾いていくか。

この奏法ならではの音色・響きの変化を曲の中に生かしていく魅力。

研究のしがいがあって、また楽しくなりました。

 

2018.06.04

完成形をイメージする

こんにちは。

ピアノは、お家で練習してくることを前提にレッスンをしています。

ある程度それが習慣になっていけば、必ず上達していきます。

 

練習についての一つのポイントは、いつやるか?

これは、1日の生活時間の中で「ここはピアノの時間」と決めていくことが大切です。

まず、「ピアノの練習は毎日する」と決めます。

そのためにどうしていくか、という考え方をしていきます。

「時間があったら…」と考えると、時間は意外になくなってしまうものなのですよね。

 

学校から帰って遊びに行く前に、練習する。

おやつを食べた後練習する。

お夕飯の前に練習する。

習慣を確実に作っていくためには、今既にある習慣(例えば遊びに行く、おやつ、お夕飯)の前後に入れると良いです。

 

もう一つのポイントはどうやるか?

これはさらにいろいろな要素があります。

その中に、完成形のイメージを持つ、ということがあります。

レッスンのときには、練習が自分でできるように、右手と左手の譜読みは生徒さんと一緒にしています。

うれしいことに、階名を読んで片手ずつ鍵盤を弾くことは、多くの生徒さんが出来るようになっています。

ただ、いきなり両手を合わせるのは、その段階では難しい場合が多いです。

 

そこで完成形のイメージをつかんでもらうために生徒さんが右手・私が左手を弾いて合わせてみます。

交替して生徒さんが左手・私が右手。

私が弾いてみせて、イメージをつかんでもらうこともあります。

レッスン中にその完成形がつかめると、それに近づけるように練習することができます。

 

毎日少しずつでも練習をしていく。

ぜひその時間を作って、上達する・進歩することのうれしさを味わってもらいたいと思っています。

「音を出す」から「美しい音楽を意識する」へ

こんにちは。

幼稚園・保育園のお子さんのレッスン。

お母さまの付き添いをお願いしていますが、実際には難しい場合も多い。

特に下のお子さんがいらっしゃると、上のお子さんが気が散ってしまったり、静かに待つために下のお子さんへの注意が多くなったり、と難しいように思います。

その場合には、送り迎えで対応していただき、レッスンノートや時に動画をお送りして様子を分かっていただくようにしています。

 

幼稚園年長の生徒さん。

「ピアノひけるよ!ジュニア2」も順調に進み、最後の2曲になりました。

「ジングルベル」はスムーズだったのですが、「聖者の行進」のリズムは難しい。

前回のレッスンの時、リズムを「うんたんたんたん…」と口でして、その後に片手ずつ練習をして、といつもよりも丁寧に確認しました。

 

今回のレッスン。

毎日の練習時間がとても長くなって30分の日も何日もあり、とても頑張っていた様子がよくわかりました。

ノートには「だいぶ弾けるようになってきました」とお母さまが書いてくださっていて、実際の演奏もとても上手にできていました。

いつも3曲ずつ練習してくるのですが、今回はちょうど本が終わるところでもあり、「聖者の行進」が難しいこともあり、課題は2曲にしました。

でも、新しい「ピアノひけるよ!ジュニア3」の本を渡しておいたら、次の「こいぬのマーチ」もれんしゅうしてきた、と言うので、そちらも聞かせてもらったところ、とても上手に弾けていました。

 

お迎えにきたお母さまに

「『聖者の行進』、とても上手に弾けていましたね。」とお話しすると

「最初の2日くらいは、思うように弾けなかったので荒れていました。」とおっしゃっていました。

お母さまのしっかりとしたサポートもあり、毎回順調に曲を仕上げてきています。

手の形にもずいぶん気を配れるようになりました。

 

今回は、フレーズの終わりをきれいに弾く、ということ、右手のうた(メロディー)と左手の伴奏の音量について意識する、という課題を話しました。

「音にする」段階から「美しい音楽を意識する」段階へ。

どんどん成長しています。

できるだけ小さく分解する

こんにちは。

練習していく上で、難しい部分はできるだけ分解して考えていく、ということは大切です。

 

例えば、音符を読む時。

「ド」はわかりやすい。

形も音符のなかに線が入っていて、特別です。

「ド」と「レ」だけだと大丈夫。

でも、「ミ」「ファ」「ソ」が出てくると…。

「ミ」と「ソ」の区別はむずかしい。

「レ」と「ファ」の区別もむずかしい。

そんな状態になりやすいですね。

 

小学校1年生の生徒さん。

昨日は、ミとソの音符を読む練習をたくさんしました。

下から線を数えて、一番下の線の上にあるのが「ミ」。

2番目の線の上にあるのが「ソ」。

何回もやって、だいぶ分かるようになってきました。

 

小学校6年生の生徒さん。

タイのあるリズムパターンにだいぶ慣れてきました。

これからのことも考えて、昨日はリズム打ちの練習をしてみました。

ボンゴがありますから、右と左で違うリズムパターンをボンゴを使って打ってみました。

小節をまたいだタイがあるリズム打ちを中心に、何パターンか数えながらやってみました。

 

最初は、ときどき「あれ?」となりましたが、何回かやっているうちにスムーズになってきました。

拍子の確認をしっかりできるようになってきたからです。

頭の中で、「これは4分の3拍子。イチニサン」と考えられるようになるだけでも、ずいぶん違ってきます。

難しい部分は、左右別々にやっていきます。

 

いろいろな要素がありますから、その要素をできるだけ小さく分解して練習していく。

分からなくなったら、そこに戻っていくことを大切にしていきます。

2018.06.01

小学校3年生のお子さんの体験レッスン

こんにちは。

昨日は、小学校3年生のお子さんの体験レッスン。

その場で入会を決めていただきました。

東松山に引っ越ししていらっしゃったので、ピアノは前のところで習っていたとのこと。

ピアノ・歌・リズム・音符の学習など、しっかり勉強してありました。

 

ミッキーマウスマーチの途中で引っ越してきたので、前半の練習してある部分を聞かせてもらいました。

とてもよく練習してあったので、指遣いが違っているために弾きにくくなってしまった部分のアドバイスとその部分の練習をしただけで、後半部分へ。

譜読みを一緒にやりました。

右手の階名を確認して、弾いてみます。

つまづくところ、難しいところの確認。

次に、私が左手の部分を弾いてイメージをつかんでもらいます。

今度は左手。階名を確認して弾いてから、私が右手部分を弾いて合わせてみます。

そのあと、ゆっくり両手で練習。

ミッキーマウスマーチは、マーチなので当然2拍取りですが、実際は八分の六拍子です。

ですから、最初は、123456と6拍数えながら練習しました。

リズム感がよく、また読譜力もあるので、スムーズに譜読みが出来ました。

 

「エリーゼのために」を弾けるようになるのが目標、とのこと。

しっかりしたお子さんです。

お母さまからは「このピアノの音が本当に良いですね。先生が弾いた時、音が心に入ってくる感じがしました。」とおっしゃっていただきました。

そういう音色の部分にも目を向けていけると音楽がさらに美しくなっていきます。

これからのレッスンが楽しみです。