「2018年 12月」の記事一覧

2018.12.11

クリスマス会に向けて、ピアノの調律をしていただきました

こんにちは。

昨日は、16日(日)のクリスマス会に向けて、ピアノの調律をしていただきました。

いろいろ、新しく教えていただくこともあり、勉強になりました。

ピアノの位置

「本番、どこにピアノを置きますか?」と聞かれ、「真ん中に。」とあまりにも大雑把な答えをした私。

「そうですね~。」とあっちこっち見ながら、「ピアノのハンマーがセンターに来るように置いてみますね。」とのお返事。

「真ん中」と言っても、そこまで考えていませんでした。

「見た目」が「真ん中に」あれば良い、という感じ。

「少し斜めにすると、壁に音がぶつかった時の感じが変わるので、音色はまた違ってきますよ。」というお話にも、なるほどそれはそうだ、と思いました。

「今回は、保護者の方が手元を見られたほうが良いように思います。」とお答えし、「真ん中」に設置することにしました。

「椅子はどの辺りまで入りますか?」と椅子の位置も確認した上で、会場スペース正面奥の、ピアノに座った時に左側になる壁との距離を考え、ピアノの位置を決めていただきました。

確かに、ピアノの位置が変われば、響きも変わってきます。

ホールでも、反響板があるのとないのとでは、まったく音の聞こえ方が変わってきました。

ピアノの位置と向きも重要ですね。

鍵盤の戻りを良くする

「同じ音の連続があるのですが、この状態よりも鍵盤の戻りを良くすることは可能ですか?」

調律していただいた後の確認で弾いてみると、レッスン室のピアノよりも鍵盤の戻りが遅いので、お願いしてみました。

「うーん。どんな方法があるかな?」と考えて、いろいろ工夫してくださいました。

ハンマーそのものも、ずいぶん調整していただきましたし、スプリングの部分も一つ一つ丁寧に調整してくれました。

最後に「これだとどうでしょう?鍵盤の高さを変えてみましたが。」ということで、1つだけ鍵盤の高さを上げてみてくれました。

残念ながら、大きく感じられるほどの変化がなかったので、全部の鍵盤にそれをしていただくことはあきらめ、元に戻してもらいました。

細かい作業をしていただき、最初よりもずいぶん弾きやすい状態になりました。

多くの人が弾くピアノは、個人の家にあるピアノとは違う調整が必要だということがよくわかりました。

市民文化センター等のホールにあるピアノなどはなおさらでしょうね。

弾く人もいろいろな上に、調律にもいろいろな方が入りますから。

ピアノの仕組みを知ることの意味

説明をしつつ調整していただくことで、とても勉強にもなり、何よりもとても楽しく思いました。

実際に、自分の弾いているピアノが、どんな仕組みで音が出ているのか。

どんなことに注意をしてピアノを扱ったら良いのか。

考える良い機会にもなりました。

日曜日に向けて、まだまだ準備はありますが、ピアノというメインの準備はこれで完了しました。

他の準備も1つずつ進めていきます。

ピアノを弾く前に階名で歌うことで、音感が自然に身につきます

こんにちは。

私のレッスンでは、小さいお子さんが新しい曲に入る前に、階名で歌ってもらうことが多いです。

「絶対音感教育」をしているわけではありませんが、結果的に自然に音の感覚が身について音程が取れるようになっていきます。

今日は、そのあたりのことを書いていきます。

和音が聞き取れるようになっていた小学校3年生の生徒さん

小学校3年生の生徒さん。

先日のレッスンの時に、音あてをしました。

初めてだったので、音あての最初に、この音がド、この音がレと確認をしました。

そして、いくつかの単音を弾いて当ててもらったのですが、すべて正解。

続いて和音もやってみました。

ドミソ、ドファラ、シレソの3つです。

これも、すべて正解。

音が頭の中に入っているのですね。

今までは、特に聴音のようなことをしたことはありませんでしたが、自然に身についていました。

すらすら階名で歌えた年長の生徒さん

4月からピアノを始めたので、ピアノを始めて8ヶ月。

「ふしぎなポケット」を階名で歌ってもらいました。

ドドドミ ソソソソ ドドドミ ソソソー

ト音記号と、ヘ音記号が混ざっているのですが、ちょっとゆっくりになった部分はあったものの、止まることはなく、1回で歌うことができました。

音程も取れています。

これには、私も驚きました。

ここのところ、楽譜を読むことに自信がついてきたようで、先の曲を自分で弾くことも増えてきていると聞いてはいたのですが、楽譜に書かれている音の高さと、ドレミの階名とが生徒さんの中できちんと一つになって、身についていたのですね。

ここまでになっていると、確かに自信にもなります。

成長の速さに本当に驚きました。

音楽を楽しむために

音符が読めること、音程が取れることが目標ではありません。

音楽を楽しむために、音符が読めることは大きな力になります。

音程が取れれば、歌もどんどん楽しめるようになりますし、ピアノで今、弾いている曲についても、楽譜どおりに弾けているかどうか、自分で確認できるようになります。

そのための階名唱ですし、聴音です。

楽しみながら、自然に、ということを大切にレッスンしています。

ピアノのふたを全開にすると、景色が変わります

こんにちは。

グランドピアノのをふたを開けて、譜面台を抜くと、見える景色が変わります。

昨日は、クリスマス会に向けて、その状態でレッスンしたお子さんもいました。

ピアノのふたって?

まだ、教室を始めて1年と少しなので、今回のクリスマス会ではほとんどの生徒さんが連弾での参加です。

昨日は、暗譜でソロを弾く生徒さんのレッスンがあったので、ピアノのふたを開けることにしました。

「当日は、ふたを開けるから、また見える景色が変わるよ。」と話すと、

「ふたって?」と言うので、「では、開けてみましょうか。」と全開にしてみました。

確かに、斜めにふたが上がった状態のグランドピアノは、コンサート以外ではあまり見る機会がないのかもしれません。

ふたを開けて、中のピアノ線やハンマーが見えると、それだけで、ぜんぜん違う雰囲気になって、「わあー、すごい。」

ハンマーの動きが気になりがち

私が大学時代の試験の時だったように思います。

私自身、何かの拍子にふと、目の前のハンマーの動きが気になってしまいました。

一瞬、それまでの集中が途切れてしまったのですね。

あ、と思うと、音をはずし、立て直すのに時間がかかってしまいました。

それ以来、本番の前には必ず、ふたを全開にし、譜面台を抜いて練習するようにしています。

目の前で何かが動いていても、集中する、というのは慣れの要素も大きいからです。

響きの流れる方向も変わります

同じくらい大きいのが、響きの流れていく方向も変わっていくことです。

ふたが譜面台の部分だけ開いている、いつもの状態だと、響きは上に上がります。

全開にすると、ふたに沿って右側に響きが流れていきます。

その分、自分のところに聞こえてくる響きの感覚がいつもとは違ってきます。

今の奏法に変えた最初の頃、発表会前に先生のレッスン室のピアノを全開で弾いた時、どの音を聞いたら良いのか分からなくなってしまいました。

響きの方向に慣れるためにも、全開で弾く練習は必要です。

本番に向けて

昨日の生徒さん、何回か繰り返して弾いてみました。

最初は、「動くのが確かに気になる。」と言っていたのですが、弾いているうちに「大丈夫。」となりました。

本番に向けて、あと10日、いろいろ調整していけるように、レッスン内でも工夫していきます。

2018.12.07

トロンボーン、大きい!

こんにちは。

16日のクリスマス会に向けて、準備中です。

昨日は、中学校で吹奏楽部に所属している生徒さんが、トロンボーンを持ってきてくれました。

(写真を撮り忘れました!残念です。上の写真は昨日の実物ではありません)

クリスマス会で、吹いてくれることになっているからです。

 

見て、その大きさにちょっと驚きました。

考えてみると、いつも吹奏楽部の演奏中に吹いている姿を見ていたわけで、実物をこんなに間近でしっかりと見ることは初めてでした。

以前「ふるさと」を吹いたことがあるとのことだったので、当日も「ふるさと」にしましょう、と以前に決めていました。

ところが、トロンボーンは主旋律を吹くことが少なくて、吹いたことのある「ふるさと」もメロディーはほとんどないとのこと。

いろいろ相談の末、小さいお子さんも多いので、「きらきら星」に変更することにしました。

 

「『ド』の音を出してね」と言って確認すると、シ♭。

調号はヘ音記号をつかうというので、大急ぎでその場でハ長調の楽譜を書いて、これでどう?と試してみたのですが、どうも音が安定しません。

「何の音を出すか分からなくなる。」と言うのです。

「あれ?」と思って、「譜面上で、ドの音は、第何線とか第何間とか、分かる?」と聞くと、「第2線」。

うっかりしていました。「トロンボーンは実音表記」でした。

実際に出てくる音を楽譜に書く。

だから、変ロ長調で書く必要があったわけです。

そして、意識としては、それを「ドドソソ~」と思いながら演奏している、ということですね。

 

変ロ長調に書き直して吹いてもらうと、1回で上手に吹けました。

さすが毎日練習しているだけのことはあります。

そして、当日、こんなに大きな管楽器を見せてもらえると、みんな大喜びだと思います。

また楽しさが一つ加わりました。

2018.12.06

ピアノのレッスンを通して、自分の身体の感覚に意識を向けていく

こんにちは。昨日は、自分のレッスンに行ってきました。

私は、自分の教室では教える立場にある反面、先生のところでは教えていただく生徒の立場になります。

レッスンの受け方について考える機会でもあるので、その部分を含めて、昨日のレッスンで気づいたことを書いていこうと思います。

身体の感覚をしっかりつかむ

私の先生は、ご自分で美しい響きをいつも研究しています。

そこで気づいたことの、言わばエッセンスを教えていただいている訳ですが、生徒である私はは身体の感覚を言葉を通して聞いていることになります。

実際に自分自身の身体の感覚をしっかり持っているかどうか、というのは意外に重要なことです。

今年に入ってから、私も筋トレをして、身体の筋肉のつけ方やその筋肉が動いている感覚、力を入れる感覚がつかめるようになってきました。

実際に、昨日のレッスン時、姿勢について教えていただいたのですが、手の幅を狭くした腕立て伏せをするときの筋肉の使い方ととても似ていました。

その筋トレをしていなければ、なかなかイメージがつかめなかったでしょう。

自分の身体の使い方に意識を向けることの重要性を改めて感じました。

常に注意深く音を聴く

先生の弾いている姿を見ると、常にバランスが取れています。

例えば、手首のポジション一つとっても、上げているときもあれば、下げているときもあります。

肩回りの位置についても、柔軟です。

ただ、それを言葉を通して、レッスンで学んでいると、どうしても固定した狭い感覚でとらえてしまいがちです。

結果として、音型によって弾きにくかったり、響きが思うように出なかったりします。

そこをうかがったところ、結局、自分の求める音が出せるかどうか、ということに収束する、というお話をしてくれました。

先生の音についての研究は、先生の耳が基準。私が、その音に少しでも近づく方向の音が出せているかを聞き分けていくのが私の耳、ということになります。

その1音がどんな性格を持っているか。集まっている音なのか、散漫な音なのか。

集中して聴いていく。それに尽きることになります。

学び取るのは自分自身

先生が教えてくれたことを、学び取り、自分のものとして消化していくのは自分自身ということ、これも重要です。

昨日のレッスンでは、ピアノと自分自身との位置関係について、改めてお話がありましたが、何年か前に伺っていたことと重なる部分がたくさんありました。

ただ、私自身がその間に成長しているので、捉え方も変わってきますし、身体の使い方も、以前よりは意識してできるようになっています。

音を聴き分ける耳も、進歩していると思っています。

その中で、より上の段階の感覚で先生の言葉をとらえ、具体化していく。

これが、レッスンを継続して受けていることの最大のポイントなのです。

昨日よりも今日、今日よりも明日、またよりよい響きを見つけて練習していきます。

2018.12.04

ピアノについての経験の幅を広げる

こんにちは。

ここのところ、ピアノについて今までとは違う新しい経験をいろいろしているので、今日はそれについて書いていきます。

気づくことがたくさんあり、自分自身の勉強にもなりましたし、レッスンに生かせる部分もありそうです。

日本歌曲を通して日本語の美しさを感じました

1つ目は合唱の伴奏を録音したことです。

葵の会の先輩から頼まれたもので、上田真樹編曲「女声合唱のための 日本抒情歌~さくら さくら~」という曲集の中から4曲「朧月夜」「我は海の子」「赤とんぼ」「野菊」の4曲と、「小さな世界(It’s a small world)」「私の太陽(’O sole mio)」の計6曲。

日本歌曲の美しさ。

小中学校で歌ったことのあるものばかり。

歌詞の中に歌われている風景が頭に浮かびます。

春のぼーっとした暖かさのなかに浮かんでいる月も、波が打ち寄せてくる海岸も、秋の夕暮のとんぼも、野菊の可憐さも。

昨日などは一日「きれいな野菊、薄紫よ」という歌詞が頭に浮かんでいました。

やはり、自分の感覚の中にしっかりあるものなのだな、という実感が持てましたね。

歌詞を味わいつつ歌う、ということを改めて体感しました。

12月にはフィガロの結婚の伴奏もあるのですが、こちらももう一度歌詞をしっかり読み込もう、と思いました。

録音の難しさ

しかし、伴奏の録音は難しかった!

現代の編曲なので、和音が細かく変化していく部分が多かったことと、手が小さいと弾きにくい部分が多かったのです。

同時に「録音」というのは、気に入らないと何度でもやり直しができます。

逆に言うと、いつまでたっても終わらない、ということになってしまいます。

グレン・グールドが納得できるまで取り直しができるということで、録音での演奏を選んだことは有名ですが、逆にそれは精神的にずいぶん大変なことだったのではないかと思います。

一方、アルゲリッチは、私の先生の話によると、2回弾いて、好きな方を使って、ということで録音を終わりにするのだそうです。

これも納得。

いきなり世界的ピアニストを頭に浮かべてしまいましたが、録音そのものにとても時間がかかってしまい、改めて録音の良さと難しさを感じました。

作品発表のための演奏に向けて

来年の葵の会定期演奏会では、私は小菅泰雄氏のピアノ作品を演奏します。

こちらの事前準備のため、先日大宮で聞いてもらいました。

日本的な音階が使われているのが特徴で、「AOI」という題名なので、「源氏物語」の「葵」なのかな?と思っていたら、そうではないそうです。

ただ、どことなく、不思議な世界が感じられたので、思い切ってペダルを踏みっぱなしで4小節弾いて響きを混ぜるなど、自分なりに工夫をし、聞いてもらいました。

作曲者ご本人にお話をうかがいながら曲を作っていく、というのもまた新しい体験でした。

rit.のタイミングや、曲の区切りなど、楽譜を読んでいるとはいえ、微妙に私の癖が出ているということも感じましたので、改めて、他の曲を弾く時にも、作曲者の意図を楽譜からしっかり読み込んでいくことの意義を再認識し、とても勉強になりました。

経験の幅を広げる

今までしたことのない新しい経験には、とまどうこともある反面、自分自身を振り返る良いきっかけにもなりました。

小さいお子さんの場合には、ピアノ教室で学ぶ内容の多くが「新しい経験」。

きっとこんな感覚なのかな、と思う部分もありました。

経験の幅が広がることで、今まで学んだこともより深く学び直す要素もあります。

新しい経験を楽しみつつ、今まで学んだこともより深めよう、と考えています。

2018.12.03

ピアノレッスンに取り入れるために、リトミックの講習に行きました

こんにちは。

昨日は、横浜に出かけ、1日、リトピュアリトミックの講座に参加してきました。

3歳以下のお子さんの場合、さまざまな面で個人差が大きく、ピアノの前段階として、リトミックの要素を入れていけたら良いな、と以前から考えていたからです。

参加者10人。和気あいあいとした雰囲気の中で、リトミックを学んできました。

音感を育てる工夫

絶対音感そのものが果たして音楽を表現する上で必要なものか?直接の影響はありません。

現に私の先生も「僕は絶対音感ないからね~。」と言っています。

私自身は、ピアノの音を基準にして音の高さを捉えることができますが、実はこれはかなり大雑把です。

自分で音を作っていく、例えばバイオリンの人などの耳は非常に細かい音の違いを聞き分けられるのです。

ただ、ある程度、音のイメージが頭の中にあることはプラスにこそなれ、マイナスにはなりません。

絶対音感をつけるために、というのではなく、楽しみながら、結果的にある程度身に付けることができた、というのは意味のあることでしょう。

「おへんじのうた」。お返事をしながら、音の高さをとらえていきます。交代で先生役も生徒役もやりましたが、楽しいものでした。

リズム感を育てる工夫

動物キャラクターカードというのを使って、リズムを学んでいきます。

動物の鳴き声でリズムを感じていくので、小さいお子さんでも分かりやすいでしょうね。

0歳、1~2歳、3歳のクラスがあるとのことで、段階によって、さまざまなバリエーションがありました。

自然にリズムが取れるような工夫には感心しました。

このカードを使ったリズム打ちも、先生役・生徒役ともに体験しましたが、これもとても楽しくできました。

集中力が必要なので、その訓練にもなりそうです。

まだ、音符に慣れていない小さいお子さんのレッスンに取り入れていこうと考えています。

個人レッスンのピアノ教室の良さを生かして

グループレッスンにはグループレッスンの楽しさがあります。

一方、ピアノ教室の最大の特徴は個人レッスンであるということ。

一人ひとりの生徒さんに合わせて内容を考えていくことができます。

ピアノという楽器に、自然につなげられるように、今回学んだリトミックの内容をアレンジして、レッスンに取り入れていきます。

先日も、今、レッスンに来ている生徒さんのお母様から、弟さん(年少)の入会について、ご相談をいただき、年中さんになったタイミングで始めることになりました。

小さい生徒さんが、「音楽は楽しい」と思っていただけるように、工夫をし、レッスンを進化させていきます。

趣味でピアノを弾くからこそ、音色にこだわってほしい

こんにちは。

昨日は、忙しい方が、少ないピアノ練習時間をうまく使うための工夫ということで書きました。

関連して、今日は、「趣味でピアノを弾くからこそ、音色にこだわってほしい」と思うので、それについて書いていきます。

忙しい方が陥りやすいループ

私自身のことを少し、例にあげてみます。

私は、「教育学部音楽科」の出身ですが、中学校現場で「国語科」の教員として長く働きました。

ですから、その期間について言えば、ピアノは「趣味」に近く、少ない時間をやりくりしつつ練習していました。

その頃は、「弾けるようになる(音を間違えずに並べられるようになる)」という段階がまずあって、次に「曲の解釈」「曲想をつける」て「表現する」という段階になる、と大きく言うと2段階にとらえていたように思います。

仕事をしながら、少ない時間をやりくりしていると、昨日書いたような工夫をいくらしても、なかなか第1段階である「弾けるようになる」というところがクリアできません。

いつまでも弾けない→自分らしい曲想をつけて「表現する」ことができない→レッスンに行きづらくなる→弾けたらレッスンに行こうと考える→次のレッスンが決まっていないので練習が後回しになる→さらに弾けない

という困ったループにはまってしまいがちです。

私だけでなく、同じようなループにはまってしまった方を、何人も知っているので、ありがちなことなのです。

音色にこだわると、過程がより楽しめるようになります

今の奏法で音色にこだわり、響きにこだわるようになってから、感覚が変わりました。

常に、すべてが一つのまとまりとして感じられるようになるのです。

たとえ8小節であっても、弾きながらその8小節の音楽を細かく感じることができる。

忙しくて練習がなかなかできなくても、8小節なら、何とかなります。

そしてその8小節の中に、自分なりのイメージ、表現を反映させていくことができます。

実際、「今日は、これしか弾けません。」と言って、1ページだけしかレッスンに持っていかなかったこともありました。

それでも、その中で音の出し方、響かせ方、学ぶべきものがたくさんあったり、自分自身の進歩が実感できたりしました。

小さい単位であっても、その中に大きな広がりがあり自分らしさを「表現」していくことができる。

過程をより楽しむことができるのです。

極端な話、1音でも良いのです

時々は、1音の出し方だけで、かなりの長時間レッスンしていただいたこともあります。

その大切な1音。

どう響かせ、どんな音がほしいのか。

そのためには、身体をどう使い、指や手をどう動かしていったら良いのか。

先生の響きを聞きながら、自分の耳で、今度は自分の音を聞いていく。

その繰り返しをしていきます。

これも、とても貴重な時間であり、貴重なレッスンなのです。

何よりも楽しむこと、続けることが大切

1音でも良い、となると、ずいぶんハードルが下がるのではないでしょうか。

ピアノの前に座り、集中して音を出す時間を、少しでも持つこと。

忙しい生活を送っているからこそ、その時間が楽しいものであってほしい、そして楽しいからこそ続けられる、そう思うのです。