「2019年 4月」の記事一覧

年中さん、ピアノが楽しい

この4月から幼稚園年中になった男の子の生徒さん、昨日もニコニコしながらレッスンにきました。

髪の毛を切ってさっぱりしていたので、「髪の毛、切ったの?」と聞いたら、「バレたか。」と言うのがかわいくて、笑ってしまいました。付添いのお母様も思わず苦笑。幼稚園でいろいろな言葉を覚えてきますね。

音符が上手に書けるようになった

おんがくのーとにドとソをたくさん書いてきました。全音符が上手に書けるようになり、ドとソの区別もだいぶはっきりしてきました。

ピアノに向かって、ト音記号、ヘ音記号のドとソ、4つの音の組み合わせを弾く練習にもだいぶ慣れ、スムーズに弾けるようになってきました。

指人形もさっとはめてお歌に合わせて指を付け根から曲げる体操と、お指の逆立ちの体操。これは、手の使い方の練習と指の筋トレになります。

指を付け根から曲げる動きは、日常の中ではなかなかありません。ピアノの前に座ると、「音を出すこと」「曲を弾くこと」に気持ちが行きがちなので、取り出して練習しています。

曲の練習もたくさんしてきた

最初は「じー」から。リズムにのって3拍「じー」と弾きます。音楽を聴いて、タイミングよく入ることができました。

次は「けーぶるかー」ちょっとこれは難しかったようです。ヘ音記号のドとソ、ト音記号のドとソを下から上に4拍ずつのばして弾き、今度は上から下に下りてくるのですが、1回目は途中で違う音を弾いてしまいました。

「間違っちゃった。」「事故がおきちゃったね。」ということで、もう一回。今度は、ドソドソと上手に上がれたのですが、下りるときにソを弾かずにドの音から始めてしまいました。

「早く発車しすぎちゃった。」ということで、3回目のチャレンジ。今度は上手に弾けました。

小さいお子さんは特に楽しく

ピアノが上達するために、練習はどうしても必要です。ただ、せっかく練習するのなら、やっぱり楽しいほうが良い。特に小さいお子さんはそうですね。

楽しいから練習する、練習するから上手になる、上手になるからさらに楽しくなる。こんなふうにつながっていくことが理想です。

最後に「まつぼっくり」の歌を一緒に歌いながら、手遊びをして終わりましたが、にこにこして帰っていく様子を見ながら、楽しさと内容の両方を、レッスンの中で味わえるように、さらに工夫していこうと改めて思いました。

2019.04.16

身体の使い方をレッスンしてもらう

昨日は、都内までレッスンに行ってきました。新しい曲はまだ弾けていないのですが、身体の感覚を戻すために、先生に見ていただくことが最大の目的です。

このあたりのレッスンの受け方は、一般的なピアノのレッスンとは違い、むしろ声楽の、それも発声のレッスンに近いところですね。

手のポジションの修正

「ポジションが下がっていると思うのです。自分なりに修正してから来たのですが、まだ低いのではないかと思っていて…。」という話をしてからレッスンを受けました。

弾き始めてすぐ「惜しい。確かに少し下がっている。」とのこと。私自身も音の上がり方がいつもと違うと感じていました。

「基本は上にある感じ。弾く時に下りるイメージ。」と実際に弾いていただきました。聴きながら、手元も見て、手と響きの確認をしてから、もう一度弾き始めました。

「今だと、下部雑音がほとんどない状態になっていますね。」と言っていただき、ようやくリセットされた感じがしました。

小指の音が思うように上がらないと感じていた部分も、「もっと小指は引き上げる感じ。そうすれば、引き上げた瞬間に音が上に上がります。」と引き上げ方が足りなかったことを教えていただき、今度は響きがまっすぐ上に上がるイメージで弾けました。

良かった良かったと調子にのって、すぐ次の同じ音型を、同じタッチで弾いてしまいました。そこは「まったく同じ音ではないはずです。」ということで、修正。

自分では甘くなりがちな部分を、指摘していただき、耳の感覚もリセットされました。

椅子の高さ

姿勢との関係で、クッションを使ったほうが良いかもしれない、と言われ、クッションとそれでも足りずにひざ掛けも折りたたんで使いました。だいぶ高さが上がりました。

私は背が低いので、本当は、このほうが良いのですが、まさかステージのピアノ椅子にクッションを使うわけにもいかないので、本番の前には一般的なピアノ椅子の高さで練習をします。そうするとどうしても肘の高さが鍵盤よりも下がってしまうのです。

自宅のピアノ椅子は2種類あり、一つは普通の椅子。一つは小さいお子さんも使えるようにとかなり高くまで上げられる椅子。家でも、姿勢の確認をする時には、高い方の椅子を使います。

ここのところ、普通の椅子を使っていたので、それも全体として下がり気味になる原因だったかもしれません。

帰宅してから、高い方の椅子で弾いてみると、腕を自由に動かせる感じがしましたし、重さをしっかり鍵盤にのせられる感じがしました。やはり、椅子の高さは重要です。

自分の感覚そのものを進化させていく

今回は、自覚できていた部分が今までよりも大きかった、という意味で、自分自身の進化を感じることができました。

楽器が教えてくれた部分もたくさんあります。先生にも「ピアノが変わったから、自分で分かったんじゃないですか。」と言われましたが、ほんとうにそうです。

今のピアノだからこそ、細かい部分の違いを感じ取ることができた、ということは、確かに大きいと思います。

自分の感覚そのものを、少しの違いが感じ取れるように進化させていく、そのことが結果として自分の演奏に反映されていくのではないか。そんなことを感じながら、帰ってきました。

2019.04.15

身体の使い方を意識し直す

葵の会定期演奏会前は、どうしても、本番で演奏する曲目を中心に練習しがちでした。

姿勢は意識していたつもりではありましたが、速いテンポでトレモロをたくさん弾いていたので、全体に手のポジションは下がり気味だったようです。

演奏会も終了したので、昨日から改めて、身体の使い方を意識し直しながらバッハを練習しています。

姿勢をチェックし直す

座るところから始めて、お腹の支え・肩甲骨、大胸筋、前腕の支え、手首、虫様筋と一つずつ確認をしていきました。タッチの変化も意識しながら、ゆっくり弾いていきます。

腕・手の使い方や手首の位置のイメージの持ち方。肩甲骨から手までの意識の仕方…と考えながら弾いていると、肩に力が入っていてやり直し、今度は親指が下がっていた気がして、もう一度やり直し。

いわゆる「難しい曲」ではないのですが、ていねいに考えていると、きりがないような気がしてきました

考えすぎていても、音楽がすすまないのですが、今回は、身体全体の感覚のチェックが目的なので、しっかり考えることにしました。

音色のチェック

速い曲を弾いていると、どうしても音色の変化までは意識がいきません。今回のモーツァルトはとにかく必要なテンポ感を出していくことに重点をおいていましたので、よけいです。

ゆっくりした曲の音色の確認もしていきました。ほんの一週間くらいなのですが、やはり、感覚がずれてしまったと自分でも自覚しました。

音色の変化ということに対する、自分の耳の繊細さが変わってしまったという感覚でしょうか。

一音ずつ、タッチを確認しながら、同時にそのタッチによって上がってくる響きをもう一度頭の中に入れ直す感じです。

ていねいに、ていねいに。姿勢・指の使い方を確認しながら耳をすまして自分の音を聴いていきます。

自分の行きたい方向を自分で目指す

私自身の演奏の方向性、私自身の行きたい方向をしかり見定め、そこに向かって練習していく。

結局、いちばん大切なのはその部分です。曲のイメージに合った多彩な音色で演奏すること。響きを使って、彩りのある音楽を作っていくこと。その方向を目指していきたいのです。

今の師匠に指示してまる7年。今年は8年目になります。ようやく、自分なりに「意識する」ことはできるようになってきましたが、先はきりがありません。

ていねいに、自分の行きたい方向を向いて、練習していきます。

2019.04.14

第55回葵の会定期演奏会を終えて

昨日は、私が所属する葵の会の第55回定期演奏会でした。私達の演奏を聴きに来てくださった方々に、ほんとうに感謝しています。ありがとうございました。

今回は、平成最後ということ、55回という節目の年であるということから、第2部で「魔笛」「フィガロの結婚」のオペラの中から独唱・重唱・三重唱・合唱を取り上げました。

私自身は、「フィガロの結婚」の序曲と伴奏6曲・フィナーレの合唱の伴奏を弾くことになり、また、作品発表のピアノもお引き受けしたので、今までのピアノ独奏とは全く違う勉強をすることができました。

歌詞を手がかりに音楽を理解していくこと

今回の伴奏を通して、私にとってこの「歌詞を手がかりに音楽を理解していくこと」が学べたのは大変大きな収穫でした。

詩の形式、詩のアクセントを理解して、音楽とのつながりを見ること。モーツァルトは、ほんとうにイタリア語を自分のものとして作曲していたことがよくわかりました。

基本的に詩のアクセントのある部分は、強拍にきています。その流れを生かすように演奏を考えていく。音楽がどこに向かっていくか、ということを意識するようになりました。

歌詞の内容を理解していく。久々にイタリア語の辞書を引きましたが、ありがたいことに、電子辞書は、入力途中で候補を出してくれるので、ずいぶん楽になりました。

ここからも、モーツァルトが歌詞のイメージを音楽に反映させていたことがよく理解できて、感動しつつ、練習していました。

作曲者のイメージを汲みつつ、自分の音楽を表現していくこと

作品発表の演奏では、「作曲者のイメージを汲みつつ、自分の音楽を作り、表現していくこと」を課題として練習してきました。

今回演奏した「AOI」という曲ですが、作曲者からは、「歌のイメージ」ということ、「対比」ということを何度も言われました。

聴いている人に「歌」を感じてもらうにはどうしたら良いのか?

ロシアピアニズムの奏法の場合、「歌う」ということをとても大切にしていますし、自分でもその部分を意識していたつもりではあったのですが、作曲者の方の「歌う」イメージとは違っていたようなので、そこの部分でずいぶん考えました。

音色を変える、息を意識してフレーズのつながりを考える、歌う感覚だとしたらピアノ曲と違うかもしれないことは何なのか、もう一度改めて、いろいろに検討しながら練習する良い機会になりました。

同時に「対比」を意識して音楽を作っていくこと。これも、私の感覚との違いを感じつつ、よくお話を伺い、イメージを共有しながら自分のものとして表現できるように練習をし、本番を迎えました。

幸い、ある程度は作曲者のイメージしていたものに近づけた演奏ができたようで、ホッとしました。

ふり返ることは次に学ぶための原動力

本番を終え、特に過程をふり返ることは、また次に進むための原動力となります。

会を創立した時から続けている先輩が「今年よりは来年、きっと良くなっている、そう思って続けてきたら50年以上たっちゃったのよ。」と言っていましたが、ほんとうにそうだと思います。

昨日は、うれしいサプライズもありました。私の大学時代のピアノの恩師、松原正子先生が聴きに来てくださっていたのです。

終演後、楽屋にいらっしゃって、私を含め、教えていただいた卒業生何人かでお話しすることができました。

私も「まだまだ進化することができるわよ。」と励ましていただき、また新たな力をいただきました。

さっそく今週は自分自身のレッスンが入っていますので、地道に、次の課題に取り組んでいきます。

幼稚園・保育園でピアノを弾くときに

たうらピアノ教室には、幼稚園の先生や保育士を目指す学生さんもレッスンに来ています。現役の保育士さんや小学校の先生がレッスンに来ていたこともありました。

お仕事で、ピアノを弾く必要のある生徒さんの場合には、小さいお子さんのレッスンとは違って「実際に弾いている場面をしっかり考える」ということが大切です。

常に子どもたちを見ながら弾く

例えば、保育園でピアノを弾きながら子どもたちが歌を歌っている場面を想像してみましょう。

日常の中で、「おべんとうのうた」を弾きながら、子どもたちが歌うとしたら、これから食べるお弁当を前にして、食事が楽しく取れるようにしたいですね。ピアノを弾いて、その雰囲気作りをしていくことになります。

では、そのためには、どうしたら良いでしょうか。一つは、ピアノが自信を持って弾けていること。気持ちは音楽に表れますから、自信を持って弾いていると、それだけで場の雰囲気を作る大きな力になります。

同時に、子どもたちの様子を見ながら弾くことも欠かせません。子どもたちは、先生の視線を実によくとらえます。ここの部分については、実際に多くの中学生を見てきてその実感を持っているので、とてもよく分かります。

しっかりと様子を見ることで、トラブルを事前に回避したり、気になる子どもに先に声をかけたりすることができます。結果的に、それは、先生に対して子どもたちが心から信頼を寄せることにもつながります。

子どもたちを見ながら弾くために

では、子どもたちを見ながら弾くためには、どうしたら良いのでしょうか。

重要なのは、鍵盤の位置を「指や手で確実に覚える」ということです。一つ一つの曲を仕上げる時もそうですし、バイエルなどの練習曲を練習する時もそうです。

楽譜と手を見て、常にどちらかを見ている、という状態ではなく、ある程度、手の感覚で弾けるようになることがとても大切なのです。

「学校の課題だから…」「保育士の試験にあるから…」ではなくて、実際に現場で使えるようにするためには、この「子どもたちを見ながら弾けるようになりたい」という意識を持っているかどうか。

レッスンへや練習への姿勢がそれによって大きく変わりますし、結果的に進歩の度合いも変わってきます。

「どんな自分でありたいか」を考えていく

ピアノに限りませんが、「どんな自分でありたいか」を考えていくことは、とても大切なことです。

仕事でピアノを弾く大人の生徒さんだからこそ、そこはある意味、とてもはっきりと具体的です。

でも、「どんな自分でありたいかを考える」ことは、大人の生徒さんだけのことではなく、子どもさんも同じですね。そして、どれくらい具体的に、はっきりとイメージすることができるか、これがも結果に大きく影響することも同じです。

新しい年度を迎えて、お子さんはお子さんなりに、大人は大人なりに、そのあたりを改めて考えるには良い機会ではないでしょうか。

私自身も、明日の本番を節目に、また次の自分のあり方をしっかりと考えていこうと思っています。

2019.04.11

手の支えを意識する

先日のリハーサルで、現在は同じ門下にいる先輩と休憩時間に奏法についての話をしました。

手の支えを作ることで下部雑音をなくす

その方は、今年はスクリャービンの前奏曲を演奏します。音が上に上がりとても美しいスクリャービンでした。

「ほんとうに浅いところをねらうように言われているのだけれど、それが難しくて、つい深くなってしまう。『下部雑音』が出てしまうのよ。」

下部雑音というのは、ピアノの鍵盤が一番下に下がった時にする音。いわゆる「しっかり弾く」時にカタカタという感じの音が鳴るのですが、その音のことです。

スクリャービンは響きを混ぜることで、美しい音楽になります。そのためにはほんとうに浅いところ、音は鳴るけれども、鍵盤が下がりきったときの音は出さない、そこをねらって弾く必要があります。

「結局、手の支えなのよね。」という話になりましたが、ほんとうにそうなのです。手の支えをしっかり作ることでコントロールしていくことになります。

手の支えを意識して速い部分を弾く

今回、私は「フィガロの結婚の序曲」を弾くのですが、これがものすごくテンポが速いのです。その中で、支えをつくることの重要性を特に実感したのは、同音連打の部分です。

鍵盤の浮力を使って連打していきたいので、あらかじめしっかり支えを手の中に作り、支えの部分にだけ力を入れて、指先の力を抜いて弾いていきます。

うまく支えが作れた時は、テンポ通り弾けるのですが、鍵盤の戻りが間に合わなず、連弾の音が一つにくっついて聴こえてしまう時は、支えが不十分な時。これは、歴然としています。

同時に、後半に出てくる音階の下降形。この部分を弾く時もそうです。一つ一つの鍵盤を下まで鳴らしていては絶対にテンポに間に合いません。

練習の時は、とてもゆっくり一音ずつ、1本ずつの指に、力をかけて弾いていきますが、実際のテンポで弾くときには、鍵盤の底まで指を下げることはせず、浅いところをねらって、一気に下降していきます。

それでも、一般的にオーケストラで演奏されるテンポよりは遅くなってしまうのですが、このロシア・ピアニズムの奏法でなければ、今弾いているテンポでも、「フィガロの結婚」の序曲を弾くことはできなかっただろうと思います。

日常の練習の中で支えを強化していく

結局、日々の練習、筋トレをしていく中で、支えを強化し、できることを一つずつ地道に増やしていく、それしかありません。

確かに、私自身も最初に比べれば、支えができてきたことで、オクターブもずいぶん弾きやすくなりましたし、鍵盤の上のほうをねらって弾く音階も、ある程度弾けるようになってきました。

私の先生も、話をしていても常に指は動いて支えを作る時の筋トレをしています。やはり「弾ける手をつくる」これが重要なのです。

本番まであと2日。今ある力を最大限発揮できるように練習していきます。

2019.04.08

伴奏の難しさと楽しさ

昨日は、間近に迫った葵の会の定期演奏会のリハーサルでした。今回、私は作品発表の演奏と、「フィガロの結婚」から序曲の演奏とアリア・二重唱・合唱の伴奏です。

音量をコントロールする難しさ

伴奏もしばらくぶりなので、いろいろな意味で勉強になります。昨日のリハーサルでは、音量の確認をすることが重要な目的の一つになっていました。

伴奏のピアノの音量が大きすぎて、歌を邪魔してはいけませんし、かといって小さすぎると音楽そのものが縮こまって聴こえてしまいます。

自分の耳の感覚を使って、歌う人と自分の音量を捉えていくことが大切になってきます。

昨日の場合、前半の「魔笛」が終わった段階で、半開だったピアノの蓋を全部開けてみようということになりましたので、音量はよけいに気を使いました。

歌う人の立ち位置、ピアノを置く位置によって聴こえ方は大きく変わる

実際に弾いてみると、歌う人の立つ位置によっても、聴こえ方が大きく変わることがわかりました。リハーサル後に、ピアノの位置を動かし、歌う人もステージ上を動きながら歌って、一番良い位置を探りました。

歌とピアノの混ざった音を捉えやすい位置と、歌の声がわかりにくくなる位置があるということがよく分かりました。私にとってはある程度ピアノに近いところで歌ってもらえるとよく分かります。

ただ、歌う人によっては、ピアノにあまり近いと、ピアノの音量を意識しすぎて力んでしまうので離れたいという人もいました。このあたりも人によって感覚がずいぶん違います。

聴いていた方の話では、音量は大丈夫だったとのこと。また、録音を聴いてみる限りでも、特に違和感がなかったので、ほっとしました。

ともに音楽を作り上げていく楽しさ

先日のムーティのリハーサルで「オーケストラは『伴奏』ではありません。ともに音楽を作り上げていくのです。」という言葉がありました。

ピアノであっても、意識はそうありたいと思っています。「伴」奏という気持ちではなく、ともに音楽を作り上げていく感覚。

本番のステージの上で、歌う人が自分の一番良い歌を披露でき、私もともに一つの音楽を作りあげることができた状態。

それを理想として頭に置きながら、あと一週間、練習をしていきます。

年中さんのレッスン―成長に合わせて楽しく

4月から入会した、保育園年中の生徒さんのレッスンが始まりました。体験レッスンでも、いろいろなことをやって、ピアノが弾けることも楽しみにして来てくれました。

年少さん、年中さんくらいの小さいお子さんの場合は特に、できることを中心に楽しく、と考えています。年齢とともに、できることがどんどん増えていきますから、成長を待つということがとても大切です。

何回か練習するとできるようになっていく

先日のレッスンでは、まず、へ音記号のドを書くところから。線と線の間に○を書く。これも意外に難しいのですね。

最初は、○が閉じなかったり、最後にくっついたと思ったら、○の中にぐるぐると鉛筆で線を書いたり、だったのですが、いくつか練習しているうちに、きれいな○が書けるようになりました。

次にト音記号のド。こちらは線を真ん中に書くので、もう少し難しい。こちらも、いくつか書いているうちに上手になってきました。

やはり、最初は難しくても、書いているうちに慣れてきます。だからこそ、実際にやってみるということが必要なのですね。

ピアノの前に座ってドの音を弾く

ピアノに座る前に、「この間先生が言ったこと、覚えている?座る時に、触らないお約束をした場所があったでしょう?」と聞くと、ふたを指さして「ここ」と答えました。

ちゃんと覚えていました。そしてふたに触らないようにして椅子に座ると、すぐ真ん中のマークを指さして、「こことおへそを合わせる。」と自分で言いました。

これも、前回、体験レッスンのときのことをしっかり覚えていたのです。小さいお子さんが覚えよう、と思った時の、集中力、記憶力は、ほんとうにすごいです。

ヘ音記号の「ドの音」を探して、3の指で弾いてみました。左手をぶらぶらさせて、形を作って弾いていきます。

「どのおと」と言いながら4拍分伸ばします。次に、音楽をかけて音楽に合わせて弾いてみました。リズムにのって4拍。弾けました。

次に右手で、ト音記号のドの音を弾いていきます。こちらもできました。

一人ひとりの成長に合わせていく

これは、個人レッスンのピアノ教室ならではの良さです。一人ひとりに合わせてレッスンしていくので、その生徒さんの成長、個性をよく見て、オーダーメイドのレッスンができます。

私の場合には、公立中学校で教えていたので、一人ひとりの違いにどれくらいの幅があるのか、実感としてよくわかります。ある一人に合うことが万人に合うとは限らないのです。

レッスンが終わって、にこにこしていた年中さんの顔を見ながら、小さいお子さんの成長の場に立ち会わせてもらえる幸せを実感しました。

これからのレッスンが楽しみです。

自分で納得のいくように練習する

自分の納得のいくように練習できるかどうか、というのはとても大切なことです。自分の中に基準があるかどうか、ということにつながってきます。

基準を自分で作る

新小学校1年生になる生徒さんの「ゴセックのガボット」(ピアノひけるよ!シニア)をレッスンしました。

スタッカートも軽やかに、とても上手に弾いていました。

「とてもすてきに弾けたね。」というと「家で練習していた時は、いっぱい間違えて、違う音をたくさん弾いていたんだけど…。」とのこと。

「それで、今日はたくさん練習してから来たの?」と聞くと、「そう。」とのこと。

自分なりに、まず「音符通り間違わずに弾けるようになりたい」という基準ができ、それに向かって練習してきたのでしょう。

自分の中に仕上がりのイメージをもつ

別の小学生の生徒さん、ディズニー映画「リトル・マーメイド」の中の「パート・オブ・ユア・ワールド」を練習中です。

この生徒さんも、音符が読めるようになって、自分で弾ける力がどんどんついてきました。

最後の仕上げの段階で、「こんなふうに弾いてみたら、より美しくなるよ。」ということで、話しながら、いくつか弾き方を変えて、私が弾いてみました。

「ああ、そうか!」ということで、生徒さん自身が、自分なりに少し工夫を加えていくと、また、曲の印象が大きく変わりました。

自分の中に仕上がりのイメージができてくると、音楽も大きく変わります。

「やりたい」という気持ちが大切

大切なのは、やはり「こう弾きたい」という本人の思いでしょう。

そのスタートになる部分を作る最初のうちは、練習回数を示して弾けるようになる体験を増やしていったり、弾き方の例を示したり、ということも必要になってきます。

最初は、先生やお家の人から与えられた部分は大きいかもしれません。でも、成長するにつれて、それがはっきりとお子さん本人のものになっていくのです。

2019.04.05

弁天沼(鳴かずの池)の桜

昨日はとても気持ちの良いお天気だったので、久しぶりに自転車に乗ってきました。

行き先は岩殿。あまりこの方向には行かないのですが、ふと、そういえば岩殿観音の本来の参道はこちらだったはず、と思い出して行ってみたところ、池と桜と山の緑が美しく、参道までは行かずに、この「鳴かずの池」の写真を撮って帰ってきました。

高坂には、有名な「坂上田村麻呂の悪竜退治」の伝説があります。高坂小学校の校歌の1番「昔悪竜退治して功立てたる将軍が…」と歌われています。

その時、退治された悪竜の首を置いたために、カエルが怖がって住みつかないから「鳴かずの池」と言われているのだそうです。

池の中にある瓦屋根の建物が、弁天堂。中には石の弁財天が安置してありました。これは新しく見えました。

池の手前の斜面に板碑がありました。梵字が刻まれています。1368年に建てられたとのことで、意外に古いものだったので、ちょっと驚きました。

もっとも、このあたりは、 岩殿山正法寺も比企氏と源頼朝と関係がありますし、平安時代末期から鎌倉時代に活躍した多くの人物と関係の深い土地柄でもあるのでしょう。  

考えてみたら、ピアノ教室のすぐ近くには「鎌倉街道」もあるし、高坂駅東側には秩父氏の一族であるという高坂氏の館跡もあります。

自転車でちょっと出かけただけで、こんなに歴史を感じさせる事物がたくさんある場所に住んでいることにも、驚くとともに、うれしさを感じました。