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2019.03.24

「『響き』に革命を起こす ロシアピアニズム」出版記念セミナーに行ってきました

私のピアノの師匠、大野眞嗣先生の出版記念セミナーに行ってきました。本が出版されて2ヶ月。増刷を重ね、楽器店の書籍コーナーには平積みされています。

それだけ、「響き」で音楽を作っていくピアニズムが注目されているということでしょう。

響きで音楽を作る

前半は、大野先生と川村文雄先生との対談でした。

響きで音楽を作っていく最大の特長として、「どの楽器の奏者も声楽のように歌わせる」「もっと人の声のように、血の通っているように弾いてほしい」という部分に尽きるのではないかと改めて思いました。

ベルカント唱法も話題になりましたが、大きな声で歌うのではなく、小さくてもホールの隅々まで響く音。

フレーニの歌声が頭の中に浮かんできます。ピアノであの歌声、特にピアニッシモの響きが再現できたら、それはなんと素晴らしいことでしょう。目指していくべきはそこにあります。

川村先生のお話の中からは、「倍音をコントロールしていく」という言葉が印象に残りました。

確かに、今、私にとっての最大の課題である、音色の弾き分け。まさにこの部分であると思います。いかに倍音を生み出し、コントロールし、響きを調和させていくか。

より音楽を感じ、より美しいものを自分自身で発見していく。そのために、響きをコントロールしていく感覚をもっと強く持っていきたい、そんな思いになりました。

25のタッチ

後半の公開レッスンでは、甲賀先生が姿勢の基本を確認し、25のタッチの弾き分けを説明なさいました。

改めて姿勢・軸・肩甲骨から腕の意識など、整理していただいて、確認することができました。

タッチは、前回の私のレッスン時よりも増えていました。ブログで25に増えていたことを知っていたのですが、ひとつずつ解説していただけたのは、ありがたく思いました。

それぞれのタッチについて、大野先生ご自身から、「アルゲリッチが16分音符を弾く時に多用しているタッチ」とか「ガブリーロフがよく使うタッチ」「ホロヴィッツがこういう場合に使っているタッチ」などの補足説明もあり、音楽の中でどう使っていったらよいかのイメージが持ちやすいご説明でした。

モーツアルトのピアノ・ソナタ大4番。冒頭の1フレーズ、右手部分だけでも、一音ずつタッチを変え、音楽を作っていく、その実例を見せていただくことができました。

大野先生の演奏も聞くことができて、その豊かな響き、多彩な音色は心に直接伝わってくる感じがしました。

音楽の中にどう生かしていくか

結局、大切なことは、そのタッチを、響きを演奏者がどう生かしていくか、追求していくことにあると、自分自身を振り返る機会になりました。

一音ずつ、タッチを変え、響きを変え、音楽を作っていくこと。つい流れの中で、安易に弾いてしまいがちな「一音」の性格を自分なりにどうとらえていくか、楽譜とピアノと向き合っていくこと。

大野先生との出会いからまる7年。新たな節目に、またたくさんの課題を教えていただくことができた、そんな深く、有意義な時間となりました。

ピアノでいろいろな曲が弾けるようになってうれしい

ここのところで、年度末の面談をしています。生徒さんと、保護者の方と私で、この1年のふり返りをしていきます。この1年のピアノレッスンで、できるようになったこと、頑張ったことを一緒に確認するのです。

ピアノを習っていてうれしかったこと

昨日も3人の生徒さんと、保護者を交えてお話しました。ふり返りの項目の中に、ピアノを習っていて、うれしかったことは?というのがあります。

昨日、お話した生徒さんが、3人ともほぼ同じ答えだったので、ちょっとびっくりしました。

小学校3年生の生徒さんは「いろいろな曲に出会えたこと」。1年生の生徒さんは2人とも「いろいろな曲がひけるようになったこと」。

確かに、教本の目次を見ただけでも、たくさんの曲が並んでいて、こんなにいろいろ弾いてきたのだな、ということが分かります。

「どんな曲を覚えている?」と聞くと、クリスマス会の曲を挙げる生徒さんもいますし、仕上げるのに苦心した曲を挙げる生徒さんもいます。

そうやって自分の中で、こんな曲を弾いてきたのだな、という思いから、「いろいろな曲が弾けるようになったこと」という言葉が出てきたのでしょう。

練習の習慣もついています

練習について、保護者の方にうかがうと、「ちょっとした時間を見つけて弾いています」「自分の中で、毎日やること、と決めているようです」ということで、言われなくても練習する習慣がついている様子が分かり、ほっとしました。

小学校低学年でも、学童保育に通っているお子さんの場合、家にいる時間が短いので、練習時間を確保するのが難しい場合があるのです。

「晩ご飯が早いので、ご飯を食べて、食器を片付けたあとで、弾くことにしています。」と具体的に答えてくれた生徒さんもいました。

毎日の中で、少しずつ積み重ねていくことの意味を、それぞれの年齢に応じて、生徒さん本人が実感できているようで、嬉しく思いました。

できたこと、頑張ったことに目を向けていく

このふり返りでは、基本的に「できたこと」「頑張ったこと」に目を向けていきます。

そうすることによって、自分で自分の良さを見つけていければ、と考えているからです。

年齢ごとに課題は変わっていきますし、ピアノの段階ごとに、それぞれの課題も変わっていきます。だからこそ、節目には前の段階ができたことを自分で確認して、次に進むエネルギーにしてほしいと思っています。

また来年度もたくさんの曲を弾こうね、と面談を終えました。

2019.03.22

坂戸北浅羽の安行寒桜を見てきました

以前、坂戸に住んでいる方から、一足早く花が咲く桜の並木が、越辺川の土手沿いにあるというお話は聞いたことがありました。

今まで、行ったことはなかったのですが、暖かな春の日に誘われて、思い立って場所を調べて、見に行ってきました。

安行寒桜という種類なのだそうで、列植されている例はあまりないのだと、案内板に書いてありました。満開で、ちょうど見頃です。

全体にソメイヨシノよりも少し色が濃く、また中心のピンク色も濃くなっています。

蜂の羽音がずいぶん大きく聞こえて、それにも驚きました。あんな小さい蜂でも、たくさんいると、大きな音になるのですね。

身体の大きさと、羽ばたきの速さがほぼ同じだからでしょう、どの蜂の羽音も同じ位の高さの音。シの音だな、と思わずよけいなことを考えてしまいました。

約1.2キロにわたって植えられているのだそうで、端から端までを往復しました。

帰りがけには、土手沿いの道にも上がってみました。ここからの眺めもきれいです。車で行きましたが、自転車も楽しいかもしれません。

私は、高坂に近い下流側の駐車場に車を置きましたが、鳩山と入西を結ぶ橋のすぐ脇にある上流側の駐車場のほうが広く、たくさん車が止められます。

軽トラ市ということで、農家の方が野菜や花苗を売りに来ていました。

平日の昼間でしたが、意外に人出は多く、カメラを手に写真を撮る人、ワンちゃんを連れている人、小さいお子さんを連れている人、座ってゆっくりお花見を楽しんでいる人でにぎわっていました。

桜も、いろいろな種類があるのですね。一足早くお花見ができて、うれしく思いました。

保育園年少さんの体験レッスン

お子さんにピアノを習わせ始めるタイミング。迷うかもしれませんが、本人が「やりたい」と思った時は、チャンスです。

保育園年少の男のお子さんの体験レッスンをし、入会を決めていただきました。

小学生のお姉ちゃんが、先にレッスンに来ていて、弟さんもずっとやりたい気持ちを持っていたのだそうです。

お母様も「本人の気持ちが大事だと思って。少し早いかもしれませんが、タイミングがあると思うので、そろそろ始めようと思います。」とおっしゃっていました。

最初は右左のゲームから

ごあいさつをして、右左ゲームから。「右と左、分かる?「右はどっち?」と聞くとまったく迷わず、「こっち」と右手を挙げました。

右左ゲームもまったく迷いがありません。これには感心しました。ト音記号とへ音記号を使った右左ゲームもすぐできました。

音符を書く練習の第一歩である、風船のなぞり書きと色塗り。赤い風船ができました。

次に、線の間、線の上下、線上の○のなぞり書きもしました。鉛筆で注意深くなぞっていきます。ていねいに、ていねいに。一生懸命なぞっている様子がとてもかわいい。

年少さんなので、一つ一つの内容を短くして、飽きてしまわないように、ということを心がけて体験レッスンを組み立てていきます。いくつかなぞって「あとはお家でやってね。」ということで、用紙をわたしました。

ピアノのそばに行って、ピアノの中を見せました。電子ピアノのお子さんが増えているので、必ず見せるようにしています。

ピアノの中を見てびっくり

スイッチがなくても音が出ること、鍵盤を押すとハンマーが上がって音が出るという仕組みが少しでもわかってほしいと思っているからです。

下からハンマーがポンと上がってくる様子にびっくり。ペダルを踏んでダンパーが動く様子にもびっくり。「上に上がった!」

今度は右と左から一つずつ鍵盤を弾いていって真ん中探し。

ドの音を弾きます

その後で、真ん中のドを弾く練習をしました。長くドの音をのばして弾きます。手をブラブラさせて、柔らかくして、ドの音を3の指で弾いていきます。「ぶらぶらさせて、そっと弾いてね。」

音が出るとほんとうにうれしそうで、何回も練習しました。最後に伴奏をつけて連弾し、体験レッスンは終わりました。

見ていたお姉ちゃんが「○○ちゃんも、今日は宿題が出たね。」と言っていました。自分が毎週宿題があるので、弟も同じだ、と思ったのですね。

新しい出会い

新しい生徒さんとの出会い。私にとっては、ピアノの楽しさをどう伝えるか考える機会でもあります。

それぞれ個性がある生徒さんに、どうしていったらより楽しくピアノが上達できるようになるか、工夫しながら、体験レッスンも生徒さんに合わせてその場で考えていくのです。

かわいい年少さんの姿を見送りながら、これからのレッスンが楽しみになりました。

2019.03.18

ゆっくりと音色を考えながら練習する

先日のレッスンで、15種類のタッチを学んできました。先生のブログを読むと、すでに25種類まで増えています。

それだけのタッチを、どう使いこなしていくか。今の私の課題はそこにあります。

タッチを一つ一つ習得していく

まずは一つ一つのタッチについて、どんな響きの音なのかを確認しながら確実に自分のものにいく練習をしています。

直接レッスンで学んできた15種類だけでも、一つ一つ確認していくと、それだけであっという間に1時間が過ぎてしまいます。ただ、ていねいにその一つ一つを確認していくことで、耳も鍛えられている感覚があります。

さらに、左手の4,5の比較的弱い指がしっかりしてきた実感もあります。どうしても、右手のメロディーラインに意識がいき、左手がおろそかになりがちだったので、そういう意味でも、練習の良いきっかけになりました。

オクターブとトレモロのタッチも入ってきているので、特に良いのかもしれません。「手が小さい」とつい言い訳していましたが、以前に比べるとはるかにしっかりとオクターブがつかめるようになっています。

とにかくゆっくり音色を確認しながら練習する

それと同時に、そのタッチを、実際の曲の中で使えるようにしていく必要があります。私の場合には、まだ「自然に」使えるようにするには、時間がかかります。

まずは、とにかくゆっくり、一つ一つの音について、流れの中でどんな性格の音色にしていきたいかを考えながら練習する段階を作っています。

例えば、流れの中で強調したい音には、輪郭のくっきりするような音を選びます。前後の関係で使いにくいタッチもありますが、その場合は、そのタッチが使えるようになるまで さらにテンポを落として弾いてみます。

手になじむまで練習すれば、ある程度、テンポを上げた時にも出したい音に近いものがでるような感覚があります。

滑らかに下降する場合には、フェザータッチを中心に、その中でも重みのかけ方を変えていくように、考えながら、練習していきます。

演奏を変えるために

地道な練習ではありますが、一つ一つの過程をていねいにしていくことで、自分の音楽に対する感覚そのものが変わっていくことを実感します。

今は、バッハを中心に練習しているのですが、その練習過程の中で、ここにこんな音がある、という驚きや発見がたくさんあります。

先日のレッスンで、大野先生と甲賀先生が弾いてくれたフレーズを聴いた時にも、「ここにこんな音があって、それをこんなふうに取り出していくんだ」という驚きがありましたが、それはこういう過程の練習を数多く行っていく中で「自然に」できるようになったものでしょう。

それを頭に置きつつ、またていねいに一つずつ練習をしていきます。

響きを聴きながら身体の使い方を工夫していく

ロシアピアニズムの奏法のレッスンにいらっしゃっている、大人の生徒さん。音の質が変わり、響きのある音が出るようになってきました。

手の使い方、自分の身体の使い方に対するイメージを変えることでも、音は変わり、音楽も変わっていきます。

聴き分けながら単音を出していく

単音で、響きを確認しながら、弾いていきます。

ずいぶん響きが上がるようになってきましたし、一つの音の印象の違いが聴き分けられるようになってきました。

「これは、下に落ちてしまいましたね。」とか「これはボヤッとした感じの音ですね。」など、言葉に表現できるようにもなってきました。

どんな音を目指していくか、ということも重要であり、そのためにも聴き分け、それを言葉にしていくことができるのは、とても大切なことです。

昨日は、手首の位置のイメージを変える、ということをしてみました。指3本分、下(肘の方)側にあるというイメージにするのです。

身体のイメージを変えるだけで、音が集まって、凝縮した感じになってきますし、安定して響きのある音が出るようになってきました。

音のつながりを感じながら手を使っていく

前回、ゆっくりした部分で、響きのある音が出てきたシンフォニア7番。今回は、全体もずいぶん変わってきました。

ロシアピアニズムの奏法の場合、旋回する手の動きがとても重要です。16分音符の連続の部分をとてもゆっくり、片手ずつ、旋回を意識して練習してみました。

音の響きそのものは、とても良くなってきたので、「ご自分ではどんな感じがしますか?」と聞くと「旋回させましょう、と言われたから旋回させている感じになっています。」とのこと。

次は、さらにゆっくり。音のつながりや、フレーズの中で特に歌いたい音を意識しながら旋回させてみました。

それをしていくと、音楽そのものが大きく変わっていきます。歌っている感じになってくるのです。

音楽を作るために

今度は、ご自分の感覚としても、意味のある旋回として捉えられたようです。

確かに、自分の感じる音楽を作るための奏法であり、音の響きであり、手の使い方です。それを体感することができれば、また大きく変わっていきます。

「つい、『弾ければそれで○』という感覚の練習になってしまいますが、そうではないですね。」とおっしゃっていました。

本当にその通りです。どう弾いていくか、どんな響きを出していくか。そこを考え始めたら、一つのフレーズにもいろいろな弾き方があり、どう弾いていくのがより美しいか、考え始めたらきりがありません。

そんな感覚が身につくと、さらにピアノが楽しくなっていきます。

意志が上達を早める

自分がこうしよう、という意志を持って、そこに向かっていこうと決めた時、実現の可能性が高まります。何かにつけてよく言われることですが、ピアノでも同じです。

弾けるようになろう、と思った時、行動が変わりますし、結果として上達が早くなります。

幼稚園年長の生徒さんの例

あるレッスンの時に、楽譜に書き込みがしてあるのに気が付きました。間違いやすい、臨時記号と左手の伴奏の音が1小節ごとに変わる部分です。

「これ、自分で書いたの?」「そう。」何でもない様子でさらっと答えてくれました。

お迎えにきたお母様に伺ったところ、「自分で、付けたんですよ。時々ここはつけなくても、と思うところもあるのですが、だいたいは、ポイントをつかんでいるようですよね。」とおっしゃっていました。

ほんとうにそうです。自分にとって弾きにくい部分を自分で分かって、印をつけていることに驚きました。

当然、上手に弾けていました。その生徒さん、今も、自分で印をつけていますし、着実に上達しています。

小学校1年生の生徒さんの例

先日のレッスンでのことです。小学校1年生の生徒さんの楽譜にもたくさん○がついていたり、書き込みがしてあったりしました。

やはり、リズムの難しいところについています。前回のレッスンの時、なかなか弾けなかった部分にもついています。

「これ、自分でつけたの?」と聞くと、「はい。」とのこと。

よく見ると、ところどころに、「ド」のように階名の書き込みのしてある部分もありました。練習している中で、弾きにくい部分に印をつけ、さらに間違いやすい部分に書き込んでいったのでしょう。

ちょうど両手で違う動きが入ってきたところ。難しく感じてもいるようですが、ここのところ、とても頑張っている様子が見えていました。楽譜の書き込みから、「上手に弾けるようになりたい」という強い気持ちが伝わってきました。

上達したい思いがそこにある

2人とも、弾けるようになりたい、上達したいという思いが強くありました。だからこそ、自分で書き込みたくなったのでしょう。

その気持ちが伝わってくる楽譜を見て、とてもうれしくなりました。まっすぐに、一生懸命に、頑張っている様子が伝わってきました。

その思いがあるからこそ、毎日、練習に向かうことができます。その思いをしっかり受け止めていこう、と私自身も改めて感じたレッスンのひとときでした。

練習して弾けるようになるとピアノは楽しい

ピアノが楽しくなるには、練習が欠かせません。「楽しい」と思える生徒さんは、練習する→弾けるようになる→上達が実感できる→楽しい→だからもっと練習するという流れにうまく乗っています。

スイミングのように、その時間内に練習が組み込まれているわけではないからです。今日はそのあたりのお話を書いていきます。

上達するには練習が欠かせない

先日のレッスンでのこと。ある小学生の生徒さん。なかなか集中できません。ワークブックの○つけをしていると、手がちょっと荒れているところをいつまでもこすっていて「先生、血が出た!」

ばんそうこうをはって、「もう今日は、レッスンの間、はがさないでね。」とレッスンを始めました。

ピアノに座っても、なんだかもじもじしています。実際に弾いてみて、理由が分かりました。練習してこなかったのです。もちろん、○にはなりません。お迎えにきたお母さんにも、そのことを話しました。

同じ生徒さんが、その次のレッスンでは見違えるようでした。来るなり、にこにこしています。前回と全然違う様子に、「今日は練習してきたんでしょう。」と聞くと、「うん。」と自信を持って答えました。

音符を書く練習にも集中して取り組み、さっと終わりになりました。ピアノの前に座ると、「もう、弾けるもん。」ということで、3拍子のリズムにのって「バケツのあな」を弾きました。

次の「5のゆびをひこう」の練習も、さらにその次の「ふしぎなポケット」の譜読みも集中してできました。

表情そのものが前回とはまったく違い、にこにこしながら、ピアノを弾いて帰りました。

できた!という実感がもてるから楽しくなる

今、面談をしていますが、練習の様子を保護者の方から聞いていると、やはり「練習量」と楽しさには関係があります。

特に、段階が大きく変わる時、例えば、両手を交互に使っていたところから、一緒に使う時などに、それがはっきり表れてきます。

誰にとっても、その段階は最初少し難しく感じます。そういう時に、毎日練習ができると、その難しさを感じる期間が短くてすみます。

逆に、家で練習することができていないと、なかなかそのステップを上がることができず、楽しくなくなってしまうのです。

習慣化の段階は簡単なことから

最初からたくさん練習することは難しいかもしれません。これは、お子さんの性格と、ピアノへの気持ちにもよります。

ですから、最初は「ピアノの前に座って弾く」という習慣をつける段階では、簡単なことから始めていきましょう。

ピアノの前に座る。1回でも良いから弾く。

また、今ある習慣とセットにしていく、ということも習慣化するには有効です。「おやつを食べたら練習する」「学校から帰って宿題をしたら練習する」のように。

せっかく始めたピアノです。ぜひ楽しく、長く続けるためにも、「練習」をうまく日常生活の中に組み込んでいきましょう。

2019.03.14

新しいタッチを学ぶ

昨日は、自分のレッスンに行ってきました。レッスンに行くたびに、新しい学びがたくさんあります。昨日も、また新しいタッチを学び、いろいろ考えつつ帰ってきました。

タッチの種類を増やす

ここのところ、先生がご自分のタッチの見直しをしています。無意識に弾き分けていたものを意識化して、「こんなタッチを使っている」ということを整理し、体系化しているところなのです。

ですから、行くたびに「新しいタッチ」が増えていきます。ブログで8種類と紹介があったのですが、前回のレッスンのときに伺ったら11種類ありました。

今回も、ブログで、15種類とのご紹介があったので、あと4種類。それをレッスンで伺ってきました。

手の小さい私にとって最大の課題の一つである、オクターブや、手を開いた状態でのトレモロの弾き方などがありました。

奏法に慣れているので、手の使い方を頭で理解することはスムーズにできました。ただ、実際に音を出してみると、右手はすぐにできたのですが、筋力がまだ弱めの左手は、思い通りの音色が出るまでに少し時間がかかりました。自由にそのタッチを使えるようになるためには、練習を積み重ねていく必要があります。

タッチの種類が増えると音色のレパートリーが増える

タッチが変わると、音色が変わっていきます。芯の太い音、細い音、軽めの音、重めの音、上に上がる音、広がりのある音。

タッチの種類が増えるということは、音色のレパートリーが増えるということです。ですから、タッチの練習の時には、必ず、音色の違いを繊細に聞き分けようという意識を持つことが重要になってきます。

先生がよく「楽器から教わることがたくさんある」というのは、そのことです。楽器がその繊細なタッチの違いを反映できる状態であれば、練習の時にも、自分のタッチが意図しているものかどうかを、音色の変化によって楽器が教えてくれるのです。

音色のレパートリーを増やして彩りある演奏を目指す

音色のレパートリーを増やすことは、演奏の質を高めていくためのものです。「発声は良いのだけれど、全部同じ音が続いている。」と言われ、先生、アシスタントの先生が、同じフレーズを「こういう弾き方もある」「こういう弾き方もある」と例を挙げて見本を見せてくれました。

同じフレーズでも、音色の使い方が変わると、全く違うものになります。次は、その部分を自分なりに研究していく段階です。

まず、最初は頭でよく考え、聴き分けながら。そして、だんだんと「考えなくても」「自然に」できるようになっていくことを目標にしていきます。

音色を増やすことは、より良い演奏をしていくための手段です。目的と手段をしっかり見極め、彩りある、より良い演奏を目指していくことがとても大切であると、昨日もまた改めて思いました。

2019.03.12

ピアノを習うことの良さ

春。年度の始まりであり、進級、進学の時期でもあります。お子さんのおけいこごとをお考えのお父さん、お母さんも多いことでしょう。今日は、ピアノを習うことの良さについて、書いていきます。

「子どものおけいこごとランキング」も、いろいろなところで調査がされていますが、スイミング、学習塾・英語と並び、ピアノ(エレクトーンを含めている調査も)はベスト3に入ります。

実際、たうらピアノ教室でも、ピアノの他のお稽古ごとの話を聞くと、スイミングの話題、英語の話題は多いですね。

自分で楽譜が読めて弾けると楽しい

まず、自分で楽譜が読めるようになって、音が出せるようになってくると、楽しくなります。

知っている曲が弾けるとなおさらです。そういう意味もあって、教本に「ピアノひけるよ!ジュニア」を選んでいます。

子どもの生徒さんは「この曲、知っている!」となると、気持ちの入り方が違ってきます。

「ピアノひけるよ!シニア」になってくると、名曲を編曲したものも入ってきて、時々、「この曲、ママが好きだって。」という話を聞くこともあります。

このお母さんがご存知だったり、好きだったりする曲の時も、張り切って練習しますね。ご家族の方が今、練習している曲に興味を持ってくださることにも、うれしさを感じるのでしょう。

一つのことを継続する習慣をつけられる

これも、習い事ランキングのピアノの解説でよく言われていることです。実際に毎日の練習があってこその上達、ということは確かです。

毎日少しずつでも練習する。ただ、それを続けていくことで、1週間たつと、弾けなかった曲が弾けるようになる。できなかったことができるようになる。

その積み重ねを実感する経験は、なかなか他では得難いものかもしれません。

小さいうちから習慣化の効果を実感する経験を積み重ねることで、家庭学習その他の習慣形成ににも良い影響があります。

人の行動の7割以上は、習慣によるものだそうです。(調べる人によっては9割と言う人さえいます)それを考えると、習慣化が人生そのものに及ぼす影響は、とても大きいものです。

子ども時代だからこそ、自然に身についていく

他にもまだまだありますが、今日はこの2つをあげてみました。また、折を見て、続きを書いていきます。

だいたい、4歳~5歳くらいで始めることの多い、ピアノのレッスン。小さいうちだからこそ、「自然に身につく」感覚になります。

大人になってからだと、両手を別々に動かすことに慣れる、という一つをとっても、子ども時代に始めた場合に比べると、はるかに大きな労力が必要になってきます。

この「自然に身につく」感覚が持てること、これがお子さんのおけいこごとととして、ピアノを習う場合大きな意味を持ってくるのです。