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空間の音を聞く

先日の調律の時に、「いつも、ピアノのふたはどんな状態で弾いていますか?」と聞かれ、「半開です。」と答えました。

「全開だと、響きすぎるような気がして…。」と言ったのですが、調律時に全開にして、その後、そのまま弾いてみたら、このほうが響きがよく分かって、しかも音が大きすぎるというわけでもありません。

そこで、練習やレッスンの時にも全開にすることにしました。

左右のバランスを聴き分ける

昨日のレッスンで、小学生の生徒さんの演奏を聴いていて、「低音が大きいな。」と感じました。

自分の手の感覚と、直接出てくる音を聴いているとそうなりがちです。

ちょうどピアノのふたは全開です。その先に私が立って、「このあたりの音を聴く気持ちで弾いていみて。」と言いました。

小学校1年生ですが、その感じをつかめたのでしょう。音が変わってきました。左右のバランスが良くなってきたのです。

手の感覚だけでは、左右のバランスを本当にとらえることは難しいです。ちょっとした違いを修正することも難しいのですね。それが、空間に広がる音に注意を向けることで変わってきます。

姿勢が変わった

その後に来た中学生。やはり、右手の音よりも左手の音のほうが大きく聴こえます。

同じように、「ここの音を意識して聴いてみて。」と全開になっているふたの先に立ちました。

今度も明らかに音が変わってきました。左右のバランスが取れて、メロディーが心地よく聴こえます。

弾いた後、生徒さん本人が「そこの音を聴こうと思ったら、背中が伸びました。」と言いました。

以前にも、その生徒さんのお母様から、「姿勢が悪くて、時々言っているのですが、なかなか直らなくて。」というお話を伺ったことがありました。

「姿勢を直す」のではなくて、「自分の弾く音の先を聴き取ろうとする」「空間に自分の音がどう広がっているのか聴こうとする」ということで、姿勢が自然に変わっていったのです。

空間の広がりを意識する

音を聴く時に、漠然とではなく、空間のこの部分の音を聴こうと思う、と意識を変えることで、いろいろな身体の部分が調整されていくということがわかりました。手元のタッチから、姿勢まで、さまざまな要素があります。

実際に、ホール等で演奏する時には、さらに大きな空間、さらに広がりにある空間を意識していくことになります。

レッスン室の中であっても、あるいは練習の段階であっても、その空間の広がりについて意識を持てるかどうか、ということはとても大切です。

ふたを全開にすることで、生徒さん自身の中でも意識が変わっていき、演奏が変わっていく。

調律師さんのアドバイスでふたを全開にしたことで、生徒さんたちにも思わぬ良い影響があり、うれしくなりました。

2019.06.11

大きな流れと細部と

昨日は、自分のレッスンに行ってきました。行くたびに、いろいろな気付きがあります。

昨日も、身体の使い方について、曲の作り方について改めて考える機会になりました。

手のポジションと腕の下側

腕の下側を意識しているのですが、つい、音型によってゆるむということがわかりました。

特に、速いテンポで弾こうとするとその傾向が強まります。同時に、そうするとポジションが下がりがちです。

ここは大きな課題です。昨日も行く前の練習の段階で、クーラントを弾きながら、「下がっている…」と気付き、修正。

でも、先生の前で弾きながら「やっぱりこれはポジションが低い気がする」と思っていました。

案の定、「基本的に、この位置にいるんですよ。」と弾いて見せてくださいました。かなり高い位置です。どうしても、下がってしまうのですが、私のイメージよりもずっと上です。その感覚そのものを修正していく必要があります。

腕の下側を意識することで、ポジションそのものが上がっていくことを実感しました。

家でも、昨日教えていただいた「工夫」をしながら、身体が覚えるように、腕の下側を意識しつつポジションを上げていく練習をしていきます。

音色と舞曲のイメージ

フランス組曲のいろいろな舞曲。その性格を考え、どう弾き分けていくか?どの舞曲にどんな音色を使っていくか?

その中でもさらに、このフレーズは、この音は…と考えていくのですが、楽しくもあり、きりのないことでもあります。

2曲めのクーラントを弾いた後、3曲めのサラバンド。途中で、「何だか全体の印象がクーラントと似てしまっている」と思いました。重めの音を使い、何だか一本調子の感じもします。

「もっとささやくような感じでも良いかもしれません。」と聴かせていただきました。

なるほど。そうすると活発なクーラントとの対比がはっきりしてきます。一つ一つの舞曲をついつい取り出して練習しているのですが、前後のつながりをもう少し見ていく必要を感じました。

大きな流れと細部と

身体の使い方もそうですし、楽曲の作り方もそうですが、常に大きな流れと細部との両方を考える、感じていくことは大切だと改めて思います。

ピアノを弾くにあたり、体幹や腕は大きな流れになるでしょうし、手や指は細部にあたるでしょう。でも、それらは常に連動しています。

同じように、「フランス組曲第1番」は大きなくくりです。その中のクーラント、サラバンドなどのそれぞれの楽曲は腕にあたり、そして、その楽曲の中の1フレーズ、1音は手や指にあたるでしょう。

こちらもそれぞれ連動しています。小さい部分を練習する時は、大きな流れをイメージする。同時に大きな流れを中心に考える時は、細部にまで気を配る。

そんなことを考えながら、また練習していきます。

2019.06.10

調律をしていただきました

空気が変わると、ピアノの状態も変わってきます。5月に入ったところで、空気全体が暖かくなったあたりから、少しピアノの音が微妙にくもった感じがしていたので、調律をお願いしました。

同門のメソッドでピアノを習っていらっしゃる調律師さんに、名古屋から来ていただくので、日程の調整をし、ようやく金曜日に調律をしていただくことができました。

音がクリアになった

調律していただくと、音のくもりもとれ、クリアな感じが戻ってきました。

とてもうれしくて「音がクリアな感じに戻りましたね。」と言うと、「3本の弦が微妙にずれてくるので、それを合わせることで、クリアな感じに戻ります。」とのこと。

なるほど、そういうことなのですね。ピアノの場合1つの鍵盤に対して、3本の弦が張ってあります。その微妙なずれで音の感じも変わってくるのですね。納得しました。

「順調に育っている感じがします。」と言っていただいて、ますますうれしくなりました。

調律師さんに理解していただくのが難しい

わざわざ名古屋から来ていただくのは、響きを活かした奏法に合わせた調律をしていただける方が少ないからです。

「正確に」音を合わせることに注力すると、響きは上がりません。音は合わせつつも響きが上がるように、というその感覚を言葉にするのがまず難しい。

今回も、「どういうふうに言えば、それが伝わるのでしょうか。」と伺ったところ、「難しいですね。調律師同士であれば、いろいろな言い方をしてニュアンスが伝わる部分もあるかもしれませんが。」とのことでした。

順調に育っています

「順調に育っていますよ。」と言っていただきました。ピアノも新品からだんだん育っていき、より良い音になっていきます。

私の先生も「以前持っていた新品のスタインウェイが本当に力を発揮して鳴るまでには、5年位かかった。」とおっしゃっていました。

ちょうど梅雨の直前。まだ湿気はそれほどなかったのですが、途中から雨が降り出したタイミングです。

「除湿機、加湿器もありますし、大丈夫ですね。」と言っていただきました。いよいよ梅雨入りし、レッスン室の除湿機がフル稼働です。ピアノにとっては湿気と高音で大変な時期になっていきますが、大切に育てていきます。

これ、簡単だよ!

発表会の曲を決める時には、3ヶ月先には到達していてほしいというところを考えながら候補を選びました。

ですから、5月の曲を決めた時には、少し背伸びの状態でもあるわけです。ちょうど、片手ずつ交互に弾く段階が終わり、両手で弾く段階に入ったばかりの生徒さんが多かったため、特にそれを感じていました。

片手ずつにするか両手にするか

5月にちょうど片手ずつ交互に弾く段階が終わった、という小学校2年生の生徒さんがいました。

「連弾にする?少し頑張って両手で1人で弾く?」と生徒さん本人に聞いたところ、ちょっと迷って決めかねている様子。

お母様が、「頑張って両手で弾こうよ。」と背中を押してくれて、両手で弾くことに決めました。

1曲は「こいぬのマーチ」。これは去年、学校の音楽の時間に鍵盤ハーモニカで練習していて、右手はすぐに弾けます。これなら、左手と両手で合わせる練習に時間をかけることができます。

実際に、右手はすぐに弾けました。左手も、すぐに弾けるようになりました。両手で合わせる段階です。

1週間、お家で練習してきて、両手で弾けるようになっていました。お母様が「1小節ずつやりました。1小節できたら、次とつなげる、という感じで。」とサポートをしっかりしてくださったそうです。

弾けるようになったらスムーズに

2曲めは「ちょうちょう」。前回のレッスンで、右手の練習をしてくることになっていました。

今回のレッスン。張り切って教室に入り、右手で「ちょうちょう」を弾きました。上手に弾けています。

では、ということで、左手の練習。こちらも、「こいぬのマーチ」のパターンと似ているので、すぐできました。

両手で合わせていきます。最初の2小節くらいは何回かくり返しましたが、そこから先はスムーズに進みました。

「これ、簡単だよ。」とのこと。練習をして、できるようになり、さらにできることが広がっていきます。

お家での練習も頑張っている

お母様が「なんか、張り切っていて、昨日も何回も弾いていたんですよね。」とおっしゃっていました。

両手で弾き始める最初の段階は、やはりステップとして大きいのですが、そのステップを乗り越えられました。

張り切って練習しているので、レッスンでも積極的です。その場でのくり返しの練習も集中してできています。

発表会をきっかけに、練習そのものも、とても良い流れになり、ぐんと成長することができました。この後、どう仕上げていけるか、とても楽しみです。

離れた音に跳ぶとき

レッスンで「どこが弾きにくい?」「難しいところがある?」と聞くように心がけています。

昨日のレッスンでは、2人の生徒さんから「離れた音に跳ぶのが難しい」という話がありました。

ゆっくり確実になるまで練習する

最初の生徒さんの場合は、3拍子の伴奏の部分です。左手が低いソ→ファソシ→ファソシとなっています。その最初のソからファソシに跳ぶ部分が難しく感じるのだそうです。

確かに最初のソと次のファソシでは1オクターブ以上跳びます。特に手の小さなお子さんにとっては、大変に感じるでしょう。

まず、とてもゆっくり練習してみます。ソ→ファソシだけ取り出します。何回か練習しているうちにこの部分の移動は確実になってきました。

次にソの前のラドの和音も入れて、ラド→低いソ→ファソシという動きの練習をしました。

それも何回か練習して上手に出来たら、2小節分、レ→ラド→ラド→低いソ→ファソシ→ファソシの練習です。

「お家でもここだけ練習しようね。」と言うと「10回くらいかなあ?」と言うので、「最初は10回くらい練習したほうが良いかもしれないね。」と返事をしました。

「スイミングのある日は、5回でも良い?」と言うので、「できるようになったら5回でも大丈夫。スイミングのある日までには、できるようになるから大丈夫。」

きっと次回までには上手に弾けるようになっているでしょう。

指遣いをしっかり決める

次の生徒さんは左手の低い加線のド~低いドまで跳ぶ音程です。リピート記号直前の最後の音が低い加線のドで、戻った最初の音が1オクターブ上の低いドになります。

この場合、最初の小節に戻ると、ド→ソ→低い加線のソ→ソというように、左手の伴奏が続くので、その部分まで考えていく必要があります。

最初の小節に戻った時の指遣いを考えることにしました。楽譜には3→1→5→1となっていて、レッスンでもその指遣いで譜読みをしたのですが、練習しているうちに5 →1→5→1 と変わっていたのです。

「どうする? 3→1→5→1 なら跳ぶ距離は短いよね。 5 →1→5→1は練習して慣れている。 弾きやすいほうで良いと思うけど、決めたら、それでしっかり練習していくんだよ。」と言うと「楽譜通り 3→1→5→1 にする。」という返事。

では、ということで、やはり取り出して「低い加線のド→低いド」のゆっくりの練習をして、できるようになったら、2小節分をまた練習しました。

どうしたいか?を自分で考える

「弾きにくい部分を自分で意識する」ということは、主体的にレッスンを受けることにもつながります。

自分がどうしていきたいのか、という自分自身の演奏の将来像を考えることにもつながります。

昨日の生徒さんたちは、その部分をしっかり意識することができていました。ゆっくりの練習にも頑張って取り組みました。

二人とも次回はさらに上手になっていることでしょう。楽しみです。

自分の音をよく聴く

発表会の曲のレッスンが続いています。それぞれの生徒さんが、自分のペースで練習しています。

1人2曲選んでいるのですが、多くの生徒さんは、1曲めの譜読みが終わり、2曲めの譜読みを始めています。

pppを弾き分けていく

グルリットの「こもりうた」を練習中の生徒さんがいます。この曲はpで始まり、8小節続きます。次にppになります。

一番強いところでもmfです。「こもりうた」なので、やさしく、穏やかな雰囲気が続きます。

弱い音というのは、強い音を弾くよりも、逆に難しいです。特に、小さな生徒さんは、「弾くこと」そのものに力を注ぐので、ついつい大きな音を出しがちです。

昨日の生徒さん、 p の出だしがとてもきれいにできました。弱い音で始められています。ただ、この音量だと、 pp になった時、どうなるかな?とちょっと気になりながら聴いていました。

3段目になった時、さらに小さな音になり、 pp で弾いていました。しっかり音量のコントロールができるように、よく聴きながら練習してきたのです。

小指と親指 ・ 左右のバランス

「今度は、次の段階だから、もっと細かい部分の話をするね。」ということで、レッスンでは、小指と親指の音量と、左右のバランスの練習をしました。

3拍子の曲ですが、左手の1拍目は5の小指で、2拍目と3拍目は親指で弾きます。どうしても親指のほうが力が強いので、1拍目よりも2・3拍目のほうが強く聞こえます。

よく聴きながらドソソミソソのド・ソが強くなるように、小指で弾く音が強くなるように練習をしました。最初は聴き分けながら弾くことが難しかったようですが、何回かやっているうちに、だんだんできるようになってきました。

次は左右のバランスです。右手は付点2分音符、左手は4分音符なので、左右で同じくらいの強さで弾くと結果的には左が強く聴こえてしまいます。

その練習も「よく聴いてね。」と言いながら、何回かくり返しました。だんだん聴き取れるようになってきました。

意識して聴く

「弾く」ことだけに意識をむけるのではなく、聴くことにも意識を向け、弾きながら聴くことができると、自分の演奏を客観的にとらえることができるようになります。

それは、練習の質を高めることにつながっていきます。「間違えずに弾けるかどうか」という部分だけでなく、「どんな音を出しているか」「自分はどんな演奏をしているのか」ということに気持ちを向けることができるようになっていくからです。

小さいうちから、自分の音を聴きながら練習する習慣をつけることで、練習の質が高まり、結果的に本番の曲の仕上がりも変わっていくのです。

これも、自然に身につくものではありません。「聴こう」と意識して練習をくり返していくことで身につくものです。「意識して聴く」習慣、大切にレッスンしていきます。

大人のピアノレッスン

趣味で習いたい、ということで通っている大人の生徒さんもいらっしゃいます。皆さん、それぞれお仕事をお持ちで、お忙しい中、ピアノを楽しんでいます。

目標があってそれに向かう

ピアノについての目標もいろいろです。例えば「 音楽イベントにキーボードで参加してとても楽しかった。 両手で弾けるようになって、参加したい」という方がいらっしゃいます。

ポピュラー音楽を中心に弾けるようになりたいそうです。今は「ピアノランド」でレッスンしていますが、とても意欲的で、「たとえ少しであっても、ピアノに触ろうと思っています。」と 毎日練習しているそうです。

そろそろ両手で弾く課題に入ってきていて、「やっぱり両手は難しいですね。特に別々のタイミングで手を動かすのは難しく感じます。」と言っていましたが、楽しそうにピアノに取り組んでいます。

「ロシアピアニズムの奏法を学びたい」という目標を持っていらっしゃっている方もいます。子どもの頃にピアノを習った経験があり、管楽器の演奏経験も豊富です。

この方も「良い響きで弾けるようになりたい」という思いで、お家でも時間をやりくりしつつ、練習しているそうです。

レッスンそのものを楽しむ

もうお一方は、お仕事が忙しい。以前病気をして、そのリハビリもかねてピアノを習いたいとのこと。

「子どもの頃は習っていたんだけど。あと、小学校の教員免許状を取るのに、バイエルをやった。今は、ほとんど練習はできませんね。」と言いながら、レッスンに来て、教本の曲を弾いたり、連弾をしたり。

新しい曲に入って、「なるほど、この曲はこういう感じなんだ。」と言いいながら、「新しいことを学ぶ」というレッスンそのものを楽しんでいる感じがします。

第3の場として

大人の場合には、練習できるのにこしたことはありませんが、現実的には難しい場合もあります。

考えてみれば、私自身もそうでした。「フーガ、半分しか弾けません。」と言って、先生に「『フー』だね。」と言われたこともあります。

それでも、続けていくことに意味があると感じていました。仕事と家庭以外の第3の場。そこで学ぶ時間を持つことで、また、次の仕事や家庭生活への活力となっていました。

今度は、私自身のレッスン室がそんな場になってほしい。仕事と家庭以外の場。そして、次への活力となる場。それを作りたいという思いで、大人の方のレッスンをしています。

2019.06.03

レッスンを通してより上達する

ピアノのレッスンを充実したものにし、上達につなげるためには、いくつかの要素があります。

  1. 自分の演奏を客観的に聴ける(これはレッスンに限りませんが)
  2. 先生のアドバイスに耳を傾ける
  3. 先生の言っている内容(あるいは、弾いてみせてくれていること)と、自分の演奏との違いを理解する
  4. 実際にその場で修正する
  5. 修正した状態を覚えて帰り、練習に生かす

このそれぞれの要素についても、生徒さんによって得意な部分はそれぞれ違います。

「間違っちゃった」と自分で聴いて気づく

先日、レッスンした幼稚園年中の生徒さんの場合、自分の演奏をきちんと聴くことが出来ていました。

夢中になって弾いているうちに、タイを忘れて、弾き直してしまう。違う音を弾いてしまう。「あ!間違っちゃった。ここ、つなげるんだった。」「音が違う。」とすぐ気が付きます。

お母様も「意外によく聴いているのでびっくりしました。」とおっしゃっていましたが、よく分かります。

そして、次は「今度は間違わないようにする。」と言って、その部分を意識しながら弾いています。

小さいお子さんの場合は特に、自分で意識できると、その場でどんどん直して弾けるようになっていきます。

リズムの違いをすぐ修正する

別の生徒さん、片手ずつ別々に練習して、弾けるようになったので、レッスンで両手の練習です。

3拍子の曲。右手は付点2分音符でメロディーを弾き、左手で2拍目と3拍目に和音が入ります。

片手ずつは上手に弾けていたのですが、両手で合わせると、右手を3拍分おさえていることができずに、指が上がってしまいます。

最初、言葉で言ったのですが、分かりにくかったようなので、「楽譜にはこう書いてあるけれど、〇〇ちゃんのは、こうなっているの。」と実際に弾いてみせました。

今度は分かったようです。何回か練習しているうちに、できるようになりました。次の段で同じ音型が出てきた時は、最初から正しいリズムで弾けていました。

より良くしようという意識が大切

理解できても、なかなか修正できないこともあります。大人は特にそうですし、私なども時々、「頭では分かっているんだけれど、なかなかできない!」ということもあります。

ただ、「間違ったから直していこう」「こうアドバイスしてもらったからそれを生かしてより良くしよう」という気持ちで、少しずつでも改善しようという意識で練習するか、それとも、まだ小さいから、大人だから、難しいから、「仕方ない」と思うかによって、長い目で見るととても大きな違いになってきます。

せっかくのレッスンの場。有意義に活用して、自分の演奏をより高めていただけたら、と日々思っています。

2019.06.02

姿勢でピアノの響きが変わる

昨日、生徒さんのレッスンをしていて、肩が上がって、明らかに力が入っていることに気がつきました。

それをお話しして、肩の力を抜く意識、腕の重みがすべて鍵盤にのる意識で弾いてみると、ピアノの響きも変わってきました。

姿勢は自分では気づきにくい

実は、私自身も、学生時代から、「ひじで支えているから鍵盤にうまく力が伝わっていない」と何回も言われていたのですが、自分ではなかなか分からないものです。

というのも、身体の使い方は、その使い方で慣れているため、逆に正しい使い方にすると違和感が出て、元に戻したくなってしまうからです。

今の先生のところに行き始めてからも、「肩に力が入って、腕の重みが鍵盤にかかっていない」ということはしばらくの間、大きな課題になっていました。

「目からうろこ」という感じがしたのは、ポゴレリチの動画を見たときです。なんと自然に、そして効率よく身体を使っているのでしょう。

この動画を見てからは、そのイメージをできるだけ頭に置いて、練習するようにしました。同時に、「腕の重みが鍵盤に全部のっているか」ということにも、それ以前よりはるかに注意をはらうようになりました。

同時に、レッスンで先生が弾いてくださるのを見る時も、手の周辺だけでなく、できるだけ一歩弾いて、身体全体を見るようになりました。

姿勢で、響きは確実に変わります。

肩甲骨~腕の下側~手の内側を意識する

座る時には、背筋を伸ばしていすに浅く腰掛けます。おへその下、よく呼吸法などで「丹田」と言われるところを意識して身体を前に傾けます。

この時に、腕を両側におろして力を抜いたままにしておくと、身体が曲がっても、腕は真下にだらんと下がった状態になります。

そのまま、ひじを曲げて鍵盤の上に置けば、肩とひじの力が抜けた状態で、手を鍵盤の上に置くことができます。

実際にピアノを弾く時には、当然、力を入れなくては弾けないのですが、肩甲骨から腕の下側を通って、手の内側までに意識を置いていきます。

身体の使い方を変えると楽に弾ける

昨日の生徒さんの場合には、御本人が「ピアノの練習をした後、何だか肩が痛いな、と思っていたのですよ。力が入っていたんですね。」とおっしゃっていました。

同時に、管楽器を長くやっているご自分の経験から、「直すには、少し時間がかかるかもしれませんね。」とも言っていました。

確かに、そう思います。特に「弾くこと」に意識を向けていくと、なおのことそうなりがちです。

でも、意識し続けていくことで、身体の使い方を変えることはできます。響きそのものも大きく変化し、とても楽に弾けるようになるのです。

ペダルの練習

ピアノは、両手で弾くだけではありません。足を使ってペダルも踏みます。慣れるまでは、難しく感じるかもしれません。

でも、ペダルを踏んだ時のピアノの響きはとても魅力的です。美しく混ざりあった響きを感じる上でも、ペダルはとても大切です。

早い段階からペダルの練習をする

私が子供の頃は、ペダルを使うのはずっと後になってからでした。幼稚園の年長からピアノを始めましたが、確か、小学校3年生くらい、ソナチネを弾くようになってからです。

私は小柄だったので、3年生でも、足がペダルに届かなくて、補助ペダルを買ってもらい、それを使った記憶があります。

今は、比較的早い段階からペダルの練習をします。これは、ロマン派や近現代の曲を小さいうちから弾くようになったことと関係しているでしょう。

今、ペダルの練習に入ったところの生徒さんがいます。小学校1年生になったところです。

お母様が、今の「ピアノひけるよ!シニア2」に入った時、「もう、ペダルの練習が出てくるのですね。」と言って、早めに補助ペダルを探して用意してくれました。

ですから、ペダルの練習を楽しみに待っていたのです。ちょうど発表会の曲に入る直前に、ペダルのところまできたので、「発表会ではペダルのある曲が弾きたい。」とのことでした。

小さい子どもさんにとっては力が必要

ペダルを踏むと1.5センチくらい下がります。大人なら、大したことがなくても、小さい足ではかかとをつけて1.5センチ押し下げるのは大変です。

初めてレッスンでやってみた時には、力を入れて一生懸命、踏んでいても、一番下まで下げることが難しいくらいでした。

何週間か練習しているうちに、これくらいの力で踏めば大丈夫、というのは分かってきたようです。

それでも、ペダルを踏む時には、前かがみになって力いっぱい踏んでいる様子がよく分かります。

お家で練習している時、足の裏が痛くなったそうで、「靴をはいて踏んでいる」とのことでしたので、次回からは、ここでも靴を持ってきてもらうことにしました。

まずは2つずつから

両手に足もつける、ということは、3つのことを同時にすることになります。ですから、2つずつの練習しようね、という話をしました。

片手ずつの練習をした後、2つずつの組み合わせで練習をしていきます。①右手と左手②右手+右足のペダル③左手+右足のペダルとなります。

それが出来て最後に右手+左手+右足のペダルです。

本人も「なるほど」という感じで聞いていましたし、実際にそのように練習したようです。今回のレッスンでは、ずいぶんスムーズに踏めるようになっていました。

慣れてくると、自然に踏めるようになっていきますが、やはり最初はちょっと大変。でも、響きの美しさと、「ペダルが踏めてカッコいい」という気持ちもあって、頑張って練習している様子をほほえましく思いました。