湯山昭「お菓子の世界」

湯山昭「お菓子の世界」の中から、発表会で演奏する曲を選んだ生徒さんがいます。

良い機会なので、私もいろいろ弾いています。目次を見るだけで、「シュー・クリーム」「バウムクーヘン」から始まり、「ドーナツ」までおいしそうなお菓子の名前が並びます。

途中に「間奏曲」として、「むしば」「どうしてふとるのかしら」「くいしんぼう」というのもあって、全体としてとても楽しい曲集です。

バウムクーヘン

子供の頃、あの層になっている部分がどうやってできているのか謎でした。輪になっているのでよけいです。

焼いている様子を見られる専門店が出来て、 特別な機械をつかっているのだということが分かり、ようやく納得しました。

大学でドイツ語に触れた時も、「バウム」は「木」、「クーヘン」は「お菓子」ということで、木の年輪をあらわしているというこのお菓子の名前に、妙に納得しました。

特別な機械を使って焼き上げながらも、クリームなどで飾るのとは違う、どこか素朴な感じも残っている焼き菓子。

曲の感じも、それにぴったりです。最後の部分に「木」の「年輪」のイメージを私は重ねたくなりました。

チョコ・バー

疾走感のあるテンポの速い曲。かっこいい感じの曲です。

チョコ・バーはチョコレートを全面にコーティングしたお菓子。ビスケットやグラノーラ、ナッツを入れたものなどいろいろあります。

食べると口の中でそれぞれの材料の食感が楽しい。ザクザクした感じ、カリッとした感じなど。

このテンポ、この音のぶつかり方等、口の中に入れた時のさまざまな食感をほんとうによく表していると感心しました。

ボンボン

おしゃれな感じのワルツです。ボンボンの名前がフランス語の「良い」を意味するbonを2つ重ねたものなのだそうです。

こちらもいろいろな種類があって、例えば、外側がチョコレートものや、中身がフルーツやナッツのものもボンボンというのだそうです。

私のイメージは、砂糖の殻の中にお酒の香りのするのシロップが入っている透明感のあるお菓子。やっぱりこれがボンボンの典型のような気がするのです。

子供の頃食べた時、お酒の香りがするシロップが出てきたので、何だか大人の食べ物を味わったような感じがしました。そんな思い出も重なっているのかもしれません。

曲の楽しさを味わい、表現する

題名も親しみやすく、1つずつの曲もとても楽しく、美しい。日本人作曲家のピアノ曲の中でも特に人気があるというのがよく分かります。

生徒さんは、それぞれの曲に、自分の持つお菓子のどんなイメージを重ね、どう仕上げていくでしょうか。

レッスンで聴いていると、生徒さん自身の「こんなふうに弾いていきたい」というのがだんだん見えてきました。

それを見守っていくのも、とても楽しいプロセスです。すてきな曲だからこそ、その楽しさを味わい、表現することの大切さをたくさん感じてほしいと思っています。

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