こんにちは。

ここのところで、新しく音階が出てきた生徒さんがいたり、「指をくぐらせる」音型が曲の中に出てきた生徒さんがいたりしたので、その話を書きたいと思います。

音階が分かりやすいので、それを例にとりますね。

ハ長調の音階を右手で弾く時、ドレミで指を123と使って、ファの時にまた1の指を使います。

この時、親指を「くぐらせ」ます。

一般的には手首を少し外にひねるような形で中指の下を親指が通る、という感じでしょうか。

私もずっとそう弾いてきました。

 

大学に入ったとき、ロシア奏法の流れをくむ恩師に「そんなことしていたら、間に合わないでしょう。」と言われた時にはびっくりしました。

「そのままでいいのよ。確かにゆっくり弾けばちょっとは間があいて聞こえるかもしれないけど、響きがつながれば良いのだし、実際の曲の中では全く問題ない。」

確かに、恩師の弾き方だと、手首をひねる動きがないので、移動がスムーズです。

 

ただその時には、私には指・手首・ひじ・腕の使い方の全体像が見えていなかったので、しっくり来ない部分がありました。

今は、分かります。

親指の使い方が最大のポイントです。

親指は人間の手の場合、他の4本の指と向かい合うようについています。

それをその状態のまま、ピアノでも使っていきます。

ですから、一般的な奏法とは、親指の向きは全く違いますし、弾く時に鍵盤に触れるポイントも違います。

 

その状態で、ドレミが終わったら、ファの上に親指を移動させます。

他の指や手首もそのまま右に移動させます。

「くぐらせる」のではなく、そのまま平行移動。

曲の中で「響き」がつながって、音楽的に弾ければ良い、そのための音階です。

音階のための音階ではないのです。

 

あまりにも親指の使い方が違うので、最初はかなりとまどいました。

今は慣れてきて、とても合理的なので、以前よりもずっとスムーズに音階が弾けるようになりました。

「くぐらせる」のではなく「平行移動」です。