こんにちは。たうらピアノ教室講師の田浦雅子です。

「響きのあるピアノの音色を大切に」と昨日も書きましたが、では、その響きとは何なのでしょうか。

私自身も、響きを聞きなさい、と言われ続けていた学生時代には、正直、つかみきれていませんでした。

実は、響きの正体は「倍音」です。

ピアノでは分かりにくいので、おもちゃの鉄琴を使って実験してみます。

まず、マレットを軽く握って、鉄琴をたたいてみます。こんな音がします。

 

次に、マレットをぎゅっと握りしめて、鉄琴をたたいてみます。こんな音になります。

最初の音のほうが響いていることがお分かりになるでしょうか。録音なので、実際に聞くと、響く音のほうがずっと長く聞こえます。

このときの音の周波数の分布を解析ソフトを使って表示してみました。鉄琴で1つの音だけたたいても、その中には、いろいろな周波数の音が含まれています。

響く音は次のようになります。赤で囲んだ部分にご注目ください。

響かない音は次のようになります。上の音と周波数の分布が違います。特に高い周波数はあまり含まれていないことがわかります。

この違いが、響きの違いになります。

ピアノでも同じことが起こります。鉄琴をたたいた時、マレットを握りしめると響かなくなったように、指に力が入っているとピアノの音の響きがなくなってしまいます。

ピアノで響く音を出すためには、鍵盤の底にふれる時間を短くすることが必要です。そのためには、手首の下や手の内側で支えた上で、指は脱力することがとても大切なのです。

鉄琴の場合、多くの方が響く音のほうを美しいと感じるでしょう。

ピアノでも、響きのある音でピアノを弾いたほうが、弾く喜びをより味わえると、私は実感しています。ですから、少しでも、自分の理想の響きに近づけるようにしていきたいと思っています。