意識することと響き

昨日は先生のところにレッスンに行ってきました。セミナーも終わり、ようやく日常を取り戻すことができたとほっとしていらっしゃいました。本の出版以降、雑誌の取材やセミナーの準備などでとても慌ただしい日々だったのだそうです。

昨日のレッスンでも、いろいろ気づいたことがあり、とても学ぶところの多い時間になりました。

タッチを変えることを意識しつつもとらわれすぎない

昨日もフランス組曲です。タッチを変えながら弾くことを意識し始めるときりがありません。

家での練習の時も、いろいろなタッチを使って試行錯誤しながら、ここはこうしようか、ここはこっちのタッチのほうが良いかもしれない、など考えながら弾いていました。

昨日のレッスンでも、最初は一つずつのタッチのことを意識できる、ゆっくりしたテンポでアルマンドを弾きました。

その後、「少しテンポを上げてみましょう。」ということで、本来のテンポで弾いてみました。

2回、テンポを変えて弾いてみたことで、私自身が一つ一つのタッチを変えることにとらわれすぎていたことが分かりました。

ある程度の設計図を考え、音のイメージを作り、タッチを意識した練習をした上で、次の段階は音のイメージだけを頭の中に持って、一つ一つのタッチにとらわれずに流れを意識して弾いていく。

考えてみれば当たり前のことです。そうしなければ、いつまでたっても曲の持つ本来のテンポでは弾けません。

逆に、速いテンポの中でも瞬時にタッチを変えていけるくらい、手の内側の筋肉の力を強くしていくこと、 聴く力を磨いていくこと。結局、一番基本的なその部分に行き着くのです。

手の支えの意識を変えると響きが変わる

アルマンドに続くクーラントは速いテンポの曲です。こちらを速くしようとすると、何か平坦な気がしていました。

聴いていただくと、「平坦ではありませんよ。基本のタッチができているので、立体的に聴こえます。」と言っていただけて、ちょっとほっとしました。

ただ、何か自分の中でもの足りない感じがします。すると、先生が、 「少し引き上げてみたほうが良いかもしれない。」と言いながら 弾いてくださいました。

響き方が違います。「ここの左手がもう少し出ても良いかもしれませんね。」と言いながら、何小節か聴いたあと、もう一度弾いてみました。

先生の音の響きをイメージしながら、手の内側の筋肉を使って引き上げる感覚を意識して弾いてみると、やはり、さっきとはずいぶん響き方が変わりました。

引き上げながら下げる感覚

「指を鍵盤に下げて弾かなければ音は出ません。下げつつ引き上げるという相反する2つを同時にするのですから、これは実際にやってみないと分かりませんよね。」と先生も言っていましたが、本当にそのとおりです。

そのとおりです。「引き上げる」が実感できるようになるためには、手の内側の筋肉にある程度の力がついてくることが必要です。

手が空いてさえいればできる指の筋トレを地道にしていくこと。耳で聴く力を伸ばしていくこと。

当たり前のことであり、一朝一夕にはできないことですが、それを積み上げていった先に美しい響きがある、ということを改めて実感したレッスンでした。

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