こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

台風が近づいていますね。明日の明け方あたりがピークでしょうか。

ここのところ、雨が続いた上での台風なので、浸水などの被害が心配になってしまいます。

 

今日の午後は、安田寛氏の「バイエルの謎」という本を読みました。これには副題がついていて「日本文化になったピアノ教則本」とあります。

この装幀が赤いバイエルそのものなので、思わず自分の持っていた本と見比べてしまい、ついでに中を見てみました。

私が5歳でピアノを始めたとき、使ったのは、当然のことながら「子供のバイエル」、赤いバイエルでした。

その1ページ目に先生が書いてくれたのが「けんばんのそこまでしっかりうつ」「ゆびを一本一本よくあげて」「手首あげない」

改めて見直してみて「こんなことが書いてある!」と驚きましたし、ちょっとおもしろく思いました。今の奏法は全く逆ですから。

 

この本には、バイエルが日本でどのように教えられてきたか、ということと、バイエルという作曲家がどのような人物であったのか、ということの2つが謎解きの形で書かれています。

 

私にとって、より興味深かったのは、バイエル本人についての謎が解かれていく部分でした。

著者はバイエルゆかりのドイツの都市を訪ね、当時の戸籍や、教会に残っている洗礼の記録に当たります。

ようやくバイエル本人の記録を見つけることができ、バイエルがどのように音楽を学んだのかも分かってきます。

バイエルの母方の祖父・曾祖父が教会のオルガニストであり、母も若い頃、時に祖父の代理でオルガンを弾くほどの腕前だったことから、バイエルが母親からピアノかオルガンを学んだらしいことも推測しています。

バイエルは母との幼い日々の思い出をバイエル第一部に再現したのだと思えてしかたない。バイエルの第一グレード(前半、六十四番まで)にバイエルは、きっと幼い日々の母との楽しかった、時には少しは苦しいこともあったお稽古の思い出をいっぱい詰め込んだのだ。

何だかバイエルさんに親しみがわいてきました。そう思って教本を見返すと、思ったより連弾がたくさんあります。

そして、私も、もうずっと昔の、最初に教えてくれた先生と、初めて連弾した時のことを思い出しました。自分一人が弾いている時と、音の厚みも動きも全く違って感じられたこと、とてもきれいだなあ、と思ったこと。私にとっても楽しい思い出です。

私の教室にレッスンに来ている年長さん。連弾が大好きです。きっとあの頃の私と同じように感じてくれているといいな、と思います。