こんにちは。

今日は、調律師さんに伺ったお話を少し紹介していきますね。

 

以前、某有名音楽大学のピアノ科で使うピアノの調律を請け負う会社にお勤めだったときのこと。

その音大ピアノ科の卒業生は、プロのコンサートピアニストになる方も多く、また、いわゆる「有名な」ピアニストもたくさんいらっしゃいます。

卒業試験はホールで行われ、その時には調律師の方もその場に立ち会うのだそうです。

ですから、卒業試験を受ける人の演奏はすべて聞くとのこと。

そんな音大ピアノ科ですから、当然、演奏は相当なハイレベル。

ちょっと私には想像もつきません。

朝からずっと試験だそうですが、途中で15分間の休憩時間があり、調律師はその15分間でピアノを調整しなくてはなりません。

 

私が驚いたのは、「ピアノって3分くらいたつと、その時に弾いている人のタッチに合わせて変わるんですよね。」との言葉。

あるとき、その卒業試験の演奏を聞いていると、下までがんがんたたきこむような弾き方をする方がいて、「この弾き方では、後のピアノの調整が大変だなあ。15分で間に合うかなあ。」と思ったのだそうです。

ところが、その後に上手に音を鳴らす人がいて、それに合わせてピアノが変わってくれて、意外に休憩時間の調整がスムーズだった、とおっしゃっていました。

 

なるほど、やはりピアノは生きているんだな、と思ったお話でした。

レッスンの後に何だかタッチが変わっている、と思うこともあるのですが、そういうことなのですね。

調律師さんが「生徒さんの後に先生が弾くことで、元に戻りますから。生徒さんを凌駕するくらい弾いてください。」と笑いながらおっしゃっていました。

 

生きているピアノ。

その力を最大限引き出すのが弾き手。

そんな意識を持って、私自身が弾くとともに、レッスンでもそれを指導していきたいと思っています。