2019.04.23
弱拍にスパイスを
昨日はレッスンに行ってきました。都内は、ここ埼玉県よりもひと足早く春が来ていましたが、湯島聖堂前の銀杏並木の新緑がとても美しく、思わず写真を取りました。
速いテンポの曲で変化をつけるには
バッハのフランス組曲です。今回は、最後まで弾けるようにすることが一つの目標ではあったのですが、実際に練習していると、どうも平板な感じがしていました。特に速いテンポで弾くクーラントやジーグなどが気になります。
ポジションは元に戻ったので、基本の音の出し方そのものはある程度できています。
その中で、どう変化を付けていったらいいのか、自分の中でイメージのつかめるフレーズもありますが、ハッキリとはつかめないフレーズもあって、課題として抱えた状態でレッスンに臨みました。
一通り弾いたあと、ポジションが落ちているところはないことと「もう少し余裕が持てると良いですね。」とのことだったので、特に速い舞曲で平板さが気になるということを質問してみました。
弱拍に変化をつける
昨日のブログにも書きましたが、そういう場合、まず、「感覚が追いつくくらい、ゆっくり弾く」ということが大切になってきます。
「では、ゆっくり弾いてみましょう。」ということで最終曲のジーグをゆっくり弾き始めました。特に平板さが気になる下降音形の部分で、「ここをどうしたらよいのか分からないのです。」
「弱拍の時にはねあげるタッチを使うのも一つの方法です。」と教えていただきました。
8分の3拍子の2拍目です。ここでこの音を目立たせて良いのか?ただ、実際にやってみると、変化がつきます。「僕ならもっとはねあげるかもしれない。」と言われ、思いきってもう少しタッチに変化をつけてはね上げてみました。
はね上げるタッチは、「スパイス的に使う」ことが多いと、先生はセミナーでも言っていました。
「弱音にスパイス、ですね。」と笑いました。強拍は、聴き手も意識しながら聴いています。その中で、弱拍にはね上げるタッチが入ることで、全体としてつながってまとまりのある感じに聴こえるのです。
演奏を魅力的なものにするために
「ホロヴィッツがよくやるんですよ。ショパンなどを弾く時にもよくやっています。」
「弱拍はおとなしくしなくてはいけないと思っていました。」と言うと「アカデミックにはそうかもしれませんが、実際の演奏は魅力的であれば良いでしょう。」
「いろいろやってみてください。遊び心があったほうが良いですよ。」
「結局はセンスです。でも、センスは元々持っているものではなく、問題意識を持って磨くものです。」とも言われました。
何だか、こうあらねばならないという縛りが1つとれた気がしました。どんな演奏が魅力的であるか。そのために何をしたら良いか。自分なりに工夫をしていくこと。枠にはまらないで、魅力的な演奏を目指していろいろ試行錯誤してみること。
また大きな示唆をいただきました。練習しながら一つずつ試してみます。