大人のレッスン

ピアノを弾く時、脱力すると動きが滑らかになります

こんにちは。

ピアノを弾くとき、特に大人になってから始めた方は力が入りがちです。

でも、力が抜けると動きがとても楽に、滑らかになるのです。

 

保育士の生徒さん。

カレンダーマーチ、だんだん上手になってきました。

先日のレッスンでは、左手の動きが難しいところを部分練習。

右手はメロディーで、だいたいスムーズに弾けるようになっていますが、繰り返し前の最後の部分が難しいようでした。

では、ということで、その1小節も部分練習をしました。

 

何回かやるうちに、できたので、「大丈夫でしょう。」というと、

「最初からやると忘れてしまうので…」ということなので、最初からも練習しました。

私も一緒に弾いていて、全く問題なくひけたので、

「今度こそ大丈夫でしょう。」と言うと、

「1人だと難しいかも。」

それでは、と1人で弾いてもらうと、確かに弾けているのですが、とても力が入っているのです。

 

力が入っていると、手の動きは固くなってしまいます。

「力が入ってしまいますね。」

「そうなんですよ。なんか弾きにくくなってしまって…。」

では、ということで腕の力を抜く練習をしてみました。

 

手首の下に私が手を入れて、「力抜いて下さいね。」

「あ、これとても難しいかも…。」

確かになかなか抜けません。

力が抜けると手首の下に置いてある私の手を離したとき、生徒さんの手が下に落ちるはずなのですが、私が手を離してもそのままの状態です。

「これ、力を抜く練習をすると、スムーズに動くようになりますよ。」

 

「先生と弾くと、どうして弾けるんでしょうね。」

「たぶん、私の音が聞こえるので、安心していることと、私の手の動きを目が追って同じように脱力できるのかもしれませんね。」

「これ、今までで一番難しかったかもしれません。」

「少しずつやっていくと、慣れていきます。」

 

ひじ、手首、手。力が抜けると驚くほど弾きやすく滑らかに弾けるようになります。

でも、抜けている状態を1人で確かめることは難しいかもしれません。実際に体感してみることでイメージがつかみやすくなります。

時々、意識して脱力の練習もしてみてくださいね、ということでレッスンを終わりました。

「指遣いって大切ですね。」という生徒さんの気づき

こんにちは。

先日のレッスンで、保育士の生徒さんが「指遣いって大切ですね。」としみじみ言っていました。

本当に、そのとおりです。

 

「今まで、こんなに指遣いを意識して弾いたことはありませんでした。最初は面倒なんですよね。でも、覚えると、やりやすくなりますし、思い出しやすいですね。」

良かったです。指遣いの大切さを実感することができて。

実際、ピアノを弾くということは、運動の一種と考えることができます。

「運動記憶」は、一般の記憶とは、脳の中の違う部分に蓄積されているそうです。

ということは、記憶するとき、「いつも同じ指遣い」なら、一度記憶されると、当然それが引き出されるときもスムーズ。

 

よく、自転車の乗り方が例に出されますが、あれと同じです。

一度乗れるようになると、ずっと自転車に乗らなくても、身体が覚えています。

同じように一度指遣いが運動として記憶されると、身体が覚えているので、弾きやすくなるわけです。

もっとも、私の実感としては、ピアノの場合は自転車よりも複雑な要素があるので、もちろん、以前弾いた曲をすべてすらすら弾けるというわけではありませんが。(そうできたらどんなに良いでしょう!)

ただ、以前弾いた曲は、「指が覚えている」感覚というのが明らかにあって、その場合は、聞いているだけで指遣いが浮かんできます。

 

ですから、最初に「指遣いを決める」ということはとても大切なのですね。

その場合、ある程度経験のある人が指遣いを決めると、他の曲にも使える指遣いを基本に、その曲の前後を考えてアレンジしていくことができます。

結果的に、他の曲を弾くときにも応用できるわけです。

初心者が指遣いを決めると、なかなかそうはいきません。

レッスンにきて、指遣いを学ぶことのメリットは、そんなところにもあると思います。

 

先日の保育士の生徒さん、「カレンダーマーチ」の片手練習はだいぶできるようになったので、だんだん両手であわせる段階になってきました。

ご本人は「弾けないんです。」と言っていますが、なかなかのもの。

お忙しい中、本当によく頑張っています。

少しでもお手伝いできたらうれしい、と思いつつ、レッスンしています。

できるだけ弾きやすい方法を考える

こんにちは。

昨日の保育士さんのレッスン。

いらっしゃると、「聞いて下さい!2月の行事で歌う曲、いきなり変わったんですよ!練習、始めたのに…。どうしましょう。」というお話。

最初は「北風小僧の寒太郎」でした。

それが、「歌いにくい」ということで、「カレンダーマーチ」に変わったのだそうです。

 

楽譜を見せてもらいました。

「北風小僧の寒太郎」よりも弾きやすそうです。

同じパターンの伴奏形が続きますし、そのパターン自体が、4分音符の和音だからです。

「大丈夫!弾けます。」ということで、レッスンを始めました。

 

まず、歌を歌ってみます。

知らない曲だというので、ゆっくりめに一度通して歌い、来週までに何度も歌ってくることになりました。

明るい曲調の楽しい歌です。子ども達も楽しんで歌うでしょうね。

次に伴奏を確認します。

するとほぼ同じパターンが3回くり返されていることが分かりました。

これ、大切なことなのです。

同じパターンのくり返しと言うことは、1つ弾けるようになれば、曲の6割が弾けるようになるからです。

 

そのパターン部分の練習をしました。

その後、パターンとパターンのつなぎだけ取り出して練習します。

その時も、できるだけ「手の動きが少なくてすむ指遣い」を考えます。

昨日の場合も手の置き方と指遣いを工夫すると、親指をずらすだけで、スムーズに弾ける部分がありました。

 

分解して練習していくと、あっという間に左手の譜読みは終わりました。

今度は右手です。

「動きを少なくする」ことを優先すると、45の指で付点8分音符と16分音符のリズムを弾くことになり、それは弾きにくい。

その部分は「弾きやすさ」を優先していくことにしました。

音型によって、優先事項は変わっていきます。

右手のメロディーも指遣いを書き込みながら、すぐに譜読みができました。

 

弾きやすさは、ご本人の手の大きさや弾き方にも左右されます。

ですから、お一人お一人に合わせたレッスンで確認しながら指遣いを決めていける、個人レッスンの良さが生きるのかもしれません。

「大丈夫、弾けますね。絶対間に合います。」と言うと、ご本人も

「本当に。大丈夫ですね。」とほっとしたようでした。

次に弾く音の準備をする

こんにちは。

六十代で、レッスンに来ていらっしゃる女性の生徒さんがいます。

 

「息子も娘も習っていて、いつか私もと思っていて…」ということで、「いつか」を実現なさいました。

そろそろ1年になります。

お仕事がお忙しい中、まずはレッスンに来る時間の確保から。

次には、ご家族との折り合いをつけて練習できるようにすること。

仕事を持ち、主婦でもあり、畑もおやりになっている。

そんな中でピアノを続けていくため、一つずつ環境を整えていらっしゃいました。

 

1年経って、指も慣れてきました。

今は、クリスマス会に向けて、ベートーベンの「悲愴」第2楽章のハ長調編曲版を練習中です。

まず、右手から。2分音符が続きます。

最初は、スムーズにいきませんでした。

2拍、のばして、次にいこうとすると拍子に間に合わない。

ふしぎなことに、4分音符で動くところは、かたまりとして頭に入っているようで、そちらのほうがずっとスムーズです。

 

そこで、前の音を弾いたら、すぐに次の音符を見て、指を準備しておく、ということをお話ししました。

もう一つ、その手順が間に合うように、今よりも、もっとゆっくり弾くこと。

それを心がけましょう、ということで実際に始めてみました。

 

今度は、ずっと滑らかになりました。

その上で、できるだけ、次の音のイメージが頭の中に入るように、何回も練習します。

まず4小節。

できるようになったら8小節。

これをくりかえしました。

 

「脳トレになります。」とおっしゃりながら、音符→指遣い→鍵盤の流れを意識できるようになってきました。

だんだん上手に弾けるようになっていきます。

「また、練習してきます。」とおっしゃって、帰っていかれました。

 

1年、毎日の積み重ねで上達していきます。

自分の指で音を出すことの楽しさ。

それから、新しいことにチャレンジして、それが出来ていくことの楽しさ。

それは、年齢に関係ありません。

人生の先輩のチャレンジする姿勢に敬意を持ちつつ、私もレッスンに臨んでいます。

両手での演奏にチャレンジする大人の生徒さん

こんにちは。

60代女性の生徒さん、今度のクリスマス会にも参加する予定です。

10月から始め、お忙しい時期には2ヶ月近くお休みもあったので、今回のクリスマス会では連弾が良いかな、と思っていました。

 

昨日、いらっしゃると、「クリスマス会にこれが弾いてみたいんですけど…」ということで、ベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」第2楽章を、ハ長調に編曲した楽譜をお持ちになりました。

お子さん達は、皆さんピアノを習っていたそうで、お母さまであるその方も「いつかは私も弾きたい。」と思って始めたレッスン。

夏休みにお子さん達とお話もしたらしく、「1(2)」と指遣いがかいてあるところは、「どちらでも良いんだよ、と息子が言っていました。」とのこと。

今までとは違う、左右別々の動きにチャレンジすることになりますが、「脳トレだと思ってやってみます。」とのことです。

 

まずは右手から。

お家ですでに練習を始めたので、譜読みはスムーズでした。

ただ、次の音を弾く兼ね合いで、同じ音でも、音型によって指遣いが変わってきます。

その辺りが、なかなか難しく感じていらっしゃるようでした。

 

とにかく最初はゆっくりゆっくり。

楽譜を見て、音と指遣いを確認して鍵盤で弾く、その一連の流れができる速さで何回も練習すること。

2分音符などの長い音の間に、次の音の鍵盤の位置に指を載せておくこと。

これを意識して何回か練習している間に、右手がずいぶん弾けるようになってきました。

 

片手ずつ、スムーズになるまで練習する。

それができてから、両手にしましょう、ということで、次回までに練習を重ねてくることになりました。

自分がやりたいと思ったタイミングが、自分にとってベストな時。

大人の方のチャレンジも続きます。

細かく分けて、一つずつ

こんにちは。

昨日、レッスンにいらっしゃった保育士さん。

「北風小僧の寒太郎」を練習しています。

前回のレッスンでは、左手の部分の譜読みを一緒にやりました。

 

「ちょっとしか練習出来なかったんです…」とおっしゃっていました。

それはそうだと思います。

8時~17時が一番中心となる勤務時間だそうですが(昼食も含まれていますね)、通勤に往復約2時間。

実際に自分自身が自由に使える時間がどれほどあるか。

さらに疲れてしまったとき、自分が「苦手」と感じているピアノに取りかかるパワーがどれだけ残っているか。

それを考えると、「ちょっと練習した」というだけでも、頑張っていらっしゃると思います。

 

左手の部分を聞かせてもらいました。

前半はスムーズに進み、なかなか良い感じです。

後半、「冬でござんす」の少し前から、滞ってきました。

そこで、リズムは後回しにして、和音だけ練習することにしました。

 

「手が覚えるまでこの練習をします」ということで和音だけ。

それも、最初は2つから。

この曲は1小節同じ和音なので、2小節だけ。

何回かくり返すうちに、その2小節はスムーズに弾けるようになってきました。

次は、その2小節を楽譜通りのリズムで弾いてみます。

スムーズに移動できます。

 

「でも最初から弾くときっと弾けません。」

「いきなり最初から弾くのではなくて、1小節(あるいは、和音が変わらなければ2小節)ずつ、前にさかのぼって、弾く量を増やしていきます。」

「なるほど。」

 

右手部分も、練習を始めます。

楽譜を読むことが難しい、という苦手意識をお持ちなので、「北風小僧の寒太郎」については、階名を書き込むことにしました。

「読めない」とおっしゃっていたのですが、全然迷うことなく、さっと階名をふることができました。

フラットには赤丸をつけました。

 

その後、弾いてみて、リズムが難しいと言うことでしたので、リズム打ち。

ただ、この曲は、タイもあるし、タッカのリズム(付点8分音符と16分音符)が多いので、逆にリズム打ちは難しく感じられたようです。「難しい」という気持ちがあると、それが抵抗になって、練習したくなくなるのが人間というもの。

私が弾いている動画を撮り、それに合わせて階名を歌うというところから始めることにしました。

音だけ聞いて歌うのなら、通勤時間でもできます。

 

帰り際「ピアノのイメージが変わってきました。前ほど嫌ではなくなってきました。」とおっしゃっていただきました。

できるだけ、ステップは小さく。できたことに目を向けていく。

上達するためには、これがとても大切だと考えています。

保育士さんの体験レッスン

こんにちは。

昨日は、保育士さんをしていらっしゃる方が体験レッスンに来てくださって、ご入会いただきました。

今まで、その場その場で「この曲を」と練習してきたのだけれど、体系的に学んでいきたいと思ったのだそうです。

同時に、2月に係分担で弾くことになっている曲を仕上げていきたいとのこと。

 

ある意味、学校の先生や保育士さんのサポートは、私にとっては得意分野と言えるかもしれません。

保育園には息子がお世話になり、また学校現場は熟知しているので、その状況の中で何が必要とされているのかが見えています。

小学校の授業や、保育園の行事の中で、ピアノについて必要なのはどういう力なのか?

完璧にピアノが弾けても、授業で苦労していた音大ピアノ科出身の音楽の先生の姿を、中学校で見てきました。

逆にピアノは苦手だけれど、生徒達が楽しみにするような授業ができた音楽の先生もいらっしゃいました。

音楽は「音を楽しむ」ことが基本なので、子ども達が楽しめるように、指導する側がピアノをどう使っていけるか、そこがとても大切なのではないかと思うのです。

 

一方、練習を効率的にする方法、というのもあります。

例えば、昨日の方は「北風小僧の寒太郎」の楽譜を持っていらっしゃいました。

体験レッスンでは、左手部分の練習から入りましたが、4小節に8回、同じ音・リズムが続いています。

一つそれが出来れば、4小節分の左手は弾けてしまうのですね。

まったくの初心者がそれを見ていくのは、難しいかもしれません。

でも、ピアノを弾き慣れている者の目で、全体を見ていけば、そういうことが見えてきます。

昨日の方も、それで2段分、8小節の左手伴奏部分の譜読みができました。

歌が入ってからも、左手のリズムパターンは同じであること。

だから、和声の変化を追って、その練習をしていくこと。

 

効率的な練習方法をしていけば、一人でやるよりもずっと早く仕上げることができます。

その部分で、お役に立てればとてもうれしく思います。

弾かない指も鍵盤の上に置いておく

こんにちは。

先日、大人の初心者の方のレッスンをしていて、気付いたことがありました。

 

今は、「オトナのピアノ」の中にある「ドレミのうた」を練習しているところです。

この「ドレミのうた」は、連弾になっていて、生徒さんの弾くファーストは右手と左手とを使ってメロディーを弾き、そこに伴奏がつく形の編曲になっています。

指は、最初に決めたポジションの範囲内で使うようになっています。

この形のものは、初心者でも広い範囲の音域(10本の指がつかえるので)が使えるので、曲のメロディーを演奏するのには適しています。

「ドレミのうた」の場合は、黒鍵を使う部分が何ヶ所かあり、そこが変則的になっているのですが、それ以外は基本的に一つの鍵盤に対して決まった指を使います。

 

ただ、この決まった場所に指を置いておくのが難しいのですね。

左手を弾いている間に、右手にも少し意識をむけておかないと、右手の指は鍵盤から離れてしまって、最初に置いた位置からずれていきます。

そうすると、左手で弾いていた音域が終わって、右手で弾こうとしたときに、「あれ?」となってしまうのです。

 

最初は、かなり動いていたのですが、「このラの音を弾いた後、指をこのままラの鍵盤の上に置いて、触っていてください。」というお話をして、集中的に練習していきました。

何回も練習していくうちに、ご本人も

「少し意識できてきました。」とのこと。

さらに練習を重ねていくと、できるようになりました!

弾いていないほうの手を鍵盤の上に置いておく意識が持てるようになりました!

左手を弾いている間にも、右手に注意を向けられるようになったのですね。

 

ピアノは左右の手を使って、同時に違う動きをします。

それができるから、一人でメロディーと伴奏が弾けますし、最大同時に10の音が鳴らせます。

そんな楽器だからこその楽しさ。

ただ、そこに至るまでの過程で大変な時もあります。

そのうちの一つができるようになってきました。

また、次が楽しみです。

忙しい時は、楽譜を見るだけでも

こんにちは。

5月から新しくピアノを始めた大人の生徒さん。

大変お仕事がお忙しくて、なかなか練習する時間が取れない様子。

 

大人の方の場合、皆さん、楽譜はある程度読むことができますね。

やはり、ピアノを習おうと思い立っていらっしゃる方々ですから、音楽に興味がおありです。

小学校~高校までの学校生活の中で、音楽の授業を受け、その中で楽譜をずっと目にしています。

その蓄積の分、小さいお子さんよりもずっと早く譜読みができます。

 

一方、手を動かす、という点については、なかなか難しい。

小さいお子さんも最初は難しいのですが、やはり慣れるまでの期間が短いですね。

その上、大人の場合には、お仕事など「やるべきこと」がたくさん!

毎日忙しくしていて気がつくと夜だった、ということは日常茶飯事です。

その中でも「ピアノを始めよう」という一歩を踏み出し、そして実際にレッスンにいらっしゃることを決める。

それだけでもとても大きな事だと思います。

 

練習時間が取れないときはどうしたらよいでしょうか。

何もせずに1週間たってしまうと、前回と同じ状態のままです。

少しでも楽譜を見ること。

指を動かすイメージを持つこと。

階名で歌うこと。

これだけでも、練習になります。

実際に鍵盤が弾かなくても指を動かすイメージを持つだけでも、脳に刺激が加わります。

 

少しでも楽譜を見て、自分が弾いているイメージを持つ時間を取ってくださいね。

自分が弾けるイメージを持つ時間が増えていくと、なぜか実際の練習時間も取れるようになっていきます。

お忙しい中だからこそ、ピアノを通して、ほっとできる楽しい時間を少しでも持っていただければと思います。

まず「始めよう」と決める

こんにちは。

昨日は、大人の方が体験レッスンにおみえになり、その場でご入会を決めていただきました。

小学校の先生をなさっている方で、ピアノを弾けるようになって授業に生かしていきたいとのことでした。

ご自身が小学生の時に受けた音楽の授業がとても魅力的だったので、子ども達にあのような楽しい音楽の授業をしてあげたい、というお気持ちからピアノを習うことを決めたそうです。

この生徒さんの場合、ご自分の未来の姿をしっかり頭に描いていらっしゃいます。

そして、その道筋の一つとして「ピアノを習うと決める」ということをされました。

 

大人の方の場合、やはり一歩を踏み出すまでいろいろ考えます。

仕事はあるし、家事はあるし、育児も、介護もあるかもしれません。

その中で、やはり大切なことは「始めると決意する、決める」ということだと思います。

これは、ピアノに限ったことではありません。

 

人はどうしても、自分に自分で制限をかけてしまいます。

でも、自分の人生は一度きり。

しかも時間は有限です。

その中で本当に自分がやりたいことは何なのか、それを考え、感じていくことが大切ではないでしょうか。

そして優先順位を決めてやろうと思ったことがあれば、一歩を踏み出していく。

その一歩は小さく見えても、時間が経つに連れて大きな違いになっていきます。

 

私自身のことをふり返っても、やはりそうですね。

母が亡くなって、「人生は有限だ」ということを本当に実感しました。

今ふり返ると、母が私に残してくれた最大のメッセージだと思っています。

その中で「自分は何をやりたい?」と自分自身に問いかけた時、「もう一度ピアノと向き合いたい」という思いが出てきました。

考えるという感じではなく、わいてきた、あるいは降ってきた感じがします。

そして、再開したあと、ピアノでの自分の方向性を決めるとき。

「やはり音色を追求していきたい」

そんな思いから今の先生に出会うこともできました。

 

春、いろいろな変化の時。

何か始めたいと迷っている方、ぜひ「始めると決め」て一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。