子育て

2019.06.27

アルプスの少女「ハイジ」を読む

本屋さんで「100分de名著」という番組のテキストを見かけ、今月は「アルプスの少女ハイジ」が取り上げられていたので、もう一度読み直したくなりました。

本は家にあったので、あらすじはよく覚えているのですが、抄訳だったのでしょう、今回読みなおして、いろいろな発見がありました。今回私が読んだのは、「偕成社文庫 完訳版ハイジ1・2 ヨハンナ・シュピーリ作 若松宣子訳」です。

小学生のお子さんにも、大人の方にもぜひ読んでもらいたい、優れた作品だと思いました。

純真さ、気持ちを率直に表すこと

何よりも心に残ったのは、ハイジの純真さ、素直さ、そして自分の気持を率直に表すことでした。

だからこそ、人とすぐにつながることができる。「人嫌い」だったはずのおじいさんとも、ペーターとも、ペーターのおばあさんとも。

そしてフランクフルトに行ってから、そこで出会ったクララや召使いのセバスティアン、クララのおばあさまたちともそうです。

一方、「形」にこだわるロッテンマイヤーさんにとっては、それがとても怖いことであり、受け入れることができないことなのです。ですから、その率直さをとがめられ、辛い思いをすることになります。

「本を読んで泣きわめいたりしたら、本を取り上げて返さない」と言われてしまいます。

ハイジは本を読んでもけっして泣かなくなりました。が、それはたいへんなことでした。気持ちをおさえて、泣かないようにするのに、とても努力しなくてはならなかったのです。

(途中略)

ハイジはほとんどなにも食べなくなりました。夜になってベッドに入ると、とたんにふるさとのできごとが目にうかび、家を思って、だれにもきかれないように、まくらに顔を押しつけて、静かに泣きつづけるのでした。

偕成社文庫 完訳版ハイジ1 ヨハンナ・シュピーリ作 若松宣子訳

おじいさんのところに戻って「息もできなくて、とても苦しかった」と振り返っています。

人を思いやる気持ち

ハイジはいつも他の人のことを思いやる気持ちにあふれています。目の見えないペーターのおばあさんのことをいつも気にかけ、優しく接します。それも、とても自然に。

ハイジが自分自身の気持ちに率直であるからこそ、他の人は心を開いて自分の気持ちを率直に伝えられます。そしてハイジはそれを相手の身になって考え、良かれと思うことを、また率直に行動に移していきます。

フランクフルトからスイスに戻ってからの描写に、特にそれが表れています。お金をどう使うか。ペーターのおばあさんにパンを買ってあげる。

作者自身が信仰の篤い人だったのでしょう。それが随所に表れていますが、おじいさんにも信仰の大切さを伝え、おじいさんが教会に出かけるきっかけを作ります。その結果、おじいさんは村の人々に受けいられるようになるのです。

お医者さんのクラッセン先生。娘を亡くして悲しみで心がいっぱいになって、山を訪れた先生も、自分の悲しみを(遠回しに)ハイジに話し、そして自然の力とハイジやおじいさんとの関係の中で癒されていきます。

そして、言うまでもないクララ。山の自然の力だけではなく、ハイジやおじいさんが自然との適切な橋渡しをしてくれたからこそ、都会の中で押し込められていたものが開放され、歩けるようになっていきます。

時代を超えて

この本が出版されたのは1880年。今から140年も前のことですが、時代を超えて今の私達に訴えるものがたくさんあります。

作者シュピーリの人間への愛情があるからでしょう。同時に、人間を多面的に見る観察眼の鋭さもあちこちに表れています。

今回読み返してみて、子供時代に読んだ時と大きく違うのは、育てる側の人、特にクララのおばあさまの人物像がとても印象に残ったことです。これは、私の年齢からすれば当然のことですね。

人を包み込む温かさ、そして人の本質を見抜いた上で、その人に合わせて大切なことを示していく姿。一つの理想的な大人の姿が描かれています。

また、都会の中で「作法」や「仕事」で心に壁を作る人の姿が描かれていて、それは、今の日本ではその状況がさらに進んでいます。これも、一つの大きな視点を与えてくれました。

読書は、さまざまな気づきを与えてくれます。今回も、とても楽しい一時をすごすとともに、いろいろ考えるきっかけも与えてもらいました。

1年の振り返りする

年度末となる3月、たうらピアノ教室では、中学生以下の生徒さんと、保護者の方との面談を行います。

この1年でできるようになったことの成果を振り返り、次の1年の目標を設定していくためです。

「振り返り」と「反省」

学校でも、だんだん「振り返り」という言葉が使われるようになってきました。特に、授業の中では増えてきました。

でも、少し前まで、「反省」という言葉をたくさん使っていたように思います。広辞苑で「反省」を調べてみると「自分の行いについてかえりみること。自分の行為について考察し、批判的な評価を加えること。」

本来、何か行動すれば、良いこと(思うようになったこと)も悪いこと(思うようにならなかったこと)も両方ありうるものです。

でも、学校の中では、どうしても「できなかったこと、うまくゆかなかったこと」に焦点を当てて「反省」することを行ってきました。

ただ、どうしてもそればかりに焦点を当てると、「ちゃんとできなかったこと」ばかりがクローズアップされてきて、残念な自分、できない自分ばかりに目が行きがちです。

そうすると、次の行動がなかなか起こしにくくなってしまうのです。また失敗するかもしれない、またうまくいかないかもしれない、となってしまうからです。

それよりも「うまくいったこと、良いこと」に焦点を当てて「振り返り」、よくできたんだ、頑張ったんだ、と認めていくことがとても大切なのです。

その上で、もう少しこうしていけば「もっと良くなる」ということを考えると、次の一歩が踏み出しやすくなっていきます。

この時期だからこそ

一年は、長いようでいて短く、でも無自覚でいるとあっという間に過ぎてしまいます。だからこそ、できるようになったことを、振り返り、味わうことが大切なのです。

できたことを振り返ると、それぞれの生徒さんが成長し、進歩している様子がとてもよく分かります。

こんなにできるようになっていたんだ、ということは、意外に自分では自覚できないことが多いのです。

だからこそ、本人だけでなく、保護者、先生の目から見ても、こういう進歩があった、こんなふうに頑張っていた、ということをフィードバックする機会が大切です。

それぞれの成長、進歩を見る

保護者の方も、同じ年頃の他のお子さんのことが気になる場合があるかもしれません。

でも、大切なことは、かけがえのない、そのお子さんがどう成長したか、進歩したか、ということです。

改めてふり返る機会を持つことで、お子さんが「また、次に頑張ろう」と思えるような面談にしていきたいと考えています。

2018.11.26

「ほめ方」は難しい?自分の感じたことを「伝えて」いく

こんにちは。

ほめることは難しい、と思っている保護者の方は多いのかもしれません。

私は、「ほめる」というより自分の感じたことを「伝える」ようにしています。

 

中学生を相手にしていた頃、最初のうちは一生懸命「ほめよう」と思っていました。

ところが、場合によると「おだてている」と取られてしまうこともありました。

実は、このあたりが中学生くらいのお子さんの難しいところです。

その後、心理学やコミュニケーションについていろいろ勉強していくうちに「自分の感じたことを伝える」ほうが良いということを知りました。

言葉にすると「素晴らしい」とか「すごいね」なのですが、

「(私はあなたのその行動を)素晴らしい(と思っている)」

「(私はあなたのその進歩を)すごいね(と思っている)」

ということですね。

 

あと、もう一つは、できるだけ具体的に伝えるようにしていました。

「漢字練習をたくさんやって、頑張っているね。」とか、

「文字が丁寧で読みやすいね。」とか。

今も、できるだけ具体的に、

「この部分の強弱の付け方が素敵だと思う。」とか、「正しく弾けているね。」など、と「何が」を言うように心がけています。

 

先日のレッスンで、幼稚園年長の生徒さんが、次の曲の楽譜がすらすら読めるようになり、リズム打ちもとても正確にできていて、とてもうれしくなりました。

ピアノを始めて7ヶ月。どんどん成長していきます。

お母さんにも「進歩が速いですね。どんどん成長していきますね。」とお話ししたところ、

「先生がたくさんほめてくれるから。」と言っていただきました。

ありがたく思いました。

実際、楽譜が読めて、リズムが分かってきて、自分で次の曲が弾けるようになってくる。

一つ、段階が上がっていきます。

 

子育て中の自分を振り返っても、ついつい「あれがまだできていない。」「もっとこうなってほしい」が出てしまいがちだったと思います。

どうしても、親の立場だとそうなってしまうのです。

ただ、できるだけ、「以前よりもできるようになったことに目を向けよう」「進歩したことをフィードバックするようにしよう」と思うようにはしていました。

 

「私はこう思っている」という形でお子さんの良さを本人に伝えていきませんか。

お子さんに対する見方そのものが変わってくるかもしれません。

2018.10.11

子どもの頃の経験は深いところに蓄積されています

こんにちは。

子どもの頃の経験は、深いところに蓄積されていて、ふとしたきっかけで戻ってくることがあります。

ピアノも同じです。子どもの頃に弾いた曲は、やはり指が覚えていてまた弾くことになるとすぐ戻ってくるのですね。

だからこそ、子ども時代の経験はとても大切だし、豊かであってほしい、こんなことを改めて思いました。

 

きっかけは「赤毛のアン」についてのテレビ番組を見たことです。

NHKに「100分de名著」という番組があって、今「赤毛のアン」が取り上げられています。(アーカイブで見ています)

私も子ども時代に読んだのですが、これが細部までかなりはっきりと記憶に残っているのです。

取り上げられているエピソードの一つ一つに対して、「あ、知っている知っている」「そうそう」と思いながら見ていました。

頭の中に言葉でも、アンの「想像力」ではありませんが、映像でもはっきりと見えるのです。

 

何だか懐かしくなって、また読み返してみることにしました。

改めて読んでみると、さまざまなエピソードの感じ方、見方がまた変わってきて興味深く思いました。

子ども時代の読み方は、アンを中心にとらえることになります。

でも自分が子育てをした後の今、読み返すと、マリラ、マシュウの気持ちがとてもよくわかるのです。

人物がきちんと描写されていると、その時その時の読み手の状況によっていろいろなことが読み取れます。

 

最初にも書きましたが、音楽も同じだと思います。

ここのところ勉強していたモーツァルトのソナタは、子ども時代に弾いていたもの。

でも、年月を経て、奏法を変えた今だから分かることがたくさんあります。

それだけでなく、それに加えて年齢、経験によって分かること、感じることもまたたくさんあります。

これを比較できることそのものにも大きな意味があるように感じました。

 

だからこそ、子ども時代に、さまざまな美しいもの、すばらしいものに触れる場面が大切なのだとあらためて思いました。

2018.08.09

新しい習慣を作るときは、今ある習慣とくっつける

こんにちは。

今日は、習慣化について書いていきますね。

新しい習慣を作るときには、前にある習慣、すでにもう習慣となっていることとセットにすると作りやすくなります。

 

ピアノのレッスンを始めたとき、やはり「毎日ピアノを練習する」という習慣を作ること、それがとても大切です。

「習慣」になると、いちいち「さあ、ピアノの練習を頑張るぞ。」というエネルギーを使わなくてもすむようになります。

たとえば、歯磨きをするときに、「さあ、歯磨きをするぞ。」と「頑張る」人はいません。

食事が終わると「歯磨きしよう。」くらいの軽い気持ちで取りかかると思います。

逆に歯磨きをしないでいると「何だか気持ち悪いな。」となります。

習慣にはこのように「やるのが当たり前になる」「始めるのにエネルギーを使わなくなる」という側面があるのです。

 

習慣を作るときに一番早道なのが、「今ある習慣にくっつける」ということです。

ですから、ピアノの練習もお子さんの場合なら、「宿題をするという習慣」にくっつけるとか、「おやつを食べる」という習慣にくっつける等していくと、作りやすくなります。

また、最初はできるだけハードルを下げていくことも大切。

初めは5分から、そしてだんだん「習慣化」したら長くしていく。

そうすれば楽に練習出来るようになります。

 

もちろん、ピアノが楽しくて仕方がない、という場合には、そんな努力は必要ありませんよね。

そういう方もいます。

ただ、多くの場合、「ピアノを弾けるようになりたいけど、練習はちょっとめんどうくさい」というところからはじめるもの。

その時に「習慣化」がうまくいくと、面倒くささがぐっと下がり、練習することによって、進歩も早まります。

 

これは、ピアノだけに限らず、何か新しい習慣を作るときに役立ちます。

大人でも、生活を見直して新しいことを何か取り入れたい、習慣化したい、と思うときに意識してみてはいかがでしょうか。

2018.08.04

「読書感想文」の書き方

こんにちは。幼稚園・小学校は夏休み。いろいろ、楽しいイベントの話を聞かせてもらえます。家族でキャンプに行ったこと、自転車を買ってもらったこと、水泳が上手になってきたこと…。

そこで、今日は、夏休みならではのこと。

ちょっと長くなりますが、「元中学校の国語の先生」だった私が、「読書感想文の書き方」についてお話ししていきます。中学生向きの部分があるかもしれませんが、基本は小学生も同じです。

少しでも、参考になる部分があれば幸いです。

1本を読むことの大切さ

  1. 自分の考えをはっきりさせることができる→自分を見つめ直す
  2. 人の立場にたって物事を考えることができる→想像力が育つ
  3. いろいろな考えに触れ、視野が広くなる→自分自身が変わる

「本を読むことは大切」ということは、誰でも分かっていることだと思います。夏休みというまとまった時間が取れる時期だからこそ、深く読んでいく経験をする良いチャンスです。

そして、「読む」というインプットを「書く」というアウトプットと結び付けることによって、「自分を見つめ直し」たり、「想像力を育て」たり、「視野を広げ」たりしてほしいのです。

2読書感想文を書く目的

 1感想を文章に表すことによって、それまでの本に対する感動がはっきりしてくる。

 2自分の心の歴史になる。本を通して自分がどのように成長してきたかをたどることができる。

「成長」というと、なんだか「すごいこと」のように思うかもしれませんが、「何となく感じたこと」「何となくおもしろいと思ったこと」の「何となく」を言葉にしてはっきりさせていくことこそがとても大きな「成長」につながります。

大人でもそうですから、お子さんはなおさらです。最初は「言葉にする」部分が大変かもしれませんが、「どうしてそう思ったのだろう?」とか「似たような経験はないだろうか?そのとき自分はどう思ったのか?」ということをヒントに考えてみると良いでしょう。

3 本の見つけ方

  1. 人(家族・友人・先生など)に今まで読んで心に残る本がなかったか聞く。
  2. 今まで読んだ中で良かった本と同じ作者、同じシリーズの本を選ぶ。
  3. どういう傾向の本が読みたいか決め、専門家(図書館の司書さんなど)に聞く。
  4. 本の紹介の本、新聞・雑誌の紹介コーナー等を利用する。

課題図書を選んで読んでみるのもいいかもしれません。また、この時期には図書館や書店でも「おすすめの本のコーナー」作られることが多いので、その中で興味の持てそうな本を選んでいくこともできます。

何か「おもしろそう」という「ひっかかる」ものがある本を選べると良いですね。

4 読んでみよう

実際に書いていくまでには何回か読み返すことになります。大切なのは「メモ」に残しながら読むことです。

1回目 だいたいの感動を素直に書く

全体を読んでのだいたいの感想、感動を書いていきます。「感動」というとこれも「すごいこと」と思うかもしれませんが、「心が動いたこと」すべてが感動だと考えてみて下さい。

  • 楽しかった
  • うれしかった 
  • おもしろかった
  • ○○と思った(○○には「すごい」「やさしい」など)
  • さびしかった
  • くやしかった
  • はじめてわかった
  • 悲しかった
  • 考え込んでしまった
  • 腹立たしかった など

どうして「おもしろかった」のか?どうして「楽しかった」のか?という部分を2回目以降に読みながら考えるヒントにしていきます。

2回目 部分的にメモをしながら読む

この段階では、気が付いたことを何でもメモしながら読んでいきます。付箋を使うと、次の3回目にも役に立ちますし、この後実際に書くときにも役に立ちます。

図書館の本の場合には、のりが本に残ってしまうので、付箋は使わないでほしいとのことです。紙をはさんだりしながら読むといいかもしれません。

気がついたことの例としては次のようなものがあります。

  • 面白く楽しいところ
  • 悲しいところ
  • 共感したところ
  • 読んでいて腹が立ったところ 
  • 疑問に思ったところ
  • ジーンとして涙が出そうになったところ 
  • 自分(あるいは身近な人)にも似たような体験があったところ
  • 気に入った文章
  • 初めて知ったこと
     

3回目 メモした部分を中心に読む

2回目メモした部分を中心に読んでいきます。1回目の全体の感想をもとに、「どうして○○と思ったのか」ということの答えや、本を読んで自分自身の考えがそれまでと変わった部分が重要なところです。

その重要だと思う部分を書き抜き、並べてみます。

そして、自分はそれについてどう考えているのか、自分だったらどう行動するのか、自分の今までの経験の中で感じたことなどを加えていきます。

私が中学校で教えていた時には、付箋の色を変えて使っていました。本に書いてあることは水色の付箋、自分の考えや経験は赤い付箋など、色を分けると次の段階にもつながりやすくなります。

5書いてみよう
(文章の組み立てを考えて)

一番書きたいことは何かを考える。

  (例)本当の優しさとは……   主人公について……と思う。
  これは、1つか2つの短い文にまとめると良いでしょう。

文章の構成を考える 

小学生だと、三段構成で良いのではないでしょうか。真ん中の部分が一番長くなるようにします。
 (例) 初め  ・自分の経験から書き始める
     中   ・特に印象に残った場面の引用
         ・自分を振り返って・自分と比べて
     終わり ・自分が本を読んで考えたもっとも書きたいこと。

この時に、付箋に書き出してあると、順番を考えながら、紙にはりつけていくだけでまとめられますね。

実際に書いてみる

中学生を教えていた時、「書けない」という生徒ほど、「考えたこと」だけでうめつくそうとしている傾向がありました。印象に残った場面を中心に、自分の経験も含めて書いていくことで、書けるようになっていきます。

あらすじや後書きに書いてあることを書くのではなくて、印象に残った場面を中心に書いていけるといいのではないでしょうか。

読書感想文、なかなか大変に思うかもしれませんが、「書く」ということを通して自分の頭の中にしっかり内容を入れていくことができるので、頑張ってくださいね。

2018.05.05

「うんちがぽとん」の絵本

こんにちは。

今朝の空も、5月らしい空ですね。

たうらピアノ教室は、基本的に祝日はお休みなので、ここのところレッスンもお休みです。

生徒さんもそれぞれゴールデンウィークならではの過ごし方のお話をしてくれました。

保護者の方もお忙しい中、お子さん達にいろいろな経験をさせてあげようとしていらっしゃって、いつも感心しています。

 

さて、今日は子どもの本の話を書きますね。

やはり、お子さんにとって新しい本は楽しみなもの。

レッスン室に置いた絵本。

レッスンを待っている間に生徒さんが読んだり、生徒さんの妹さんにお母さんが読んであげたり。

なかなか活躍してくれてうれしいです。

見ていると一番人気なのが「うんちがぽとん」

 

これは、うちの子どもも大のお気に入りで、小さい時よく読んでいました(というか読まされました)。

おむつがはずれた記憶がまだ新しい子どもにとって、まあくんのこのお話はとても身近なものなのでしょうね。

そして「自分はおむつは卒業した!赤ちゃんではないよ。」という思いがあるから、よけい楽しいのかもしれません。

そして、くり返される「でたかな?まだまだ。」という言葉。

今回数えてみたら、1ページに36回もくり返されていました!

このくり返しも、とても楽しかったようです。

 

ずっと取っておいた絵本たちが、また皆さんのお役に立てて、私もうれしく思います。

きっと絵本も喜んでいることでしょう。

出来た事実をフィードバックする

こんにちは。

連休後半に入り、今日も良いお天気になりそうで良かったです。

写真は昨日の続き、妻沼のバラです。

 

よく「ほめて育てる」という言い方をしますが、意外にこれが難しいですね。

今日はちょっとそんなお話を書きます。

大学の学習心理学で「内発的動機付け」「外発的動機付け」ということを学びました。

「内発的動機付け」は本人が「好きだから、楽しいからやる」という気持ちで取り組むこと。

例えば、「絵が好きだから絵を描く」などです。

 

「外発的動機付け」は「ごほうびがほしいからやる」という気持ちで取り組むこと。

中学生などだと多かったのは「今度の定期テストで○番以上の順位がとれたら、携帯を買ってあげる」というパターンです。

逆もありました。「定期テストの順位が○番以下だったら携帯は解約」

 

「内発的動機付け」のほうが自分自身が決めたことなので継続もできるし、何より積極的になれます。

一方、外発的動機付けの場合は、短期的な効果はあるのですが、ごほうびがなくなると行動そのものをしなくなる、という部分があります。

この外発的動機付け、「もの」の場合は分かりやすいのですが、「言葉」もごほうびになるのですね。

もちろん、人は誰でもほめてもらうのはうれしい。

また、それで頑張ろうという気持ちにもなれますから、基本的には大切なことだと考えています。

ただ、行きすぎると「ほめてもらうからやる」「ほめてもらえないことはやらない」につながっていきます。

そうすると本人の何かをしようとする意思がどこか見えなくなってしまうのです。

 

ではどうしたらいいのか?

できるだけ、「できた事実をフィードバックする」ようにします。

「楽譜が読めたね。」

「リズムが正確にとれたね。」

「毎日練習できたんだね。」

という形です。

あと、これに加えてできるだけ、「私の感想」を加えるようにしています。

「毎日練習できたね。すばらしいことだと思うよ。」というように。

 

できるだけ、生徒さん本人がピアノが楽しいと思ってもらえるように、そして自分の気持ちで練習に向かえるように。

そんな思いで指導しています。

2018.04.11

中学1年生の自転車に乗る姿を見て

こんにちは。

新学期が始まって3日目ですね。

昨日の午後、中学校1年生の女の子を見かけました。

自転車に乗っている姿を遠目から見ても、まだ不慣れで「1年生だ」と分かります。

 

慣れるまでは本当にいろいろあります。

以前、知り合いのお孫さんが中1だったっころ、この時期に自転車の鍵をなくして中学校まで届けにいった話を伺いました。

うちの息子の場合には、荷台にバッグをくくりつけるのが緩くて、荷ひもが後輪にからみ、自転車が動かなくなってしまったことがありました。

私のほうが先に出かけてしまった後だったのですが、通りかかった方が携帯で自転車屋さんに連絡してくださって、何とか切り抜けられました。

 

学校の側にいると、帰り際の「鍵がない!」はこの時期の中1では毎日のように起こるもの。

バッグを全部開けて、朝の行動を確認しながら一緒に探していきます。

無意識に筆箱の中に入れてしまっていたり、バッグのポケットの奥のほうに入りこんでいたり。

鍵以外にも「転んだ」とか「田んぼに落ちた」など、他の子が知らせてくれて、様子を見にいくこともけっこうありました。

でも、何事も慣れるもの。

昨日の1年生の一生懸命自転車に乗っている姿に、ほほえましさを感じました。

 

毎日接している保護者の方は、よくお分かりだと思いますが、この時期、子ども達は毎日学校でとても緊張して過ごしています。

進級でさえ、先生との間合いも、周囲のお友達の雰囲気もわかりませんから、お互いに様子を見ているところです。

まして、全く別世界に入ってきた新1年生はなおのことです。

お家に帰ってきたら、ぜひ、ゆったりさせてあげてくださいね。

リラックスした時に、お家の方に対してだからこそ、話したいことがたくさんあると思います。

学校でいろいろあっても、お家の方にお話すれば、また元気が出ますから。

 

中学校1年生の姿を見て、いろいろ思い出したひとときでした。

レッスン室に絵本を置きました

こんにちは。

お教室に、子どもの本を置きました。

生徒さんの弟さんや妹さんが同席することが増えてきました。

3歳にならないお子さんの場合、お兄さんお姉さんのレッスン時間30分間、あきずに待つことが難しいように思ったからです。

 

息子が小さかった頃の本ですが、高校生になった時に息子自身が「どうしても取っておきたいもの」のみ残し、片づけました。

今回本棚にあるのは、その息子厳選絵本を中心に、私がその後仕事で使ったもの、私の趣味で残しておきたかったものです。

古い本ですが、昨日レッスン室に運んで背表紙をながめると、いっしょに絵本を読んで楽しんでいた頃のことが思い出されてきました。

 

五味太郎さんの「きんぎょがにげた」も大好きで、よく読んでいました。

この間、郵便局に行ったら、この絵を使った切手があって、びっくりしました。

きんぎょが金魚鉢から出て、あっちこっちににげていきます。

似たようなもののなかにまぎれていて、「どこかな?」といっしょに探しながら見ていました。

 

パット=ハッチンスという人の「ロージーのおさんぽ」も親子ともに大のお気に入りでした。

ロージーというめんどりがおさんぽしているお話で、字のところには、ロージーのおさんぽのことしか書かれていません。

ところが、ロージーをねらって後ろをきつねがついてきているのです。

そんなことは全くきがつかないロージーはおさんぽを楽しんでいるのですが…。

きつねの様子は絵に描かれているだけですが、これがとても楽しい。

これも、何度読んでも「絵本ならではの」楽しみにあふれた本です。

 

待っている時間に、新しい絵本との出会いがあったり、楽しい絵本の時間があればうれしく思います。