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ブランクが長い方のピアノレッスン

こんにちは。

かつてピアノを習っていても、ブランクがあると思うようにはなかなか弾けません。

いくつかポイントを押さえることで、少しは弾きやすくなっていきます。

 

「久しぶりにピアノを弾くことになったんだけど、思うように指が動かなくて、困っている。見てもらえない?」と知り合いに頼まれました。

子どもの頃には、ピアノを習っていて、学校の伴奏なども弾いていたので、その当時はかなり弾けていたのですが、ブランクが長い。

来てから、まず、一度弾いてもらいました。

昔のピアノ教育ですから、当然「しっかり」弾いています。

今も、家では電子ピアノで練習しているとのこと。

これも「しっかり」弾くことにつながります。

力が入ると、指はよけいに動きにくくなります。

 

「ここのピアノ、すごく音が大きい。」とびっくりしていましたが、それも「しっかり」弾いていたからよけいそうなのです。

まず、「できるだけ力をぬきましょう。」ということで、手首を上げ、力を抜く練習をしました。

「省エネで、今までの1/3の力で弾くつもりで。そうすると指も動かしやすくなります。」

これで少し指の運びがスムーズになりました。

 

「目と、指がつながらない。」とも言っていました。

楽譜を読み、ピアノを演奏する時に、目でみている音をその瞬間に指で弾くことはできません。

必ず少し先の音符を見て、手の動きのほうが後からついていくことになります。

ブランクがあると、この感覚が変わっていくのですね。

少しでも戻すためには、ある程度の回数を弾くことが必要です。

長い部分をくり返していたので、4小節をひとまとまりとしてとらえること、練習も4小節を単位としてすると良いことをお話ししました。

 

同時に、「目と手がつながる速さから練習すること」

これも大切なことです。

聴いていると、止まるところはだいたい決まっています。

そこで止まって弾き直すと、「止まって弾き直す」ことも一緒に脳内にインプットされてしまいます。

ですから、「ゆっくりでも止まらずに通して弾ける」ということから徐々にテンポを上げていく方が結果的に上達は速くなります。

 

「昔、100メートルを16秒で走れたから、と言っても、40年後に走れるわけないものね。でも、自分の中のイメージは16秒なのよね。」

わかります、それ。本当にその通りです。

楽譜→目→指の流れをスムーズになるためには、脳内のワーキングメモリが関係することが分かっています。

すぐには元に戻らないかもしれませんが、練習しているうちにだんだんと変わっていきます。

「分かった。できるだけ、回数を増やして練習してみる。」と言って帰っていきました。

ぜひぜひ楽しみながら、練習してもらえれば、と思います。