ブログ

2018.01.12

表現する気持ちを持って弾く

こんにちは。

これからしばらくは寒い日が続くようですね。近隣の中学校で12月にインフルエンザがはやっていた話を聞きましたが、低温で乾燥した気候の時ははやりやすいもの。気をつけてくださいね。

 

昨日、バーナムピアノテクニックをレッスンしていた時のことです。バーナムの場合には、似た音型の曲がグループごとに何回も出て来ます。

ペダルの使い方と、ゆっくり弾いて自分の音に耳を傾けしっかり聴く、ということを学んでほしいと思い、「深呼吸」を取り出して課題にしています。

和音が展開しながら重なっていく曲です。ただ、強弱記号はついていません。

和音を追って、きちんと押さえて弾くだけでも、小学生の手ではなかなか難しい部分があります。お正月休みに頑張って練習したのでしょう。ミスなく弾けました。

ただ、強弱記号という手がかりがなかったため、後半になって少しクレッシェンドしたかった様子はありましたが、全体に音量の変化が少なく、残念ながらどう感じているのかはあまり伝わってきませんでした。

「自分ではどう感じた?」と聞くと、本人も「後半は少し盛り上げようと思ったんだけど…」という返事。「だんだん強くするとか、だんだん弱くするとか、いろいろな表現の仕方があるから、ここで何回か試してみて、自分でしっくりくるものを選んでみよう。何か変えて、工夫して弾いてみて。」と言ってから弾いてもらいました。

一回目は、だんだんクレッシェンドのパターンを3回くり返してみました。「どう?」と聞くと「なんか違う。」ということで、もう一度試してみました。

今度は、だんだん弱くするというパターンを2回くりかえした後、最後はだんだん強くしていく形。「どう?」と聞くと「これがいい。」

聞いていても、こうしたい、という気持ちで弾くと、明らかに伝わってくるものが違うことがわかります。練習曲ではあっても、「曲」としてまとまった美しいものになりました。

 

音楽は、音が集まっているもの。単音で一つ一つ響きのある音で弾くこと。次にそれが集まったときに、どう表現していったらよいか考えること。最後は自分で決めていくことになります。

それが楽器を演奏するということの難しさであり、同時に楽しさではないかと思います。