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したい表現ができるようになるためのレッスン

音楽を作っていく上で、「どう感じるか」ということはとても大切です。どんな曲にしていきたいかというイメージを作っていく。

同時に、技術的な側面として、「どうしたらその表現ができるようになるか」ということもとても大切です。

和音の中の一つの音を聴かせたい時

先日、湯山昭「お菓子の世界」の中の「ボンボン」をレッスンしました。この曲は、とてもおしゃれですてきなワルツです。

メロディーは子指で弾く。内声があって、そこを親指と中指で弾く。そんな部分があります。

どうしても、親指と中指のほうが力があるので、子指で弾いているメロディーが聴こえなくなっていました。

「子指の音を意識して聞こえるようにしましょう」では、なかなか聴こえてくるようにはなりません。もちろん、メロディーを意識することは重要な第一段階です。

でも、私自身が受けてきたレッスンを振り返っても、そこで終わっている場合が多かったように思います。

手をどのように使えば、メロディーが浮かび上がるように弾けるのか、ということを示していく必要があります。これがレッスンの重要なポイントです。

手首の位置、手の傾け方、手を鍵盤に入れる時の方向、小指の支えの作り方。こういうことを確認していきます。

歯切れの良い音色にしたい時

同じ「お菓子の世界」の中のチョコバー。こちらでは、フォルテの響かせ方です。メゾピアノから始まり、フォルテまでだんだん強くなっていく。

せっかくですから、同じ音色が並ぶのではなくて、音の色合い、響きも変わっていくと、より魅力的です。

こちらも、手の使い方を話しました。指を伸ばして、支えを意識して斜め奥に入れていく。この手の使い方をすると歯切れの良い響きのフォルテが出ます。

もちろん、肩、肘の使い方も大切です。力がしっかり鍵盤にのるようにします。

自分の引き出しを増やす

私自身の引き出しがどれくらいあるか、ということはレッスンの質に関わってきます。

先日のガブリーロフに一緒に行った、大学時代の先輩でもあり今は同門でもあるピアノの先生も「自分が勉強することで、レッスンが変わったのよ。」と言っていましたが同感です。

どうしたら、自分の持つイメージが表現できるようになるのか?どうしたら、ほしい音が出せるようになるのか?どう手を使ったら弾きやすくなるのか?

それをできるだけ「具体的」に教えることができるようになること、これが大切だと考えて、また私もしっかり勉強していきます。