「2017年 12月」の記事一覧

2017.12.31

2017年を振り返る

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

今日、12月31日で2017年は終わりです。私にとって、大きな変化、節目の年となりました。

ピアノ教室を立ち上げると決意した4月。6月7月で家のリフォーム・駐車場の工事をしました。合わせて、レッスンのメニューを考え、モニターレッスンをお願いし、8月後半にホームページの作成。

ようやく9月に開室にこぎつけました。少しずつ、お問い合わせいただけるようになり、現在、生徒さんは4歳から75歳まで、7名になりました。

かわいい生徒さんと、それを支えていらっしゃるすてきな保護者の方達。大人の生徒さんも、それぞれ魅力的な、そして前向きな方達ばかりです。

 

私にとって「教える」ということは、とても楽しいことです。

どうお話ししたら、自分の持っているものが伝わるかな?どういう教材を作れば、小さいお子さんに伝わりやすいかな?

それを考えて工夫し、実際に生徒さんができるようになったり、分かったりする様子を見ることができる。それ自体がとてもうれしく思われるのです。

ピアノ教室は、個人レッスンなので、一人一人の状況に柔軟に対応できます。それぞれの個性に応じて、それぞれの状況に応じて、長期の目標とそれにつながる中期の目標、そして今やっていることの先にある短期の到達点を設定していけます。

その一人一人に寄り添って、伴走していくのが、ピアノ講師の役割なのだと思います。

 

また、教えるという観点で自分のテクニックを見直す、という経験を通して自分自身の演奏・響きも変わってきました。教えるためには、自分のしていることを、可能な限り細かく分析し、無意識で行っている部分をできるだけ意識化するプロセスが必要だからです。

素晴らしい調律師さんとの出会いもありました。おかげさまで、レッスン室のピアノは、スタインウェイをイメージしたタッチに調整していただけています。

「同じにはならないんですけど」と調律師さんはおっしゃっていましたが、かなり近くなっています。響きが上にあがり、ちょっとしたタッチの変化が、音色に反映するようになっています。

 

個人的には、11月に父を亡くし、つい先日四十九日法要と納骨。年内に一つの区切りを迎えました。

振り返ってみれば、8年前、母を亡くしたときに、自分の人生の最後の時間をどう過ごすか?という問いが自分の中に生まれ、「ピアノをやり残している!」という思いから現在につながる奏法への模索が始まりました。

その成果であるピアノ教室を立ち上げた今年に、父が亡くなったことも、何か意味があるようにも思えます。ピアノそのものが両親が私に残してくれたとても大きな財産だからでしょうか。

 

2017年を支えてくれた多くの方々に感謝しております。本当にありがとうございました。どうぞ皆様、良いお年をお迎えください。

2017.12.30

古典の暗唱をしてみませんか

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

生徒さんではありませんが、知り合いの中学生が「外郎売り」を暗唱して聞かせてくれました。

アナウンサーや役者さんがそれを練習するという話は、聞いたことはあるけれども、実際にそれを暗唱できる人は知らなかったので、「ちょっとやってみて。」というと、「全部は言えない」と言いながらも最初のくだりを言ってくれました。

以前バレエを習っていて、そのバレエ教室で教わり、小学校3年生の頃覚え、その後また6年生でさらったそうです。

また以前に、ニュージーランドで高校生活を送った人と話をしたところ、あちらでは、「とにかくシェークスピア」とのこと。戯曲の一部をかなり暗唱させられたそうです。

日本の学校教育ではどうでしょうか。私も中学校で古典を教えていたときには、1年生で竹取物語を、2年生では、枕草子、平家物語、徒然草、3年生では奥の細道、とそれぞれの冒頭部分を課題として暗唱させましたが、本当は冒頭だけでなくて、もっと内容も覚えるようにしていけば良かったのかもしれません。

学校によっては、百人一首を暗唱させた時もありました。

暗唱することによって、リズム感が身体で分かります。ある程度は内容も理解しないと、どこで区切るかもわかりません。ですから、暗唱というのは、それを自分の中にしっかりと入れていくために有効な手立てだと思っています。

特に、小さいうちは無理をしなくても、遊び感覚でどんどん覚えられますから、いろいろな古典の一節などを暗唱すると、日本語の引き出しが増えて良いのではないでしょうか。

私自身は、小学校2年生からお正月に、家族で百人一首をしたので、それでだいぶ覚えました。おかげで、高校に入ってからの課題であった百人一首の暗記も、教員になってからの百人一首大会の読み手も、苦にならず、助かりました。

これからお正月。遊んでいるうちに古典に親しめる百人一首、家族で楽しんではいかがでしょうか。

記憶力アップにつながり、ピアノにも良い影響があると思います。

2017.12.29

ペダリングを研究中

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

今、ペダリングをいろいろ研究中です。

「ペダルは耳で踏む」と教わってきましたが、これがなかなか難しい。

左のペダルの使い方も課題ですが(特にだんだん離していくという細かい足の動きがまだまだ)、右のペダルの使い方も、工夫の余地がたくさんあって、いろいろ試しています。

モーツァルトの場合、踏みすぎてしまうと何か違う?という感じになることが多々ありますし、かと言って全く踏まないとこれも違う、ということが多く、どのくらいの深さで踏むと、自分のイメージの音が出るのか、どのタイミングで踏みかえたらいいのか、ということを試行錯誤しています。

合わせて、変奏曲の場合、各変奏ごとのイメージを作っていく上で、軽やかな変奏、歌い上げる変奏などによって、指のタッチとペダルの組み合わせも工夫するところがたくさんあります。

 

一方で、今、大学時代の先生から借りたRay Lev先生の楽譜にも取り組んでいます。バロックから近代までの曲を選んで曲集になっているのですが、私は特に古い時代のものに魅力を感じて練習し始めているところです。

例えば、Martin Peerson(1580-1650) のThe Fall Of The Leafe(落ち葉)や、 Johann Matheson(1681-1722)の Sarabande With Three Variations (サラバンデと3つの変奏曲)など。

もとは、チェンバロのための曲を選び、Lev先生が強弱・ペダルを付けているのですが、このペダリングが難しい。

もちろん、最後は自分でペダルも決めるのが本当だとは思うのですが、Lev先生の感じているイメージを私も勉強して取り入れていこくために、まずは楽譜通りにすべてやってみようと考えました。

今まで拍の頭で踏むことが多かったので、この楽譜の中にある、八分休符のあとの八分音符に合わせてペダルを踏む感覚を難しいと感じてしまうのです。

いかに、「耳で踏む」といっても、自分のペダルの使い方が不十分だったかを痛感しつつ、深さ、タイミングなどなど、「耳」に意識を置きながら足を動かし、練習しています。

2017.12.28

曲のイメージを作る

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

この年末年始は、少し時間の余裕がありそうです。

これから、来年のレッスン開始までの2週間、できるだけ自分の勉強の時間を増やしていきたいと考え、先日のメジューエワの本を読み進めています。

ベートーヴェンの章を読んでいくと、曲へのアプローチの仕方として、次のようなことが書かれていました。少し長いのですが、引用します。

ベートーヴェンが頭の中でどのような音色を聞いていたのか、どのような響きを求めていたのか、それは誰にもわかりません。想像するしかない。

ベートーヴェンの作品に限らず、一般的な話になりますが、ロシアでは伝統的に、作品のイメージや物語性のようなものからのアプローチを大切にしています。

例えば、このソナタのこの部分はこういうし、こういう文学作品のイメージですとか、具体的な言葉を使ってイメージするんですね。あるいは絵画などの視覚的なものからの連想。

そういうコンセプトを大事にするのがロシアの伝統です。とにかく想像力というものをフルに使う。

(ピアノの名曲  聴きどころ 弾きどころ イリーナ・メジューエワ 講談社現代新書 p87)

同様なことを、先日、松田華音さんが、チャイコフスキーのピアノ協奏曲について「チャイコフスキーのオペラの場面を想像しながら弾く」とインタビューに答えているのを見ました。

日本ではこういうイメージ作りというのは、今までは、あまりしなかったかもしれません。(最近は、こういうイメージ作りをしているメソッドもでてきていますが)でも、この感覚は、とても大切だと思います。

モーツァルトの作品でも、ピアノソナタの中で、この部分は「フィガロの結婚」のあの場面のイメージ、この部分は「コシ・ファン・トゥッテ」のあの場面のイメージ、と感じて弾くと、イメージが具体化していくことが実感できました。

もっとも、この後に出てくるのが、ベートーヴェンのピアノソナタ第32番の第2楽章について、マリア・ユーディナがダンテの「神曲」第33歌を引用して解説している…と続くと、日本人の私としては、かなりハードルの高さを感じてしまいますが。

ただ、ピアノを学ぶ、西洋音楽を学んでいく、ということは、ピアノの弾き方だけではなく、その背後にある文化も含めて出来るだけ吸収しようとしていくこと。それから、当然のことながら、文化的背景をヨーロッパの人と同じように理解することは不可能であり、でも一方で日本人ならではの感性も持っている、それを生かしながら一曲一曲と向き合っていくこと。

丁寧に曲と向き合う「姿勢」を持っていきたい、この本を読みながら、そんなことを考えました。

2017.12.27

2017年のレッスンが終わりました

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

昨日で、2017年のレッスンはすべて終わりました。

最後は、小学校6年生のお子さん。この11月からピアノを始めた生徒さんです。

先週お休みだったので、1時間かけて、その前のレッスンの復習と、1日遅れでしたが、ジングルベルを練習して私と連弾しました。

音楽ドリルを頑張っているので、音符を見て、音を確認するのはとてもスムーズで、何回か練習した後には、伴奏と合わせても止まらずに最後まで弾ききることができました。

 

教室を立ち上げたのは9月。

ピアノ教室を通して多くの方とのご縁ができ、本当に感謝しています。

リフォームに来て下さった業者さん。ご近所の方。快くチラシを置いて下さったお店の方。

皆さんに励ましていただきました。

そして4歳のお子さんから75歳のシニアの方までの生徒さんたち。

皆さんそれぞれの思いを持って、教室に足を運んでくれました。

その思いをできるだけ生かしつつ、一方でピアノを弾くための基礎となる部分をお教えしていければ、と思ってレッスンしてきました。

このお子さんには、指の強化を。こちらの大人の方には、練習の仕方のお話を。

この小学生の生徒さんには読譜を。こちらの生徒さんには、指の使い方を。

全員の生徒さんに、奏法の特徴や支え・脱力について、それぞれの方に合わせて、お伝えしてきました。

 

つたない文章ではありますが、このブログを読んで下さっている方にも励まされました。11月は、なかなか更新できず、焦りもありましたが、ようやく少しずつペースがつかめてきました。

今後も、少しでも多くの方と、レッスンを通して、あるいはブログを通して、音楽を表現することの楽しさを共有していきたい。

今年最後のレッスンを機に、1年を振り返って、支えて下さったたくさんの方に、感謝の気持ちをお伝えしたいと思いました。

2017.12.26

指の付け根の筋肉を使う

 

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

昨日は、今年最後のレッスンに行ってきました。

昨日のレッスンでは、ここのところ、先生がブログなどに書いている手の使い方について、くわしく伺うことができました。

もっと指の第2関節と、手のひらの指の付け根部分をぐっと寄せるような意識をすること。今までも言われてきたことですが、もう少し寄せるように意識していく。第2関節から指までは、当然、脱力です。

もう一つは、ひじから手首の下側の筋肉は、今まで意識していたのですが、脇まで一本の線がとおっているような意識をもつこと。

弾いている途中で、先生も音を出してくださって、イメージをつかむことができました。もしかしたら、今までよりも手そのもののポジションは微妙に上がっているかもしれません。

確かに、今までよりも、もっと響きます。響きが、上にあがるだけでなく、下にも広がる感じがしました。

 

先生との会話の中で、自分自身が奏法を変えてからの5年半を振り返って分かったことがありました。

それは、今回指の第2関節から手のひらの指の付け根部分までの筋力と、指先の脱力とはセットだということです。

昨日も、モーツァルトの「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲」を弾いたのですが、その中の第6変奏、短調の部分で、少し深めのポイントを狙いました。

以前だったら、そのポイントを狙って「入れる」という意識で弾くと、つっついた音、きつい音になったのですが、最近はそうではなくなっています。

先生にも、「指先は力抜けているでしょう。」と言っていただきましたが、確かに指先の脱力はできるようになっています。それは、支える指の付け根の筋肉が強くなってきたからこそだということを、昨日は実感できました。

やはり、この奏法のポイントは、指の第2関節から手のひらの指の付け根部分までの筋力の強化にあると思います。

筋肉は、他の筋肉もそうですが、ある程度筋トレなどをしていくうちに、ここはこんな筋肉があって、この動きの時はこう使っているのだな、ということを実感できるようになります。

ようやく、指の第2関節から手のひらの指の付け根部分までの部分の筋肉がコントロール出来るようになってきたことがわかった、昨日のレッスンでした。

2017.12.25

ヤマハのピアノを弾いてみて

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

一昨日に、葵の会のミニコンサートがありました。これは、葵の会のメンバーだけに、次回4月14日(土)の定期演奏会で演奏する曲を披露する会です。

私は、モーツァルトの「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲」を弾きました。

当日は父の四十九日法要と納骨等を済ませて駆けつける、という状態だったので、ピアノには事前に触れることができず、いきなり弾くことになりました。

ピアノはヤマハ。幸い、先日一般的な調整のしてあるヤマハのピアノをほんの少しだけ触っていたので、その感覚に近い、ということはじきにつかめました。「底までしっかり弾く」ことで音が出る、という感じです。

ですから、今の奏法ですと、音が抜けてしまうことがあります。今回も、いきなりテーマの部分で「あれ?出なかった。」ということがありました。

ここ数年、自宅にあるヤマハC3のピアノは一般的なヤマハのピアノよりも、音のなるポイントが上になるように調整してもらっています。

調律師の方が「一般的なヤマハの調律師はここは触らないんですよ。」と言う部分も触ってもらい、できるだけ響きが上がるように、タッチの違いが音に反映されるようになっています。

その分、日本の一般的な調律のヤマハピアノだと今回のようなことになる場合があります。

奏法を変えた最初の頃は、それがとても不安でした。一般的なピアノだと弾けない、困ったと思ったのですが、最近は少し変わってきました。

音のなるポイントが深くても、手の支えの筋肉が以前よりしっかりしてきたので、それで支えながら位置を微調整していくことができるようになったからです。

もちろん、自分の意図した響きが出ているか、という点では、不本意な点はあります。でも、音抜けに関しては、ポイントさえつかめれば、何とかなるという自信がついてきました。

実際に、録音を聞いてみると、テーマと第一変奏までは、多少の音抜けがありましたが、途中からは気になるほどではありませんでした。

今回の会場の場合、実際に演奏する小ホールはスタインウェイのフルコンですから、これも大丈夫です。

ピアノそのものも、奏法と関連が深いな、と改めて実感する機会となりました。

でも、与えられた中で、できるだけ自分の意図する響きが出せるように、自分の音楽を少しでも伝えられる演奏ができるように、本番までまた練習していきます。

 

2017.12.24

出来たことを振り返る

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

ピアノ教室も、最終週に入りました。あと、火曜日1日で、今年のレッスン日は終わりになります。

今年もあとわずかになった今、ぜひ今年を振り返って「ご自分の出来たこと、頑張ったこと」を思い出してみてください。

ピアノを習っている方はピアノのことを中心でも良いかもしれませんし、他のことでも。

たうらピアノ教室に来て下さっている生徒さんたちも、9月から始めた方もいれば、11月末から始めた方もいますが、それぞれ進歩が感じられ、とてもうれしく思っています。

・ピアノを、習うという一歩が踏み出せた。

・奏法を変えて、音も変わってきた。

この二つ、大きな変革ですよね。そして実際にレッスンに来てみると…

・音符が読めるようになった。

・ヘ音記号の部分の音符が読めるようになった。

・ヘ音記号の意味が分かって、お家の人に伝えることができた。

・ジングルベルが弾けるようになった。

・トロイメライが弾けるようになった。

・練習方法がわかった。

等々、たくさんあります。

実は、自分を認めるということは、意外に後回しになっているのだそうです。つい、真面目な人ほど出来ていない部分に目が向いてしまい、「まだあれができていない」「まだあの部分が不足だ」となってしまうとのこと。

私も中学校で長く教えていましたから、どうしても学校はそうなってしまい、教師時代もついつい90点とれたら、あと10点どうしたら取れる?のような発想になっていました。

でも、9割できるというのは、本当はすごいことなのですよね。

それを自分が認めていくことで、次へのエネルギーが湧いてきて、さらに進歩していくものだということ、私自身がそれを本当に実感したのが今年の1年でした。

ぜひぜひ、年末、あと一週間で「ご自分の出来たこと、頑張ったこと」を振り返って、味わい、来年へのエネルギーにしていただきたいと思います。

2017.12.23

手全体で弾く意識を持つ

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

今、先日のオフ会の録音を聞きながら、4月の本番に向けて、今後の課題を洗い出しているところですが、自分でもここはずいぶん進歩した、と思う部分があります。

それは、速い部分の弾き方です。以前の奏法で、一つ一つ鍵盤の底まで指を使って弾こうとすると、どうしても遅くなります。

今は指ではなく、腕の下の筋肉で手を持ち上げ、手の内側と指の第2関節までの筋肉を意識して、手全体で運ぶ、という意識で弾いています。そうすると速い部分がとても楽に弾けるのです。

今回の「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲」の中でも、第8変奏の32分音符の連続や、最後から4小節目の部分などは、以前の奏法では、絶対にこの速さでは弾けなかった部分です。

 

一昨年の葵の会で、ドビュッシーのエチュード11番「組み合わされたアルペジオのための」を演奏しました。

この曲には、128音符がありますし、アルペジオの15連符もあります。一昨年には、手の内側の筋肉に今ほど力がなかったので、どうしても指を使ってしまい、苦労して練習している割には、思うような速さで弾けませんでした。さらに、軽くて柔らかい音色も思うようには出せませんでした。

1年半が過ぎ、その間に、せっせと手の筋トレをしたので、当時よりは進歩している実感が持ててちょっとうれしくなりました。

 

Rey Lev先生が1965年に出版した楽譜の「基礎的な心得」の中に、次のようなことが書いてあります。

指というものはそれ自体だけで働きをするものではありません。能動的に動く者ではなく、受動的に操作されるものなのです。X線で手を見てみると指が完全に依存し合って組み立てられているのがわかります。指は一本一本独立しているものではありません。(中略)”指”という言葉は完全に忘れて”手”ということに重点をおいて下さい。

 

本当にその通りだと思います。指ではなく、手で弾く感覚。そのために、手首や手の内側・指の第2関節までの筋肉に意識を置いていく。そうすればずっと楽に弾けるようになります。

本番を意識して練習する

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

昨日のレッスンでは、5年生の生徒さん2人の動画を撮りました。

前の週に、「来週は動画を撮ろうね。」と予告しての一週間。

一人の生徒さんは、トロイメライ。先週も一度撮ったのですが、今週再チャレンジです。

一度聴かせてもらって、少しテンポを修正し、もう一度練習。その後本番。

奏法を変えて1ヶ月。音は着実に変わってきていて、良い仕上がりになりました。

もうお一人の生徒さんは、11月末から始めて、1ヶ月です。「おとなのためのピアノ教本」に載っているジングルベルの連弾を、撮りました。

この生徒さんも、お家でしっかり練習してきたのでしょう、上手に弾ききりました。

動画は、保護者の方に送って、見ていただけるようにしました。

 

まだ、発表会の予定がないので、「動画の撮影」を本番のつもりで仕上げてもらおうと考えています。

人前で弾くということを意識すると、練習そのものが変わってくるからです。

私自身も、先日も行われましたが、オフ会には極力参加し、その都度自分の課題を見つけることができています。

ピアノの演奏では「伝える」ということがとても大切だと思います。自分で楽しむだけではなく、自分がこう感じたということを伝えていく。伝えられる演奏に仕上げていく。

本番を意識することで、伝えるための課題意識をしっかり持つことができ、練習のゴールを上げていくことができます。

さらに、緊張感とのつきあい方があります。人前で弾く時は、誰でも緊張します。緊張感をコントロールして、うまくつきあい、自分自身の演奏を良い方向に持っていけるようにする経験。

これは、ピアノ演奏以外の他の場面(お子さんなら入学試験や面接など)でも必ず生きてきます。

 

頑張った5年生の生徒さんたち。新年からのレッスンがまた楽しみです。