「2018年 5月」の記事一覧

2018.05.31

練習後に睡眠をとるとピアノが上達する

こんにちは。

今日は、少し視点を変えたお話を書きますね。

皆さんは睡眠、十分にとれていらっしゃいますか?

 

私自身、勤めていた頃、常に睡眠不足でした。

さらに、緊張が強かったのでしょう、身体はくたくたなので、すぐ眠ってしまうのですが、朝早く目が覚めてしまい、思うように眠れない、ということもありました。

先日、レッスンの時、大人の生徒さんも同じようなお話をしていました。

中学生達も睡眠不足の傾向は強かったですね。

「せめて日付が変わる前に寝るようにしよう。」という話をよくしていました。

 

そんなこともあって、睡眠に関する本も読むのですが、最近読んだ「睡眠こそ最強の解決策である」という本は、さまざまな角度から睡眠についての最新の研究結果が書かれており、大変興味深いものでした。

この中に、ピアニストとの会話がきっかけで行われた、睡眠と動きの習得との関連も書かれていました。

あるピアニストが、「ピアノの練習をしていて、マスターできない箇所があったとき、マスターできないまま眠っても翌朝になるとなぜか弾けるようになっていることが頻繁にある」という話を著者にしてくれたのだそうです。

 

この会話をきっかけに、著者は研究を始め、実験を行いました。

右利きの人を集めて、左手を使ってキーボードを打ち込む練習をしてもらう。

12分間の練習後、12時間後にテストを行います。

半分の人は午前中練習、夜にテスト。

半分の人は夜に練習8時間の睡眠後朝にテスト。

結果は同じ12時間後でも、睡眠をはさんだ人のほうがスピードで20%、正確性は35%上昇したとのこと。

 

脳は、睡眠の間に記憶を移動させるのだそうですが、このような運動記憶の場合は、意識の下で活動している脳の回路に記憶を移動させ、その結果、意識しなくても動かせるようになるのだそうです。

一般の記憶だけでなく、運動記憶にも睡眠は深い関わりがあるのですね。

ですから、ピアノもレッスン直前に「ちょっと練習」ではなく、ぜひぜひ間に睡眠を挟むよう、毎日の練習が上達への早道になります。

それから、特にお子さんは、眠ることで脳の発達が促されますから、十分な睡眠時間を取ってくださいね。

 

音の質を聞き分けていく

こんにちは。

音の響きを聞く。

自分が今出している音の質を聞き分ける。

簡単なようで意外に難しい。

 

私自身、大学時代に、「響きを聞いて。」とさんざん言われましたが、はっきりと理解できてはいませんでした。

ただ、「こんな感じなのかな?」というイメージが多少は持てたので、それが改めてロシアピアニズムを学ぼうと決めたときに、確かに生きてきました。

 

レッスンをしていて、お子さんは、理屈ではなくて感覚で弾く部分が大きいので、すっと入っていくような気がしています。

先日のレッスンでも、幼稚園の年長の生徒さん。

最初は鍵盤の下まで押さえて押さえて、頑張って弾いていました。

小さいお子さんにとって、ピアノの鍵盤はとても大変なものなのですよね。

ですから、「音を出すぞ」という気負いがあって、とても頑張る傾向があります。

 

もっと力を抜こうね。

手をぶらぶらさせて。

手をこう置いて。

と話していくうちに、音が変わってきました。

 

さらに、私が一緒に弾くと、その音の響きの違いを感じるのでしょう、さらに音が変わってきました。

だんだん「抜けた音」になってきました。

30分のレッスンの間に、ずいぶん音の質が変化したのです。

 

ついつい、「音符が読めること」「楽譜に書いてあることがわかって、音が出せること」に意識が向きがちですが、その出している音の質、音そのものが歌う、そして音楽を作っていける。

生徒さん達が、その部分にもしっかり意識を向けられるように、そんな思いで指導しています。

2018.05.28

多彩なピアノの音色に感動する

こんにちは。

昨日は、すみだトリフォニーホールに行ってきました。

このコンサートでブラームスのピアノ協奏曲第2番を演奏するピアニスト、川村文雄さんは、私の師事する大野先生の一番弟子。

今までソロの演奏は伺ったことがあるのですが、オーケストラとの競演を伺える機会はなかなかないので、思い切って出かけてきました。

 

行く前にあらためていくつかの演奏を聴いてみたのですが、この曲、ピアノ協奏曲でありながら、いわゆるピアノ協奏曲とは違う。

交響曲の感じに近い。

大野先生も「あの曲、本当に難しいんですよ。」とおっしゃっていましたが、いろいろな意味で確かにものすごく難しいのだろうと思いました。

 

実際の演奏では、まずなんという音の美しさ!濁りのない響きの美しさ!

まっすぐこちらの心にまで響きが届いてきます。

ああ、この奏法を極めていくと、こういう響きになるのだな、という思いがしました。

そしてその響きが音楽とともに多彩に変化していきます。

 

きらっと光る音。

柔らかい音。

オーケストラと融け合う音。

オーケストラの音から抜けて届いてくる音。

 

こんなにいろいろな音が出せるなんて。

弾く人によってこれほど違うのだな、と改めて思いました。

同時に、ピアノという楽器の魅力も再認識しました。

やっぱりピアノは素晴らしい。

 

2階席だったのですが、ちょうど手がよく見える位置にいたので、手や身体の使い方もとても勉強になりました。

無駄な動きがない。

ほんの一瞬のせて、でもその後いかに上手く力を移動させているか。

身体の軸はどうなっているか。

 

ブラームスの音楽に浸り、また次への勉強のエネルギーをたくさんいただけた素晴らしい時間でした。

2018.05.27

楽譜を読めるようになるために

こんにちは。

小さいお子さんの場合、最初の段階では「音符が読めること」が一つの大きな課題になります。

音符と鍵盤と音の高さ。

この3つがつながると、自分で新しい曲の譜読みが自分でできるようになり、そうするとますます楽しくなります。

いかに早くつなげられるか。

 

一つの鍵はやはり「回数」です。

音符を見て、これは「ド」これは「レ」…。

そして鍵盤はここを弾く。

こんな音が出る。

 

レッスンでも、もちろん毎回扱います。

音符カードを使って、「この音は何の音?」。

鍵盤で弾いてもらったり、言葉で答えてもらったりします。

実際に練習する曲の楽譜でも、必ず音符の階名を確認します。

 

音楽ドリルは、毎回宿題にしています。

今週は「ド」

ドに色塗りをしたり、○をつけたり、ドの音の音符のなぞり書きしたり。

次の週は「レ」というように。

皆さん、毎回頑張ってよくやってきています。

まだ、ひらがながおぼつかない生徒さんでも、本当によくやっていて、ほほえましく、そしていつも頑張っている様子にうれしくなります。

ですから、音楽ドリルの○つけのときに、「この音は何?」と聞くと、だいたい正解できます。

 

それを楽譜を見ながらピアノの練習するとき、どれくらい意識できるか?ということが大切だと感じています。

ドリルの学びと、ピアノの練習の時の楽譜を読むこと。

これをどううまくつなげていけるか。

そして、先ほど「回数」と書きましたが、どうお話ししたら、お家での練習の時に意識できるようになるか。

このあたりは、一人一人のお子さんによってまったく違ってきます。

そのお子さんに合わせて、「こう言えば伝わるかな?」「こうすればできるかな?」と毎回考えながら指導しています。

リズムの練習をする

こんにちは。

私が学んでいるのは、クラシック音楽であり、基本的にピアノ教室のレッスンもそれにそって教材を選び、レッスンしています。

ただ、「自分の好きな曲をピアノで弾きたい!」という生徒さんの希望も入れて、時にポピュラー曲も入れていきます。

 

今回、小学校6年生の生徒さんが選んだのは「Candy Pop」

ポピュラー曲は、ピアノでよく演奏されるロマン派までの曲とはリズムが違っています。

小節をまたいでのタイもたくさん。

シンコペーションもたくさん。

ということで、昨日のレッスンでは、リズムの練習をたくさんしました。

 

耳で聞いて覚えている曲を弾く場合に、まず、テンポの感覚が変わってきます。

というのは、聞いて覚えているのは完成形。

例えばこの「Candy Pop」の場合、♩=174です。

どうしても♩を174のテンポで弾きたくなるのですが、そうなると今度は ♪ の連続が間に合わない、ということが起こります。

昨日も、まず、拍子をきちんと数えてそれから練習しました。

テンポ感がつかめてきたところで、だんだん速くしていきます。

 

次に難しかったのが、シンコペーションと小節をまたいだタイが続いているところ。

これは、小節をまたいだタイは最初、ない形で確認しました。

 ♪♩ ♪♩♫|♫♩♩♩|

口でも たたんたたんたた たたたんたんたん と言いながら、この練習を何回もしてできるようになってからタイでつないで弾いていきます。

ここは左手のリズムも少し違うので、それも別々に練習をしていきました。

 

タイでつながっていると、拍子感がわかりにくくなってしまうので、そういう時は、タイをいったんないものとして、リズムがきちんとわかってからもう一度つなぐといいですね。

いろいろチャレンジしている6年生ですが、またさらに進化を目指して挑戦中です。

左右の手で違う動きをする

こんにちは。

昨日のレッスンで、小学校6年生の生徒さん、頑張ってきました!

 

去年の12月から始めたので、半年が過ぎたところ。

音楽ドリルをきちんと学習し、譜読みがしっかりできるようになりました。

音階と楽譜の仕組みがよく分かっているので、新しい音もすぐ音符を数えて理解することができます。

この部分は、幼稚園・保育園の生徒さんと大きく違うところですね。

 

今、右手と左手とで違う動きを練習しているところです。

楽譜はこれ。

最初はぎこちなくて、前回のレッスンの時にはかなり大変そうでした。

2拍目に左手が動き、次に右手が動く。

やはり、この「右手と左手が違うタイミングで動く」というのは、ステップの幅が大きいのですね。

 

さて今回。

運動会も終わり、練習時間の記録を見ると、毎日しっかり練習していた様子。

ばっちりでした。

右手も左手も滑らかに動き、曲を仕上げることができました。

 

脳の中で、右手を動かす部分と左手を動かす部分は違うところにあります。

ピアノの練習を続けることで、この左右の手を動かす回路が太くなり、それとともにスムーズに手が動かせるようになっていきます。

そこに至るまで、少し練習が必要なのですね。

これができるようになると、ピアノらしい、メロディーと伴奏の曲が弾けるようになってきます。

 

頑張って一つ階段を上がった生徒さん。

これからが楽しみです。

くり返してできるようになった!

こんにちは。

最初は難しくても、くり返して練習するうちに出来るようになる。

そうするととてもうれしいですよね。

 

先日のレッスンでこんなことがありました。

前回のレッスンで、その生徒さんは「うたあそび」で「なべなべそこぬけ」をやって、そこに書いてあるリズム打ちの練習をしました。

 

「たんたんたんたん」と最初の2小節はスムーズです。

3・4小節目、たんたたたんうん

ところが3小節目の「たた」の部分がどうもうまくできません。

たんたんたんうん

になってしまいます。

今回は、「たた」が打てるようになってほしい。

 

タンバリンが好きなので、今回もタンバリンでたたいてみました。

やはり「たた」が難しい。

お口で言ってみることにしました。

「先生のまねしてね。」と言ってから「たんたたたんうん」と私が言いました。

「たんたんたんうん」あれ?

やっぱり、「たた」が難しい。

ということで、「たんたたたんうん」を言う練習から。

ゆーっくり「たんたたたんうん」

 

何回か練習しているうちにできました。

「たんたたたんうん」

できた!できた!

ということで、今度はタンバリン。

たんたたたんうん

今度はすぐにできました!

うれしかったのでしょうね。

レッスンが終わってからも、何回も「たんたたたんうん」と言いながら帰っていきました。

 

できなかったことができるようになる。

そのうれしさが、次にまた頑張ろうと思う原動力になります。

何回も練習した。そしてできるようになって、うれしかった!

またきっと次もがんばってくれるでしょう。

2018.05.22

手の親指側への意識

こんにちは。

昨日は、御茶ノ水にレッスンに行ってきました。

ヘンデルのシャコンヌ。

バロック時代の音楽の様式感は、私にとって魅力的なもの。

少しでもそれを表現したいと思いつつ、弾いています。

 

前回のレッスンで、鍵盤を「押している」とのご指導を受け、この2週間は手のポジションを上げることを意識して練習しました。

昨日は「ちょっと『浮いた音』になっている」とのこと。

う~ん、加減が難しい。

ただ、モーツァルトよりは、深い音のイメージは確かなので、そこの部分、研究の余地がまだまだあります。

ねらうべき深さはどこなのか?

同時に深い位置を狙えば狙うほど、その後の指から手にかけての力の抜き方が大切になってきます。

どういうイメージで力を入れ、そして抜いていけば、より美しい、ヘンデルのシャコンヌに合った響きを出すことができるのか。

 

前にも教えていただいていた親指への意識についても、また改めてうかがうことができました。

この奏法では回転させるイメージで手を使っていきます。

「ドアノブをまわすように」という左右の回転。

それからピアノの手前から奥に向かっての回転。

その回転のときに、親指をどのように意識して使えばよいのか。

ここのところ、「手の下側・ひじから脇の下」の部分に意識が向きがちでしたが、親指側も重要です。

また課題をいただいて、帰ってきました。

2週間、またいろいろ工夫し、研究していきましょう。

 

帰り際、時間が早かったので、湯島の聖堂を見てきました。

広い道路をはさんで、通り道の反対側なので、今まで中に入ったことはなかったのです。

しんとして、とても静かな良い空間でした。

江戸時代、ここで学問に励んだ若者がたくさんいたのだなと思い、を追求していくことの価値を改めて感じました。

 

好きな曲をピアノで弾く楽しさ

こんにちは。なぜか猫ふんじゃったの楽譜ですが…。

先日の小学校6年生の生徒さんのレッスン。

ずっとショパンのノクターンを練習してきて、頑張って仕上げました。

録画をしてお家の方に動画も見ていただきました。

 

次はどうしようか?となったときに、TWICEの「Candy Pop」が弾いてみたい、とのこと。

では、ということで、今回はポップスに挑戦。

やはり、こういう曲は、リズムのパターンがクラシックとは違います。

シンコペーションの連続がたくさんあります。

 

歌を聴いている時には、意識しないかもしれません。

楽譜を見ると、なんだか急に難しく思えてしまいます。

でも、リズムの良い勉強になりますね。

 

まだ私が学生の頃読んだ岩城裕之さんの本。

今はもうその本は手元になく、記憶で書いていますから、もしかしたら違っている部分があるかもしれません。

その中に、山口百恵さんが歌っている通りに楽譜に書くとこうなる、という形で岩城さんが紹介している部分がありました。

付点とタイの多さにびっくりしました。

ただ、その微妙なリズムの感じが歌の魅力になっているということ、それはまたクラシックとは違う感覚だとその時は感じたこと。

(実際は、クラシックも同じですが、さらに微妙な細かいニュアンスになるイメージです。)

とても印象に残っています。

 

「ねこふんじゃった」も、楽譜にすると♭6つの変ト長調(あるいは♯6つの嬰ヘ長調)になります。

(ということで、ねこふんじゃったにつながりました)

これも楽譜を見ると、一見大変。

でも弾いてみると、逆にすべて黒鍵なのでそれほどでもありません。

耳慣れた曲を楽譜にすると、意外に難しく感じることもあります。

 

いつも聞いている好きな曲を改めてピアノで弾いてみる楽しさ。

その中で、リズムや読譜の練習をしていく。

そんな経験も、時に入れていくとピアノがより楽しくなりますね。

2018.05.20

元気いっぱいの小学生

 

こんにちは。

昨日は、高坂小学校の運動会を見てきました。

高坂小学校の最高学年、6年生の生徒さんがいるからです。

朝は少し雨もぱらついていましたが、午後には良いお天気。

その中で元気いっぱいの小学生が応援に、競技にと大活躍していました。

 

久々の小学校の運動会で、新鮮に感じました。

赤、青、黄、緑の4つの組に分かれて、縦割りの対抗戦形式です。

今年の6年生は3クラスなので、クラスとは関係なく4つの組に分かれたのだそうです。

6年生を中心に応援団もあって、午後の応援合戦では、組ごとに趣向をこらし、振り付けのついた応援歌もあり……。

見応えがありました。

入学したばかりの1年生にも教えて、あの水準にするのはたいへんだっただろうな、と思わず昔の教師感覚。

一生懸命な子ども達を見ていて、何だか懐かしくなりましたね。

 

3年生の「台風の目」。

中学校の体育祭でも定番の競技です。

コーンのまわりを上手に回るのは、けっこう難しいですし、戻ってきた棒を全員でうまく跳びこえるのも練習が必要です。

小学校3年生が上手にやっていたので、感心しました。

小学校4年生の「君をのせて」

バランスボールのような大きなボールを、各組の色の大きな布にのせて4人で運ぶ競技です。

風が強くて、大変そうでした。

うまく布にボールを包むようにして運べれば良いのですが、4人の距離が離れて布が広がると、ボールが落ちてしまいます。

拾ってはのせ、拾ってはのせ。

あれもコツがいりますね。

 

5・6年生の組体操。

練習の大変さは聞いていたのですが、仕上がりの美しさを見ると、頑張ったかいがありましたね。

ストーリーがあり、その中でのいろいろな技。

音楽に合わせた動きあり、時にダンス風の振り付けあり。

さすが高学年。

とてもお兄さん、お姉さんに見えました。

 

「集団で成長する」という学校ならではの良さ。

それが運動会のような行事には表れます。

大変なこともたくさんあったでしょうが、これを経てきっとそれぞれの子ども達がまた大きく成長しているのだろうな、と思いながら帰途につきました。