「2018年 5月」の記事一覧

2018.05.08

地道に取り組むことの大切さ

こんにちは。

昨日は、御茶ノ水にレッスンに行ってきました。

上の写真は神田明神の神馬(しんめ)です。

神田明神には生きた神馬がいるのですね。

なまえは「あかり」ちゃんだそうです。

いつもは小屋の奥にいて会えないのですが、昨日は出ていたので思わず写真を撮ってしまいました。

 

さて、前回のレッスン以降、新しい曲に取り組み始めました。

最初のうちは、「安定して弾くために全部の力・重みをのせてゆっくり練習する」ということをくりかえしていきます。

その部分に重点を置いたために起こっていた状態を修正していただきました。

 

「安定して弾くために全部の力をのせて弾く」ことと、「響く音を出すために出来るだけ持ち上げて弾く」こと。

一見相反するように思えるこの2つの弾き方を、常に行き来しながら「安定し、かつ響く」状態を作り上げていく。

ゆっくり全部の力をのせて弾く練習は、初期の段階でしていけばよい、というイメージを持っていたのですが、実際は常にこの2つの状態を常に行き来する必要があるようです。

確かに、力を抜いて素早く打鍵するという感覚そのものにずれが生じていましたので、早い段階で修正していただけて良かったと思いました。

はるかに先を行く先生の感覚で、自分の現在の弾き方を常にチェックしていただける。

レッスンのすばらしさ、学ぶことのできる環境のありがたさを感じました。

 

今回はヘンデルのシャコンヌに決めましたが、ベルクもいつかは挑戦してみたいので、譜読みについて伺ってきました。

「ソナタ形式なので、構成の部分ではそれほど難しくないはずだけど。和声がちょっと大変かもしれないね。」とおっしゃいます。

「こういう、どこに動くのか予測がつかないような曲の場合はどうするのですか?」と伺うと

「手になじむまで弾きこむしかないと思う。」というお返事。

 

近道はないこと。

地道に取り組んでいくこと。

その蓄積が演奏を変えていくこと。

分かっていること、当たり前のことではあるけれども、改めてそれを意識しつつ帰途につきました。

2018.05.07

習慣を作り直す

こんにちは。

ゴールデンウィークも終わって、本格的に学校やお仕事が始まりますね。

 

中学校に勤めていた頃、このゴールデンウィークあけというのは一つ大事なポイントでした。

というのは、生徒たちも進級して4月いっぱいは「進級したから頑張ろう」「新しいクラスだから頑張ろう」と「頑張る」モードなのですね。

とても緊張して、新しい友達や場合によっては新しい先生に「新しい自分」を見てもらいたい、認めてもらいたい、そう思ってそれまでとは違う自分を作っています。

一般的に新しい習慣をつける時、3週間(21日間)というのは一つの区切りです。

ところが4月の21日間でついたはずの習慣がゴールデンウィークでリセットされてしまう。

「頑張る」と決めたはずなのに、やはり元の自分が顔を出しやすい、そんな時期なのです。

では、どうしたら良いのでしょうか?

学校では、「もう一度4月当初のルール確認を行う」ための声かけをしていきました。

 

ピアノの練習でも同じですね。

学校や幼稚園の生活と関連させて「この時間に練習をする」と決める。

でも、ゴールデンウィークが入り、その習慣がいったん中断する。

その時には、4月にこうしようと決めたよね、という確認をして、もう一度習慣を作り直すことが大切です。

 

ちょっと最初の数日は、大変に思うこともあるかもしれませんが、4月は出来ていたこと。

またすぐに、もとのペースに戻すことができます。

1日1日の積み重ねが上達に大きく影響します。

上達すれば、どんどん楽しくなります。

 

もし、ゴールデンウィークでペースが何か変わってしまった、と感じられたら、ぜひもう一度「決め直す」「習慣を作り直す」ということを意識してみてくださいね。

2018.05.06

シャコンヌの様々な演奏

こんにちは。

ゴールデンウィークも最終日。

上り車線の渋滞情報が聞かれるようになってきて、休暇の終わりを感じます。

おおむねお天気にも恵まれて、良い休日でしたね。

 

ヘンデルのシャコンヌ、いろいろな演奏があって、興味深く聞いています。

やはり、ドイツのピアニズムのピアニストは、アーティキュレーションもさまざまに工夫して、タッチと構成感で聞かせる感じ。

一方、ロシアピアニズムのピアニストは、全体にペダルも多めで、細かいニュアンスで聞かせる感じ。

ざっとこんな印象を持ちました。

古今東西、これほどたくさんの演奏が聴けるというのは本当にありがたいことだと感じています。

私が今師事している先生が、ロシアピアニズムに傾倒するきっかけになったピアニスト、ニコラーエワ先生の演奏もありました。

端正な美しさ。

気品を感じます。

本当に素晴らしい演奏だと思います。

 

バロック時代のもので、もともとがピアノのために書かれたものではないので、その点もどう演奏していくのか、逆に自由度が高いと思いました。

今は、どれくらいのテンポ感が良いのか、自分なりにいろいろ探っています。

同時にバッハの時と同じように、縦のつながりと横のつながりを考えています。

横のラインを、それぞれの旋律線が出るように、音色を変えて弾くこと。

これもロシアピアニズムならではの課題であり、工夫のしどころです。

指遣いも、私の手に合わせると、どう弾いていけば弾きやすいのか。

こういう過程もとても楽しいですね。

 

2018.05.05

「うんちがぽとん」の絵本

こんにちは。

今朝の空も、5月らしい空ですね。

たうらピアノ教室は、基本的に祝日はお休みなので、ここのところレッスンもお休みです。

生徒さんもそれぞれゴールデンウィークならではの過ごし方のお話をしてくれました。

保護者の方もお忙しい中、お子さん達にいろいろな経験をさせてあげようとしていらっしゃって、いつも感心しています。

 

さて、今日は子どもの本の話を書きますね。

やはり、お子さんにとって新しい本は楽しみなもの。

レッスン室に置いた絵本。

レッスンを待っている間に生徒さんが読んだり、生徒さんの妹さんにお母さんが読んであげたり。

なかなか活躍してくれてうれしいです。

見ていると一番人気なのが「うんちがぽとん」

 

これは、うちの子どもも大のお気に入りで、小さい時よく読んでいました(というか読まされました)。

おむつがはずれた記憶がまだ新しい子どもにとって、まあくんのこのお話はとても身近なものなのでしょうね。

そして「自分はおむつは卒業した!赤ちゃんではないよ。」という思いがあるから、よけい楽しいのかもしれません。

そして、くり返される「でたかな?まだまだ。」という言葉。

今回数えてみたら、1ページに36回もくり返されていました!

このくり返しも、とても楽しかったようです。

 

ずっと取っておいた絵本たちが、また皆さんのお役に立てて、私もうれしく思います。

きっと絵本も喜んでいることでしょう。

出来た事実をフィードバックする

こんにちは。

連休後半に入り、今日も良いお天気になりそうで良かったです。

写真は昨日の続き、妻沼のバラです。

 

よく「ほめて育てる」という言い方をしますが、意外にこれが難しいですね。

今日はちょっとそんなお話を書きます。

大学の学習心理学で「内発的動機付け」「外発的動機付け」ということを学びました。

「内発的動機付け」は本人が「好きだから、楽しいからやる」という気持ちで取り組むこと。

例えば、「絵が好きだから絵を描く」などです。

 

「外発的動機付け」は「ごほうびがほしいからやる」という気持ちで取り組むこと。

中学生などだと多かったのは「今度の定期テストで○番以上の順位がとれたら、携帯を買ってあげる」というパターンです。

逆もありました。「定期テストの順位が○番以下だったら携帯は解約」

 

「内発的動機付け」のほうが自分自身が決めたことなので継続もできるし、何より積極的になれます。

一方、外発的動機付けの場合は、短期的な効果はあるのですが、ごほうびがなくなると行動そのものをしなくなる、という部分があります。

この外発的動機付け、「もの」の場合は分かりやすいのですが、「言葉」もごほうびになるのですね。

もちろん、人は誰でもほめてもらうのはうれしい。

また、それで頑張ろうという気持ちにもなれますから、基本的には大切なことだと考えています。

ただ、行きすぎると「ほめてもらうからやる」「ほめてもらえないことはやらない」につながっていきます。

そうすると本人の何かをしようとする意思がどこか見えなくなってしまうのです。

 

ではどうしたらいいのか?

できるだけ、「できた事実をフィードバックする」ようにします。

「楽譜が読めたね。」

「リズムが正確にとれたね。」

「毎日練習できたんだね。」

という形です。

あと、これに加えてできるだけ、「私の感想」を加えるようにしています。

「毎日練習できたね。すばらしいことだと思うよ。」というように。

 

できるだけ、生徒さん本人がピアノが楽しいと思ってもらえるように、そして自分の気持ちで練習に向かえるように。

そんな思いで指導しています。

2018.05.03

生徒さん達の個性を伸ばす

 

こんにちは。

昨日、妻沼の道の駅に行ってバラを見てきました。

もうかなりたくさん咲いていて、美しい花を楽しむことができました。

 

さて、お子さんのレッスンの様子をご紹介していますが、お子さんによって得意なことはさまざまです。

これは本当に個人「差」、個性であって、どれが優れているとかというものではありません。

リズム感の良いお子さん、音程のとても良いお子さん、譜読みの得意なお子さん。

また、好きなこともそうですね。

歌が大好きで大きな声で歌うお子さん。

ちょっと恥ずかしそうに歌うお子さん。

おんがくドリルを「たくさん宿題やってくる!」と言うお子さん。

 

性格もそうです。

積極的に何にでもチャレンジしていくお子さん。

慎重に考えてから行動するお子さん。

なかなか口には出さないけれど、しっかり物事を考えているお子さん。

 

みんなそれぞれ違っていますし、その違いに応じてどう指導していけばそのお子さんが伸びていけるのか、ということを工夫して指導していけるのが、個人レッスンならではの良さです。

保育園や幼稚園、学校では、個人への目配りは当然あるものの、「学級集団」としての行動も重視せざるをえません。

授業もある程度は一斉授業の形を取っていくことになります。

その点、個人個人をみることができるピアノのレッスンは、個性を引き出し伸ばすことができる場だと思います。

 

私なりに、色々な工夫をしつつ、またお子さんに応じた言葉がけを考えつつ、そしてそれぞれの進歩を楽しみにしながら、指導しています。

2018.05.01

考えてから弾く

こんにちは。

連休の谷間で、今日明日はは小中学生も登校ですね。

ヘンデルのシャコンヌ、色々な方の演奏を聞き比べています。

今は、YouTubeで何でも聞くことができるので、本当にありがたいと思います。

(息子には「今は……」という言い方はやめたほうが良い、と言われているのですが、つい出てしまいますね)

「昭和」に学生だった私からすると、図書館でレコードを借りていた高校時代、資料室のレコードを聴いていた大学時代とは文字通り隔世の感があります。

 

変奏曲が21もあるので、テンポの設定はとても大切だということは、漠然と感じていました。

大きく3つの部分に分けられるので、その中でどうしていくか。

そしてその3つをどう組み立てていくのか。

考えることがたくさんあります。

 

同時に、変化をつけるためのアーティキュレーションも課題ですね。

レガートで弾くのかノンレガートで弾くのか。

ペダリングはどうするのか。

 

今まで、つい「弾きながら考える」という感じが多かったのですが、今回は、楽譜を見ながら検討する時間を多めに取ろうと決めました。

「響き」のことを考えると、弾きながら考えることは、もちろんたくさんあります。

ただ、今の私にとっては、今までよりも「考える」部分を増やしていくことがプラスに働くのではないか、と思っています。

特にバロックのものですから、様式感というのも大切です。

どうやったらそれが表現できるのか。

 

いろいろ聞きながら、楽譜を見ながら、試行錯誤しつつ学んでいます。