「2019年 2月」の記事一覧

自分で楽譜が読めるようになることの大切さ

去年、3月~7月頃に、入会した幼稚園、小学生の生徒さんたち。そろそろレッスン開始から1年を迎えようとしています。

それぞれ、進歩していますが、一番大切なこととして、楽譜が自分で読めるようになってきた、ということが挙げられます。

楽譜が自分で読めるようになると、新しい曲を自分ひとりで弾くことができるようになります。これは、とても大きなことなのです。

昨日レッスンをした小学生の生徒さんたち。今までずっと勉強してきたト音記号の楽譜はスラスラ読めます。

ここで新しく出てきた、へ音記号の低いドレミファソにも、最初は戸惑ったものの今はだいぶ慣れて、どんどん階名が言えるようになってきました。

レッスン中に音符カードを見てすぐに言えるようにすること。「うたあそび」で出てきた音符をその場で読む練習をすること。実際にピアノの前に座った時、次の曲の階名を自分で言うこと。

音楽ドリルや、教本のワークブックに書き込んで覚えること。こちらは宿題になることがほとんどです。

合わせて、リズム打ちもたくさんやっています。「うたあそび」にも、よく出てきますし、教本のワークブックでもたくさん練習します。

ですから、ピアノを弾く場合も、拍子を数えながら弾く習慣がついてきます。

こういうことを1年、繰り返してきたので、楽譜が読めるようになってくるのです。

自力で楽譜が読めるようになることは、音楽の本来から言うと第一歩です。でも、その第一歩が踏み出せないと、なかなか他の要素までいきにくいのも確かです。そういう意味では、基礎の基礎ということになります。

昨日も、背が伸びたな、と思いながら、小学生たちを見ていました。少しお姉さんになって、そして、ピアノも去年より上手になって、もうすぐ進級の時期を迎えます。

生徒さんの成長を実感

昨日、ちょうど前の生徒さんが帰った直後、誰もいないレッスン室に入ってきた小学校1年生の生徒さん。第一声が「もうすぐ誕生日なんだ!」

「そう、お誕生日、いつなの?」「18日。」「じゃあ、もうすぐ7歳なんだね。」

うれしそうです。子どもたちにとっては、お誕生日で、1つ歳が増えることはほんとうにうれしい。成長を自分でも実感できるからでしょう。

この1年で、できるようになったことがたくさんあります。クリスマス会では、頑張ってお姉さんと連弾をしました。練習をたくさんして、本番に向かう経験を積みました。

音符もずいぶん早く読めるようになって、昨日も、音符カードを見ながら、「ド」「ソ」と次々に読むことができました。

リズム打ちは、早い段階で上手にできるようになっていましたが、昨日の「うたあそび」の課題のリズム打ちも、スムーズです。

何よりも、集中力が1年前とは全然違っています。30分、集中してレッスンに取り組めるようになりました。

ピアノに向かった時、そういう一つ一つの力が発揮されます。「ビッグベンのかね」が次の課題ですが、音符を読み、3拍子のリズムを感じながら弾く。

それがすぐできるようになりました。付点四分音符の3拍も、自分で「1・2・3」と数えながら、伸ばせます。

力は、一朝一夕につくものではありません。毎日はほんの少しずつの積み重ね。でも、それを積み重ねたかどうか、というのは、とても大きいことです。ふとある日気がつくと、あれもこれも一度にスッとできるようになっている。

特にお子さんの場合は、そういうことが多いように感じます。最初はよく分からないまま重ねていた経験が、ある一定の量、蓄積すると、その意味が分かり、次にやるべきことが見えてくるようになるのでしょう。

大人の場合は、先に意味が分かり、やるべきことが見えています。そこに練習をしていく。

方向が逆ですね。だからこそ、どんな経験をするか、日々どれくらい積み重ねができるか、ということが大切になってきます。

もともと、歌が大好きで、「うたあそび」が楽しみな生徒さんです。レッスンの最初に「うたあそび」をするのが基本なのですが、この生徒さんの場合、本人が「最後にやりたい。」と言います。

ですから、ピアノの後に「うたあそび」。昨日も、歌をうたい、太鼓をたたき、ニコニコしながらレッスンを終え、帰っていきました。

見送りながら、お子さんの成長の速さに改めて感心し、うれしい気持ちになりました。

2019.02.14

久しぶりの文楽

ほんとうに久しぶりに文楽を見てきました。

大学3年生の時に日本音楽の課題で見て以来、その魅力にひかれて、20代の頃、国立劇場の文楽公演に年2~3回行っていました。

語りと三味線というシンプルな組み合わせ。その中で、登場人物を語り分け、場面の描写がなされます。その伴奏にのって人形がお芝居をしていきます。

最初に見たのは、「生写朝顔話しょううつしあさがおばなし 宿屋の段」。人形が琴を弾く場面で、本当に弾いているかのような動きに驚きました。まさに生きているかのようでした。

同時に太夫さんの語りと三味線の「場」の作り方に感動したのでした。

今回の演目は鶊山姫捨松ひばりやまひめすてまつ檀浦兜軍記だんのうらかぶとぐんき。私がよく行っていた頃、素晴らしいと思っていた吉田簑助さんという人形遣いが鶊山姫捨松に出演するので、ぜひ見たくて、夜の部にしたのです。


前半の鶊山姫捨松ひばりやまひめすてまつ 中将姫雪責ちゅうじょうひめゆきぜめの段。お話自体は、継母が継子である中将姫を雪の中で責める場面に多くの時間が割かれる話です。

最後に父親が本心を語り、娘との別れを惜しむ場面。雪がはらはらと降るなか、お付きの女性二人と姫、父親の姿が、1つの絵のようになっていて、様式美を感じました。

期待通り、吉田簑助さんの中将姫の美しいこと。ほんの少しの心の動きが、人形の身体の動きに表れ、心から「来てよかった!」と思いました。

後半の檀浦兜軍記。こちらは、鎌倉時代初めという設定で、畠山重忠が、平家方の平景清の居場所を阿古屋という女性に聞くという話です。

知らないと言う阿古屋に琴、三味線、鼓弓を弾かせ、その音色から畠山重忠が阿古屋が本当に知らないことを聞き分けるという筋です。

こちらは、語りの太夫さんが5人並びます。役ごとに違う人が語るのです。

最初、三味線の人の右側が空いていて、どうしたのだろうと思っていたら、途中から、もう二人、出てきました。一人は三味線、もう一人は琴を用意しています。

次の三味線の時には、さっき琴を弾いていた人が今度は三味線を弾き、胡弓の時は胡弓を弾いています。後でプログラムを見直したら、三曲となっていて、鶴澤貫太郎さんという方でした。

文楽の三味線は太棹なのですが、阿古屋が三味線を弾く場面でその方が弾いた三味線は、棹の部分が細く、音色も少し違っていました。

こちらは「とにかく楽しい」演目でした。私が初めて文楽を見た時、琴の演奏に驚きましたが、今回の琴、三味線、胡弓の3つも、まるで弾いているかのよう。手の動きと音の変化がぴったりで驚きました。

畠山重忠の隣で一緒に聴いている岩永左衛門という役の人形のコミカルな動きも楽しくて、場内には時々笑いが流れました。

日本の伝統文化は、とかく敷居が高く思われがちですが、文楽は字幕もついていて、わかりやすい。イヤホンガイドもあります。ここ10年ほど、人気が上がってチケットが取りにくくなっているということも納得できました。

改めて日本の文化の素晴らしさを感じ、心から楽しんだ一時でした。

小さいお子さんの教本

今日から、年少 (と言っても、もうすぐ年中になりますが) の生徒さんのレッスンが始まります。

小さいお子さんの場合には、まだ指の力が弱いため、無理をして弾こうとするとどうしても手の形がくずれて、下向きに手首を振って弾いてしまいます。

どうしたらそれが防げるか。楽器屋さんの入門者用の楽譜売り場の前で、だいぶ迷った挙げ句、出版されたばかりの新しい楽譜を買ってみました。

「まいぴあの」。著者の石黒先生は、小さいお子さんのレッスンを数多くなさっていることでとても有名な方です。

楽譜そのものも、中の絵も、とても楽しそうです。

そして、何よりも最初の段階で、3の指つまり中指を使って「手のやまを作る」という意図で、3の指の練習がたくさん入っています。

これは、ロシアピアニズムの導入段階の教本としても使えるのではないか、と考えました。3の指をたくさん使って、「支えの感覚」を身につけることができます。

ロシアのピアノ教本には「ロシアのこどものうた」がたくさん使われています。日本で手に入るドイツ語版には、ドイツの歌も入っています。

でも、日本で使うには、ロシア語、ドイツ語で歌うことはできませんから、歌と関連させることができません。

日本語に訳されているロシアの教本の場合には、歌おうとすると、歌詞のリズムと音楽の強拍がずれていて不自然な場合がありました。

その点も大丈夫ですし、音源がダウンロードできるので、自宅でも伴奏に合わせて練習することができます。

楽譜の読み方、拍子の感じ方もかなりていねいに学習することができる構成になっています。

実際に小さいお子さんが使ってみると、どんな感じになるか。使いながらいろいろに工夫を加えていきたいと考えています。

今日からのレッスン。楽しい、ピアノの時間、音楽の時間になるように生徒さんを迎えようと、私も新しい気持ちで楽しみに待っています。

2019.02.11

「フィガロの結婚」の美しさに改めて感動

昨日は、所属する葵の会の練習と例会。歌の練習で2時間伴奏をした後、例会で4月の本番に向けて打ち合わせをして、その後、作品発表のピアノを作曲者の方に聞いていただき…と充実した午後でした。

「フィガロの結婚」の伴奏をしていますが、練習をすればするほど、モーツァルトの美しさと、難しさを感じます。

もともとそれは分かっていることであり、ピアノでモーツァルトを弾くたびに、いつも思うことではありますが、オペラでも同じ。

特に今回、重唱が2曲入っています。2人の異なった声がハーモニーをつくる。それにピアノがからんでいくわけです。

それも、本当はオーケストラで、管楽器だったり、弦楽器だったりするわけですが、それをどう表現していけるか、考えどころです。

一見なんでもない旋律、一見なんでもない音の組み合わせ。そのさりげなさを本当に美しく演奏することの難しさ。

昨日も、そんなことを感じながら練習していました。

同時に、聴いていて美しさを感じるのと、演奏していて感じるのとはまた違うということを実感し、演奏に関わることのできる幸せも改めて思います。

終曲の合唱も本当に美しくて、ここのところ、いろいろな演奏を聴き比べていますが、いつも「なんて美しいのだろう!」と感心します。

合唱には、声の厚みが加わり、独唱、重唱とはまた違う美しさがあります。

楽譜通り弾くだけではなくて、各パートの音を頭に置きながら弾くこと。言葉の流れを理解しながら弾くこと。

まだまだ課題がたくさん。勉強することがたくさんあります。学ぶことができるということは、進歩する余地があるということでもあります。

それを励みに、また練習を重ねていきましょう。

大人こそ楽しい時間を積極的に作る

たうらピアノ教室には、50代、60代の大人の生徒さんもいます。皆さん、お仕事をしながら、でもピアノを習いたい、上達したいという思いでいらっしゃっています。

大人になってからのピアノは、小さい子どもさんのようにどんどん上達することは、 確かに 難しい。でも、着実に上達はしていきます。

大人の場合、私自身も経験がありますが、仕事、家事でいっぱいになってしまいがちです。

もともと仕事だけでも長時間ですし、通勤時間もあります。日本の場合、どうしても会社にいる時間が長い傾向にありますから、なかなか自分の時間が取れません。

もちろん、仕事の中にもやりがいを感じる部分はありますし、楽しさもあります。家事もそうですし、育児は子どもの成長を支えていくというとても大切な役目でもあります。

でも、そんな生活の中でも、「自分」が主体となって何かをする時間を作っていくことには大きな意味があるように思います。

昨日の生徒さんも、そうです。土曜日に時間を作って、思い切ってピアノを始めることにしました。

子どもの頃に少し習っていたそうですが、ロシアピニズムの話をすると「面白そう。これは楽しくなってきました。」ということで、音の出し方からまた、始めることにしました。

姿勢、手の支え…。ひとつひとつレッスンしていきます。その中で新しいことを学ぶ楽しさ、手の使い方によって音が変化する楽しさを感じています。これは、子どもも大人も同じです。

自分が楽しいと思う時間を作ること。逆に、大人だからこそ、そんな時間が貴重であり、それを自分自身が作っていくことが大切なのです。

自力で頑張った!

両手の練習と、新しいヘ音記号、低いドレミの音符を覚えること。今、この段階で頑張っている小学生のレッスンが続きます。

「ピアノひけるよ!ジュニア2」のワークブックには、「かっこう」「ぶんぶんぶん」「ちょうちょう」の左手部分の階名を書き込む課題が続いています。

レッスンに来た小学校1年生の生徒さん、全部できてました。ピアノのレッスンに時間が取りたかったので、サッと○をつけ「全部できているね。音符が読めるようになってきたね。」と言ってピアノに移りました。

その時、「どうしてこんなに、この部分は鉛筆の跡があるんだろう?」とちょっと気にはなっていました。

ピアノでは、宿題だった「さよなら」を弾いて、○。次が「こいぬのマーチ」。

今、小学校1年生の生徒さん達は、学校の音楽の授業で「こいぬのマーチ」を鍵盤ハーモニカで練習中とのこと。ですから、レッスンにも熱が入ります。

何回も練習して、あとは、お家で練習しましょう、というタイミングでお母様がお迎えにきました。

お母様からは、両手の練習が難しいって言いながら、頑張っていたことを伺いました。

その後で、生徒さん本人に「音符の読み方、先生に聞いた?」と確認しています。生徒さんは「全部○だったもん。」と答えました。

階名を書く宿題で、ずいぶん苦戦していたこと。お母様は「自分で調べたり、分からなかったら先生に聞いたりすることも勉強だと思ったので、手助けはしませんでした。」とのこと。

分からない部分、答えが不安だった部分は、自分でワークの前のページを見て確認したり、線を数えたりして、書き込んだようです。

どうりで、楽譜に鉛筆の跡が残っていたはずです。自力で頑張ったしるしだったのですね。

お母様には「全部できていました。一人でそれをやり遂げたのですから、とても頑張ったのですね。成長しましたね。」とお話しし、私も、生徒さんの成長を実感して、とてもうれしくなりました。

ひとつひとつはなかなか目に見えてくるものではありませんが、ある日、ぐんと成長した印が見える。そんなことを改めて感じ、その場に立ち会うことのできる幸せを分けていだいた思いで、レッスンを終えました。

「うたあそび」は楽しい

幼稚園、小学生のレッスンには「うたあそび」を使います。これが楽しいのです。

見開き2ページで左側に歌と絵。右側にその歌でどんなことをするか、内容が書いてあります。

歌に合わせて踊るかリズム打ちをする。どちらかは必ず毎回入っています。

それに加えて、リズム打ちの課題や音符を読む、音符を見ながら歌う等の課題も入っています。

踊りは、「大きな栗の木の下で」のように、踊りもよく知られていて、すぐ踊れるものもありますし、動きを見ながら踊ることもあります。

小さいお子さんのほうが、すぐ覚えるので、2回も練習すると、すぐできます。ピアノは座っていますから、立って踊るとそれだけで変化がつきます。

手遊びも、だんだんテンポを速くして、集中しながら楽しみます。

歌いながらリズムをたたくときは、たいこを使ったり、タンバリンやカスタネットを使ったり。楽器が変わるとそれだけでも気分が変わります。

こちらも、2、3回練習すると上手にできるようになります。

そこで楽しんでいるので、その後のリズム打ちや音符を読む課題もスムーズに取り組めます。

最初はちょっと戸惑って、何回か練習することもありますが、2ヶ月もすると、リズム打ちも上手にできるようになってきます。

音符を読む課題も、ピアノで弾くときよりもずっと易しいので、すぐ読めて、自信になるようです。

たいていの生徒さんが1曲終わると「次の曲は…。」と確認しています。それだけ楽しみなのでしょうね。そして「『ひげじいさん』知っている!」とか、「この踊り、幼稚園でやったことがある!」とか、楽しそうに教えてくれます。

楽しみながらソルフェージュの力もついてくる。昨日もすぐに音符を見ながら歌えるようになっていた生徒さんを見ながら、私もうれしくなりました。

2019.02.07

新しいタッチの練習

昨日は、自分のレッスンに行ってきました。先生がご自身のブログで紹介していらっしゃった、新しいタッチを教えていただいてきました。

凝縮された、芯のある明るめの音色になります。

アシスタントの先生が、モーツァルトでの使い方を見本として弾いてくれました。モーツァルトにぴったりです。

他にも、バッハの場合はこんな使い方、ベートーベンだと、微妙に深いところをねらってこんなふうに、と弾いて聞かせてくれました。

さらにスクリャービンでも、指の腹を使った柔らかい音だとこういう感じに、このタッチを使うとこういう感じに、場合によっては混ぜていくこういう演奏も…と。

これがロシアピアニズムの響きで作っていく音楽の楽しさです。

ハノンの1番の音形で試しに練習してみたのですが、支えがどれだけしっかりしているかが重要です。落ちるとねらうべき底をつきぬけてつぶれた音に、浅すぎると浮いた音になります。

また、底をさわる時間はほんの一瞬。長すぎると重い音になってしまいます。

何回かやっているうちに、ハノンの恩恵なら、少しずつイメージがつかめるようになってきました。

ただ、右手よりも左手のほうが筋力が弱い分、難しく感じました。

このタッチを使って、持って行ったバッハのフランス組曲を弾いてみました。

前半1ページ分を弾いたところで、先生が、「音形によって、落ちますね。太い緩んだ音になっている。特に、左手の1・2の指を使うところ。」

左手だけ、最初のファシラ♯シの音形を弾いてみます。確かにラ♯の音が緩んでいます。そこだけ、こうすれば、と指の曲げる角度を変えてみたり、手首の向きを変えてみたりしました。

アシスタントの先生も弾いてくれて、よくそれを見ながら、結局手の構え方、指の曲げ方に問題があることが分かり、ようやくその部分でも、教えていただいたタッチを使うことができました。

もっと虫様筋の筋力を鍛えていく必要があります。今までのタッチはもちろんのこと、新しいタッチももっと自由に使えるようにしていくには、それが欠かせません。

学ぶところのたくさんある、有意義なひとときでした。課題をたくさん持ち帰ったので、また練習です。

2019.02.05

響きを楽しむ

新しいピアノが来て2ヶ月めに入りました。最近、ようやくピアノも落ち着いてきたのか、気持ちの良い響きが上がってくることが増えてきました。

前回の自分のレッスンで「弾きすぎていた」

前回、自分自身のレッスンに行った時に、先生のピアノを弾いた時、やはり、響きが低いところによどんだ感じがしていました。

先生から「どうですか?」と逆に聞かれ、「うーん。何だか違う気がする。」と思いつつ、姿勢、腕、手首、指…とまた自分の中で確認した上で、弾き直しました。

2回めのほうがだいぶ良くなっていましたが、まだもう一つ、響きが上がらない感じがします。

「今度のほうが良いですね。まだ大きい音を出そうとして、弾きすぎています。」と言っていただき、さらに、浅いところをねらうこと、虫様筋で支えて引き上げる力を意識したところ、ようやく響きが上がってきました。

家のピアノで弾く時に、思うように響かない感じがしていて、ついつい弾きすぎていたようです。

改めて家のピアノで弾いてみる

ここのところ、伴奏や作品発表の練習をすることが多く、譜面台を立てて弾いています。譜面台にさえぎられて、自分の響きが聞きにくい環境で弾く時間がながかったため、ついつい大きな音を出す意識になっていたのかもしれません。

家に帰ってから、譜面台を寝かせ、バッハを弾いてみました。身体の重心、姿勢、肩、腕、手首、指。浅いところをねらう。虫様筋。

音の大きさではなくて、響きを聴く。弾くことではなく、聴くことに意識の重点を持っていく。

夜だったので、昼間の間にちょうど良い気温が続いていたこともあって、気持ち良く響いてくれました。

やはり「弾きすぎていた」ようです。響きが上がってくると、本当に楽しい。いろいろな響き、いろいろなニュアンスの音を使えるようになります。

響きを楽しむ

日曜日の声楽のレッスンの時、「和声が変わるので、その変化をもっと出して。」とご指導いただいた部分がありました。

そういう時にも、響きによってすぐ変えることができます。指を入れる方向を意識することでも響きは変わってきます。

そういう引き出しをたくさん持っていることが、音楽を作る上では本当に大切です。同時に、楽しさが増えることでもあります。

響きを楽しむ、響きで音楽を作る。とても楽しいことです。