「2019年 5月」の記事一覧

2019.05.31

湯山昭「お菓子の世界」

湯山昭「お菓子の世界」の中から、発表会で演奏する曲を選んだ生徒さんがいます。

良い機会なので、私もいろいろ弾いています。目次を見るだけで、「シュー・クリーム」「バウムクーヘン」から始まり、「ドーナツ」までおいしそうなお菓子の名前が並びます。

途中に「間奏曲」として、「むしば」「どうしてふとるのかしら」「くいしんぼう」というのもあって、全体としてとても楽しい曲集です。

バウムクーヘン

子供の頃、あの層になっている部分がどうやってできているのか謎でした。輪になっているのでよけいです。

焼いている様子を見られる専門店が出来て、 特別な機械をつかっているのだということが分かり、ようやく納得しました。

大学でドイツ語に触れた時も、「バウム」は「木」、「クーヘン」は「お菓子」ということで、木の年輪をあらわしているというこのお菓子の名前に、妙に納得しました。

特別な機械を使って焼き上げながらも、クリームなどで飾るのとは違う、どこか素朴な感じも残っている焼き菓子。

曲の感じも、それにぴったりです。最後の部分に「木」の「年輪」のイメージを私は重ねたくなりました。

チョコ・バー

疾走感のあるテンポの速い曲。かっこいい感じの曲です。

チョコ・バーはチョコレートを全面にコーティングしたお菓子。ビスケットやグラノーラ、ナッツを入れたものなどいろいろあります。

食べると口の中でそれぞれの材料の食感が楽しい。ザクザクした感じ、カリッとした感じなど。

このテンポ、この音のぶつかり方等、口の中に入れた時のさまざまな食感をほんとうによく表していると感心しました。

ボンボン

おしゃれな感じのワルツです。ボンボンの名前がフランス語の「良い」を意味するbonを2つ重ねたものなのだそうです。

こちらもいろいろな種類があって、例えば、外側がチョコレートものや、中身がフルーツやナッツのものもボンボンというのだそうです。

私のイメージは、砂糖の殻の中にお酒の香りのするのシロップが入っている透明感のあるお菓子。やっぱりこれがボンボンの典型のような気がするのです。

子供の頃食べた時、お酒の香りがするシロップが出てきたので、何だか大人の食べ物を味わったような感じがしました。そんな思い出も重なっているのかもしれません。

曲の楽しさを味わい、表現する

題名も親しみやすく、1つずつの曲もとても楽しく、美しい。日本人作曲家のピアノ曲の中でも特に人気があるというのがよく分かります。

生徒さんは、それぞれの曲に、自分の持つお菓子のどんなイメージを重ね、どう仕上げていくでしょうか。

レッスンで聴いていると、生徒さん自身の「こんなふうに弾いていきたい」というのがだんだん見えてきました。

それを見守っていくのも、とても楽しいプロセスです。すてきな曲だからこそ、その楽しさを味わい、表現することの大切さをたくさん感じてほしいと思っています。

ピアノを始めてから自信が出てきたようです

先日、新しく入会して2ヶ月が過ぎた生徒さんのお祖母様にお会いする機会がありました。

そこでお孫さんのピアノの話題にもなり、「ピアノを始めてから、自信がついてきた感じがします。以前は、できるだけ目立たないように、後ろに後ろに…という感じだったのですが、少し変わってきました。もっと早く習わせてあげれば良かった、と思いました。」と嬉しい言葉をいただきました。

ピアノは個人レッスンです。その生徒さんに合わせて、教材を考え、教え方も工夫していきます。特に、お子さんの場合、年齢と性格の両方で一つ一つの物事への反応の差が大きいです。今回は、主に子どもの生徒さんについて、書いていきます。

個人レッスンの工夫―手作りの音符カード

例えば、五線の上に音符が書いてあります。その一つ一つの音符には、五線の上のどこに書いてあるか、によって、ドレミファソという音の高さについての情報と、4分音符、2分音符などの音符の種類によって音を伸ばす長さについての情報と、2種類が含まれます。

最初のうち、この2種類がなかなかわからない場合も多いのです。最初にドを4分音符で覚えてしまうと、4分音符は他の音で書かれてあっても、すべてドだと思ってしまう、というように。

生徒さんの中にも、そういうお子さんがいたので、今、教本で出てきたドレミファそれぞれについて、全音符・2分音符・4分音符のカードを作りました。

それを使って、ドはどれ?レは?というように、まず、どの種類の音符であっても、五線の上の位置によってドレミファソが決まることを学ぶ機会を作りました。

次に、同じカードを使って、4分音符を探してみよう、2分音符を探してみよう、など、音符の種類を区別する練習をしました。

まだ完璧というわけにはいきませんが、その生徒さんもだんだん分かってきました。

個人レッスンの工夫―レッスンの組み立て

レッスンの組み立てについても、生徒さんによって変えています。生徒さんによっては、「『うたあそび』は最後が良い」というように、リクエストが来る場合もあります。そういうときは、できるだけ希望に沿うようにします。

例えば、タッチに課題のある生徒さんの場合には、紙の指人形を使った体操に時間を取ります。

指の付け根から曲げる練習、指の付け根と手のひらの指に近い部分の筋肉を鍛える体操。それを時間をかけておこなったりもします。

録音をし、自己評価を中心にレッスンを組み立てていく場合もありあす。

バリエーションを増やす

いろいろな生徒さんがいます。それぞれ、個性があります。それぞれの得意なもの、好きなものをできるだけ伸ばせるように。同時に苦手なものにも、少しずつ取り組めるように、といろいろ考えながらレッスンをしていきます。

その積み重ねが自信につながっていきます。毎日少しずつではあっても、積み重ねていけば、とても大きな力になります。だからこそ、取り組みやすいように、頑張れるように、と思うのです。

そのためのも、さまざまな面について、バリエーションを増やすように日頃から心がけています。せっかく始めたピアノ。ぜひ、楽しく、長く続けて弾いてほしい、日々そんな思いでレッスンをしています。

2019.05.28

呼吸を意識してピアノを弾く

昨日は、自分のレッスンに行ってきました。毎回、レッスンに行くと、新しい発見と課題が見つかります。わたしにとっては、ほんとうに貴重な時間です。

昨日もやはり、貴重な学びの時間になりました。

声楽のように呼吸を意識してピアノを弾く

昨日持っていったのは、バッハのフランス組曲第1番。アルマンド・クーラント・サラバンドまで。

そして、重要なポイントとして、「声楽のように呼吸を意識してピアノを弾くこと」を教えていただきました。

同じ音であったとしても、音の長さによって、息の吐き方は変わってきます。1つの音が長ければ、その1つの音で使われる息は多くなりますし、音が短ければ少なくなります。

そのあたりの感覚を、指で、タッチで感じていく。息を吸う、吐く、ということを感じようとすると、微妙な音の長さの違いも出てきます。

呼吸を意識することで流れができる

最初の私の演奏は、「どこに向かっていこうとしているのか、分かりにくい」状態でした。

息を吸う、吐く。どれくらいの息を吐きながら音を出していくか。どこで吸っていくのか。それを感じながら弾くことは、同時に、どこに向かって音楽の流れを作っていくのかということにもつながっていきます。

音楽の自然な流れ。呼吸を感じるということは、その流れに敏感になっていくことでもあります。

最初は、「頭で考えて」いましたが、それではどうもうまくいきません。これは、「感覚」「感じること」を優先していくことが大切だと気づき、自分の中で、スイッチを切り替えました。結局は、今まで培ってきた自分の感覚を信じていくしかないようです。

自分のセンスそのものを磨く

以前にも、「センスが大切」というお話の中で、「センスは結局は磨くんですよ。」と先生がおっしゃったことがありました。

「『こうしていきたい』と思うことを増やしていくことで、磨かれていく」とも。

こんなイメージを作りたいと、頭の中で思い描き、それを実現しようとしていくことで、自分のセンスも磨かれていく。今回の感覚も同じだと思います。

呼吸の感覚を感じる。それを意識的にしていくことで、感覚そのものが磨かれていくのでしょう。

タッチの弾き分け、耳の使い方。音楽にはいろいろな要素がありますが、それら1つ1つを意識しながら、また、自分のセンスを少しでも磨いていこうと思っています。

ピアノが楽しい

小学校1年生の生徒さん、うれしいことに「ピアノが楽しい」と言ってくれています。

両手で弾けるようになり、発表会で演奏する曲として、ギロックの「パリの花売り少女」というすてきな曲を選びました。

曲の力

発表会の曲に入る前は、ちょうど両手で弾き始めた段階。右手でメロディーを、左手でドソドソのように簡単な伴奏をつける曲を練習していました。

「パリの花売り少女」はそれに比べるとずっと複雑です。最初の部分は左手がメロディーを、右手が伴奏をつけています。

でも、その分、とてもおしゃれな感じです。「パリの」という言葉がついているように、華やかな、でも落ち着いた、歴史を感じさせる都市で花を売っている少女の姿が浮かんでくるようです。

候補で私が弾いたのを聞いた時、迷わず、「この曲が良い。」と即答でした。

それまで弾いていた曲よりは難しいのですが、気に入った曲を弾けるということが頑張って練習する力になっています。

進歩が実感できている

春頃から練習記録のシールを使っています。楽譜に貼って、練習したら色をぬるようにしたところ、毎日の練習量が増えました。

ですから、この春から上達が速くなり、レッスンについてきたお母様が、「私は仕事で練習を見られなくて、今回の宿題は、今始めて聞いたのですが、自分でこんなに弾けるように頑張ったのですね。」とおっしゃることが増えてきました。

生徒さん本人もそれは実感できていたようです。

今回の曲についても、お母様に「両手で弾けてうれしい。」と言っていたそうですし、練習の記録を見ても、毎日、しっかり練習している様子が伺えます。

練習する力がついてくると、いろいろな面でプラスの効果が出てきます。今、その状況になっているのですね。

楽しく、力をつけていく

音楽は「音」を「楽しむ」こと。自分の表現ができるようになって、それを楽しむこと。

でも、その土台となる練習が欠かせません。練習することで、力がついていきます。いかに楽しく、力をつけていけるか。

今回は、長い曲を「美しく」演奏するのが目標です。この「パリの花売り少女」を、どんなふうに仕上げていけるのか、レッスンをしている私も、これからがとても楽しみです。

2019.05.25

練習の必要性を実感するために

ピアノを習う時、「レッスン中に先生の話を聞くこと」「練習をすること」は「必要なこと」であり、「大切なこと」です。

ただ、お子さんによって、その感じ方の度合はさまざまです。

その人にとっての必要性の度合い

私の知り合いの声楽専門の方は「ピアノは好きではなかった」と言って、こんな話をしていました。

「子供の頃、ピアノは好きではなかったから、練習する『必要性』を感じなかった。体育の授業でつき指したりすると、ピアノのレッスンがが休める、とうれしかったんだよね。」

私のレッスンでも、時にそれを感じることがあります。一般的なレッスンは、生徒さんがピアノを弾く、それについて私が上手にできている点を話したり、改善したほうが良い点を話したりする。生徒さんもそれを聞いて、その場で練習する。

そんな流れで行っていきます。だいたいの生徒さんにとっては、「先生のアドバイスを聞くこと」の「必要性」が実感できているからです。

記録することで必要性を実感する

レッスンよりも、練習のほうがはっきり出るかもしれません。練習は毎日やったほうが良い。それは、言うまでもありません。ただ、必要性が実感できないと、なかなか取り組めないのは当然です。

レッスンに来ているのは、当然、「ピアノが上手になりたいから」です。それと「毎日の練習」との間のつながりの感覚が持ちにくいわけです。

お子さんによって、その感覚は大きく違います。すぐに練習が習慣化して、上手になっていく場合は、「練習して上手になった」といううれしさを自分で実感でき、「また練習しよう」となります。

そういう生徒さんの場合、記録をつけるのも好きですし、得意です。毎日の練習記録をつけてもらっているのですが、それが続いています。

書くという記録方法だと「面倒くさい」と感じる場合もあります。そんな時は、「色をぬる」「シールをはる」などの簡単な記録方法も取っています。

多くの場合、「見える」ことで、意識ができるようになり、練習の回数も増えていきます。

自己評価を中心にして必要性を実感する

そんな場合には、レッスンそのものを「自分ごと」にする工夫をしていきます。

例えば録音して聞いてみる。弾くほうに夢中になると、なかなか自分の演奏を聴くことは、特に最初のうちは難しいですから。

その上で「自己評価」を中心にレッスンを組み立ててみます。「上手に弾けている点」を「自分で」見つける。「改善したほうが良い点」を「自分で」見つける。

次回までの課題を「自分で」決める。先生にアドバイスしてもらいたいことを「自分で」考えるようにする。

どこか「他人ごと」でとらえていると、人はなかなか主体的には動かなくなりがちです。でも、上達していくためには「自分ごと」にして主体的に学んでいくことはとても大切です。

なんとかそれを実感してもらえるように、あの手この手と考えつつ、レッスンしています。

2019.05.19

未来の自分から逆算する力

先週は、子供の生徒さんの発表会の曲を決めました。候補曲の中から、生徒さん本人が気に入った曲を選ぶ、という方法を取りました。

今週からは、練習してきた成果をもとにレッスンです。

「ちょっと難しい」を頑張って乗り越える

発表会なので、いつもより少し難しい曲にチャレンジする場合がほとんどです。ですから、教本で次の曲を弾くよりも、ステップが大きいのは確かです。

この1週間、見ていて、そのステップの大きさを頑張って乗り越えてきた生徒さんがとても多かった、と感じました。

今回は、「クラシック」のピアノ曲を中心に選んでいます。ですから、子どもの生徒さんにとっては知らない曲なのですね。「知らない曲だけど、聴いてみたら気に入ったので、ぜひ弾きたい」という気持ちになった生徒さんは、とても前向きに取り組めているように見えました。

途中からリズムを取りながら聴いていたり、顔の表情が変わったり、選ぶ時、そういう「あ、この曲、良いな。」と思えるかどうかというのは大きいかもしれません。

今までの練習が自信の元になる

3月の面談の時に、「以前は弾けないと悔しくて泣いていたのですが、練習すれば弾けるようになるということが分かったらしくて、泣かなくなりました。」という話が出たことがありました。

この感覚も、とても重要です。多くの生徒さんは今までの練習が元になって、「練習すれば弾けるようになる」という感覚が身についてきています。

この「練習すれば大丈夫」という自信。ですから、いつもよりも長めの曲であっても、「弾けるようになる」という気持ちで取り組むことができます。

未来の自分から逆算する力

この「練習すれば弾けるようになる」という自信は、未来の自分から逆算してイメージする力でもあります。

今回、多くの生徒さんは、クリスマス会に続いて2回めの発表の場。前回の「ドキドキ」の経験も生かして、本番にどうありたいか、というイメージが出来つつあるように感じます。

「発表会でこう弾けるようになりたい」から「今度のレッスンまでに、こうしたい」。そこからさらに「今日の練習はこうしたい」というつながり。

未来のより良い自分から逆算して、今日を考える。これもまた、ピアノを習うことを通して得られる大きな力です。

止まらずに演奏する

幼稚園の先生のレッスンがありました。ずいぶん上手になってきました。前回のレッスンの時に、不安定だったテンポも、メトロノームを使って、速いテンポとゆっくりしたテンポの練習をくり返したことで、安定してきました。

次の課題は、止まらずに演奏できるようにすることです。今回は、歌の伴奏ですから、ピアノが間違っても、歌は進むことになるからです。

楽譜を見ながら確実に弾けるようにする

当たり前のことですが、やはり、第1段階として、確実に弾けること。

これは、指が動く、ということだけではなく、目で楽譜がしっかり追えて、今、ここを弾いているのだということが分かった状態になる、ということが重要です。

ピアノの経験の少ない大人の方を見ていると、意外に、音符は覚えてしまい、手を見ながら弾いている方が多いのです。

歌が進んでいるときに、次の「どこか」から合流するためには、今、楽譜のここの部分を弾いている、ということが確実に分かっている状態は欠かせません。

歌を覚える

「この歌のピアノ伴奏を弾く」「歌と合わせる」という時に、自分がその歌をうたえる、ということは重要です。

これについては、私も、前回の「フィガロの結婚」の伴奏の時に、痛感しました。レチタティーヴォという、おしゃべりをするように速く歌う部分を弾く時、最初はなかなか歌う方と合わないと思っていたのですが、自分がしっかり言葉を読み、歌の流れをつかむことができるようになったら、うまく合わせられるようになりました。

特に、今回のように子どもたちが歌う時。本番の前には練習もあります。そのことを考えても、歌を覚え、歌いながらピアノが弾けるようになることは理想です。

すぐにその段階まで行かなくても、まず、歌は歌として、覚えて歌えるようになれば、ピアノがつまづいたとしても、ここから入ろう、という判断がすぐにできるようになります。

最後に歌いながら弾く練習

ここまでできてから、歌いながら弾いていくと、ずいぶんスムーズに合わせられるようになります。

これも、歌う息は大変かもしれませんが、最初は「合わせられる速さでゆっくり」から始めていきましょう。

幼稚園の先生だけでなく、保育士、小学校の先生がピアノを弾きながら歌う時も同じですね。

授業・保育の場面で弾く全部の曲を、ここまで練習することは、現実的には難しいのですが、いくつかよく歌う歌、力を入れて指導したい歌を何曲かしっかり練習することで、ピアノや歌のスキルそのものが高まっていきます。

そうすれば、他の新しい曲に取り組む時にも、それまでよりもずっと楽にできるようになっていきます。

2019.05.16

伊奈町のバラ園に行ってきました

昨日はお天気も良かったので、思い立って伊奈のバラ園に行ってきました。町制施行記念公園にあります。

伊奈町の中でも、桶川に近い場所なので、ここ東松山からも、意外に近いと感じました。

400種、5000株あるのだそうです。今、ちょうど満開で、たくさんのバラが一斉に咲いているのは、とてもきれいで見ごたえがありました。

バラの品種名は、人の名前や、イメージを言葉にしていて凝ったものが多いですね。その時は、なるほど、と思うのですが、覚えるのは難しく、「きれいだな。」にとどまっています。

小さいバラがたくさん。このピンク色がとてもかわいい。

花びらのふちの色が違うのも、また素敵です。

青に近い紫のバラ。花自体もとても大きくて、ボリュームがあります。

黄色いつるバラは大きな株全体が満開で、迫力がありました。

これは、「ココア」という品種です。これも独特の色合いが面白く、思わず株全体の写真を撮ってきました。

近くで見るとこんな感じです。

日頃から、手入れをする人がいるからこその、満開の花園です。美しい花をたくさん見ることができ、リフレッシュしてきました。

2019.05.14

バランス感覚が必要

昨日は、自分のレッスンに行ってきました。2日連続の都内。駅から先生のオタクまで、 日常に戻った風景を見ながら歩いていると、日曜日のにぎわいが不思議な感じさえしました。

タッチの深さのバランス

昨日は、初めて持っていくフランス組曲1番のアルマンド。「タッチが少し深いかもしれない。音に角があって、カクカクしたかんじがする。」とのこと。

新しい曲に入る時には、鍵盤と指とのコネクトがしっかりできるように、ゆっくりと力をかけながら、鍵盤の底まで弾いていきます。今回の曲は、初めてなので、その練習をずっとしていました。

その次にできるだけ持ち上げる、鍵盤の底には一瞬だけ触れる、という感覚で弾くようにしていきます。

底までしっかり、という感覚から、上にポジションを上げて弾いていく感覚に変えきれず、全体にタッチが深めになっていたようです。

「これくらいでしょうか。」と心がけて上げ気味にしてみると、確かに、音の角が取れて丸くなった感じがしました。

しっかり底まで弾くこと、できるだけ上に上げる意識で弾くこと。そのバランスを取りながら練習していくことが大切です。

テンポのバランス

先生は、先週から「音を聴く」ことに重点を置いて、レッスンしていらっしゃるとのこと。なかなか耳が使える人は少ないんですよ、とおっしゃっていました。

聴くためには、聴けるところまでテンポを落として練習するしかありません、とも以前から言われていました。

ただ、それをしようとしていると、いつまでたってもテンポがあげられません。前回のアルマンドも、なかなかテンポがあげられず、最後のレッスンで「それでは何だかもたもたした感じに聴こえます。」と言われ、ようやく速く弾くようにした経緯があります。

「速く弾こうとすると、聴こえにくくなってしまうのですが。」と伺うと、「速いテンポでも全部の音を聴けるようになるには、少し時間がかかりますね。」とのお返事でした。

これも、バランスなのかもしれません。できるだけゆっくり、音の一つ一つを最後まで聴きながら弾くことと、曲に合わせたテンポで弾くこと。この部分もそれぞれ意識しながら練習していく必要がありそうです。

レッスンで課題を教えていただく

レッスンでは、こうやっていつも課題を教えていただいています。「こう解釈して、こう演奏する」という部分を教えていただくのではなく、今の自分自身が解決するべき課題。

今回は、「バランス」ということが1つ大事な課題になります。そのために、どうしたら良いか。練習の仕方そのものも、また考え、工夫していく必要がありそうです。

2019.05.13

ピアノのオフ会に参加

昨日は、オフ会(お互いにピアノを弾き合う会)に参加してきました。神田明神のお祭りで、お神輿も何基も見かけましたし、たくさんの人出でにぎわっていました。

定期的に、聴いてくれる方のいる場で弾く機会があることは、私にとって、とても良い刺激になっています。

聴くことの大切さ

途中で、大野先生も顔を出され、「聴くこと」についてのお話をしてくださいました。

音の最初から最後まできちんと聴けている人は少ないこと。レッスンでその耳の使い方に着目して演奏を聴いていると、それぞれ、人によって耳の使い方の癖があること。

高音域は聴けているけれど低音域は聴けていないとか、その逆もあるそうです。また、近い音を聴く癖があって、遠くの響きを聴けていない場合もあるそうです。

では、どうしたら良いのか、ということについて「聴ける速さで練習することでしょうね。」とおっしゃっていました。

私も、今回の練習の中で、どうしても右手の旋律を追う傾向があることは気づいていました。バッハだったのですから、もっと左手の旋律をしっかり聴き取り、それを出すほうが良い。最後の最後になって、ようやくそこに気づいたのですが、たぶんそれが私の癖なのでしょう。

仕上げていくプロセスの勉強

今回、フランス組曲の3番を演奏しました。仕上げていくプロセスも含めて、いつも勉強になります。

今回、最後まで課題になったのが、クーラント。私の中に、「クーラントは速い」という思いが強く、慌ててしまうのです。

それでも、何か自分の中にしっくりしないものを感じたので、いろいろな方の演奏を聴き直してみました。

前回のレッスンでも「どうも、弾きにくそうにしているんだよね。」ということで、手の使い方をもう一度見直していただきました。

わかったことは、すばらしい演奏の場合、テンポが「速い」だけではないということ。すべての音に神経が行き届き、一音たりとも気を抜いた音がないということ。当たり前のことなのですが、改めてそれを感じました。

それを実感したので、今回のクーラントはテンポを落とし、その分、音をきちんと聴くことを心がけることにしました。

タイミングとして、聴き直したのがぎりぎりだったので、もう少し早い段階でそのことに気づくべきでした。

「真似をすることになるから、聴かずに楽譜を読みなさい」と高校時代に言われたことがあったのですが、これだけたくさんの演奏家の音楽が聴ける時代。逆に「聴くことで学ぶ」ということを、私はもっともっとしていく必要がありそうです。

ともに学ぶ人がいる喜び

休憩時間には、話に花が咲きました。今回の話題は11月の発表会。半年をきり、そろそろ曲を決めている方が出てきたタイミングです。

それぞれの曲について、作曲家について。難しさ、美しさ、課題。いろいろな話題が出ました。

こうやって、奏法について、ピアノについて、そしてピアノを学ぶということについて、ともに学びあえる人がいる、ということは、とてもうれしいことです。

また、次の機会に向け、練習を始めましょう。先生が「フランス組曲、全部をやりましょう。」とおっしゃっていて、6曲、すべてに取り組むことになります。次は1番。大好きなバッハの美しさを、少しでも表現できるように、練習を重ねていきます。