ピアノ教室

忙しいけどピアノも頑張る

一般的に、中学生は、小学生よりも忙しいかもしれません。まず部活動。基本的に完全下校時刻が今の時期だと夕方6時ですから、そこまでは学校にいます。

行事も生徒が企画して放課後の時間を使っ準備していきますから、学校にいる時間がとても長い生活になります。

ピアノは良い気分転換

レッスンに来ている中学生も、とても忙しそうです。

吹奏楽部に入ったので、「この前の日曜日は1日部活だった」とか、「先輩たちが演奏するから、楽器運びでホールに行ってきた」とか、部活動の話題も多いです。

5月には体育祭もありました。近隣の学校は5月に行うことが増えてきましたが、1年生は入学してまだ間もないので、体力的に大変かもしれません。

塾に通うと、塾の宿題もあります。英検対策があり、英検も受けます。中間テストに期末テストの日程…。

話を聞いていても、充実感が伝わってくる反面「忙しそう」という思いもありました。

そんな中で、小さい頃から続けてきたピアノもきちんと練習しています。発表会に向けて譜読みをし、曲の最後まで弾けるようになってきました。

「ピアノは良い気分転換になっているようです。」とお母様もおっしゃっていました。

確かに、勉強での頭の使い方と、ピアノでの頭や身体の使い方は全く違います。好きなことでもあるので、良い気分転換になります。

ありたい自分の姿をイメージする

自分自身の時間の使い方、過ごし方を考える上で、ありたい自分の姿をイメージすることはとても重要です。

このありたい自分の姿のイメージは変わっても良いのです。中学生なら、多くの場合、変わっていくでしょう。

ただ、その時点での「夢」「希望」を持っているということ、そしてその夢や希望にに向けて今の自分の行動を考えていくこと、そのものが大切です。

先程の生徒さんの場合、自分の5年後のイメージをはっきり持っています。こういう仕事に就きたいから、大学でこういう勉強をしていきたい、というイメージです。

だから、今、忙しくてもそれを「充実感」ととらえ、楽しみながらせいかつすることができる。ピアノも好きだし、こういう曲を弾いてみたい、という目標もあるから練習できる。

それが今の段階でできているというのは、とてもすばらしいことだと考えています。

10年後をイメージしてレッスンする

去年今年にピアノを始めた、幼稚園生、小学生にとって、こういう中学生の存在は、自分の未来の姿を考える1つのモデルになります。

ピアノのレッスンで幼稚園生や小学校低学年の生徒さんに関わらせていただくということは、短くても6~7年、長ければ10年以上のお付き合いになります。

私自身も、中学生のこの頑張る姿、そして、中学校教員時代に見てきたたくさんの生き生きとした中学生の姿を思い描き、10年という単位で、5~7歳の生徒さんに接しています。

音楽を通して 豊かな「感性」と表現力を身につけること。練習の習慣をつけることを通して「勤勉さ・誠実さ」を身につけること。

さらに、「やればできる」という自己肯定感を、体感すること。

生きていく上で大切なこれらのことを身につけていく。そんな姿を思い描きつつ、日々レッスンをしています。

2019.06.23

楽譜が読めるようになった

3月に入会した生徒さんがいますが、ピアノを始めて4ヶ月。2人とも、楽譜を読むことに慣れてきました。

楽譜が読めるようになると、自分で新しい曲を弾くことができるようになり、より楽しくなってきます。

最後まで自分で弾いてきた

1人の生徒さんは小学校1年生。発表会にも参加する予定で、頑張って練習しています。

1曲めの「森のくまさん」は、5月に決めて、練習していました。もう1曲の「手をたたきましょう」を、先週決めて、練習を始めました。

先週のレッスン中に、曲決めと、前半部分の譜読みをしました。今週は、後半と思っていたところ、生徒さんが「最後まで弾いてきた!」とのこと。

聞かせてもらうと、最後まで音もリズムも正しく弾けていました。

もともと、リズム打ちはとても得意。音符からリズムを感じることができていました。

音符の読み方も、ずいぶんスムーズになっていましたが、ヘ音記号が少し苦手のように感じていました。でも、今回、自分一人の力で、頑張って最後まで楽譜を読んできたのです。

「頑張ったね!」と言うと、うれしそうでした。お母様も「楽しいようで、家に帰るとすぐ練習しているし、朝も弾いています。」とおっしゃていました。

さっと弾ける

もうひとりの、幼稚園年中の生徒さん。やはり、4ヶ月がたち、音符を読むことに慣れてきました。

「まいぴあの1」が終わった段階で、いろいろな状況を考え、「ピアノひけるよ!ジュニア1」を始めることにしました。

最初のうちは、今まで習ってきたことと重なる部分もとても多くなります。実際に、教本を開いて始めてみると、ト音記号の部分は音符もしっかり読めるし、ピアノもリズムを感じながらすぐ弾けるようになりました。

ヘ音記号は、音域がちょっと違うので、最初とまどっていましたが、こちらもじきに理解して弾けるようになりました。

聴いていたお父様もお母様もびっくりしていました。「自分で全部音符を見ながら弾けています。」と言うと「この短期間で、こんなに弾けるようになっていたのですね。」とほんとうに感心していました。

ピアノが楽しいと思える

二人とも、とても楽しくて、お家でもよく弾いているそうです。

そして、音符の意味が分かったので、新しい曲についても自分で楽譜を見ながら弾けるようになってきて、それもまた楽しい。

「その曲が弾ける」ことと、「その曲を通して学ぶ」その2つを意識しながらレッスンしていくことで、他の曲に応用できる力がついてくるのです。

二人とも、頑張って練習しているので、またこれからがとても楽しみです。

2019.06.22

チャレンジする気持ち

発表会に向けて、みんな頑張って練習しています。

昨日も、1年生の生徒さんと7月のレッスン日について「○日と○日と…がレッスンで、この日はリハーサル。」と確認していました。

「リハーサルって何?」

「発表会と同じ会場で、同じピアノで練習するの。」

「ドキドキする。」

こんな会話がありました。

たくさん練習するね

その生徒さん、今回はペダルのある曲にチャレンジしています。

ちょうど発表会の曲を決めるタイミングでペダルの練習に入り、「ペダルのある曲が弾きたい」という希望で曲を決めたのです。

身体が小さいので、ペダルを踏むタイミングになると、身体を前に傾けて踏んでいますが、最初に比べるとずいぶん慣れてきました。

靴下で踏んでいると足が痛くなるとのことで、お家でも靴をはいて練習です。レッスンのときも、本番で履く予定の黒いエナメルの靴を持ってきて練習しています。

その甲斐あって、「ペダルは『耳で踏む』」という言い方をしますが、踏むタイミングもとても上手になってきました。

「ちゃんと弾けるかなあ?」とちょっと不安そうです。

「○○ちゃん、ちゃんと練習しているから大丈夫。」と言うと「もっとたくさん練習するね。」という頼もしい返事が返ってきました。

チャレンジしてみたい

大人の初心者の生徒さん。4月下旬に始めたばかり。発表会への参加を決めたのは、まだ始めて本当にすぐだったので、様子を見て、先週1曲めの「スカボロー・フェア」を決めました。

一週間で「一応、最後まで弾けるようになりました!」ととても頑張って練習していらっしゃいました。

ではもう一曲はどうしようか、ということで、いくつか候補を挙げてみました。

その中で、「ちょっとむずかしいかもしれないけれど。」と言いつつ「戦場のメリー・クリスマス」を挙げてみたところ、「チャレンジしてみたいです。」とのこと。

「では、チャレンジしてみましょう。」と頑張ってみることに。

もうお一人の大人の生徒さんも、「せっかくやるのだからチャレンジしたいです。」ということで、両手の曲にチャレンジ中です。

チャレンジする気持ち

ピアノに限りませんが、何かを学ぶというときには、「新しいことにチャレンジする気持ち」というのがそこにあります。

発表会に向けて、曲を決め、練習する過程の中で、常にその「チャレンジする気持ち」を持ち続けることが大切になってきます。

「たくさん練習するね」という言葉の中に、チャレンジを裏付ける努力をしていく、という気持ちが表れています。

生徒さん自身の「チャレンジする気持ち」をくみ取り、大切にしながら、本番に向けて準備を進めていきます。

ピアノレッスンに来るメリット―お仕事でピアノを弾く方の場合―

お仕事でピアノを弾く方。例えば、保育士さん、幼稚園の先生の中に、もうすこし上手にピアノが弾けたらいいのに…とお思いの方もいらっしゃいます。

そういう方がピアノのレッスンに来るメリットは、どんなところにあるでしょうか。レッスンに通っていらっしゃるからこそのメリットを挙げてみます。

基本となる事柄を知ることができる

私の教室にも、幼稚園の先生、保育士資格を取るために大学に行っている学生さんが通っていらっしゃいます。

その方たちのレッスンをする上で、心がけているのは、「自分ひとりで楽譜を読んで弾けるようになることを目標とする」ことです。

例えば、指遣いを決めることの意味や、指遣いを決める上で考えていく要素。

指遣いを決めることで、部分練習がしやすくなります。自分がつまづくところを取り出して練習しやすくなりますし、どういう指遣いの時に間違いやすいのかということをてがかりに、自分のピアノの弾き方を客観的に見ることもできるようになります。

その上で、実際に指遣いを決めていく上では、基本的に多くの場合、このような指遣いで使う、というものを確認していきます。

例えば、伴奏でよく使われるドミソの和音を左手で弾く場合、指番号で531を使います。シレソも531、ドファラは521。

ある程度、この基本を知っていれば、次に出てきた時に、それを基準に自分で考えることができます。

練習の仕方を学ぶことができる

実際に練習していく上で、通して何回も弾く、という練習方法は効率が良くありません。

間違える部分はいつも間違えたまま、ということになりがちです。

レッスンに来ることによって、それを取り出して、どのように練習したらよいかを知ることができます。

「ここからここまで、移動が大きい場合は、この部分だけ取り出して、こういう練習をします。それができるようになったら、次はこういう練習…」というように、練習の仕方をお教えし、その場で実際に練習をしてみます。

「メトロノームの60から始めて、2ずつテンポをあげていってみましょう。」のように、テンポのとり方をお話しすることもあります。

ここでのレッスン中に、7~8回練習し、ずいぶんテンポを速くすることができるようになった生徒さんもいます。

少しずつ積み重ねていく

3月からレッスンにいらっしゃっている幼稚園の先生。来年の年明けに、オペレッタをするので、その曲のレッスンが目的です。

全部で7曲。実際に発表するときには、途中に他の歌が入っていたり、セリフのBGMが入っていたり、フィナーレで歌を歌っていたり、と10曲近くをノンストップで弾き続けることになります。

初めていらっしゃってから4ヶ月。御本人としても、何とかしてオペレッタを成功させたい、という思いも強く、毎日練習をしていらっしゃいます。

毎日少しずつの積み重ねですが、着実に上達しています。5曲はほぼ完成して、先の見通しも立ってきました。

少しずつの積み重ねが大きな結果になっていく、それは大人の場合も同じです。その労力が大きいだけに、レッスンを通して、その労力を効果的に使っていければ、実りもさらに大きくなっていきます。

1年でこんなにできるようになった

小学校1年生の生徒さん。年長さんだった去年の7月からレッスンを始めてちょうど1年になります。

きのうは、発表会の曲のレッスンをしたあと、「うたあそび」でリズム打ちをしました。

両手ですらすら弾ける

発表会の曲は2曲とも譜読みが終わって、両手で弾ける状態になっています。グルリットの「こもりうた」は前回のレッスンの時に、曲想について、一緒にイメージを作りながら練習したので、ずいぶん表情がついてきました。

ピアニッシモの表現が特に上手できれいに弾けています。

もう1曲、同じくグルリットの「かり」は、楽譜通りに弾くには手が小さいので、本来左手で弾くところで右手を使ったりして、少し指遣いが変則的になってしまいました。

ですから、弾きにくいはずなのですが、こちらもお家での練習をしっかりしてきて、上手に弾けるようになってきました。

両方ともすらすらと弾けるようになっています。最初の頃は「難しいと言っているんです。」とお母様がおっしゃっていましたが、これなら大丈夫。

リズム打ちが1人でできた

うたあそびも2冊めに入り、「かわいいかくれんぼ」です。1回めはリズム打ちだけ練習しました。

その時の様子を見ていると、自分で「1234…」と拍子を感じながら、太鼓をたたいています。そして、まったく間違うことなく、正確にリズム打ちができました。

歌を知っているとのことだったので、その後、一緒に「ひよこがね…」と歌いながらリズム打ちをしました。歌いながらのリズム打ちもバッチリできました。

次に、その下に書かれているリズムを打つ練習です。4分音符、4分休符、8分音符、2分音符、全音符。全音符だけはそれ1つが書かれていますが、あとは、2種類の音符や休符が混ざっています。

さっきとてもスムーズにリズムが打てたので「1人でやってみようね。」ということで様子を見ました。

6種類の課題。まったく迷うことなく、全部さっとできました。

1年でこんなにいろいろできるようになった

そばで聴いていたお母様に「始めてからほぼ1年ですが、ずいぶんいろいろできるようになりましたね。」と話すと

「ほんとうにそうですね。すごいですね。」とおっしゃっていました。

この生徒さんの場合、地道に練習を続け、自分が納得するまで弾いてきます。その積み重ねがこの結果につながったのです。

お子さんの力はすばらしいです。たくさんの可能性があります。

そして毎日の積み重ねを続けることによって、その可能性を自分自身で引き出し、伸ばしていくことができます。

生徒さんのそんな成長ぶりを見ることができて、私もとてもうれしく思いました。

2019.06.17

できたことに目を向ける

人間、どうしても、できたことは「当たり前」に感じてしまい、できていないことをに目を向けがちです。

でも、振り返って、自分が「できたこと」「できるようになったこと」に自分自身が目を向け、味わっていくことはとても大切です。

両手で弾けるようになる

保育士や幼稚園の先生になるための大学に行っている生徒さんがいます。初心者として2月からピアノを始めたのですが、今は両手で弾けるようになっています。

今回のレッスンで、右手は付点4分音符と8分音符、左手は4分音符のリズムで弾いていきます。

両手で弾き始めて間もない生徒さんにとって、このリズムはとても弾きにくいものです。2拍目で最初に左手だけ動かし、その後に右手だけ動かす、というのが難しいのですね。

この大学生の生徒さん、自分で練習してきたそうですが、それほど苦もなくすっと弾けていました。

他の曲もあって、「まだこれとこれもするんですよ。弾けるのかな。」と、課題のことを考えてちょっと大変そう。

「でも、2月から始めて、これだけ両手で弾けるようになった、と考えたら、すごい進歩じゃない?」と言うと「めっちゃポジティブですね。」と逆にびっくりしていました。

自分で弾けるようになる

小学生の生徒さん。今までは、家での練習で片手ずつ弾いてきて、レッスンの時にいっしょに確認しながら両手で合わせる、という形でした。

この間のレッスンの時に、「自分で両手で合わせてみた」と言います。聞かせてもらうと、リズムも、それぞれの手の音も正しく、両手で弾けていました。

自力で両手を合わせることができるようになったのです。「ちゃんと弾けているね。頑張ったね。」と言うと、生徒さん本人も、やはりうれしそうでした。

あるところまで、やっていると、1段階、ふっと上がれる時がありますが、ちょうどその時に来たのでしょう。

お迎えにきたお母様にも「自分で両手を合わせて弾いてきました。とても頑張っていますね。」とお話しし、お母様もうれしそうでした。

できたことに目を向ける

レッスンをしている私の役割としては、「できていること、できていないことをフィードバックする」というのがあります。

頑張る人ほど、まだ出来ていない部分に目を向けがちです。でも事実としてできるようになっている、ということを感じると、また次に頑張る意欲もわいてきます。

私が「できるようになったこと」に目を向けてもらえるようにしっかりフィードバックしていくことで、ピアノがますます楽しくなってほしい、と考えつつ、レッスンをしています。

曲のイメージをつかむ

題名のついている曲の場合、題名からイメージをつかんでいくのも、曲を作り上げていく上で大切になっていきます。

絵を描く

1人の生徒さんはギロックの「おばけのあしあと」という曲を練習中です。ちょっと不気味な感じのする曲です。

英語での原題は”Spooky Footsteps”となっています。辞書では、spooky=不気味なとありましたが、「化け物」「おばけ」のような不気味さを表現する言葉です。

どんなイメージで弾いたら良いかな?と質問しようと思っていました。「日本のおばけには足がないよね。このおばけには足があるんだね。」と話してみると、「絵を描きたい」とのこと。

紙と鉛筆を出して、描いてもらうと、ハロウィーンのおばけを描きはじめました。ハロウィーンが身近になっているので、こういうイメージがすぐ浮かぶのですね。

不気味なおばけ、暗さ、家と火の玉などが描かれていたので、イメージはしっかり把握できているようです。

写真を見る

別の生徒さんも同じギロック作曲の「フランス人形」という曲を練習中です。

原題は”French Doll”となっています。調べてみたのですが、アメリカでの「フランス人形」立ちは違うものの、日本のフランス人形のイメージに近いように思います。

「『フランス人形』って知っている?」と聞いたところ、「知らない」というので、写真をいくつか見せました。

「かわいい~!」という反応。確かに、フワフワのドレス、巻いた髪の毛…とてもかわいいですね。

このお人形さんの感じで弾いていこうね、ということで、練習。今は両手の練習なので、このあと、ペダルがついていけば、イメージに近づけるでしょう。

自分なりのイメージを作っていく

曲を表現していく上で、自分なりのイメージを作っていくことは、とても大切です。

写真を見る、絵を描く、言葉で話す、さまざまな要素を使って自分の中で曲のイメージを作っていきます。

それがはっきりすることで、自分の中にある、「こう弾きたい」がより具体的になっていきます。

「先生がこう弾きなさい」と言ったから…ではなくて、自分で感じた「こう弾きたい」を表現していく。それを目指して、曲作りをしていきます。

「うたあそび」は楽しい

幼稚園~小学生の生徒さんには「うたあそび」を使っています。これがとても楽しくて、生徒さんも楽しみにしています。

生徒さんがよく知っている「歌」で楽しむ

おもしろいと思うのは、みんな、一曲終わると、「次は何かな?」と自分で楽譜のページをめくって「次は森のくまさんだ」「つぎはこぶたぬきつねこだ」と確認して、付箋をはっていくのです。

「うたあそび」は「たのしいソルフェージュ」とついているように、読譜やリズムのテキストです。

見開き2ページで1組になっていて、左側のページには、歌が、右側のページには歌に合わせて踊ったり、手遊びをしたり、リズム打ちをしたり、という課題が載っています。

知っている曲に合わせて、いっしょに歌ったり踊ったり、手遊びをしたり、と私もいっしょに楽しんでいます。

先日も、「げんこつやまのたぬきさん」の最後、「またあした」のところでじゃんけんをしたのですが、なかなか勝負がつかずに、大笑いしました。

読譜とリズムうち

そうやって、リラックスした雰囲気の中で、「この音符を読んでみよう」とか、「リズム打ちをしてみよう」と右ページの課題をすると、楽しく取り組むことができます。

リズム打ちも、歌に合わせてリズムをたたいたり(だいたい太鼓を使いますが、時にはタンバリンやカスタネットも使います)、音符のカードがあったりと、パターンもいろいろ。

読譜も「おおきなこえでよんでみよう」と読むこともありますし、時に「うたってみよう」となっていたり、「ピアノでひいてみよう」となっていたり、いろいろなバリエーションがあります。

時々「時間がないから…。」と、踊りだけ踊って課題を省略しようとすると、「先生、これは?」と催促されて、音符を読んだり、ピアノで弾いたりすることもあります。

慣れていくことが大切

「うたあそび」のおかげで、音符を読んだり、リズムが取ったり、ということがスムーズにできるようになっていくと実感しています。

以前、知人と話した時に、その人も、ご主人も、息子さんもピアノを習ったことがあるのですが、「楽譜を見ながら弾くのは私だけ。『見ながら弾く』のは特殊能力だと言われたの。」と言っていました。

でも、私の教室の生徒さんたちは、楽譜を見ながら弾けています。「特殊能力」ではなくて、そこの情報を得ながら弾くことが当たり前になっているからです。

やはり、ピアノの基本の1つとして、「楽譜を読むこと」に慣れることは上達に欠かせません。そして、そのためには、ソルフェージュの力を高めていくことはとても大切です。

歌ったり踊ったりして、いっしょに楽しみながら、ソルフェージュのちからを高めていきます。

空間の音を聞く

先日の調律の時に、「いつも、ピアノのふたはどんな状態で弾いていますか?」と聞かれ、「半開です。」と答えました。

「全開だと、響きすぎるような気がして…。」と言ったのですが、調律時に全開にして、その後、そのまま弾いてみたら、このほうが響きがよく分かって、しかも音が大きすぎるというわけでもありません。

そこで、練習やレッスンの時にも全開にすることにしました。

左右のバランスを聴き分ける

昨日のレッスンで、小学生の生徒さんの演奏を聴いていて、「低音が大きいな。」と感じました。

自分の手の感覚と、直接出てくる音を聴いているとそうなりがちです。

ちょうどピアノのふたは全開です。その先に私が立って、「このあたりの音を聴く気持ちで弾いていみて。」と言いました。

小学校1年生ですが、その感じをつかめたのでしょう。音が変わってきました。左右のバランスが良くなってきたのです。

手の感覚だけでは、左右のバランスを本当にとらえることは難しいです。ちょっとした違いを修正することも難しいのですね。それが、空間に広がる音に注意を向けることで変わってきます。

姿勢が変わった

その後に来た中学生。やはり、右手の音よりも左手の音のほうが大きく聴こえます。

同じように、「ここの音を意識して聴いてみて。」と全開になっているふたの先に立ちました。

今度も明らかに音が変わってきました。左右のバランスが取れて、メロディーが心地よく聴こえます。

弾いた後、生徒さん本人が「そこの音を聴こうと思ったら、背中が伸びました。」と言いました。

以前にも、その生徒さんのお母様から、「姿勢が悪くて、時々言っているのですが、なかなか直らなくて。」というお話を伺ったことがありました。

「姿勢を直す」のではなくて、「自分の弾く音の先を聴き取ろうとする」「空間に自分の音がどう広がっているのか聴こうとする」ということで、姿勢が自然に変わっていったのです。

空間の広がりを意識する

音を聴く時に、漠然とではなく、空間のこの部分の音を聴こうと思う、と意識を変えることで、いろいろな身体の部分が調整されていくということがわかりました。手元のタッチから、姿勢まで、さまざまな要素があります。

実際に、ホール等で演奏する時には、さらに大きな空間、さらに広がりにある空間を意識していくことになります。

レッスン室の中であっても、あるいは練習の段階であっても、その空間の広がりについて意識を持てるかどうか、ということはとても大切です。

ふたを全開にすることで、生徒さん自身の中でも意識が変わっていき、演奏が変わっていく。

調律師さんのアドバイスでふたを全開にしたことで、生徒さんたちにも思わぬ良い影響があり、うれしくなりました。

2019.06.11

大きな流れと細部と

昨日は、自分のレッスンに行ってきました。行くたびに、いろいろな気付きがあります。

昨日も、身体の使い方について、曲の作り方について改めて考える機会になりました。

手のポジションと腕の下側

腕の下側を意識しているのですが、つい、音型によってゆるむということがわかりました。

特に、速いテンポで弾こうとするとその傾向が強まります。同時に、そうするとポジションが下がりがちです。

ここは大きな課題です。昨日も行く前の練習の段階で、クーラントを弾きながら、「下がっている…」と気付き、修正。

でも、先生の前で弾きながら「やっぱりこれはポジションが低い気がする」と思っていました。

案の定、「基本的に、この位置にいるんですよ。」と弾いて見せてくださいました。かなり高い位置です。どうしても、下がってしまうのですが、私のイメージよりもずっと上です。その感覚そのものを修正していく必要があります。

腕の下側を意識することで、ポジションそのものが上がっていくことを実感しました。

家でも、昨日教えていただいた「工夫」をしながら、身体が覚えるように、腕の下側を意識しつつポジションを上げていく練習をしていきます。

音色と舞曲のイメージ

フランス組曲のいろいろな舞曲。その性格を考え、どう弾き分けていくか?どの舞曲にどんな音色を使っていくか?

その中でもさらに、このフレーズは、この音は…と考えていくのですが、楽しくもあり、きりのないことでもあります。

2曲めのクーラントを弾いた後、3曲めのサラバンド。途中で、「何だか全体の印象がクーラントと似てしまっている」と思いました。重めの音を使い、何だか一本調子の感じもします。

「もっとささやくような感じでも良いかもしれません。」と聴かせていただきました。

なるほど。そうすると活発なクーラントとの対比がはっきりしてきます。一つ一つの舞曲をついつい取り出して練習しているのですが、前後のつながりをもう少し見ていく必要を感じました。

大きな流れと細部と

身体の使い方もそうですし、楽曲の作り方もそうですが、常に大きな流れと細部との両方を考える、感じていくことは大切だと改めて思います。

ピアノを弾くにあたり、体幹や腕は大きな流れになるでしょうし、手や指は細部にあたるでしょう。でも、それらは常に連動しています。

同じように、「フランス組曲第1番」は大きなくくりです。その中のクーラント、サラバンドなどのそれぞれの楽曲は腕にあたり、そして、その楽曲の中の1フレーズ、1音は手や指にあたるでしょう。

こちらもそれぞれ連動しています。小さい部分を練習する時は、大きな流れをイメージする。同時に大きな流れを中心に考える時は、細部にまで気を配る。

そんなことを考えながら、また練習していきます。