ピアノ教室

2019.04.29

発表会の候補曲を選んでいます

ゴールデンウィークの期間は、レッスンはお休みにしました。特に子供さんたちにとっては、家族と過ごす時間はとても貴重です。 中学生は部活動も入ってきます。

連休前に、連休中の予定についての話題を話してくれた生徒さんもいました。キャンプに行く、旅行に行く、親戚の家に行くなど。

それぞれ楽しい連休を送っているのだろうな、と思っています。

楽器屋さんに注文していた楽譜が届いたので、私は発表会の候補曲を選んでいます。もともと、本は大好きですが、楽譜も楽しいですね。カラフルな表紙を見ているだけで楽しくなります。

どんな感じの曲が弾いてみたい?

私のピアノ教室は、開設して間がないので、進度が同じような生徒さんが多く、 上級生の演奏を聞いて、あんな曲が弾いてみたい、ということはまだありません。

ですから、事前に「どんな感じの曲が弾きたい?」と聞いてみました。 なかなかおもしろい答えが返ってきました。

「ドラえもん」と答えた生徒さんが2人。今も、ドラえもんは人気なのですね。

「ベートーヴェンに『運命』という曲があるでしょう。あれ、弾いてみたい。」という生徒さんも。ちょっと難しいかもしれませんね。

「今回は、アニメの曲とかは、なしにしようと思っているの。どんな感じの曲が良い?元気の良い曲とか、やさしい感じの曲とか、なにか希望がある?」と聞くと、

「元気な曲が良い。」という生徒さん、「やさしい感じの曲が良い。」という生徒さん、「ペダルを使ってみたい。」という生徒さん、「2曲にして、違う感じの曲を2つ弾きたい。」という希望もありました。

弾きながら生徒さんの顔を思い浮かべてみる

曲集を広げ、弾きながら、「これだったらあの生徒さんが良いかな。」とか、「これは、あの生徒さんに合っているかもしれない。」と生徒さんの顔を思い浮かべています。

前回のクリスマス会の時よりも、みんな一段階上達して、選択肢も大きく広がっています。

連弾からソロへ。両手での演奏へ。これから本番までの間に、さらにステップアップすることでしょう。それも見越しつつ、でも、無理のないように。

いろいろ考えながら、選んでいますが、 これもまた、張り合いのある楽しいひとときです。

本番に向けての計画を考えていく

今回は、施設を借りての発表会なので、本番に向けての計画もしっかり考えていく必要があります。

生徒さん一人ひとりが本番で輝けるように。一番良い形で発表できるように。思いを込めながら、考えていきます。

粘り強く取り組んでできるようになる

ピアノを習って身につく力は、「ピアノの演奏をする力」だけではありません。1つの物事ができるようになるまで「粘り強く取り組む力」もあります。

先日のレッスンで、それを改めて強く実感しました。

左右別々に動くから難しい

「ピアノひけるよ!ジュニア3」にある「メリーさんのひつじ」は右手と左手のリズムが違うので、ちょっと難しく感じる生徒さんが多いようです。

この部分です。

右手が付点4分音符で左手が4分音符。2拍目は左手だけ動き、すぐ右手が動き、そしてまた両手で3拍目を弾く。

ある小学校1年生の生徒さん。この部分でとても苦労しました。

リズム打ちもたくさん練習しました。リズム打ちは、指を動かさないので、できるようになっています。頭では理解しているのですね。

ところが、ピアノに向かうと左手はドソドソと違う指を動かすなくてはなりません。そうすると、右手につられて左手も付点4分音符のリズムになってしまったり、逆に左手につられて右手が4分音符のリズムになってしまったり。

粘り強く練習

前回のレッスンでも、ここはたくさん練習して帰りました。最後にできるようになったので、大丈夫かな?と思っていました。

ところが、今回のレッスンで実際に弾いているのを聞くと、左手が右手と同じリズムになってしまっていました。

もう一度、練習です。右手だけ。左手だけ。とてもとてもゆっくり両手で練習。それでも、なかなかできません。今度は右手が4分音符になってしまいます。

ほんとうに何回も練習しました。感心したのは、泣きもせず、いやがりもせず、できるまで粘り強く何回も何回も弾いていたことです。

何回練習したかは分かりません。でも、できるようになりました!

次の曲ではすぐに弾けた

次の「よろこびのうた」にも同じパターンが出てきます。右手と左手のそれぞれを私と一緒に弾いた後、この「右手が付点4分音符+8分音符、左手が4分音符+8分音符」が出てくる小節だけ練習しました。

今度は、2回弾いただけで、すぐできるようになりました。苦労して練習したかいがありました。

確実に理解して、自分自身のものにすることができたのです。

ピアノを通して「粘り強く取り組む力」をつける

とても真面目で一生懸命な生徒さんの姿に、私も感心しました。ピアノが大好きで、今までにも「上手になりたい」「弾けるようになりたい」という気持ちが、伝わってくるような言動がたくさんありました。

その「上手になりたい」という気持ちがあるからこそ、今回のような練習にも粘り強く取り組めたのでしょう。

日頃の練習に、地道に取り組み、その中で「練習すれば上手になる」という見通しを、自分なりに持つことがでる。

ピアノを通してそんな思い、そしてそれを行動にした時の「粘り強く取り組む力」がついてきたことにとてもうれしく思いました。

2019.04.26

楽譜を読む力をつける

今日は、ピアノを弾く上でとても大切な「楽譜が読めるようになる」力をつけるということについて書いていきます。

短期の目標と長期の目標

ピアノのレッスンは、毎週、課題となる曲をレッスンで示し、次のレッスンでそれを弾いてもらう、という形で進んでいきます。

その「レッスン曲が弾けるようになる」ことは、1週間あるいは、2週間という短い期間の目標になります。

一方、「楽譜が読めるようになる」とか「手の使い方を学んで美しい音で弾けるようになる」とか「指が速く動くようになる」という力は、1週間という短い間隔ではなく、長い期間をかけて身につけていくことになります。

「楽譜を読む力」とは

具体的に、楽譜を読む力、にはどんな要素があるかを考えていきましょう。

まず、楽譜の仕組みが分かること。ト音記号・ヘ音記号や♯♭という調号、拍子。最初にそれを確認するところから始めます。

次に音の高さですね。ドレミファソの何の音なのか。ピアノならば、それをどの指で弾いていけばよいのかということも含まれてきます。

同時に重要なリズム。拍子が分かっていて、その中で、音符がどんなリズムを表しているのか、それも理解する必要があります。

このあたりは、レッスン曲と併用してワークブックを活用することでも学んでいきます。

「うたあそび」を使ってレッスン曲とは別に取り出して学んでいく

また、お子さんの場合には、レッスンの中で「うたあそび」を使って、レッスン曲とは別に取り出して学ぶようにしています。

見開き2ページで1回分、左側に歌が1曲。右側には、おどりがあったり、手遊びがあったり、リズム打ちがあったり。

音符を読む、実際に声に出して歌ってみる、段階が進むと簡単なメロディーをその場でピアノに向かって弾く、という場合もあります。

これを楽しみにしていて、1曲終わると「次は…。」と確認していくお子さんも多いですね。

リズム打ちでも、たいこが多いのですが、時には、楽器を変えてみよう、とカスタネットやタンバリンにしてみたりします。それだけでも変化がついて楽しくなります。

これは、楽しみながら、ピアノを弾く上で大切な「楽譜を読む力」をつけることになっていきます。

長期の目標も意識して

レッスンで課題のこの曲が○になった、という短期の目標は分かりやすく、ついそちらだけに目が向きがちです。

でも、同時に長期の目標に目を向けていくことで、レッスン曲そのものを仕上げていく力がついていきます。

また、楽譜が自分で読めるようになると、自分の弾きたい曲が、自分で弾けるようになったり、学校の音楽の授業で内容が深く理解できたりするようになります。

ぜひ、長期の目標も意識して、ピアノだけでなく、音楽を楽しむ力をつけられるように、世界が広がっていくように、と願いながら、レッスンをしています。

一念発起してピアノを始める

趣味で弾きたいという大人の方が入会なさいました。 お仕事をしている40代の方です。 以前から習いたいと思っていたのだそうですが、今までは、なかなかきっかけがなかったとか。

きっかけはアンサンブル

今回、直接のきっかけは、昨年末にアンサンブルに参加したことだったのだそうです。

それぞれが弾ける楽器を持ち寄って一緒に演奏したのだそうです。お話を伺うと、ヴァイオリンや管楽器などさまざまな楽器を弾く方が集まっていました。

その中に、キーボードで参加したそうです。知っている方に楽譜を見てもらい、1本の指で弾けるように、コードの中の1音を拾ってもらっての参加でした。

でも、とても楽しい経験だったので、ぜひ、両手で弾けるようになりたい、自分が弾きたいと思う曲を弾けるようになりたい、と一念発起、レッスンにいらっしゃいました。

両手で弾けるようになることを目標に

不規則かつ長時間会社にいるお仕事なのだそうですが、空いている時間を使って練習していき、両手で弾けるようになるのが目標とのこと。

大人用のピアノ教本や、コードから始める教本など何種類かを一緒に検討した結果、 「ピアノランド」を使っていくことにしました。

ポピュラー曲を弾けるようになりたいというご希望なので、音の響きやリズムなどが近いこと。大人の教本に比べると、両手で弾くようになるまでのステップが小さいので、スムーズに進められること。

練習時間が取りにくい現状から考えると、1つのステップが大きい大人の教本よりも、結果的に楽しく、スムーズに進められると判断したからです。

やりたいと思った時がチャンス

レッスン日には、残業を時間に合わせて切り上げるようにしたのだそうです。1つやりたいと思ったことを始めると、それが核となって、さまざまなことを整えていけるようになります。

日常生活は、ほうっておくと周囲に合わせてすべてが進んでいくようになりがちです。その中で「これ」という何かに「主体的」に取り組むと、そこから物事が変化していきます。

電子ピアノも購入したということで、いよいよ本格的にレッスン開始。目標の「両手で弾けるようになる」を目指して、練習に取り組んでいきたいと、うれしそうにおっしゃっていました。

2019.04.22

ゆっくり練習することの大切さ

今、バッハのフランス組曲を練習していますが、今週は、最終曲、速いテンポのジーグの譜読みをしています。

速い曲は、つい、速いテンポで弾く練習を繰り返しがちですが、実はゆっくり練習することがとても大切なのです。

ゆっくり練習することで筋肉に覚えさせる

ゆっくり練習する方法の最初の段階は、力をしっかりかけて、ものすごくゆっくりしたテンポで一つずつ「筋肉に覚えさせる」意識で弾くことです。

先日の大野先生のセミナーの時に、このことは質疑応答の中で「鍵盤と指とのコネクトを作る」段階として先生が取り上げていらっしゃいました。

実は、かつては私もついつい速いテンポでの練習が多く、ミスタッチがなかなかなくならない傾向がありました。

何年か前にドビュッシーの練習曲を弾いた時もそうでした。見かねた先生が「こうやってゆっくり一つずつ弾く練習をすると安定します。」と改めて(実は以前にも別の曲の時に教えていただいていたのですが)教えてくださったのですが、「これを全部やるのですね。気が遠くなりそうです。」などと言ってしまいました。

そういう意識でいては、なかなかミスタッチは減りません。

ある時、アシスタントの先生が何かの折に「私達は、このものすごくゆっくり弾く練習を、それこそいやというほどします。」と言ったことがありました。

その時、演奏家としてお客様に聴いていただく意識で練習する方の練習への意識の高さが実感として分かりました。

ついつい、「技術があるから。」と自分とは切り離して考えがちですが、その過程で地道な練習を積み重ねていることがよく分かったのです。

ゆっくり練習して響きを確認する

指に覚えさせる時には、力をかけて一音ずつ弾きますので、手の使い方は考えますが、響きについては二の次になります。

もう一つのゆっくり練習する目的は、響きを確認することです。こちらは、一つ一つの音についてタッチを考えながら、あるいは、一つのフレーズについてそのフレーズの性格を考えながら、響きを作っていく練習です。

速いテンポだと感覚がついていきません。ですから、ゆっくりと練習しながら響きのイメージをより具体的にし、同時に身体の使い方を考えていくことになります。

この段階をていねいにしていくことで、速いテンポでも響きのある音で演奏することができるようになります。

練習の質を上げることの積み重ねで演奏の質を上げていく

今の先生のところにレッスンに伺うようになってから、演奏家としてピアノを弾いている方たちと同席する機会が持てるようになりました。

時にレッスンが前後して、その方のレッスンを見せていただけたり、逆に私のレッスンの場にいて感想を述べてもらったりしたこともあります。

その中で感じたことは、当然といえば当然かもしれませんが、練習の質がものすごく高いということです。それを、以前は「プロの演奏家だから」「技術があるから」と自分と切り離して考えていました。

当時は、仕事としては学校で教えていて、ピアノは趣味ということもあったかもしれません。でも、ここ数年で、それは違うということが分かってきました。

今の自分なりの技術ではあっても、練習の質を上げていくことで演奏の質を上げることはできるし、その蓄積が技術そのものの向上にもつながります。

それを意識しながら、また、ゆっくり練習を積み重ねていきます。

親指の使い方を変えて響きが変わった

ロシアピアニズムの奏法のレッスンに来ている大人の生徒さん。だんだん響きが変わってきましたが、昨日、親指の使い方について意識が変わったことで、響きが大きく変わりました。

ご自分でもはっきりと分かったようで、「これほど違うとは思いませんでした。」とのこと。大きく手応えを感じたようです。

従来の奏法とは親指の使い方が違う

ピアノを弾く時、2(人差し指)~5(小指)の指は「付け根から曲げる」感覚で支えを作り、弾いていきます。

ところが、親指は他の指と曲がる向きも違いますし、指そのものにある関節の数が2つしかありません。

ロシアピアニズムの奏法でピアノを弾く時、その親指をどのように使っていくのかということはとても重要になってきます。

基本的に、親指は他の4本の指と向かい合うように曲がりますし、それだからこそ、物がつかめます。そして、ロシアピアニズムの奏法の場合、普通に物をつかむときの向きで親指を使い、ピアノを弾いていくことになります。ここが、一般的な奏法と大きく異なる部分です。

親指の使い方が変わると、全体のポジションが上がってくる

今までも、「立ててください。」とか「もっと全体のポジションを高くして。」などお話してきたのですが、今ひとつわかりにくかったようでした。

昨日のレッスンの時に、やはり親指の位置が下がっていましたので、改めて指の関節の位置を確認しつつお話をしました。

他の指の「付け根」にあたる関節は、もっとずっと手首に近い部分にあること。そこから曲げる感覚を持ち、同時にそこを使って鍵盤に置いていく感覚であること。

もともと私の師匠の大野眞嗣先生のブログや動画はよく見ている方ですから、「あの手の形は、こういう使い方をしているからなのですね。」と、とてもよくおわかりになり、納得できた様子。

「では、そのイメージで親指を使っていきましょう。」ということで弾き始めると、手全体のポジションが今までよりもはるかに上がり、同時に響きも上に上がってくるようになりました。

「今までのは何だったのでしょうね。」

生徒さん自身も、今までとは全く違う響き方に「これほど違うとは思いませんでした。今までのは何だったのでしょうね。」と驚いていました。

「親指の音がベタッとした感じは、何となく感じていたのですが、そのまま弾いているうちに、他の指の音もそちらに合ってしまい、結局、自分自身の感覚そのものが変わってきて、気にならなくなってしまっていました。」

「ほんとうに、全然違いますね。」

一つずつ、段階を経てここまできましたが、響き方の違いがご自分ではっきりとわかったことで、また新たな楽しみが出てきます。

今までの蓄積ができてきて、響きを聴き取る耳の訓練を重ねたところ。ちょうどそのタイミンだからこそ、今回の親指の使い方の違いによる響きの変化も、よりはっきりと分かっていただくことができたのだと思います。

一朝一夕で身につくものではありません。でも、蓄積していくことで大きな収穫を得ることができます。私もとてもうれしく思ったレッスンでした。

練習を続けることで進歩を実感できる

弾けると楽しくなる

昨日は、小学生のレッスンが続きました。みんな頑張って練習してきているので、とてもうれしく思っています。

ピアノには練習が欠かせません。弾けるようになると楽しい、だからまた練習しようと思う。この繰り返しが上達の最大のポイントです。

最初の段階は、音符が読めるようになると、右手と左手を交互に使うので、どんどん弾けるようになっていきます。この段階で、両手の指10本を使うと、かなりたくさんの音が弾けるので、知っている曲がたくさん弾けるようになり、これはこれでとても楽しい段階です。

次に、両手で別々の動きをする段階に入ります。ここがやはり大きなステップなので、練習が必要な段階です。

今までと、練習の質も変わってくるので、ここではちょっと「頑張る」必要のあるところでしょう。ここを過ぎて、両手で別々の動きをスムーズにできるようになると、またさらに楽しくなっていきます。

最初はちょっと大変

昨日は、ちょうどこの「両手別々の動きに入って間もない」段階の生徒さんが続きました。しかも、「メリーさんのひつじ」で右手と左手が違うタイミングで動く曲です。

ボンゴで両手のリズムだけ取り出して練習したり、別々の動きの部分だけ取り出して練習したりしました。みんな、苦労しながらも、粘り強く取り組めるし、ほんとうに一生懸命頑張りました。

この段階は、誰でもちょっと大変なのです。その時に頑張れると、自分に自信もついていきます。そういう意味で、ピアノだけではなく、成長していく上でも大切なことが学べる良い機会でもあるのです。

ピアノの楽しさは自分で力を獲得していくことの楽しさでもある

ある意味、ピアノの楽しさは、自分で力を獲得していくことの楽しさでもあるかもしれません。

両手で弾けるようになる力、自分で出している音をしっかり聴き取る力、曲のイメージを自分なりに感じ取る力、そのイメージを実際に表現していく力 。さまざまな力が必要になります。

そしてさらに、それらピアノに必要な力を身につけるために、毎日練習する力。ピアノという一つの習い事から、実にたくさんの力を身につけることができます。

昨日も、粘り強く頑張っている生徒さんたちの姿に、私自身もまた頑張ろうという気持ちをもらったレッスンでした。

年中さん、ピアノが楽しい

この4月から幼稚園年中になった男の子の生徒さん、昨日もニコニコしながらレッスンにきました。

髪の毛を切ってさっぱりしていたので、「髪の毛、切ったの?」と聞いたら、「バレたか。」と言うのがかわいくて、笑ってしまいました。付添いのお母様も思わず苦笑。幼稚園でいろいろな言葉を覚えてきますね。

音符が上手に書けるようになった

おんがくのーとにドとソをたくさん書いてきました。全音符が上手に書けるようになり、ドとソの区別もだいぶはっきりしてきました。

ピアノに向かって、ト音記号、ヘ音記号のドとソ、4つの音の組み合わせを弾く練習にもだいぶ慣れ、スムーズに弾けるようになってきました。

指人形もさっとはめてお歌に合わせて指を付け根から曲げる体操と、お指の逆立ちの体操。これは、手の使い方の練習と指の筋トレになります。

指を付け根から曲げる動きは、日常の中ではなかなかありません。ピアノの前に座ると、「音を出すこと」「曲を弾くこと」に気持ちが行きがちなので、取り出して練習しています。

曲の練習もたくさんしてきた

最初は「じー」から。リズムにのって3拍「じー」と弾きます。音楽を聴いて、タイミングよく入ることができました。

次は「けーぶるかー」ちょっとこれは難しかったようです。ヘ音記号のドとソ、ト音記号のドとソを下から上に4拍ずつのばして弾き、今度は上から下に下りてくるのですが、1回目は途中で違う音を弾いてしまいました。

「間違っちゃった。」「事故がおきちゃったね。」ということで、もう一回。今度は、ドソドソと上手に上がれたのですが、下りるときにソを弾かずにドの音から始めてしまいました。

「早く発車しすぎちゃった。」ということで、3回目のチャレンジ。今度は上手に弾けました。

小さいお子さんは特に楽しく

ピアノが上達するために、練習はどうしても必要です。ただ、せっかく練習するのなら、やっぱり楽しいほうが良い。特に小さいお子さんはそうですね。

楽しいから練習する、練習するから上手になる、上手になるからさらに楽しくなる。こんなふうにつながっていくことが理想です。

最後に「まつぼっくり」の歌を一緒に歌いながら、手遊びをして終わりましたが、にこにこして帰っていく様子を見ながら、楽しさと内容の両方を、レッスンの中で味わえるように、さらに工夫していこうと改めて思いました。

幼稚園・保育園でピアノを弾くときに

たうらピアノ教室には、幼稚園の先生や保育士を目指す学生さんもレッスンに来ています。現役の保育士さんや小学校の先生がレッスンに来ていたこともありました。

お仕事で、ピアノを弾く必要のある生徒さんの場合には、小さいお子さんのレッスンとは違って「実際に弾いている場面をしっかり考える」ということが大切です。

常に子どもたちを見ながら弾く

例えば、保育園でピアノを弾きながら子どもたちが歌を歌っている場面を想像してみましょう。

日常の中で、「おべんとうのうた」を弾きながら、子どもたちが歌うとしたら、これから食べるお弁当を前にして、食事が楽しく取れるようにしたいですね。ピアノを弾いて、その雰囲気作りをしていくことになります。

では、そのためには、どうしたら良いでしょうか。一つは、ピアノが自信を持って弾けていること。気持ちは音楽に表れますから、自信を持って弾いていると、それだけで場の雰囲気を作る大きな力になります。

同時に、子どもたちの様子を見ながら弾くことも欠かせません。子どもたちは、先生の視線を実によくとらえます。ここの部分については、実際に多くの中学生を見てきてその実感を持っているので、とてもよく分かります。

しっかりと様子を見ることで、トラブルを事前に回避したり、気になる子どもに先に声をかけたりすることができます。結果的に、それは、先生に対して子どもたちが心から信頼を寄せることにもつながります。

子どもたちを見ながら弾くために

では、子どもたちを見ながら弾くためには、どうしたら良いのでしょうか。

重要なのは、鍵盤の位置を「指や手で確実に覚える」ということです。一つ一つの曲を仕上げる時もそうですし、バイエルなどの練習曲を練習する時もそうです。

楽譜と手を見て、常にどちらかを見ている、という状態ではなく、ある程度、手の感覚で弾けるようになることがとても大切なのです。

「学校の課題だから…」「保育士の試験にあるから…」ではなくて、実際に現場で使えるようにするためには、この「子どもたちを見ながら弾けるようになりたい」という意識を持っているかどうか。

レッスンへや練習への姿勢がそれによって大きく変わりますし、結果的に進歩の度合いも変わってきます。

「どんな自分でありたいか」を考えていく

ピアノに限りませんが、「どんな自分でありたいか」を考えていくことは、とても大切なことです。

仕事でピアノを弾く大人の生徒さんだからこそ、そこはある意味、とてもはっきりと具体的です。

でも、「どんな自分でありたいかを考える」ことは、大人の生徒さんだけのことではなく、子どもさんも同じですね。そして、どれくらい具体的に、はっきりとイメージすることができるか、これがも結果に大きく影響することも同じです。

新しい年度を迎えて、お子さんはお子さんなりに、大人は大人なりに、そのあたりを改めて考えるには良い機会ではないでしょうか。

私自身も、明日の本番を節目に、また次の自分のあり方をしっかりと考えていこうと思っています。

年中さんのレッスン―成長に合わせて楽しく

4月から入会した、保育園年中の生徒さんのレッスンが始まりました。体験レッスンでも、いろいろなことをやって、ピアノが弾けることも楽しみにして来てくれました。

年少さん、年中さんくらいの小さいお子さんの場合は特に、できることを中心に楽しく、と考えています。年齢とともに、できることがどんどん増えていきますから、成長を待つということがとても大切です。

何回か練習するとできるようになっていく

先日のレッスンでは、まず、へ音記号のドを書くところから。線と線の間に○を書く。これも意外に難しいのですね。

最初は、○が閉じなかったり、最後にくっついたと思ったら、○の中にぐるぐると鉛筆で線を書いたり、だったのですが、いくつか練習しているうちに、きれいな○が書けるようになりました。

次にト音記号のド。こちらは線を真ん中に書くので、もう少し難しい。こちらも、いくつか書いているうちに上手になってきました。

やはり、最初は難しくても、書いているうちに慣れてきます。だからこそ、実際にやってみるということが必要なのですね。

ピアノの前に座ってドの音を弾く

ピアノに座る前に、「この間先生が言ったこと、覚えている?座る時に、触らないお約束をした場所があったでしょう?」と聞くと、ふたを指さして「ここ」と答えました。

ちゃんと覚えていました。そしてふたに触らないようにして椅子に座ると、すぐ真ん中のマークを指さして、「こことおへそを合わせる。」と自分で言いました。

これも、前回、体験レッスンのときのことをしっかり覚えていたのです。小さいお子さんが覚えよう、と思った時の、集中力、記憶力は、ほんとうにすごいです。

ヘ音記号の「ドの音」を探して、3の指で弾いてみました。左手をぶらぶらさせて、形を作って弾いていきます。

「どのおと」と言いながら4拍分伸ばします。次に、音楽をかけて音楽に合わせて弾いてみました。リズムにのって4拍。弾けました。

次に右手で、ト音記号のドの音を弾いていきます。こちらもできました。

一人ひとりの成長に合わせていく

これは、個人レッスンのピアノ教室ならではの良さです。一人ひとりに合わせてレッスンしていくので、その生徒さんの成長、個性をよく見て、オーダーメイドのレッスンができます。

私の場合には、公立中学校で教えていたので、一人ひとりの違いにどれくらいの幅があるのか、実感としてよくわかります。ある一人に合うことが万人に合うとは限らないのです。

レッスンが終わって、にこにこしていた年中さんの顔を見ながら、小さいお子さんの成長の場に立ち会わせてもらえる幸せを実感しました。

これからのレッスンが楽しみです。