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ピアノの鍵盤の奥まで使う

ピアノの鍵盤は奥行き15センチほどあります。白鍵の手前から一番奥までの長さですね。

黒鍵は10センチですから、白鍵だけの部分が5センチということになります。

小さいお子さんにありがちな傾向

小さいお子さんの場合、手首を上下に動かして、その力で鍵盤を下げようとする傾向があります。特に最初のうちは、白鍵だけを使うので、そのほうが「弾きやすい」と思ってしまいがちです。

小さいお子さんにしてみれば、ピアノの鍵盤はとても重く、「なかなか音が出ない」という感覚なのかもしれませんね。そうすると白鍵の手前1~1.5センチくらいのところを使って弾きたくなってしまうのです。

いざ、5センチ分奥にある黒鍵を使うようになると、その時にかなり奥に手を動かすことになり、今度はとても弾きにくくなってしまいます。

ロシア・ピアニズムならではの手の使い方

ロシア・ピアニズムならではの手の使い方に旋回があります。左右の旋回とともに、奥に向かって入っていく方向の旋回もあります。

ですから、黒鍵を使うときには、かなり鍵盤の奥まで手が入っていきます。

黒鍵と白鍵の混ざっている曲の場合、かえってそのほうが移動が少なく、弾きやすい場合が多いです。

同時に、旋回することによって手の重みのかかり方が違ってきて、響きも音によって変わり、とても細やかな表現ができてくるのです。

鍵盤の奥まで使う

ですから、小さいお子さんの場合にも、「全部の指が鍵盤の上に乗っている状態を意識する」「手首の旋回を使う」ことは、意識して指導するようにしています。

小さいお子さんの場合には、音が出にくいと感じることもあり、なかなかその感覚がつかめないこともあるのですが、「この(白鍵の手前5センチの真ん中) あたり を使って弾こうね。」「手首を、こういうふうに回して弾こう。」ということを繰り返し言っています。

繰り返していくうちに、なんとなく身についてくるものです。

先日も、ヘ長調の音階に入り、黒鍵を使っての練習が始まった生徒さんがいました。やはり「もっと奥で弾こうね」と言い続けているうちに、だんだん弾く時の手の位置が変わっていきました。

鍵盤の奥行きいっぱいを使って、弾きやすく、豊かな表現を目指して指導しています。