「2018年 9月」の記事一覧

2018.09.20

一音の響きにこだわる

こんにちは。

昨日は、御茶ノ水にレッスンに行ってきました。

昨日のレッスンの中心は「いかに一音を磨き抜くか」ということ。

一つ一つの音を、こだわりを持って磨き抜く。

ピアノの響きを最大限に生かしていく。

結局それを追求していく、その姿勢というか、覚悟が問われているのだな、という感覚です。

 

玄関にたくさん靴があって、レッスン室に入っていくと、先生とアシスタントの先生以外にも、3人の若いピアニストさんがいました。

さすがに、これだけの人数がいるとちょっと緊張します。

 

モーツァルトのピアノソナタ。

K330ですから、中学生時代に弾いた曲であり、「音を並べる」だけなら、すぐ弾けます。

だからこそ、あえてそれを使って一つ一つの音型、一つ一つの手の使い方に意識を向けていく。

この曲を弾く目的はそこにあります。

 

前回のレッスンでご指導いただいた点は気を付けて弾いたつもりだったのですが、1ページめの途中、18小節でストップ。

左手、伴奏部分の響き。

それをどう作っていくか。

先生が弾いてくださるのを聞いて、また、最初から、左手のみ、弾いてみます。

今度は、ドミソドと上がっていく部分のミの音、薬指で弾いた音の響きが落ちてしまっている。

虫様筋の支えが足りない。

ということで、ドミソドの練習。

 

では、最初から両手で。

右手の32分音符の持っていき方。

今の状態は「押さえつけて響きが上がっていない」ので、一音ずつです。

最小限の力で、鍵盤を下げ、鍵盤の底についたらすぐ力を抜く。

一音ずつ、一音ずつ。

このあたりで、音の光沢感が変わってくることが実感できました。

では、テンポで。

 

この状態で、昨日は18小節。その中のいくつかの音型を徹底してレッスンしていただきました。

いつまでにこの曲を仕上げて…というものではないので、じっくり取り組んでいく。

この中にあるいろいろな音型で、一つ一つ学びをさらに深めていく。

登山と似ているかもしれません。

一歩ずつ登っていって、あるときふり返ったら、前よりも自分のいる位置が高くなっていることが分かる、そんな感覚でしょうか。

また、一歩、今日も登っていこうと思います。

自分の音を聞きましょう

こんにちは。

ピアノを弾いている時は、とかく弾くことに注意が向きがちです。

意識して「聴く」ことで音楽が変わっていきます。

 

昨日、レッスンした幼稚園の年長さん。

クリスマス会に向けて「ジングルベル変奏曲」を練習中です。

レッスンで弾いてもらうと、いつも練習をたくさんしてくる生徒さんなので、最後まですらすら弾くことができていました。

 

この曲はクリスマス会で弾くので、細かいところを勉強していくことは、伝えてあります。

前回のレッスンの時は、右手で和音を弾く時、音が抜けることがあったので、その練習をしました。

「音をよく聞こうね。全部の音が聞こえるかな?」と確認しながらゆっくり練習。

その後、通常の速さでも練習。

それから、両手で合わせました。

「音をよく聞く」を意識するだけで、変わってきます。

今回のレッスンでは、意識して練習した成果があって、その部分はとても上手になっていました。

 

次に、今回はメロディーを「聞く」ことに意識を持つようにお話をしました。

変奏曲なので、テーマの時は右手がメロディー、第一変奏の時は左手がメロディーというように、変わっていきます。

今までと逆になっている左手メロディー、右手伴奏のパターンは初めてですから「お歌の部分はどっちの手が弾くかな?」という確認をして、その後、「お歌をしっかり聞きながら弾こうね。」と話しました。

「しっかり聞こう」と思うだけでも、こちらも音のバランスが全然違ってきます。

 

最後の部分も、「サンタさん、そりに乗ってくるでしょう。プレゼントを置いた後、どうするのかな?」と聞くと、「次のお家に行く。」

「じゃあ、鈴の音はどうなるかな?」

「だんだん小さくなる。だってね、ずっと同じ所にいて、大きい音で鈴を鳴らしていたら、子どもが起きちゃうでしょう。そうすると、朝になる前にプレゼント見ちゃって、中身がわかっちゃうもん。」

なるほど。そこまでは考えていなかった!

ということで、鈴の音が遠くなっていく感じ、これもよく聞きながら、だんだん小さくしようね、ということで練習しました。

 

自分の音をしっかり聞きながら練習していく。

この習慣をつけていくと、音に対する感覚がどんどん鋭くなっていきます。

中学生の体験レッスン

こんにちは。

昨日は、中学校2年生の男のお子さん(もう「お子さん」という感じではありませんが)が体験レッスンにおみえになって、入会してくれました。

 

ピアノを習うのは初めてとのこと。

「勉強の息抜きにもなるし、弾けるようになったら知っている曲のアレンジにも挑戦してみたい。」と習おうと思った動機をしっかりした自分の言葉で話してくれました。

ピアノが脳に及ぼす影響などについても少しお話した後で、さっそく体験レッスンです。

 

まず、ト音記号の説明と、実際になぞって書いてみることから。

そして中央のドの音符を確認した後、ドレミファソのカードを見せながら、音符がどのように音と関連しているのかを説明しました。

この辺り、あっという間に終わりました。

 

その後、ピアノに移り、ピアノという楽器を見てもらいました。

弦がどう張ってあるのか。

鍵盤をたたいた時、ハンマーがどう動くのか。

ペダルを踏んだら、何がどう変化するのか。

さすが中学校2年生です。

低い音の弦が長くなることも、すでに持っている知識と結び付けて、「あ、なるほど。」とすぐに理解していました。

 

実際に音を出してみます。

まず、座り方。

座ってもらったら、背が高い!

「何㎝あるの?」と聞くと「165㎝より高いと思います。」とのことでした。

大きいですね。

椅子はかなり後ろに引いた状態で座ってもらいました。

 

次に、中指を使って音を出してもらいました。

手首を上げ気味にして、指先の力を抜いてドの音を出す。

とても上手です。

曲はピアノランドの「どどどど どーなつ」と「さらさら おがわ」

4分音符、2分音符の説明も含め、練習をしてもらいました。

すぐ弾けるようになって、私と連弾をしました。

表情の付け方もお話ししたところ、すぐ対応できました。

 

中学校2年生は心身ともに大きく成長するとき。

夏休み後のこの時期は、個人差はあるものの、基本的に大人として考えていくべき時です。

特に、昨日の生徒さんはとてもしっかりしていて、大人の考え方、大人の対応ができていました。

これから、どんな風に成長していくのか、とても楽しみです。

2018.09.17

モーツァルトのオペラを勉強中

こんにちは。

昨日は、イタリア語と格闘してしまいました。

 

私が所属している葵の会。

来年4月の定期公演は55回になります。

そこで過去に会として上演したことのある「フィガロの結婚」「魔笛」からいくつかずつ選んで、コンサート形式で歌うという企画を立てました。

「フィガロの結婚」の伴奏をすることになり、勉強を始めたのです。

 

ピアノを弾くとはいえ、独奏とは全く違います。

まず、歌詞を確認するところから。

知り合いにオペラを勉強していた方がいるので、教えてもらいながら、アクセントの確認中です。

でも、やってみると、これがとても面白いのですね。

 

オペラは大好きで、学生時代には、声楽の先生に半ばあきれられながら、自分達でも魔笛を練習したこともあったのですが、知らなかったことがたくさんありました。

歌詞が詩の形になっていること。

詩の1行は8音節、10音節、のように音節の数が決まっていること。

1行の音節数によって、アクセントの位置が決まっていること。

それをモーツァルトの書いたメロディーで確認していくと、アクセントのある音節は、小節の1拍目にあったり、長い音符だったり、高い音が当てられていたりして、とても自然であること。

アクセントのある音節を意識していくと、音楽がどこに向かって流れていくのか、イメージがつかみやすくなります。

 

この感覚は、歌詞がある「歌」ならではですね。

ピアノ曲とまた違う感覚です。

でも、このモーツァルトのオペラの感覚を勉強することで、また、ピアノ曲のとらえ方も変わってくるのではないか、と期待しているところです。

知らなかったことを新たに学ぶというのは、また一つ自分の引き出しが増えていくことにつながりますから。

 

それにしても、モーツァルトという人は、イタリア語がとても堪能だったのでしょうね。

知らなくてオペラの音楽だけ聞いていても、本当に美しい曲の宝庫です。

でも、また違うとらえ方をすることで、その素晴らしさを改めて知ることができました。

2018.09.16

2年めに入りました

 

こんにちは。

昨年の9月に「たうらピアノ教室」を始めて1年が過ぎ、2年目に入りました。

 

学んでいる「ロシアピアニズム」を教える教室を開こう、中学校の教師経験を生かして生徒さんたちと関わっていこう、そういう思いで開室しました。

最初は、右も左もわからず、とにかくホームページを作って、ブログを書いて…と夢中でした。

幸いたくさんのすばらしいご縁に恵まれました。

 

現在、生徒さんは14人。

高坂幼稚園、野本小学校、高坂小学校、桜山小学校、新明小学校、白山中学校に在籍している生徒さんが通ってきてくれています。

それぞれ個性豊かで、レッスンしていて楽しいことがたくさん。

日々のレッスンの中で、生徒さんの成長を実感しています。

保護者の皆さまのご協力にも、心から感謝しています。

 

大人の生徒さんも、いらっしゃいます。

皆さん、それぞれお仕事がお忙しい中、ピアノに向き合う時間を持とうとしていらっしゃいます。

その姿勢に敬意を持って、少しでもお役に立てるようにしよう、と思いつつレッスンしています。

 

12月にはクリスマス会を企画し、動き始めています。

「協力しますよ。」

「やることがあったら、言ってください。」

と何人もの方からお声をかけていただきました。

生徒さんそれぞれも、曲を決めて、練習を始めています。

 

地域の方々からも、温かく見守っていただいています。

ご近所の方がチラシを持っていってくださったり、お店に置いてくださったり。

 

多くの方々の御厚意あってこそ。

心からの感謝の気持ちを持って、気持ちを新たに2年目の日々を過ごしていこうと思います。

同じ速さで数えよう

こんにちは。

まだピアノを習い始めて日の浅いお子さんの場合には、同じ速さで弾いていく、ということが難しいのですね。

4拍子は1234と数えながら弾く、ということは分かっても、4分音符の部分はゆっくり数え、2分音符になると速くなります。

昨日は、小学校1年生の生徒さんのレッスンが続きました。

そして、2人とも、「同じ速さで数えようね。」というお話をしました。

 

最初に来たのは、とてもしっかりしている1年生のお子さん。

「こぎつね」を弾きます。

「こぎつね」の部分で4分音符が続き、そのあと、「こんこん」は2分音符です。

前回のレッスンの時、1234と数えながら弾いたので、特に「こんこん」のところでは、はっきりと、「1234」と数えながら弾いていました。

でも、せっかく数えたのに、「こぎつね」の部分の4分音符の時と、「こんこん」の2分音符とでは、1拍の長さが違っていて、明らかに速いのです。

 

最後まで弾いてから、2回、いっしょに歌ってみました。

その後で、「1234、ってちゃんと数えながら弾けたね。ただ、全部同じ速さで数えようね。」と話しました。

そして、「どれくらいの速さで数えるか、最初に決めよう。」と言って、生徒さんに決めてもらいました。

その後、その速さで一緒に数えながら弾きました。

今度は、大丈夫。

「全部同じ速さで弾くことが大切なんだよ。」と話しました。

 

次に来たのがお歌が大好き、にこにこ明るい1年生の生徒さん。

「でんでんむし」です。

すごくうれしそうに「たくさん練習した。」と報告がありました。

そしてレッスンノートにも頑張ってたくさん練習した様子が書いてありました。

 

とても上手に弾けていました。

ところが、惜しかった。

最後に来て、「つのだせやりだせ」の4分音符がとても速くなったのです。

「同じ速さで数えながら弾こうね。」というお話をして、また、一緒に数えながら弾きました。

今度は大丈夫。

最後まで、同じ速さで弾けました。

 

最初はゆっくり、弾けるようになったらだんだん速めていく。

でも、曲のテンポ・拍を数える速さは同じにしていく。

生徒さん自身の体感はもしかしたら、あまり変わっていない可能性があります。

だからこそ、一緒に数え、確認していくことが大切なのだということを感じたレッスンでした。

できるだけ弾きやすい方法を考える

こんにちは。

昨日の保育士さんのレッスン。

いらっしゃると、「聞いて下さい!2月の行事で歌う曲、いきなり変わったんですよ!練習、始めたのに…。どうしましょう。」というお話。

最初は「北風小僧の寒太郎」でした。

それが、「歌いにくい」ということで、「カレンダーマーチ」に変わったのだそうです。

 

楽譜を見せてもらいました。

「北風小僧の寒太郎」よりも弾きやすそうです。

同じパターンの伴奏形が続きますし、そのパターン自体が、4分音符の和音だからです。

「大丈夫!弾けます。」ということで、レッスンを始めました。

 

まず、歌を歌ってみます。

知らない曲だというので、ゆっくりめに一度通して歌い、来週までに何度も歌ってくることになりました。

明るい曲調の楽しい歌です。子ども達も楽しんで歌うでしょうね。

次に伴奏を確認します。

するとほぼ同じパターンが3回くり返されていることが分かりました。

これ、大切なことなのです。

同じパターンのくり返しと言うことは、1つ弾けるようになれば、曲の6割が弾けるようになるからです。

 

そのパターン部分の練習をしました。

その後、パターンとパターンのつなぎだけ取り出して練習します。

その時も、できるだけ「手の動きが少なくてすむ指遣い」を考えます。

昨日の場合も手の置き方と指遣いを工夫すると、親指をずらすだけで、スムーズに弾ける部分がありました。

 

分解して練習していくと、あっという間に左手の譜読みは終わりました。

今度は右手です。

「動きを少なくする」ことを優先すると、45の指で付点8分音符と16分音符のリズムを弾くことになり、それは弾きにくい。

その部分は「弾きやすさ」を優先していくことにしました。

音型によって、優先事項は変わっていきます。

右手のメロディーも指遣いを書き込みながら、すぐに譜読みができました。

 

弾きやすさは、ご本人の手の大きさや弾き方にも左右されます。

ですから、お一人お一人に合わせたレッスンで確認しながら指遣いを決めていける、個人レッスンの良さが生きるのかもしれません。

「大丈夫、弾けますね。絶対間に合います。」と言うと、ご本人も

「本当に。大丈夫ですね。」とほっとしたようでした。

次に弾く音の準備をする

こんにちは。

六十代で、レッスンに来ていらっしゃる女性の生徒さんがいます。

 

「息子も娘も習っていて、いつか私もと思っていて…」ということで、「いつか」を実現なさいました。

そろそろ1年になります。

お仕事がお忙しい中、まずはレッスンに来る時間の確保から。

次には、ご家族との折り合いをつけて練習できるようにすること。

仕事を持ち、主婦でもあり、畑もおやりになっている。

そんな中でピアノを続けていくため、一つずつ環境を整えていらっしゃいました。

 

1年経って、指も慣れてきました。

今は、クリスマス会に向けて、ベートーベンの「悲愴」第2楽章のハ長調編曲版を練習中です。

まず、右手から。2分音符が続きます。

最初は、スムーズにいきませんでした。

2拍、のばして、次にいこうとすると拍子に間に合わない。

ふしぎなことに、4分音符で動くところは、かたまりとして頭に入っているようで、そちらのほうがずっとスムーズです。

 

そこで、前の音を弾いたら、すぐに次の音符を見て、指を準備しておく、ということをお話ししました。

もう一つ、その手順が間に合うように、今よりも、もっとゆっくり弾くこと。

それを心がけましょう、ということで実際に始めてみました。

 

今度は、ずっと滑らかになりました。

その上で、できるだけ、次の音のイメージが頭の中に入るように、何回も練習します。

まず4小節。

できるようになったら8小節。

これをくりかえしました。

 

「脳トレになります。」とおっしゃりながら、音符→指遣い→鍵盤の流れを意識できるようになってきました。

だんだん上手に弾けるようになっていきます。

「また、練習してきます。」とおっしゃって、帰っていかれました。

 

1年、毎日の積み重ねで上達していきます。

自分の指で音を出すことの楽しさ。

それから、新しいことにチャレンジして、それが出来ていくことの楽しさ。

それは、年齢に関係ありません。

人生の先輩のチャレンジする姿勢に敬意を持ちつつ、私もレッスンに臨んでいます。

ランドセルでレッスンにきました

こんにちは。

昨日のレッスンで楽しいことがありました。

ランドセルに楽譜を入れて、生徒さんが持ってきたのです^^

後になって、写真を撮らせてもらえば良かった、と気付きましたので、上の写真は本人のものではありませんが…。

 

いま、幼稚園の年長で、来年4月に小学校に入学する生徒さん。

5月頃、ランドセルを注文したお話は伺っていました。

その段階で、「ランドセルが来たら、ピアノのレッスンに持っていきたい」と言っているお話も、お母さまから聞いていました。

その待望のランドセルが到着したのです。

先週、「先生、来週、ランドセルで来て良い?」と聞かれたので、

「いいよ。見せてね。」と言いました。

 

前の大人の方のレッスンが終わってふり向くと、ランドセル!!

大人の生徒さんといっしょに見せてもらいました。

 

上品なえんじ色にピンクの縁取り。

両脇にはビーズがはめ込んであって、キラキラ光っています。

中を開けると、裏側にも水玉模様の生地がはってあって、とてもかわいい。

「きれいね。」「おしゃれね。」と感心しました。

 

大人の生徒さんとも「昔は赤と黒だけでしたものね。」と言い合いました。

「パパのランドセルは黒だったんだって。」

「ママのは?」

「ママのは赤。」

やはりそうですね。

私の息子が入学した18年前、だんだんカラフルになってきたな、という印象はありましたが、息子は「僕は黒。」と言って、ごく普通の黒を選んだ記憶があります。

 

それにしても、こんな素敵なランドセルがきたら、入学も楽しみになることでしょう。

生徒さんの喜びが伝わってきました。

そして、その喜びを一緒に味わうことができて、本当にうれしく思ったすばらしい一時でした。

2018.09.11

多彩な響き

こんにちは。

昨日は御茶ノ水にレッスンに行ってきました。

 

久々のモーツァルト。

子どもの頃に弾いた曲でもあるのですが、1つの課題は軸の変更でした。

自分としてはできているつもりでしたが、もう少し傾けても良いのかもしれません。

もう一つ、大事なことが分かりました。

手首の高さです。

確かに最初の段階として、指先の力を抜くために、手首を上げることでその感覚をつかむことができます。

ただ、音型によって、ほしい響きによって「常に高い位置に置く」ことが大切なのではないということ。

昨日も、「その部分はもっと手首を下げた方がいいですよ。」と言われた部分がありました。

そして実際にそのほうがずっと弾きやすかったのです。

 

あともうひとつ、表現の面で、また学ぶことがたくさんありました。

細かい部分の表現の幅が、私と先生とではまったくレベルが違います。

ちょっと弾いてくださったのを聞いて、何と美しいことか!

ほんの1フレーズなのに、圧倒的な説得力のある響き。音楽のつくり。

 

モーツァルトの長調の曲のなかにも明るさの中にふっと影がさす。

その部分の表情がまったく変わるのです。

確かに、モーツァルトの音楽のなかには、実は人生の悲しみのようなものが隠れています。

表面だけ見ていると明るいように感じられても、それだけではありません。そこをどう表現していくか。

 

響きを変える。

そのために、鍵盤のねらう深さを変え、指を入れる方向を変え、指先の使う部分も変えていく。

手首の高さも変えていく。

そこから出てくる響きの多彩なこと!

先生の演奏を聴いていると、とても幸せになってきます。

 

今までよりももっと細かく、表情を、そして響きを変えていけるように考えながら細心の注意を払って弾いてきました。

終わりのないことですが、少しでも良い響きを、少しでも豊かな表現を求めて、また次のレッスンまで練習です。