「2019年 6月」の記事一覧

2019.06.30

2019年前半を振り返る

今日は6月30日、ちょうど2019年が半分終わったところです。ちょうど節目の日なのでこの半年を振り返り、残りの半年の目標をまた設定していきたいと思います。

「振り返る」というのは、節目節目で行っていくと自分自身のあり方がよく分かります。

今年の目標の進捗状況は?

1月に書いた目標には、次のようなことを書きました。進捗状況を書いてみます。

ピアノ教室としての抱負・目標 について

・生徒さんの音楽面、技術面の向上のために、自分の指導力をさらに磨いていく。
→自分のレッスンに継続して通うこと、指導のために本や動画で勉強しています。

・発表会を開催する
→8月に開催する予定で、準備を進めています。

・奏法についてブログでの発信を充実させていく
→こちらも継続して行っています。「充実度」を示すのが何か、よく考えていませんでしたから、回数だとしたら、少し少なめかもしれません。後半で、奏法についての発信回数を増やしていきます。

・動画をアップし、こちらでも発信していく
→これがあまり進んでいません。まだ1本ですから、後半の課題です。

自分自身のこと について

・指・腕・身体の使い方についてさらに学び、より美しい響きを見つけていく
→継続してレッスンに通い、さらに美しい響きを学び、意識して練習中です。

・4月の「葵の会」定期演奏会に向けて、今年は伴奏と作品発表という新しいチャレンジをしていく。
→無事、終わりました。歌詞のある「歌」の勉強をしたことで、音楽の感じ方が今までと変わってきた部分があり、とても勉強になりました。

・11月の先生の門下発表会に参加し、こちらもまた新しいことに取り組んでいく
→これは後半です。「新しいこと」には少しずつ挑戦中ですが、発表会に間に合うかどうか、今の段階でわかりません。

・Ray Lev先生の楽譜の中から、日本であまり紹介されていない曲を中心に取り組んでいく。
→こちらは、まだ取りかかれていません。後半の重点事項です。ただ、発表会までは、そこに注力していきたいので、8月以降の課題になります。

節目ごとに振り返り、次の段階を考えていく

こうやって振り返ると、後半に重点的に取り組んでいく課題が見えてきました。

今は8月の発表会が最優先です。その軸をしっかり持ちながら、他の目標に取り組んでいきます。

特に、動画を増やすことは後半の大きな課題であると考えています。

1つずつ、今の自分にできることを着実に進めていきます。

2019.06.29

「習慣化」の意味

ふと気がつくと、このブログへの投稿も500記事を超えていました。1週間に5~6回のペースで更新しています。だいたい、朝、書くようにしているのですが、時には時間が遅くなることもあります。

「習慣化」はピアノの練習にも通じることですが、改めて「継続することの意味」を考えてみました。

生活リズムが決まる

習慣化すること、毎日同じ生活リズムで過ごすこと。これはとても大切だと感じています。

幼稚園や学校に行っているお子さんの場合には、「学校に行く」時間というのは、基本的に決まっているわけで、この場合は「それ以外の時間をどう過ごすか?」ということになっていきます。

私の場合には、朝、ブログの更新と掃除から1日の生活を始めます。ブログを先に書き始めるのですが、それに詰まる時もあって、そういう時は途中で一旦やめて、掃除をしてからまた続きを書いていきます。

掃除をして身体を動かしていくと、ブログの内容も違う視点から考えられるようになって、スムーズに書けるようになる。そんな効果もあります。

どちらにせよ、1日のスタートは「これ」というのが決まっていると、スムーズに始められるようになります。

優先順位が決まる

小学生の場合、3時過ぎの帰宅から8時~9時の就寝まで、約5~6時間。長いようで意外に短いですね。

その中でどう過ごしていくか?意識していくことが大切になっていきます。学童保育に通っているお子さんの場合は、もっと短くなります。

宿題もあります。生活に必要な食事や入浴の時間も必要です。お手伝いもあります。外遊びもしたいし、テレビも見たいし、場合によってはゲームもしたいかもしれません。

その中で、何を優先して考えていくか。それを自分でしっかり分かっていることがとても大切になります。

私の教室に来る生徒さんの多くは、ここをきちんと考えられているので、感心しています。

学童保育に通っているお子さんの場合は、「朝、練習します。」「夕食の片付けをしたら、すぐ練習します。」とお家で過ごす時間が短い中、工夫しています。

他のお子さんも、「学校から帰ったらすぐ練習します。」「宿題をやったらすぐ練習します。」など、それぞれしっかり考え、練習の優先順位が高くなっていて、これはうれしい限りです。

習慣で動く部分はとても多い

毎日の生活の40%が習慣だという研究があるそうです。人によってはもっと高い割合だと言っている人もいます。

ですから、「どんな習慣をつけていくか?」というのは、長い目で見た時にはとても大きな差になっていきます。

せっかくなので、自分にとって良い習慣、プラスになる習慣をたくさん作っていきたいですよね。

私自身も、「ブログを書く」習慣は、定着しています。また他の習慣も定着させるべく、1つずつ積み上げていこうと思っているところです。

忙しいけどピアノも頑張る

一般的に、中学生は、小学生よりも忙しいかもしれません。まず部活動。基本的に完全下校時刻が今の時期だと夕方6時ですから、そこまでは学校にいます。

行事も生徒が企画して放課後の時間を使っ準備していきますから、学校にいる時間がとても長い生活になります。

ピアノは良い気分転換

レッスンに来ている中学生も、とても忙しそうです。

吹奏楽部に入ったので、「この前の日曜日は1日部活だった」とか、「先輩たちが演奏するから、楽器運びでホールに行ってきた」とか、部活動の話題も多いです。

5月には体育祭もありました。近隣の学校は5月に行うことが増えてきましたが、1年生は入学してまだ間もないので、体力的に大変かもしれません。

塾に通うと、塾の宿題もあります。英検対策があり、英検も受けます。中間テストに期末テストの日程…。

話を聞いていても、充実感が伝わってくる反面「忙しそう」という思いもありました。

そんな中で、小さい頃から続けてきたピアノもきちんと練習しています。発表会に向けて譜読みをし、曲の最後まで弾けるようになってきました。

「ピアノは良い気分転換になっているようです。」とお母様もおっしゃっていました。

確かに、勉強での頭の使い方と、ピアノでの頭や身体の使い方は全く違います。好きなことでもあるので、良い気分転換になります。

ありたい自分の姿をイメージする

自分自身の時間の使い方、過ごし方を考える上で、ありたい自分の姿をイメージすることはとても重要です。

このありたい自分の姿のイメージは変わっても良いのです。中学生なら、多くの場合、変わっていくでしょう。

ただ、その時点での「夢」「希望」を持っているということ、そしてその夢や希望にに向けて今の自分の行動を考えていくこと、そのものが大切です。

先程の生徒さんの場合、自分の5年後のイメージをはっきり持っています。こういう仕事に就きたいから、大学でこういう勉強をしていきたい、というイメージです。

だから、今、忙しくてもそれを「充実感」ととらえ、楽しみながらせいかつすることができる。ピアノも好きだし、こういう曲を弾いてみたい、という目標もあるから練習できる。

それが今の段階でできているというのは、とてもすばらしいことだと考えています。

10年後をイメージしてレッスンする

去年今年にピアノを始めた、幼稚園生、小学生にとって、こういう中学生の存在は、自分の未来の姿を考える1つのモデルになります。

ピアノのレッスンで幼稚園生や小学校低学年の生徒さんに関わらせていただくということは、短くても6~7年、長ければ10年以上のお付き合いになります。

私自身も、中学生のこの頑張る姿、そして、中学校教員時代に見てきたたくさんの生き生きとした中学生の姿を思い描き、10年という単位で、5~7歳の生徒さんに接しています。

音楽を通して 豊かな「感性」と表現力を身につけること。練習の習慣をつけることを通して「勤勉さ・誠実さ」を身につけること。

さらに、「やればできる」という自己肯定感を、体感すること。

生きていく上で大切なこれらのことを身につけていく。そんな姿を思い描きつつ、日々レッスンをしています。

2019.06.27

アルプスの少女「ハイジ」を読む

本屋さんで「100分de名著」という番組のテキストを見かけ、今月は「アルプスの少女ハイジ」が取り上げられていたので、もう一度読み直したくなりました。

本は家にあったので、あらすじはよく覚えているのですが、抄訳だったのでしょう、今回読みなおして、いろいろな発見がありました。今回私が読んだのは、「偕成社文庫 完訳版ハイジ1・2 ヨハンナ・シュピーリ作 若松宣子訳」です。

小学生のお子さんにも、大人の方にもぜひ読んでもらいたい、優れた作品だと思いました。

純真さ、気持ちを率直に表すこと

何よりも心に残ったのは、ハイジの純真さ、素直さ、そして自分の気持を率直に表すことでした。

だからこそ、人とすぐにつながることができる。「人嫌い」だったはずのおじいさんとも、ペーターとも、ペーターのおばあさんとも。

そしてフランクフルトに行ってから、そこで出会ったクララや召使いのセバスティアン、クララのおばあさまたちともそうです。

一方、「形」にこだわるロッテンマイヤーさんにとっては、それがとても怖いことであり、受け入れることができないことなのです。ですから、その率直さをとがめられ、辛い思いをすることになります。

「本を読んで泣きわめいたりしたら、本を取り上げて返さない」と言われてしまいます。

ハイジは本を読んでもけっして泣かなくなりました。が、それはたいへんなことでした。気持ちをおさえて、泣かないようにするのに、とても努力しなくてはならなかったのです。

(途中略)

ハイジはほとんどなにも食べなくなりました。夜になってベッドに入ると、とたんにふるさとのできごとが目にうかび、家を思って、だれにもきかれないように、まくらに顔を押しつけて、静かに泣きつづけるのでした。

偕成社文庫 完訳版ハイジ1 ヨハンナ・シュピーリ作 若松宣子訳

おじいさんのところに戻って「息もできなくて、とても苦しかった」と振り返っています。

人を思いやる気持ち

ハイジはいつも他の人のことを思いやる気持ちにあふれています。目の見えないペーターのおばあさんのことをいつも気にかけ、優しく接します。それも、とても自然に。

ハイジが自分自身の気持ちに率直であるからこそ、他の人は心を開いて自分の気持ちを率直に伝えられます。そしてハイジはそれを相手の身になって考え、良かれと思うことを、また率直に行動に移していきます。

フランクフルトからスイスに戻ってからの描写に、特にそれが表れています。お金をどう使うか。ペーターのおばあさんにパンを買ってあげる。

作者自身が信仰の篤い人だったのでしょう。それが随所に表れていますが、おじいさんにも信仰の大切さを伝え、おじいさんが教会に出かけるきっかけを作ります。その結果、おじいさんは村の人々に受けいられるようになるのです。

お医者さんのクラッセン先生。娘を亡くして悲しみで心がいっぱいになって、山を訪れた先生も、自分の悲しみを(遠回しに)ハイジに話し、そして自然の力とハイジやおじいさんとの関係の中で癒されていきます。

そして、言うまでもないクララ。山の自然の力だけではなく、ハイジやおじいさんが自然との適切な橋渡しをしてくれたからこそ、都会の中で押し込められていたものが開放され、歩けるようになっていきます。

時代を超えて

この本が出版されたのは1880年。今から140年も前のことですが、時代を超えて今の私達に訴えるものがたくさんあります。

作者シュピーリの人間への愛情があるからでしょう。同時に、人間を多面的に見る観察眼の鋭さもあちこちに表れています。

今回読み返してみて、子供時代に読んだ時と大きく違うのは、育てる側の人、特にクララのおばあさまの人物像がとても印象に残ったことです。これは、私の年齢からすれば当然のことですね。

人を包み込む温かさ、そして人の本質を見抜いた上で、その人に合わせて大切なことを示していく姿。一つの理想的な大人の姿が描かれています。

また、都会の中で「作法」や「仕事」で心に壁を作る人の姿が描かれていて、それは、今の日本ではその状況がさらに進んでいます。これも、一つの大きな視点を与えてくれました。

読書は、さまざまな気づきを与えてくれます。今回も、とても楽しい一時をすごすとともに、いろいろ考えるきっかけも与えてもらいました。

2019.06.25

投げる感覚

昨日は、都内までレッスンを受けに行ってきました。

昨日のレッスンでは「手を鍵盤に投げる」という感覚を教えていただきました。同時に、タッチの工夫についてもまた、教えていただくことで、自分の感覚を更新することができました。

手を鍵盤に「投げる」

先生のブログで、ホロヴィッツやアルゲリッチのやっていることとして、「手を鍵盤に投げ」ていることを挙げています。

支えるべき所は支えているが、同時にそれ以外の部分は脱力して固めていない。それどころか、手を鍵盤に投げている。一般的な奏法は鍵盤に手がしがみついているが、それとは真逆。自由に投げて、つじつまを合わせている程度のコントロールの仕方だと思う。

大野眞嗣「ロシアピアニズムをつぶやく」6月20日「投げる」より

この「投げる」感覚で弾こうとすると、今までよりもさらに高いポジションに手を置いて、そこから弾くときだけ降りてくる感じになります。

実際にやってみると、ポジションを上げているつもりだったのですが、まだ低かったことがつかめてきました。

さらに、手首を上げる時、手首の下側の筋肉を使って下から支えて上げるのか、上側から引っ張って上げるのか、という身体の使い方の違いでも、響きは大きく変わってきます。

私の場合、速いテンポになるとどうしても上から引っ張っている身体の使い方になってしまいがちです。

見た目の位置は同じようであっても、上から引っ張って手首の位置を上げる身体の使い方をしていると、響きが薄いものになってしまいます。

昨日もクーラントでその状態になり、テンポを落として落としてゆっくり弾くことでようやく感覚がつかめてきました。

タッチの工夫

同時にタッチの工夫についても、改めて学ぶところがありました。

アルマンドとクーラント。舞曲の性格の違いをはっきりさせるためにタッチを大きく変えていく。

クーラントでは、ホロヴィッツが多用する指を伸ばしたタッチを使っていくことで、音の性格が変わり、軽快な感じが出てきます。

実際に先生が弾いてくださって、イメージをはっきりとつかむことができました。

自分で弾いてみると、コントロールが難しい。手の内側の筋力が違うので、思うようにいかず、ストンと落ちてしまったり、響きが思うほど上がらなかったり、とちょっと時間がかかりました。

音楽に対する姿勢

レッスンで先生と話していたり、弾いていただく一節から、芸術に真摯に向き合い、ピアノを心から愛していることが伝わってきます。

だからこそ、同じ曲をいろいろなタッチで弾き分けたり、さらにどんな工夫があるのだろうか、と考えることができる。

レッスンに行くことで、ロシアピアニズムを学ぶだけでなく、音楽への姿勢やピアノへの愛情に触れ、影響を受けていることを感じます。

音楽という芸術の広さ、深さを、より感じることができます。

「僕自身、アップデートしているからね。」と昨日もおっしゃっていましたが、先生のアップデートについていくことで、私自身もアップデートし、自分の音楽を深めていきたいと考えています。

2019.06.23

楽譜が読めるようになった

3月に入会した生徒さんがいますが、ピアノを始めて4ヶ月。2人とも、楽譜を読むことに慣れてきました。

楽譜が読めるようになると、自分で新しい曲を弾くことができるようになり、より楽しくなってきます。

最後まで自分で弾いてきた

1人の生徒さんは小学校1年生。発表会にも参加する予定で、頑張って練習しています。

1曲めの「森のくまさん」は、5月に決めて、練習していました。もう1曲の「手をたたきましょう」を、先週決めて、練習を始めました。

先週のレッスン中に、曲決めと、前半部分の譜読みをしました。今週は、後半と思っていたところ、生徒さんが「最後まで弾いてきた!」とのこと。

聞かせてもらうと、最後まで音もリズムも正しく弾けていました。

もともと、リズム打ちはとても得意。音符からリズムを感じることができていました。

音符の読み方も、ずいぶんスムーズになっていましたが、ヘ音記号が少し苦手のように感じていました。でも、今回、自分一人の力で、頑張って最後まで楽譜を読んできたのです。

「頑張ったね!」と言うと、うれしそうでした。お母様も「楽しいようで、家に帰るとすぐ練習しているし、朝も弾いています。」とおっしゃていました。

さっと弾ける

もうひとりの、幼稚園年中の生徒さん。やはり、4ヶ月がたち、音符を読むことに慣れてきました。

「まいぴあの1」が終わった段階で、いろいろな状況を考え、「ピアノひけるよ!ジュニア1」を始めることにしました。

最初のうちは、今まで習ってきたことと重なる部分もとても多くなります。実際に、教本を開いて始めてみると、ト音記号の部分は音符もしっかり読めるし、ピアノもリズムを感じながらすぐ弾けるようになりました。

ヘ音記号は、音域がちょっと違うので、最初とまどっていましたが、こちらもじきに理解して弾けるようになりました。

聴いていたお父様もお母様もびっくりしていました。「自分で全部音符を見ながら弾けています。」と言うと「この短期間で、こんなに弾けるようになっていたのですね。」とほんとうに感心していました。

ピアノが楽しいと思える

二人とも、とても楽しくて、お家でもよく弾いているそうです。

そして、音符の意味が分かったので、新しい曲についても自分で楽譜を見ながら弾けるようになってきて、それもまた楽しい。

「その曲が弾ける」ことと、「その曲を通して学ぶ」その2つを意識しながらレッスンしていくことで、他の曲に応用できる力がついてくるのです。

二人とも、頑張って練習しているので、またこれからがとても楽しみです。

2019.06.22

チャレンジする気持ち

発表会に向けて、みんな頑張って練習しています。

昨日も、1年生の生徒さんと7月のレッスン日について「○日と○日と…がレッスンで、この日はリハーサル。」と確認していました。

「リハーサルって何?」

「発表会と同じ会場で、同じピアノで練習するの。」

「ドキドキする。」

こんな会話がありました。

たくさん練習するね

その生徒さん、今回はペダルのある曲にチャレンジしています。

ちょうど発表会の曲を決めるタイミングでペダルの練習に入り、「ペダルのある曲が弾きたい」という希望で曲を決めたのです。

身体が小さいので、ペダルを踏むタイミングになると、身体を前に傾けて踏んでいますが、最初に比べるとずいぶん慣れてきました。

靴下で踏んでいると足が痛くなるとのことで、お家でも靴をはいて練習です。レッスンのときも、本番で履く予定の黒いエナメルの靴を持ってきて練習しています。

その甲斐あって、「ペダルは『耳で踏む』」という言い方をしますが、踏むタイミングもとても上手になってきました。

「ちゃんと弾けるかなあ?」とちょっと不安そうです。

「○○ちゃん、ちゃんと練習しているから大丈夫。」と言うと「もっとたくさん練習するね。」という頼もしい返事が返ってきました。

チャレンジしてみたい

大人の初心者の生徒さん。4月下旬に始めたばかり。発表会への参加を決めたのは、まだ始めて本当にすぐだったので、様子を見て、先週1曲めの「スカボロー・フェア」を決めました。

一週間で「一応、最後まで弾けるようになりました!」ととても頑張って練習していらっしゃいました。

ではもう一曲はどうしようか、ということで、いくつか候補を挙げてみました。

その中で、「ちょっとむずかしいかもしれないけれど。」と言いつつ「戦場のメリー・クリスマス」を挙げてみたところ、「チャレンジしてみたいです。」とのこと。

「では、チャレンジしてみましょう。」と頑張ってみることに。

もうお一人の大人の生徒さんも、「せっかくやるのだからチャレンジしたいです。」ということで、両手の曲にチャレンジ中です。

チャレンジする気持ち

ピアノに限りませんが、何かを学ぶというときには、「新しいことにチャレンジする気持ち」というのがそこにあります。

発表会に向けて、曲を決め、練習する過程の中で、常にその「チャレンジする気持ち」を持ち続けることが大切になってきます。

「たくさん練習するね」という言葉の中に、チャレンジを裏付ける努力をしていく、という気持ちが表れています。

生徒さん自身の「チャレンジする気持ち」をくみ取り、大切にしながら、本番に向けて準備を進めていきます。

ピアノレッスンに来るメリット―お仕事でピアノを弾く方の場合―

お仕事でピアノを弾く方。例えば、保育士さん、幼稚園の先生の中に、もうすこし上手にピアノが弾けたらいいのに…とお思いの方もいらっしゃいます。

そういう方がピアノのレッスンに来るメリットは、どんなところにあるでしょうか。レッスンに通っていらっしゃるからこそのメリットを挙げてみます。

基本となる事柄を知ることができる

私の教室にも、幼稚園の先生、保育士資格を取るために大学に行っている学生さんが通っていらっしゃいます。

その方たちのレッスンをする上で、心がけているのは、「自分ひとりで楽譜を読んで弾けるようになることを目標とする」ことです。

例えば、指遣いを決めることの意味や、指遣いを決める上で考えていく要素。

指遣いを決めることで、部分練習がしやすくなります。自分がつまづくところを取り出して練習しやすくなりますし、どういう指遣いの時に間違いやすいのかということをてがかりに、自分のピアノの弾き方を客観的に見ることもできるようになります。

その上で、実際に指遣いを決めていく上では、基本的に多くの場合、このような指遣いで使う、というものを確認していきます。

例えば、伴奏でよく使われるドミソの和音を左手で弾く場合、指番号で531を使います。シレソも531、ドファラは521。

ある程度、この基本を知っていれば、次に出てきた時に、それを基準に自分で考えることができます。

練習の仕方を学ぶことができる

実際に練習していく上で、通して何回も弾く、という練習方法は効率が良くありません。

間違える部分はいつも間違えたまま、ということになりがちです。

レッスンに来ることによって、それを取り出して、どのように練習したらよいかを知ることができます。

「ここからここまで、移動が大きい場合は、この部分だけ取り出して、こういう練習をします。それができるようになったら、次はこういう練習…」というように、練習の仕方をお教えし、その場で実際に練習をしてみます。

「メトロノームの60から始めて、2ずつテンポをあげていってみましょう。」のように、テンポのとり方をお話しすることもあります。

ここでのレッスン中に、7~8回練習し、ずいぶんテンポを速くすることができるようになった生徒さんもいます。

少しずつ積み重ねていく

3月からレッスンにいらっしゃっている幼稚園の先生。来年の年明けに、オペレッタをするので、その曲のレッスンが目的です。

全部で7曲。実際に発表するときには、途中に他の歌が入っていたり、セリフのBGMが入っていたり、フィナーレで歌を歌っていたり、と10曲近くをノンストップで弾き続けることになります。

初めていらっしゃってから4ヶ月。御本人としても、何とかしてオペレッタを成功させたい、という思いも強く、毎日練習をしていらっしゃいます。

毎日少しずつの積み重ねですが、着実に上達しています。5曲はほぼ完成して、先の見通しも立ってきました。

少しずつの積み重ねが大きな結果になっていく、それは大人の場合も同じです。その労力が大きいだけに、レッスンを通して、その労力を効果的に使っていければ、実りもさらに大きくなっていきます。

1年でこんなにできるようになった

小学校1年生の生徒さん。年長さんだった去年の7月からレッスンを始めてちょうど1年になります。

きのうは、発表会の曲のレッスンをしたあと、「うたあそび」でリズム打ちをしました。

両手ですらすら弾ける

発表会の曲は2曲とも譜読みが終わって、両手で弾ける状態になっています。グルリットの「こもりうた」は前回のレッスンの時に、曲想について、一緒にイメージを作りながら練習したので、ずいぶん表情がついてきました。

ピアニッシモの表現が特に上手できれいに弾けています。

もう1曲、同じくグルリットの「かり」は、楽譜通りに弾くには手が小さいので、本来左手で弾くところで右手を使ったりして、少し指遣いが変則的になってしまいました。

ですから、弾きにくいはずなのですが、こちらもお家での練習をしっかりしてきて、上手に弾けるようになってきました。

両方ともすらすらと弾けるようになっています。最初の頃は「難しいと言っているんです。」とお母様がおっしゃっていましたが、これなら大丈夫。

リズム打ちが1人でできた

うたあそびも2冊めに入り、「かわいいかくれんぼ」です。1回めはリズム打ちだけ練習しました。

その時の様子を見ていると、自分で「1234…」と拍子を感じながら、太鼓をたたいています。そして、まったく間違うことなく、正確にリズム打ちができました。

歌を知っているとのことだったので、その後、一緒に「ひよこがね…」と歌いながらリズム打ちをしました。歌いながらのリズム打ちもバッチリできました。

次に、その下に書かれているリズムを打つ練習です。4分音符、4分休符、8分音符、2分音符、全音符。全音符だけはそれ1つが書かれていますが、あとは、2種類の音符や休符が混ざっています。

さっきとてもスムーズにリズムが打てたので「1人でやってみようね。」ということで様子を見ました。

6種類の課題。まったく迷うことなく、全部さっとできました。

1年でこんなにいろいろできるようになった

そばで聴いていたお母様に「始めてからほぼ1年ですが、ずいぶんいろいろできるようになりましたね。」と話すと

「ほんとうにそうですね。すごいですね。」とおっしゃっていました。

この生徒さんの場合、地道に練習を続け、自分が納得するまで弾いてきます。その積み重ねがこの結果につながったのです。

お子さんの力はすばらしいです。たくさんの可能性があります。

そして毎日の積み重ねを続けることによって、その可能性を自分自身で引き出し、伸ばしていくことができます。

生徒さんのそんな成長ぶりを見ることができて、私もとてもうれしく思いました。

2019.06.18

ポジションを安定させる

昨日は、レッスンを受けに都内まで行ってきました。フランス組曲第1番、全曲を聴いていただきました。

練習方法を変える

前回のレッスンで楽譜をはさんで弾く方法を教えていただきました。これをすることで、腕の付け根から手首まで、小指側のラインが意識できるようになります。

楽譜を落とさないようにすることで、ポジション全体が上がった状態を保てるようになります。

私の場合には、速いテンポの曲になると、どうしてもポジションが下がりがちで、同時に響きも上がりにくくなっていました。

先週のレッスンでも、クーラントになると、楽譜が厚くて重かったこともありますが、はさんでいるはずがどんどん下がってずれてしまい、とても弾きにくく感じていました。

1週間自宅で練習し、自宅のピアノでは、ずいぶん響きが上がった状態を安定して保てるようになったと感じていました。

先生のレッスン室のフルコンを使って、そのポジション、その弾き方が身についたかどうか、先生の耳で客観的に聴いていただきました。

「今日は、全然押し付けていないですね。」と言っていただきました。先生のピアノでも響きが上がっている感じがしていたので、大丈夫とは思っていま。たが、 ホッとしました。

曲の魅力を信じる

もう一点、ずっと練習していて、クーラントの後半の表現がしっくりこないということをお話ししました。

あれこれ考えてみても、いろいろ自分なりにやってみても、何だか平坦な気がしてしまうのです。

「そういう時はあります。そういう時は、『何もしない』というのも1つの選択肢なんですよ。」と教えていただきました。

「曲の魅力を信じるんですね。自分があれこれ何かするのではなくて。」「時間が経つことで、感じ方もかわってきますから。」

驚きましたが、納得もしました。確かに、時間が経つことで感じ方は変わってきます。バッハの音楽は常に魅力的です。

「自分が」を考えることは重要ですが、時にはそれを手放すことも大切なのかもしれません。これもとても考えさせられました。

ピアノを弾けることの幸せ

ピアノを弾けることの幸せの1つは、作曲者とつながる感覚を持てることだと奏法を変えてから、特に感じるようになりました。

バッハとも、モーツァルトとも、何百年も隔たっているのに、直接つながる感覚になれる。

「曲の魅力を信じる」ということは、作曲者とのつながりを信じる、ということなのかもしれません。また次もバッハ。つながりを感じながら練習していきます。