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2019.07.20

緊張との付き合い方

先日から、緊張をコントロールするための準備について、生徒さんにお伝えしているところです。

反応もそれぞれですが、いろいろな今までのエピソードも聞くことができました。

すごくドキドキする

「遠足の感想発表のときに、ドキドキして、緊張しすぎて、泣いちゃったことがある。」と話してくれた生徒さん。

いつも前向きに頑張って練習していて、とてもしっかりしているので、ちょっとびっくりしました。

「今回は、感想発表と違って、前もって準備できることだから、しっかり準備できているから大丈夫。」と話しました。

「深呼吸は学校で練習している。」という話もしていたので、ちょっとやってみました。5秒かけて鼻から吸って、は良かったのですが、15秒かけて口から吐いて…のところで、どんどん吐いてしまって「ながい!!」

「でも、まだあと5秒かけて全部息を吐くんだけど…。」と言うと、「もう息がない」ということで、どんどん吐きすぎていたことがわかりました。

「じゃあ、練習しておこうね。」と話しました。

ポジティブワード、これいつもやっている

別の生徒さん。もう中学生ですが、本人も「私は本番に強いから。」と言い、お母様も「この子は本番に強いんですよね。」と言っています。

プリントにしたものにさっと目を通して、「私、これいつもやっている。」と言ったのが「ポジティブワードを言う」というもの。

「弱気になるとだめなんですよね。だから、いつも『できる』って思うようにしている。」とのことでした。

心の中でどんな言葉を言っているか、自分自身の状態に与える影響は大きいようです。

発表会をきっかけに学ぶ

小中学生の生徒さんにとって、これからも緊張する場面はたくさんあるでしょう。その時に、先ほど紹介した生徒さんのように「私は本番に強い」と思えるというのは、とても大きな力になっていきます。

発表会という場をきっかけに、緊張のコントロール法を学び、「本番に強い」と思える自信をつけていく。

ここにも、ピアノを学ぶことの大きな意味があると考えています。

2019.07.19

行田古代蓮の里

先日、行田にある「古代蓮の里」に行ってきました。蓮の花は朝、開くので、朝8時頃着くように行ったのですが、もう、けっこうな人出でにぎわっていました。

駐車場から近いところには、「世界の蓮」の植えられている池があります。色もさまざま、形もさまざまな蓮の花があります。

古代蓮の池は、その奥にあり、広い範囲に古代蓮が植えられています。下の写真の範囲でもまだその一部。

古代蓮はピンク色です。これもまた、美しい。

開いている花を上から見ると、こんな感じです。中心の部分に見ができます。売店では、蓮の実を入れたおこわや、蓮の実の甘納豆などの加工品もありました。

池から大きな葉と美しい花。やはり、何か特別な感じのする植物です。昔から仏教をはじめとしたさまざまな宗教で取り上げられるのも、分かる気がしました。

梅雨の合間、ホッとするひとときを過ごしました。

2019.07.18

いい緊張は能力を2倍にする

発表会が近づいてきたので、緊張についてのコントロール法を生徒さんにお伝えしています。

「いい緊張は能力を2倍にする」という、精神科の医師でもあり、Youtubeやメルマガ等で積極的な情報発信をしている樺沢紫苑氏の書いた本がとても参考になったので、ここでもご紹介します。

この本の内容から選んで生徒さんに紹介した理由は、科学的な根拠に基づいた緊張対処法が書かれていること。それをもとに、準備することでより良い演奏ができるように、と考えたからです。

緊張とはどういう状態か

まず、緊張とはどういう状態であるか、という説明がしっかり書かれています。

「緊張は味方である」と言い切り、「緊張はパフォーマンスを高める」ということを知っているだけで、数学の試験の結果が有意に得点が高かった、というハーバード大学の実験の結果を紹介しています。このように根拠がしっかりしているので、説得力があります。

そして、パフォーマンスを下げる「過緊張」(頭が真っ白になる等)という状態を「よい緊張」にするための対処法が具体的に書いてあるのです。

緊張は「交感神経が優位」「セロトニンが低い」「ノルアドレナリンが高い」状態である、と説明。私自身、この記述を読んで、緊張の原因はたった3つであることに、正直、驚きました。

また、このように具体的な脳の状態を知ることができるからこそ、具体的に過緊張への対処法も考えることができるのです。

「交感神経が優位」なときは、交感神経にブレーキをかける「副交感神経を優位」にすればいい。「セロトニンが低い」のであれば、セロトニンを高めればいい。「ノルアドレナリンが高い」ときは、ノルアドレナリンを下げればいい。

樺沢紫苑 いい緊張は能力を2倍にする 文響社 p.42

事前の準備が大切

もう一つ、この本で印象的だったのは、事前準備の大切さを言っていることです。事前準備がしっかりできているからこそ、本番での緊張のコントロールもしっかりできる。

練習がしっかりできているときの本番は、確かに安心して演奏ができます。これは、あくまでも体験的なものでしたが、この本を読んで、裏付けがよく理解できました。

具体的な方法は33、紹介されています。

深呼吸一つとっても、1分間で3回の深呼吸をする方法について、1 5秒で鼻から息を吸う→2 10秒かけて口から息を吐く→3 さらに5秒かけて、肺にある空気を全て吐ききる というように、時間と方法を示し、誰でもできるように分かりやすい記述になっています。

今までの「緊張本」や「あがり症本」は、本番での対策がメインに書かれていたようにおもいますが、「それは対症療法」としては正しいものの、「根治療法」にはならないのです。本書でお伝えした内容は、あなたの「緊張しやすい性格」や「あがり症」を根本的に直す方法です。そのための事前トレーニングです。(中略)緊張するかどうかは「前日までに9割決まる」のです。

樺沢紫苑 いい緊張は能力を2倍にする 文響社  p.244~245

緊張感を上手に活用していく

ピアノの練習をするとともに、緊張のコントロール法についての知識と対処法を知って準備を進めていくことで、より自分らしい演奏につなげることができます。

最後に、発表会そのものについての直接の記述があったので、そこをご紹介します。「目的にフォーカスする」という部分での記述です。

演奏会、発表会の目的は、間違えないで完璧に演奏することではなくて、お客さんが楽しんでくれたり、お客さんが感動してくださるということではないですか?(中略)言い換えると「間違えないで演奏する」は「あなたの目的」であり、「演奏を楽しみたい」が「お客さんの目的」です。(中略)あなたが最終的な達成すべき目的は何か?その目的にのみフォーカスして、余計なことは考えない。

樺沢紫苑 いい緊張は能力を2倍にする 文響社  p.233~234

まず、ピアノそのものの練習をしっかりしていく。そのうえで、緊張への対処法も事前に練習しておく。さらに、目的にフォーカスしていく。

準備段階の大切さを改めて考えつつ、生徒さんの本番に備えていきます。

2019.07.16

練習を楽しむ

昨日は、久しぶりに決まった予定のない1日でした。練習するにはもってこいの良い日です。

練習を楽しむ。バッハに教えてもらう、ピアノにも教えてもらう、そんな気持ちで練習しています。

最終的に弾きたいテンポを意識する

この前のレッスンの時に教えていただいた虫様筋を意識しての練習。深さの加減がまだはっきりとつかみきれていない気がしていたので、丁寧に丁寧に。

「このあたりかな?」と分かってきているとは思うものの、ちょっとした違いで響きが変わってきてしまいます。

バッハのフランス組曲、アルマンドの練習は、ゆっくりと手の使い方を意識しながら。打鍵だけでなく、離鍵にも気を配るようにしながらゆっくり。

先日のレッスンの時に、大野先生と一緒に見てくださったメソッド講師の比嘉先生から「ゆっくり練習するときにも、テンポをあげて弾く時のイメージを持って手を使う練習することが大切」と教えていただきました。

なるほど、そのとおりです。今まで、その部分の意識が不十分だったために、速く弾くと崩れてしまったり、手の使い方が変わってしまったりしていたのだと、その時とても納得しました。

クーラントをゆっくり練習してみる

先日のレッスンでは、ゆっくりしたアルマンドとサラバンドだけレッスンしていただき、その後もポジションを意識するために、その2曲にしぼって練習していました。

昨日は時間もあることだし、とクーラントも練習しました。速く弾く時の手の使い方を意識してゆっくり練習して、一つずつまとまりを確認しながら、どう動かしていけばスムーズだろうか、と考えながらの練習です。

こちらは、まだ、速く弾く段階にまでは行っていません。ゆっくりの練習を繰り返して、手の使い方をしっかり身体に覚えさせたいと考えています。

ピアノを弾いている時間は楽しい

80歳を過ぎた、恩師の松原正子先生はお会いするたびに、いつもおっしゃいます。
「いくつでも、進歩するのよ。私も進歩しているから。まだまだこれからよ。」「そう思って私も毎日練習しているの。あなたもいろいろ勉強なさいね。」

はい、ほんとうにそのとおりです。そう思って毎日練習し、勉強しています。でも、それはとても楽しい時間です。

作曲家とつながる感覚の持てる時間。楽器と対話できる時間。そんな時間の持てる幸せを感じつつ、ピアノに向かっています。

2019.07.15

前向きなエネルギー

年齢に関係なく、自分の目標に向けて努力している人は、前向きのエネルギーを感じます。

生徒さんとのレッスンで、そのエネルギーをたくさん感じることができます。

年中さんの元気なエネルギー

幼稚園年中の生徒さん。ここのところで、音符も読めるようになり、リズムも分かり、いろいろなことをどんどん吸収しながら、成長しています。

七夕の短冊に「ピアノがじょうずになりますように」と書いたのだそうで、とても前向き。

先日のレッスンでも、にこにこしながら来て、音楽ワークの○つけをして、次の宿題の説明をして…その後に、「ピアノ、聞かせてね。」と言うと「やった!」とすぐピアノに移動。

「アルプスいちまんじゃく、弾けるようになったんだ。」と言って楽しそうに弾いてくれました。

音楽を楽しんでいる姿。できるようになったことを、自分自身がとても喜んでいる姿。ほんとうにかわいいし、前向きのエネルギーにあふれています。

次の「きらきらぼし」も、音符が読めるので、まず、一緒に歌ってみました。最初、2分音符をのばさずに、次にいってしまい、「そうだ、ここのばすんだ。」と自分で気がついてすぐ修正。

最後まで、階名で歌いきり、すぐピアノで練習しました。

次の「ゆかいなまきば」は、ぱっと見ると、今までよりも長いので「難しそう。」と言っていましたが、階名で歌ってみると、「ド」が続くことが分かり、「簡単だね。」ということで、こちらもすぐにピアノで練習を始めました。

中学生の知的で前向きなエネルギー

中学生の生徒さんも前向きです。中学1年生の生徒さんは、学校の勉強、部活動に、塾にと多忙な生活を送っています。

今度、クラスの合唱の伴奏オーディションにチャレンジしたいということで、楽譜を持ってきました。

発表会もあるけれど、こちらの譜読みも始めたいとのことで、やはりここでも積極的な、前向きなエネルギーがたくさん。

別な中学生の生徒さんは、去年からピアノを始めました。とても知的好奇心が旺盛で、「これはどうしてですか?」とか「これはどんな意味ですか?」とか、「この曲の練習のポイントはなんですか?」と疑問に思うことを聞いて理解しようとしています。

小さなことの積み重ねが大きな力になる

小さなことでも、自分で「これをしよう」と行動を選んで実行する。その積み重ねが大きな成果につながっていきます。

一つはそのものの進歩として。ピアノで言えば、音符が読めるようになった、とか、この曲が弾けた、というのがそれにあたります。

もう一つ大きいのは、「やろうとしたことができるようになる」体験を通して「やればできる自分」というのを意識できるようになることです。

自己肯定感につながるこの感覚、ピアノで養うことができます。そして、これは、とても大きいことです。

小さなお子さんの姿を見、中学生を見ると、「こういうふうに成長していくんだな」ということがとてもよく分かります。

そして、私自身も進歩していく前向きな力を生徒さんたちが感じられる自分でありたいと思っています。

2019.07.14

それぞれのペースでそれぞれのゴールを目指す

ピアノを習いたい目的は人によってさまざまです。ゴールもさまざま。それぞれのペースでそれぞれのゴールを目指していくことを大切に考えています。

発表会に出ることも、大きなチャレンジです。その一つのゴールに向けてのプロセスも人によって違います。

緊張しますね。チャレンジです。

大人の初心者の生徒さんも、今回参加されます。先日のレッスンで、ご自分のパートが上手に弾けていたので、私と合わせる練習を始めました。

隣に人がいて、自分が弾く音以外の音が聴こえてくる。その中で、連弾のもう1人の音も聞きながら、自分のパートを弾いていくこと。

簡単そうで、これは難しいことです。しかも、相手のパートのリズムが自分と違うと、拍子の感覚も変わってきます。

その生徒さんも最初は「緊張しますね。」と言いながら、合わせる練習を始めました。

最初は緊張しつつも何回か練習していくうちに、慣れてきます。慣れると自分のパートと相手のパートの音の重なり具合が分かってきます。

そうすると、相手の音を聞きながら、自分の音を出すことに不安がなくなり、だんだん合わせられるようになっていくのです。

だんだん練習していくうちに、合うようになりました。「自分としても、今回、人前で弾くなんて、チャレンジですけど、やってみようと思って。」とおっしゃっていました。

自分の成長の節目として

私自身のことを思い出しても、「小学校○年生の時に、あの曲を弾いて…」ということは、よく覚えています。

大人になって再開してからも、「あの時はドビュッシーを弾いた」とか「ブラームスだった」とか、発表会や、定期演奏会など、ステージで弾いた曲はよく覚えています。

自分にとっての節目になり、そこへのプロセスもあるからこそ、記憶にしっかりとどまるのでしょう。

今回の発表会が、生徒の皆さんにとって、成長の節目として記憶にとどまるものであるということを意識して、レッスンしています。

かえるは5匹!

昨日の「曲のイメージを考える」の続きになりますが、お話を考えたり、どんな景色を曲にしたりしたのかを、いっしょに考えていいます。

いろいろな風景が眼の前に描き出されてきて、話を聞いているととても楽しくなりました。

大きいかえると、小さいかえる

「かえるの行進」という曲を弾いている生徒さん。小学校2年生です。

「どんなかえるなの?行進、ていうけど何匹くらいいるの?」と聞くと、元気よく、「かえるは緑だよ。大きいかえると中くらいのかえると、小さいかえるがいるんだよ。」とはっきりした返事が返ってきました。

「そうなんだ。」
「強く弾くところは、大きいかえるがぴょん、って跳ぶところ。弱く弾くところは、小さいかえるが跳ぶところ。」

「じゃあここは?」とメゾフォルテの部分を指して聞くと、
「そこは、中くらいのかえる。」

「じゃあ、○○ちゃんの頭の中には、何匹かえるがいるの?」
と聞くと、楽譜を見ながら数え始めました。

「ここに中くらいのかえるがいて、ここにもう1匹いて、ここで大きいかえるで、ここは小さいかえるで、ここに中くらいのかえるがもう1匹。全部で5匹いる。」

「行進」という題名ですから、5匹くらいはいそうですね。話を聞いていて私の頭の中にも、かえるが行進している様子が浮かんできて、とても楽しくなりました。

イメージがはっきりしていているので、それが聴いてくれる人に、より伝わるように、さらに表現の仕方を工夫していきます。強さ、弱さの度合いも考えていきます。

ひなたぼっこをしているのは

「ひなたぼっこ」という曲を選んだ生徒さん。「だれがひなたぼっこしているところなのかな?」と聞くと、「犬!」という返事。

ちょっとびっくりして、「犬?どんな?」と聞くと
「茶色と白の犬。」
とこちらも頭の中に、景色が浮かんでいるようです。

「どんな場所で?」
「中くらいの広さのお庭。犬用のすべり台があるお庭。」

犬用のすべり台は、どこかのドッグランで見たそうです。頭の中に、その時の風景が浮かんでいるのかもしれません。

「じゃあ、そこにいる犬が、どんなふうにひなたぼっこしているのか、お話を考えてみようね。曲がここでこういうふうに変わっているから、犬は動いたのかな?誰か来たのかな?」

昨日は、そこでちょっとつまってしまいました。犬がひなたぼっこしているところが頭に浮かんだのかもしれませんが、途中で曲調が変わっている部分もあります。そこのお話までは、ちょっとすぐには浮かばなかったのでしょう。

次回までに考えてくることになっています。どんなお話が聞けるのか、楽しみです。

想像力をはたらかせて

いろいろな場面を想像していく。想像力をはたらかせて、考えていく (もちろん曲に即して) 。そうすることで曲の変化の様子を、より具体的に表現できるようになります。

昨日書いたピアニストのレッスンでも、歌詞のないピアノ曲の中に、情景を描き、それを表現することを教えてくれていました。

バロックの舞曲では「そこは、王様と女王様がこうやって踊っているところ。」ラフマニノフのピアノ協奏曲の一節について「そこは、亡くなってしまったかつての恋人を思って、叫んでいるところ」というように。

小さいうちから「自分の音楽を表現する」ことを大切に積み上げ、想像力、創造力を培っていきたいと考えています。

2019.07.12

聴く人にイメージを届ける意識を持つ

発表会に向けて、生徒さん一人ひとりが頑張っているところです。だいたい、最後まで弾けるようになってきて、暗譜もできてきました。

この次は、さらにその曲をどのように仕上げていくか?という段階になります。どんな音楽を聴いてもらいたいのでしょうか?

題名から曲全体のイメージを描く

演奏をしていく上で、自分の作りたい音楽のイメージが明確になっていることはとても大切です。

題名を読むと「ああ、なるほど。」と分かりやすい曲もたくさんあります。

例えば、湯山昭作曲「お菓子の世界」の中の「チョコ・バー」。口の中でいろいろな味、食感が弾ける様子がとても分かりやすいです。

「パリの花売り少女」という曲があります。こちらも、「花売り少女」を描いた絵を見たり、パリの風景の写真を見たりしていくと、イメージがわいてきます。

花をかごに入れてたくさん持っている少女が立っているのでしょう。どんな建物が近くにあって、どんな人達が行き来しているでしょうか。

子どもさんが演奏する曲の場合には、題名から、曲全体を考えていくと、イメージがつかみやすいですね。

細かく部分ごとのイメージを考える

今度は細かく部分ごとのイメージを考えていきましょう。

さっきの「チョコ・バー」もそうですね。音楽が変わる部分ごとに、ここは、ナッツかな?ここはシリアル?

チョコ・バーには、マシュマロが入っているものもあるようですね。そこを具体的に考えていくと楽しいかもしれません。

「パリの花売り少女」もそうです。お客さんがお花を買ってくれたでしょうか。それとも、街の中を歩いて、違う景色を見たのでしょうか。

そんなふうに、お話を考えていくと、楽しいかもしれません。

聴く人に届くように

もう一つ大切なことは、聴く人に届くようにするにはどうしたらよいか、ということです。

以前、ある世界で活躍するピアニストのマスタークラスを聴講したことがあるのですが、「聴いている人が分かるように」ということを何度も言っていました。

特に、曲の中で、雰囲気が変わる部分。前とは違う、新しい場面に入るということが聴いている人に伝わるように、ということです。

日頃、自分ひとりで練習して、レッスンに行ってということの繰り返しだと、この「聴く人に届くように、伝わるように」という部分を忘れがちです。

発表会のように、聴く人がいる場で弾くことは、「届ける、伝える」意識を持って演奏できるようになるために、とても良い機会です。

一生懸命練習している生徒さんたち。ぜひ、「届ける」「伝える」気持ちを持てるように、私もレッスンしていきます。

2019.07.11

虫様筋も他の部分も意識する

火曜日、自分のレッスンに行ってきました。今回はメソッドの先生もいらっしゃる日だったので、いつもとまた違う視点でのご指導もしていただくことができました。

虫様筋を意識することについて、先生もブログに書かれていらっしゃいましたが、それを実際にレッスンしていただきました。

虫様筋でしっかり支える

「虫様筋を意識する」とともに、鍵盤の狙う位置が重要なポイントであること。今まで私が捉えていた部分よりも、もう少し浅い位置を狙うこと。一瞬もたれる、でもすぐ力を抜くこと。

1音ずつ出してみて、響きを聴いていきます。「この音は深いところを弾いている」「今度はもたれていない」など、何回も探っていきます。

途中で、メソッドの先生が見本を見せてくれたり、大野先生が弾いてくださったり。

少しずつですが、感覚がつかめてきました。ただ、一方で「虫様筋を意識して、力がしっかり入った状態、支えている状態」だけに意識が集中しがちになります。

今度は腕がうまく使えていなかったり、手首を下から持ち上げて支える意識よりも、上から引っ張り上げる意識のほうが強くなりがちです。

常に腕の付け根からひじ、手首の下への意識も持つこと。他の指に余分な力が入らないこと。すべてが関連してようやく、弾いている「その1音」の響きがふくらんできます。

まとまりを意識しながらゆっくり練習する

次に、今回練習していったフランス組曲のアルマンドでその響きを作っていくレッスンをしていただきました。

その時に、鍵盤を押し下げる時の意識とともに、離す時にももう少し意識を持ったほうが良いこと。

つい、「次の音を弾く」ほうに気持ちが向きがちですが、離鍵を丁寧にすることで、音楽がより美しくなっていきます。

同時に、ゆっくり練習するときには、つい1音1音でとらえがちなのですが、まとまりを意識して、その時の手の使い方をあらかじめ考えながら弾いていくことについても、指摘していただきました。

それをすることで、テンポをあげていったときにもスムーズに対応できるようになるのです。

浅いところをねらう

自宅でも、実際に曲をゆっくり弾きながら、「腕から手まで」「虫様筋」「浅いところ」「鍵盤を離す時」「まとまりとしての手の動き」を意識しながら練習を始めました。

一度にやることがたくさん!でも、毎日続けていくことで、少しずつ響きをより豊かにしていくことができます。

ガブリーロフの演奏でも、さまざまな音色、さまざまな表現ができることのすばらしさに感動しました。

少しでも、あの音のイメージに近づけるように…と目標を高く持ち(目標そのものはどこに置くか、自由ですから)練習していきます。

2019.07.09

スタンフォードの自分を変える教室

「スタンフォードの自分を変える教室」という本を改めて読みました。以前にも一読していたのですが、その時には知っている内容も多かったので、特に印象に残ったということはありませんでした。

今回、本の整理をしていて見つけ、もう一度読んでみると、興味深いこと、大切なことがたくさん書かれています。

目先の報酬と将来の報酬

ピアノとの関連ということで考えると、「将来を売りとばす―手軽な快楽の経済学」という章は特に示唆に富んでいます。

人間の脳は、目先の報酬と将来の報酬を天秤にかけるとき、ふたつの選択肢に対する脳の反応はまったく異なるのだそうです。目先の報酬は脳の原始的な報酬システムに働きかけ、ドーパミンという脳内物質によって欲求が生まれます。

将来の報酬の価値は進化をとげた前頭前皮質。人類の脳だけが他の動物に比べて大きな割合を占めている部分です。

もともと人間の報酬系も、食べ物を手に入れるために働いていた期間が長いわけです。だからこそ、より本能的な目先の報酬にひかれてしまいがち。

ピアノで言えば、「練習すること」の報酬は、曲が弾けるようになること。さらに、それをずっと続けていけばピアノが上達することです。

ピアノの練習よりも「今、テレビがみたくなる」「今、ゲームがしたくなる」というのは当然のことなのです。

ではどうするか?

本には解決策が4つ書かれていますが、ピアノの練習に役立ちそうなものは1つめと4つめです。

ほんの少し待つことで、「目先の報酬」だったものが「将来の報酬」になる。だから「10分待ってから○○しよう」と考える。

あるいは、取り組むのが大変だけれど大切なことは「10分間だけやろう」とする。実際にはそうするともっとたくさんできるようになるのだそうです。

ピアノで言えば、練習をまず10分だけしてみる、ということですね。

もう一つは「将来の自分に会う」こと。将来のことを思い描いたり、将来の自分に手紙を書いたりする。

上手にピアノが弾けるようになっている姿。人前で堂々と演奏する姿。あるいは、好きな曲を弾けるようになっている姿をできるだけはっきりと想像することで、行動を変えて、今日の練習につなげていくことができるのです。

科学的な根拠に基づく説得力

この本には、さまざまな実験の結果が書かれています。また、スタンフォード大学での人気公開講座を元に書かれているので、実際に講座に参加した人たちによる実践やフィードバックも本の中に反映されています。

だからこそ、説得力のある記述が続きます。

この他の章にも、数多くの事例をもとにした「意志力」を鍛える方法が書かれています。

私自身も、まだまだ身につけたいけれども、なかなか身についていない習慣があります。せっかく本棚から「再発見」された本ですから、この本を参考にしながら、「意志力」をさらに鍛えていこうと思っています。