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2019.07.29

発表会のリハーサル

一昨日、土曜日の夜に、発表会のリハーサルをしました。本番と同じ会場、同じピアノで練習することで、本番をイメージしやすくなります。

出入り、おじぎの練習もしてみました。ピアノまでの距離が長いので、その点でも勝手が違い、よけいドキドキしたかもしれません。

会場の雰囲気に慣れる

今回は、お隣の市、坂戸にあるホールです。高さのあるステージで、客席も造り付けてある、いわゆる「ホール」という感じの会場です。

客席にお客さまもいらっしゃいます。その中で、演奏する。照明も明るいし、雰囲気がいつもとは全く違います。

その中で演奏するということは、とても緊張します。緊張の中でも、自分の実力が発揮できる、ということが大切です。

一つは練習がしっかりできていること。自信を持って弾けるかどうか、につながってきます。これは、日常の積み重ねなので、この後1週間の日々の取り組みにかかってきます。

もう一つは、緊張のコントロールができるかどうか、ということ。今回のリハーサルはこちらが中心になります。

緊張する場面を思い浮かべた時に、実際のステージがどれだけ現実感を持って思い浮かべられるか。実際に体験していれば、その部分がよくわかります。

それをもとに対策が立てられるということ。それを目標にしています。

経験者はやっぱり落ち着いている

今回、みんなほんとうにドキドキしていました。その中で、落ち着いて、日頃の成果を発揮していたのは、やっぱり発表会経験者。

私の教室の場合、ほとんどの方が、初めての発表会なのですが、何人か、今までに経験している生徒さんがいます。

その生徒さんたちは、さすがに落ち着いていて、レッスンとほぼ同じか、それ以上に弾けていました。

経験するというのは、大きいと改めて思いました。同時に、今回、リハーサルを同じ会場で計画しておいて良かった、と改めて思いました。

緊張を上手に味方にする

緊張をコントロールし、味方にすることで、パフォーマンスを上げることができます。

今回は、人数が少ないので、1回弾いたあと、もう一巡、練習ができました。やはり、2回めのほうが、はるかに落ち着いて弾くことができていました。

慣れる、ということは大切ですね。また、本番のイメージがつかめたことで、この1週間の練習そのものが変わってくるでしょう。

生徒さんが、良い緊張の中で、自分の力が発揮し、納得のいく演奏ができるようにしていきたいと考えています。

2019.07.27

ピアノ連弾を楽しむ

連弾では、音の重なり方が1人で弾く場合と変わってきます。音の厚みが出たり、新しいメロディーが聞こえてきたり、さらに、違う音楽性が重なって、また新しい表現ができたり。

特に、初心者の方の場合、連弾を弾くことで、リズム感、テンポ感も養われていきます。

今回、発表会で演奏する初心者の生徒さん。それぞれ連弾を楽しめるようになってきました。

リズムにのって弾く

1人の生徒さんは、3月からレッスンを始めた小学校1年生。練習も習慣がついていて、よく頑張っています。

「~です。」ときちんとした言葉遣いで話ができる、しっかりした女のお子さんです。

前回のレッスンでは、間違うとその小節から、あるいは弾きやすい部分に戻って弾き直していました。

どこから弾き直すのか、場合によって変わってきて、こちらには分からないので、「間違ったとき、途中から入ってみようね。」と話しました。

その時は、「難しい…。」と言っていたので、「じゃあ、それは意識しなくて良いから、何回もいっしょに練習してみよう。」ということで、繰り返して何回も練習をしました。

1週間たった今回のレッスン。時につまづくことがあっても、すぐその後、私の伴奏に合わせて続けて弾けるようになっていました。リズムにのって弾いている様子がよく分かります。

伴奏を聞く余裕も出てきたのでしょう。今回のレッスンでも、何回も合わせる練習をしました。

音の重なりの楽しさを味わう

もうお1人の生徒さんは、社会人の方。お仕事がとても忙しく、なかなか練習時間はとれませんが、ピアノを弾くことを楽しんでいます。

今回、ちょっとおもしろい連弾曲を選んでいます。「きらきら星のカノン」といって「きらきら星」と「パッヘルベルのカノン」を組み合わせた曲です。

こちらの場合は、全く違う2曲が組み合わさっているので、一人で弾くのと連弾で弾くのとでは、ずいぶん印象が変わります。

毎回、弾き終わると「ほう」と、感心したように言います。一人で弾くのとは全く違う音の重なりを味わっているような感じです。

一緒に演奏することの楽しさ

もともと音楽は「楽しむ」もの。楽しくたくさんの人たちと交流することができます。

演奏する人と聴く人と、という関係が一番分かりやすいかもしれません。連弾の場合には、そこに演奏する人同士の交流が入ってきます。

演奏する人同士の心の交流、そして聴いてくれる人との心の交流。これが会場の中に満ちてくると、より楽しさを味わうことができるようになります。

今日はリハーサル。本番に向けて、少しでも楽しさを味わえるように。生徒さんがピアノを弾くことが楽しいと思えるように。

私もしっかり準備を整えていきます。

2019.07.26

本番と同じ練習をする

今週末に発表会のリハーサルがあるので、レッスンでもそれをイメージした練習を始めています。

舞台袖から出ていって、お辞儀をして、座る。座ったら一度膝に手を置いて、深呼吸して鍵盤の最初の音の位置に手を置いて…と動きを確認していきます。

リハーサルは緊張のコントロールに役立つ

先日もご紹介した「いい緊張は能力を2倍にする」という本の中にも、準備の大切さはかなりのページを割いて書かれています。

緊張状態では、ノルアドレナリンという物質が分泌されています。ですから、「ノルアドレナリンを下げる」ことで緊張は緩和されます。(中略)

ノルアドレナリンを一言でいうと「原始人が猛獣と出会ったときに出る脳内物質」と考えるといいでしょう。(中略)

ノルアドレナリンは、私達を生きるか死ぬかの限界状況から救ってくれる、危機回避のための緊急物質なのです。

樺沢紫苑 いい緊張は能力を2倍にする 文響社 p.136~137

そして、ノルアドレナリンをコントロール術1として「徹底して準備する」ことをあげています。

発表会の場合、「本番さながらの準備」がリハーサル。今回、わざわざ本番と同じ会場を借りてリハーサルを行うのも、会場の雰囲気に慣れておくためです。

そして、リハーサルのさらに前に、動きも含めて理解しておくと、リハーサルの時には演奏の部分により重点を置いていくことができます。

ですから、歩いていって、お辞儀をして、ピアノの前に座って…という練習をしているのです。

お家で本番と同じ洋服を着て練習する

お家での練習でも同じです。本番と同じ洋服を着て、靴をはいて。特にペダルを踏む曲を弾く場合には、靴のリハーサルは欠かせません。

できれば、その時に、ご家族に聴いてもらえるといいですね。一人でも二人でも聴き手がいると、緊張感が全く違います。

そして、本番と同じように舞台袖(のつもりの場所)から歩いていってお辞儀をして弾く。弾き終わったらまたお辞儀をしてもどる。その練習をすると、ずいぶん緊張感が違ってきます。

私も必ず本番のドレスを着て、靴を履いて、ピアノを全開にして…の練習はしています。洋服の袖がないだけでも、手の感覚が違いますし、譜面台を抜くとハンマーが全部見えて、これもまた感覚が変わってきます。

緊張のコントロールを他の場面に生かす

緊張する場面というのは、ピアノの発表会だけではありません。むしろ、入学試験であったり、面接であったりと、人生の大きな節目にあたる重要な場面であることが多いでしょう。

ピアノの発表会に出る、という経験を通して、緊張のコントロールを身につけることができれば、お子さんの場合は特に、これからの節目の重要場面に生かすことができます。

そういった経験を増やす、という観点からも、ピアノを習うことには大きな意味があるのです。

2019.07.25

ピアノは自分を成長させる

習い事は、多かれ少なかれ自分自身を成長させることにつながります。できなかったことができるようになった、ということは誰でもうれしいものです。

特に子どもさんにとってはそうでしょう。日々成長していく子どもさんたち。その中でも、ピアノを習うことは、日々の練習の成果をレッスンで確認することで、1週間毎に「できた」を実感でき、成長を実感できる場になります。

自分でこうしたい、と思うことが大切

弾く時に、誰でも弾き方の特徴があります。私の教室にいらっしゃる生徒さんでも、姿勢、手の使い方など、一人ひとり特徴があります。

時には、演奏する上で、マイナスになる弾き方になる場合もあります。やはり多いのが、指が伸びた状態で弾いていること。

その都度、「指を立てようね。」と言い、指の付け根から曲げるように、指の体操をしたり、教本に付箋を貼って、意識できるようにしたりしています。

やはり、指が伸びて手前に引っ張るように弾いている、小学校低学年の生徒さんがいました。

真下に力がかからないので、一生懸命弾いているのに、音が出ないこともあります。今までも、何回も言ってきたのですが、なかなか直りませんでした。

発表会も近くなり、その生徒さんも、練習をとても頑張っている様子。毎回、レッスンの終わりには、「何に気をつけて練習してくる?」と聞くのですが、「指を立てること。引っ張らないこと。」と2週連続で言っていました。

その部分に、自分自身が「気をつけよう」と思っていることがよく分かる言い方でした。

前回のレッスンでも、だいぶ良くなっているな、と思ったのですが、今回のレッスンでは、「指を立て」て「引っ張らずに」弾くことができるようになっていました。

自分で指を立てて弾こう、と思い、家でも気をつけて練習したきたことがよくわかりました。

自分の状態を見る力がついた

曲の途中、少し引っ張っていた部分があったので、「他は大丈夫なのに、どうしてここは元の弾き方になったのかな?」と聞いてみると「音が右手も左手も両方動くので、いそがしいからだと思います。」と原因も自分でわかっていました。

自分の状態を見ようとすること、そしてそれが実際に見られること。これも大切な力です。

自分自身が「ここに気をつける」と意識することで、「どうなっているのかな?」と、その部分に関心を持って確認しながら練習することができます。

今回の生徒さんの場合も、自覚することで自分の状態が見られるようになっていました。だからこそ、自分自身で気をつけることができるようになっていったのです。

できるという実感の積み重ね

自分で課題を自覚する→練習の時に自分の状態を見ることができて、改善していく→できるようになる→できるようになったことを確認して、次への意欲がわく

このサイクルが、人を成長させていきます。今回、「できるという実感」を持ったその生徒さん。

ピアノは家で練習することが必要だからこそ、「自律」する力がついていきます。そして「できるという実感の積み重ね」は自己肯定感につながっていきます。

ピアノを習うということは、ピアノそのものの上達だけではなく、人として成長していく力を養うことにもつながっています。

2019.07.23

耳の横を意識する

昨日は、自分のレッスンに行ってきました。今回も、新しい発見がありました。自分の感覚をレッスンの度に更新していくことになります。

腕の下側を意識しつつ、鍵盤の浅いところを狙う

前回のレッスンで虫様筋に力をいれること、そして鍵盤の底よりもほんの少しだけ浅いところを狙うことを教えていただき、2週間、練習していました。

私の場合、虫様筋に力を入れようという意識を強く持つと、手首が固くなっていることがこの2週間の練習の中で分かってきました。虫様筋への意識と同時に腕の下側を相当しっかり持ち上げる意識を持つことが大切なのです。

鍵盤の深さについては、「このあたり?」「まだ深いかもしれない」という感じを持ちつつ、レッスンへ。

先生のピアノで弾いても、最初は「ここかな?」「深い?」と探る感じでした。聴いていただくと、「紙1枚分、深い。」とのこと。微妙です。

手前から奥に向けて指を入れていたのを、真上から真下へ入れるような感じで手を使ってみました。今度は、音に広がりが出てきたので、ポイントをつかめたようです。

耳の横に意識を持っていく

「耳の横、この辺に意識を持って、弾いてみると、音楽が変わってくるんですよ。」と先生に言われ、耳の横に軸があるようなイメージを持って弾いてみました。

まず、座って弾き始める段階で、今までと姿勢が変わることに気づきました。

今まで、自分の中で響きを追う時に、目の前からピアノの奥に向かって上がっている響きを追う、という意識で弾いていました。

耳の横を意識することで、より広い範囲にある響きに意識が向きました。自分自身の横、もう少し後ろまでとらえようという感覚になります。

確かに、自分自身がどこに音を、響きを伝えようとしているのか、というのは音楽を聴く人に届ける上で重要なことです。

より立体的に、より広い範囲に意識を持っていくことができました。「音楽が変わる」ということとつながっている気がします。

音をとらえる感覚を成長させていく

耳で響きをとらえられるようになると、響きの質、音の質が変わっていきます。身体の使い方も、自分の耳で確認しつつ、調整していくことができます。

今回、また一つ、音をとらえる時の感覚を変えることができました。成長、と言ってもいいでしょう。

一つずつ、自分自身の中にあるものを磨き、成長させていくことで、さらに良い響き、良い音楽を目指していくことができます。

いくつになってもそれができること、そのものを楽しみつつ、また、今週も練習していきます。

鍵盤の上の空間を使う

ロシアピアニズムの奏法のレッスンに、遠方からいらっしゃっている生徒さんがいます。

「耳で響きをとらえる」という感覚が身につき、ピアノの響きそのものも大きく変わってきました。

まとまりを意識して手を動かしていく

ショパンのノクターンのレッスンをしていて、全体としての響きがずいぶん美しくなったと思いつつも、気になる部分がありました。

オクターブや、それ以上の音程の跳躍部分です。ドからドへうごく、その2つ目の高いドの音が、押さえ込まれた感じの響きの少ない音になっていました。

手の使い方を見ていると、小指の付け根の部分が使えていません。そのために、響きの薄い音になっていたのです。

逆に、小指の付け根を使えるように手を動かすにはどうしたらよいか、と考えていくと、その前の低いドの時の親指の使い方で高さを出すこと、そしてその親指を起点に上から子指を入れていくような感覚で弾いていくことが重要であることが分かりました。

響きの薄い音があったときには、その前の音を出す時の指の使い方に気をつけていく必要があることは多いです。

まとまりを意識して、手を使っていくことで、ポジションを一定に保ち、美しい響きを保ちやすくなります。

鍵盤の上の空間を使う

もっと大きな跳躍音程の部分の場合はどうしているのでしょう。曲の中には13度の跳躍もあります。

そういう時の弾き方、「こんな感じで」と私が弾いてみると、「鍵盤の上の空間を使っているんですね。」生徒さん。

確かにそうです。鍵盤の上の空間を使っています。そのことで、真上から子指を使って打鍵することができるようになります。

ロシアピアニズムの奏法の場合、移動も単純に最短経路を平行に移動するのでなくて、鍵盤の奥行きも使うし上も使っています。

立体的なイメージで鍵盤と対することで、響きも立体的になっていきますし、同時に音楽も奥行き、広がりができていきます。

響きで音楽を作ることの楽しさ

家で練習をしていたら、生徒さん本人よりも、ピアノ経験の長いご家族の方から「音が変わった」と言われたそうです。

どうしたらより良い響きで演奏することができるか?ということを常に考えているからこそ、音のとらえ方も変わってきます。

その積み重ねの中で、耳も響きを聴き分けられるようになっていくし、手や身体の使い方も変わっていきます。

その結果として、音楽の感じ方そのものも大きく変化していきます。それが、とても楽しいのです。

生徒さんの演奏を聞きながら、奏法の持つ魅力を改めて感じました。

2019.07.21

自分でできるようになった

お子さんから大人までの生徒さんに通ってきていただいてます。最年少は5歳の年中さん。最年長は60代の方。皆さんそれぞれに、音楽を楽しんでいらっしゃいます。

そして、「できるようになった」という実感が持てることが、楽しめるようになるためには、とても大切です。

音符が分かるようになった

まだ、レッスンを始めて日の浅い、小学生の生徒さん。ドレミファソの音符を読んでいくのが大変そうでした。

前回のレッスンで、「おんぷちゃん」というアプリを使い、ゲーム感覚で音符を読む練習をしてみました。

分からないものが出てきたら「パス」して良いルールにして、実際にやってみたら、だいたい半分くらい、できました。

そばで見ていたお母様が「そういうアプリがあるんですね。」と興味をお持ちになり、「何種類かありますよ。」とお伝えしておきました。

今回のレッスンで、また「おんぷちゃん」アプリで音符を読んでみたところ、全問正解!バッチリです。

「実は、家でもアプリを入れてやってみました。どうしたらできるようになるか分かったので。こうすると、どんどんできるようになるんですね。」とのこと。

教本の譜読みもとてもスムーズにできました。

自分で譜読みをして弾いてきた

最年少の幼稚園年中の生徒さん。やはり始めてから日が浅いのですが、お家でも毎日練習しているそうで、どんどん上達しています。

以前は、お母様がお家でしっかり見ていらっしゃったのですが、ここのところ忙しくて、練習もおばあちゃんに見てもらいながらも、自分でしているとのこと。

「ピアノひけるよ!ジュニア1」で今回、「きらきらぼし」と「ゆかいなまきば」が宿題でしたが、次の「ビッグベンのかね」も「練習してきた!」

聞かせてもらいました。音符を見ながら、3拍子をしっかり数え、上手に弾けていました。一緒に聴いていたお母様もびっくり。

「一人でここまでできるようになっているんですね。」

お子さんの成長の速さに驚いていました。

いくつになっても

成長は、いくつになってもできます。もちろん、大人の場合には、小さいお子さんほどの柔軟性はありませんが、逆に「知的理解」という要素が使えます。

「どうしてこうなるのか?」ということを理解していくことで、上達・成長を早めることができます。

実際に、始めて3ヶ月で、両手で弾けるようになっている大人の生徒さんもいらっしゃいます。フルタイムでお仕事をしているし、残業もありますが、スキマ時間を上手に活用し、練習時間を確保しているそうです。

15分ずつであっても、練習していくとその積み重ねはとても大きなものになります。そしてできるようになると、できるようになった自分がとてもうれしくなります。

生徒さんが「できるようになった」という実感を持てるように、また、レッスンでサポートしていきます。

2019.07.20

緊張との付き合い方

先日から、緊張をコントロールするための準備について、生徒さんにお伝えしているところです。

反応もそれぞれですが、いろいろな今までのエピソードも聞くことができました。

すごくドキドキする

「遠足の感想発表のときに、ドキドキして、緊張しすぎて、泣いちゃったことがある。」と話してくれた生徒さん。

いつも前向きに頑張って練習していて、とてもしっかりしているので、ちょっとびっくりしました。

「今回は、感想発表と違って、前もって準備できることだから、しっかり準備できているから大丈夫。」と話しました。

「深呼吸は学校で練習している。」という話もしていたので、ちょっとやってみました。5秒かけて鼻から吸って、は良かったのですが、15秒かけて口から吐いて…のところで、どんどん吐いてしまって「ながい!!」

「でも、まだあと5秒かけて全部息を吐くんだけど…。」と言うと、「もう息がない」ということで、どんどん吐きすぎていたことがわかりました。

「じゃあ、練習しておこうね。」と話しました。

ポジティブワード、これいつもやっている

別の生徒さん。もう中学生ですが、本人も「私は本番に強いから。」と言い、お母様も「この子は本番に強いんですよね。」と言っています。

プリントにしたものにさっと目を通して、「私、これいつもやっている。」と言ったのが「ポジティブワードを言う」というもの。

「弱気になるとだめなんですよね。だから、いつも『できる』って思うようにしている。」とのことでした。

心の中でどんな言葉を言っているか、自分自身の状態に与える影響は大きいようです。

発表会をきっかけに学ぶ

小中学生の生徒さんにとって、これからも緊張する場面はたくさんあるでしょう。その時に、先ほど紹介した生徒さんのように「私は本番に強い」と思えるというのは、とても大きな力になっていきます。

発表会という場をきっかけに、緊張のコントロール法を学び、「本番に強い」と思える自信をつけていく。

ここにも、ピアノを学ぶことの大きな意味があると考えています。

2019.07.19

行田古代蓮の里

先日、行田にある「古代蓮の里」に行ってきました。蓮の花は朝、開くので、朝8時頃着くように行ったのですが、もう、けっこうな人出でにぎわっていました。

駐車場から近いところには、「世界の蓮」の植えられている池があります。色もさまざま、形もさまざまな蓮の花があります。

古代蓮の池は、その奥にあり、広い範囲に古代蓮が植えられています。下の写真の範囲でもまだその一部。

古代蓮はピンク色です。これもまた、美しい。

開いている花を上から見ると、こんな感じです。中心の部分に見ができます。売店では、蓮の実を入れたおこわや、蓮の実の甘納豆などの加工品もありました。

池から大きな葉と美しい花。やはり、何か特別な感じのする植物です。昔から仏教をはじめとしたさまざまな宗教で取り上げられるのも、分かる気がしました。

梅雨の合間、ホッとするひとときを過ごしました。

2019.07.18

いい緊張は能力を2倍にする

発表会が近づいてきたので、緊張についてのコントロール法を生徒さんにお伝えしています。

「いい緊張は能力を2倍にする」という、精神科の医師でもあり、Youtubeやメルマガ等で積極的な情報発信をしている樺沢紫苑氏の書いた本がとても参考になったので、ここでもご紹介します。

この本の内容から選んで生徒さんに紹介した理由は、科学的な根拠に基づいた緊張対処法が書かれていること。それをもとに、準備することでより良い演奏ができるように、と考えたからです。

緊張とはどういう状態か

まず、緊張とはどういう状態であるか、という説明がしっかり書かれています。

「緊張は味方である」と言い切り、「緊張はパフォーマンスを高める」ということを知っているだけで、数学の試験の結果が有意に得点が高かった、というハーバード大学の実験の結果を紹介しています。このように根拠がしっかりしているので、説得力があります。

そして、パフォーマンスを下げる「過緊張」(頭が真っ白になる等)という状態を「よい緊張」にするための対処法が具体的に書いてあるのです。

緊張は「交感神経が優位」「セロトニンが低い」「ノルアドレナリンが高い」状態である、と説明。私自身、この記述を読んで、緊張の原因はたった3つであることに、正直、驚きました。

また、このように具体的な脳の状態を知ることができるからこそ、具体的に過緊張への対処法も考えることができるのです。

「交感神経が優位」なときは、交感神経にブレーキをかける「副交感神経を優位」にすればいい。「セロトニンが低い」のであれば、セロトニンを高めればいい。「ノルアドレナリンが高い」ときは、ノルアドレナリンを下げればいい。

樺沢紫苑 いい緊張は能力を2倍にする 文響社 p.42

事前の準備が大切

もう一つ、この本で印象的だったのは、事前準備の大切さを言っていることです。事前準備がしっかりできているからこそ、本番での緊張のコントロールもしっかりできる。

練習がしっかりできているときの本番は、確かに安心して演奏ができます。これは、あくまでも体験的なものでしたが、この本を読んで、裏付けがよく理解できました。

具体的な方法は33、紹介されています。

深呼吸一つとっても、1分間で3回の深呼吸をする方法について、1 5秒で鼻から息を吸う→2 10秒かけて口から息を吐く→3 さらに5秒かけて、肺にある空気を全て吐ききる というように、時間と方法を示し、誰でもできるように分かりやすい記述になっています。

今までの「緊張本」や「あがり症本」は、本番での対策がメインに書かれていたようにおもいますが、「それは対症療法」としては正しいものの、「根治療法」にはならないのです。本書でお伝えした内容は、あなたの「緊張しやすい性格」や「あがり症」を根本的に直す方法です。そのための事前トレーニングです。(中略)緊張するかどうかは「前日までに9割決まる」のです。

樺沢紫苑 いい緊張は能力を2倍にする 文響社  p.244~245

緊張感を上手に活用していく

ピアノの練習をするとともに、緊張のコントロール法についての知識と対処法を知って準備を進めていくことで、より自分らしい演奏につなげることができます。

最後に、発表会そのものについての直接の記述があったので、そこをご紹介します。「目的にフォーカスする」という部分での記述です。

演奏会、発表会の目的は、間違えないで完璧に演奏することではなくて、お客さんが楽しんでくれたり、お客さんが感動してくださるということではないですか?(中略)言い換えると「間違えないで演奏する」は「あなたの目的」であり、「演奏を楽しみたい」が「お客さんの目的」です。(中略)あなたが最終的な達成すべき目的は何か?その目的にのみフォーカスして、余計なことは考えない。

樺沢紫苑 いい緊張は能力を2倍にする 文響社  p.233~234

まず、ピアノそのものの練習をしっかりしていく。そのうえで、緊張への対処法も事前に練習しておく。さらに、目的にフォーカスしていく。

準備段階の大切さを改めて考えつつ、生徒さんの本番に備えていきます。