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伴奏形を迷わずに弾く

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

ピアノを弾くときには、右手と左手で別々の動きをしま

昨日おみえになった七十代シニアの生徒さん。

お好きな曲を弾きたい、ということでおみえになっています。ハ調で弾けるフォークソングの楽譜から、昨日は青葉城恋歌を練習してきました。

「家ではもう少し弾けるのですが。」とおっしゃっていましたが、頑張って通して弾きました。

右手のメロディーも動きがありますし、左手の伴奏もドミソミのように動きがある曲です。見ていると、左手の動きに迷いが大きいように感じました。そこで次回までに

① 右手だけ、4拍子を感じながらスムーズに弾けるように練習する。

② 次に左手だけを練習する。
その時に、ドミソミだったらドミソの和音、シレソレだったらシレソの和音を全音符でのばして練習する。

③ 左手は和音の状態で両手を合わせる。

④ 弾けるようになってから、左手をドミソミのように動かしていく。

という段階を踏んで練習すること、左手が迷わず弾けるようになることが大切であることをお話ししました。

 

この伴奏形が迷わず弾けるようになる、ということは段階を問わず、大切なのではないかと思います。

私自身も、以前、ある曲のメロディーである右手が難しくて、右手の練習をたくさんしてもなかなか弾けるようにならなかったことがありました。

何気なく「この部分の右手がうまくいかなくて。」という話をしたところ、とても上手な方から「意外に左手の練習が必要な時があって、左手がスムーズに弾ければ、右手の難しい部分がうまくいくことも多いのよ。」と教えていただき、目から鱗の落ちる思いでした。

それ以来、一見単純に見える音形であっても、片手ずつ取り出して練習するように心がけています。

弾きにくい部分があるときには、弾きにくいほうの手だけではなく、反対側の手の練習もする。それが一見遠回りに思えても、早道なのかもしれません。

2017.12.14

クリスマスツリーから思うこと

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

教室のクリスマスツリー、レッスンに来るお子さんによって反応が違ってとてもおもしろいです。

小学校に入る前のお子さんは反応もストレートでとてもかわいい。

ツリーを見て「ちっちゃーい!」「○○ちゃんのおうちのは、もっと大きいの?」「うん!」

いっしょに来た妹さんが、雪のかわりの綿を見て、「これなに?」

「雪のつもり。本物だと溶けちゃうから」というと「ふーん。」

翌週、「うちのもこの白いふわふわつけた。」と言っていました。

もう一人の小さいお子さんはオーナメント一つ一つをじっくり見て、「あ、ここに赤いの。ここにピンク。こっちには緑。ここにはダイヤモンドがある!」

四方八方、床に寝そべって下から上に見上げて、「ここにも小さいのがある!」

やっぱり雪(のかわりの白い綿)は気になるらしく「これはどうしてついているの?」と聞いてきました。

小学校高学年になると、ずっと大人っぽくなり、でも「クリスマスツリーだ!きれい。」と必ず話題にして、とほめてくれました。

何か新しいもの、きれいなものに触れて、心が動き、それをストレートに表現することはとても大切です。

それは言葉だけでなく、音楽でも同じ。曲のこの和音が美しい、この和声の動きはおもしろい、このメロディーは魅力的、ということを感じ、それを音にして表現する。

感じ取ること。それを表現することを通して、感じ取るセンサーをさらに磨くこと。ピアノを学ぶ、音楽を学ぶことの大きな目的の一つはそこにあります。

そして、ピアノで表現する時、「響き」は音楽に奥行き・立体感をもたらしてくれるもの。より表現したいことに合った響きのある1音を出せるように自分も学んでいくし、レッスンでも教えていきたい。

クリスマスツリーから、そんなことを感じた12月前半でした。

お仕事が忙しい方のレッスン

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

大人の方でお仕事がとても忙しく、しばらくいらっしゃれなかった方がしばらくぶりにおみえになりました。ピアノはお続けになりたいということですので、来ていただけて、とてもうれしく思いました。

仕事をしながらのレッスンというのは、なかなか厳しいものがあります。

いらっしゃった時に、次のレッスンの予約を入れて頂くようにしているのですが、急な用事でキャンセルになり、「次回のレッスンはまた後で」という時が難しいように思います。私自身も経験があってとてもよく分かるのですが、レッスンの予約をすること自体がとても「大変」な気持ちになってしまうのです。

ピアノはできるだけ毎日練習したほうが良い、それは当然です。でもに仕事に追われるとなかなかそれができません。

練習出来ないから、この状態でレッスンに行くのは…ということが続き、レッスンに向かう足が遠のいてしまう。次のレッスンという目標がないからますます練習が出来なくなってしまう。

この状態に陥ってしまうのです。

今の先生のところに伺うようになったころ、私は中学校の教師をしていました。最近はニュースなどで取り上げられるようになってきましたが、「勤務時間」という感覚のない職場で、仕事に終わりというものがありません。

ただ、それで「弾けていないから」とレッスンの回数を減らすと、練習もできなくなってしまうことがわかっていたので、先生には申し訳なかったのですが、「弾けても弾けなくてもレッスンには行く」と決めました。

弾けていない状態でレッスンに伺った時には、この奏法の場合に特に重要な、音の質、響きの質を聞き分ける「耳のレッスン」が中心になります。

弾いているときの自分の指や手・身体の感覚と、その時出ている音や響き。自分自身の耳でとらえているものと、先生の言ってくださることとの違い。指や手・身体の使い方を修正し、またその時の音や響きを自分でとらえていく。

続けていくうちに、耳で響きがとらえられるようになり、指や手・身体の使い方が身につくにつれて、楽に弾けるようになっていきました。

忙しい大人の方にこそ、レッスンで「音を聞き分ける耳と、楽に弾ける指・手・身体の使い方」を継続して学んでいただくことの大切さ。そして継続することでより短い練習時間で弾けるようになること。

私も経験した、この奏法ならではの良さを、ぜひお伝えしていきたいと思っています。

 

2017.12.12

響きで弾く和音の変化の美しさ

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

昨日は、自分のレッスンに行ってきました。

前回のレッスンは、11月下旬。父の葬儀や自分の体調不良で、思うように練習できないまま「とりあえず響きの確認だけしていただこう」と思って受けたものですから、やはり音の上がり方が不十分でした。

先生からも「筋力が落ちて、少しポジションが下がっているのかもしれない」と言われていました。

今回は、それから2週間。改めて指の筋トレを毎日しました。あわせて調律でタッチも音も良い状態にしていただいたので、ピアノの鍵盤の底よりほんの少し上に、よく響くポイントが見つかりました。そこに触れて16分音符を弾くと、とても滑らかに聞こえます。もう少し深い位置を狙うと、輪郭のはっきりした音が出ます。練習の時から注意して弾き分けるようにしていました。

また、今回は腕の下側の筋肉で支えて弾くことと、それから体重が腕にのるような姿勢も意識して弾くようにしました。前回、手首が下がっていたのは、腕の下側の支えがあまくなっていたからだと思ったのです。実際、その意識を持つだけでも響きが変わって来るのが分かりました。

先生のレッスン室のスタインウェイを2週間ぶりに弾きましたが、ありがたいことに自宅のピアノとの差が以前よりも小さくなっている感覚で弾くことができました。

「デュポールのメヌエットによる変奏曲」。音も、まずまず上がっていたと思います。前半、特にテーマと第1変奏~第3変奏くらいまでは少しタッチが深くて、あれ、と思いましたが、何とか途中から修正でき、後半の方がよく響いた感じを自分では持ちました。

今回はもう一曲、モーツァルトのピアノソナタ18番の1楽章も持っていったのですが、この展開部が本当に美しくて、和音が次々に変化していくのが魅力的です。ほんの少し深く弾いたり浅く弾いたりして、響きの変化を聞いていると弾いていて幸せになります。

何とか元に戻りつつあることにほっとしつつ、レッスンを終えました。

響きで音楽を作っていくと、ほんとうにさまざまな変化をつけられる、そこがこの奏法の最大の魅力だと思っています。

最初は響きの違いを聞き分けにくい人もいますが、時間をかけて聞いていけば聞こえるようになります。そうすれば自分の表現の幅がとても広がるのです。

音楽を感じ取る力と響き

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

先日、クラシック音楽をとてもたくさん聞いている方とお話しする機会がありました。

作曲家についても、演奏家についても、とても詳しくて、ピアノに限らずいろいろな曲を多くの演奏者の演奏で聞いている方です。

その方ご自身も、ピアノを習っていて、今はベートーベンの月光の1楽章を練習中とのこと。

ゲンリヒ・ネイガウス、リヒテル、ヴェデルニコフなどの演奏もよくご存じで、ロシアピアニズムにもともと興味があったそうです。私と話していて、「ここでネイガウスの名前を聞くとは思わなかった。」と言っていました。

ピアノのレッスンでは、曲をどのように弾いていくとよいかという、いわゆる「解釈」とでも言うべきものを教えてもらうことが多いように思います。

でも、大人の、特にとても音楽が好きでたくさん聞いている方は、頭の中にはもう音楽が流れていて、自分はこう弾きたいというイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。

そういう方にここはこう弾いて、こっちはこう弾いたら…と細かく言うのは何か違う気がします。

それよりも、レッスンでは「そう表現したいなら、こういう音色がより効果的に表現できる」ということをお話できたらと思います。

もともと音楽を自分自身で感じ取り、作る力のある方は、音色を弾き分けることでますます多彩な表現ができるようになっていきます。音色が増えれば増えるほど、楽譜から自分自身で音楽を感じ取る力はさらに増していくということも実感できるようになっていくでしょう。

響きで弾いていく奏法というのは、表現の幅を広げる大きな可能性をもっているのです。

2017.12.07

ピアノの練習を楽しむ5年生

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

小学校5年生の初心者の女のお子さん、体験レッスン後、先週から本格的にレッスンを始めました。

 

レッスンの1つの柱は読譜の力をつけること。こちらは、音楽ドリルで学んでいくことにしました。今週一週間で、頑張ってたくさん勉強してきました。

もう一つは良い響きの音で弾けるようになること。そのための耳と手の使い方を学んでいきます。

昨日、用意した椅子の高さ調節用のコルクマットも使い、高めの椅子から、鍵盤に腕の力をうまくかかる姿勢を探りながら弾いていきます。

あわせて手の内側の支えを意識できるよう、今は3の指を中心に使って弾くようにしています

前回のレッスンで教えた右手と左手の練習を一週間してきて、それを聞かせてもらいました。

最初は力が入っていたのですが、レッスンしているうちに、だんだん力が脱けて、音ものびてきました。

 

練習してきた曲に、私が低音パートをつけて連弾。これもスムーズに弾けました。

音楽ドリルの成果もあって、譜読みも早く、次の3曲の階名とリズムの確認もすぐできました。

付き添いでいらっしゃったお母様の話ですと、ちょっとした時間にも「練習してみよう」という感じで、楽しんで弾いてきたとのこと。

レッスンノートには「葦笛の踊り」と「エリーゼのために」が弾きたいと書いてありましたので、まずはそれに向けて、基礎的な力をつけていこうね、と話しました。

 

ぜひ、たくさん弾いて上達してほしいと思い、これからが楽しみです。

いすの高さと足台の高さの調整

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

幼稚園の年中さん。ピアノの椅子を一番高い位置にして、その上にクッションを置いているのですが、身体が小さいので、鍵盤の上方から力をかける感じに弾くことができませんでした。

今の奏法で演奏する時は、椅子は高くします。(ソコロフも椅子は高いです)

手首を上げ、腕の内側の筋肉と手の内側の筋肉で支え、効率的に力を使うためには椅子は高い方が弾きやすいからです。

何か高さを調節する工夫が必要だと考え、先日はホームセンターをうろうろしながら何かないかな、と探しました。

板では固くて痛いし、クッションを重ねても沈んでしまうし、ということであれこれ考えていると、たまたまコルクマットが目に入りました。

厚さ1枚8mmですから、重ねて調節するには良いし、クッションほど柔らかくないし、板のように固くて痛いということもありません。

さっそく買ってきてカッターナイフで大きさを椅子と足台に合わせて切りました。全部で12枚になったので、足台に6枚、椅子に6枚敷きました。

重ねただけだと「ずれちゃう。」とのこと。

今日は、それを解決すべく、幅3㎝のゴムで止めてみました。これで安定するのではないか、と期待しています。3枚ずつまとめ、さらにそれを二つ組にしました。ちょっと見ばえは良くないかもしれませんが、これで4.8㎝ずつ椅子も足台も上がります。

明後日、保育園の年長さんの生徒さんが来るので、そのときにまた試してみたいと思います。もしかしたら、体格によってはもう少し上げる必要があるかもしれません。

幼稚園・保育園の小さいお子さんには、良い姿勢、良い手の形を意識して弾く習慣をつけることがとても大切です。レッスン室の椅子の高さや足台の高さを見直すことで、その意識づけに少しでもなれば、と思っています。

 

2017.12.01

ピアノの調整をしていただきました

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

10月の調律の時に弦が切れてしまって、張り替えていただきました。

新しい弦はどんどん伸びるので、音もどんどん下がっていきます。

直していただく予定が父の葬儀などで変更になり、ようやく一昨日直していただきました。

 

合わせて高音の音程で気になっていた部分も調整していただきました。

気温が急に下がり、暖房をつけるようになったこともあり、音が変わってしまったようです。

単に音程を直すだけではなく、木の部分にも手を入れてとても丁寧に調整してくれました。

おかげで、響きがまた変わり、音が上に上がる感じがより強くなりました。

しばらく自分の練習時間が短かくなりがちだったのですが、音が気持ちよく上に上がるのが楽しくて、昨日今日はかなり弾く元気がでてきました。

 

調律師さんは、まだお若い方ですが、とても勉強熱心で、コンサートにも頻繁に行かれ、たくさんのピアニストの演奏を聞いていらっしゃいます。

私の先生のところのピアノ(スタインウェイ)もご存じで、それを基準に調整してくださっています。また、私たちが学んでいるタッチについても先生から聞いて、調律の際、音を出す時にこういう感じで弾けば…など研究しています。

お話をしていると、とても謙虚で、柔軟性があり、いろいろなことに興味関心をお持ちになって、吸収しようという意欲を感じます。

ご自分でも「10月の時から、また分かったことがあった。」「また次回の時は、もっと違ってくると思います。」とおっしゃっていて、日々進化している感じがしました。

進化するためには、自分自身の現状を把握する力、それから理想とする像を持つことはとても大切なのではないかと思います。

調律師さんの学ぶ姿勢を見ながら、せっかく良い状態にしていただいた楽器を、さらに良い音で弾けるように、私自身も進化していこう、と気持ちを新たすることができました。

 

2017.11.26

レッスン室にクリスマスツリーを飾りました

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

ッスン室にクリスマスツリーを飾りました。

息子が小さかった頃は、いっしょに飾ったのですが、もう大きくなってからはツリー自体も、飾ることがありませんでした。

レッスン室にはお子さんも来ることですし、華やかで季節感があって良いなと思い、久しぶりに飾ってみました。

壁にもちょっと飾りを貼ってみました。

ハロウィンの時にも壁に「ハロウィンガーランド」を飾ったら、お姉ちゃんのレッスンに一緒に来た2歳の女の子が、ちゃんと見ていたのですね。

ハロウィンが終わって飾りをはずしたら「今日は(飾りが)ない。」と言っていて、その時、2歳でもよく見ているものだと感心しました。もっとも逆で、2歳だからこそ、よく見ているのかもしれません。

 

今年もあと1ヶ月ちょっととなりました。

クリスマスツリーを見つつ、そろそろ1年のしめくくりを意識していきたいと思った今日でした。

点でとらえる

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

急に寒くなってきましたね。体調には十分お気をつけください。

奏法を変えることにして、今トロイメライを練習中の小学生のお子さん。

音が伸びてきた感じがします。この間も、「点でとる感じ」の話をすると、確実に響きが変わりました。子供さんは先入観なくとらえる分、変化がとても速いと改めて思いました。

 

私自身が奏法を変えた最初の頃、どうしても「押さえつけて」弾いていました。底までしっかり弾かないと音が出ていないような気がしていたのです。

特に私は、子供の頃から身体が小さく、手が小さく、音も小さい…ということで、よく、「底まで弾いて、音を鳴らすように」ということを言われていました。

ですから大きい音、厚みのある音にあこがれ、そのためには「底までしっかり弾くことが大切」と思い込んでいたのです。

 

「点でとる感じ」と指導していただいても、その時はまだ良く理解できていなかったので、一生懸命弾いてしまい、手が小さいためにオクターブの連続では、ミスタッチも多くなっていました。

頭では理解しているつもりでも、やはりなかなかそれまでの習慣が脱けなかったのだと思います。

手の内側の筋トレなどを行い、支えができてきてようやく、「点でとる感じ」がつかめるようになってきました。それと同時に響きも大きく変わってきたきがします。

 

子供さんの適応力、すごいと思います。同時に、地道に手の内側の筋肉をつけることと合わせ、またしっかり聞き分ける耳を養ってもっともっと美しい響きで音楽が作れるようにしてほしい、と思ったレッスンでした。