「2018年 7月」の記事一覧

2018.07.10

意識は肩甲骨から指先へ

んにちは。

昨日は、御茶ノ水のレッスン日。

先日から考えつつ練習していたことの方向性が合っているかどうか、実際にできているかどうかを見ていただきました。

同時に、今まで「手」を中心に見ていた先生の弾き方を、改めて一歩引いた状態で見て復習したいと思い、レッスンの様子も、録音ではなく、動画を撮らせていただくようにしました。

椅子の高さ、位置についてもアドバイスをいただいてきました。

 

まず、椅子の高さですが、先生のお宅の椅子の場合、私には低いということで、結局、ソファにあったタオルを使って、さらに高くしました。

ポゴレリチにしても、ソコロフにしても、とにかく身体が大きいですよね。

私とは弾いている時の肘と鍵盤の関係が全く違います。

先生も男性としてそれほど背の高い方ではありませんが、それでも、私よりは15㎝は大きいでしょう。

ですから、鍵盤に対して肘がかなり上にある状態、力がのる状態で弾いていらっしゃいます。

 

私の考えていたことの方向性は合っていました。

ピアノと自分の身体との間の空間の取り方。

それから、意識としては「指先に意識があって、腕、肩へというのが一般的ですか、僕の場合は逆です。肩胛骨に意識があって、それを指先まで伝える感覚で弾いています。」とのこと。

 

ポゴレリチの動画をきっかけに、今まで教えていただいていた断片がようやく一つの像を結んできました。

もちろん、一つ一つの断片だけでも音の響きは変わってきました。

何よりも耳そのものが響きを「聞き取れる」方向になってきたので、それを求めて工夫する年月ではありました。

ただ、ここのところで自分の身体の使い方のイメージについて、今まで無意識で行っていた部分が意識化されつつある実感があります。

昨日は、一つ一つの音の質、2音のつながりの場合の弾き方のイメージ、細かく細かく身体の使い方も含めてレッスンしていただきました。

また新しい段階に入り、響きをますます磨いていきたいと思いつつ、帰ってきました。

2018.07.09

知っていることと実際に行うこと

こんにちは。

ポゴレリチの録画を見てから、いかに背中から肩・ひじ・手首・指まで力をうまく伝えていくか考えながら練習しています。

 

一つ気付いたのは、腹筋。

背中を使うためには、お腹で支える必要があります。

以前から「お腹を押さえる感じで使う」ということを言われていたのですが、ようやく「こんな感じなのかな?」と意識できるようになってきました。

特に背の小さい私の場合、「上から」弾くわけにはいきません。

その分、鍵盤との距離を離さないと、大きく腕を動かすことが難しい。

必然的に、今までよりもさらに椅子を後ろに下げてみました。

そうすると腹筋で押さえないと身体がとても不安定になってしまいます。

 

もう一つは、小指で弾く時に親指を上げるためには、ひじから先がかなり自由でないとできない、ということ。

今まで、私がどうも親指でバランスを取るのが難しいと感じてそのためのようです。

椅子を下げ、肩から指先・つまり鍵盤までの距離を広げたところ、その部分の自由度はあがりました。

結果として親指でバランスをとりつつ小指で音を出す、ということがしやすくなりました。

 

自分としては音が変わった感じがあるので、レッスンでみてもらおうと思っています。

ピアノを弾くというのは、ついつい見える範囲であるひじから先に意識が行きがち。

でも、身体全体、そのすべてがつながりあっているので、全体を調整していくことで弾きやすさ、音も変わっていく。

今までも「知って」いましたが、実際に「わかって」いく、「行って」いくというのはまた別なことだと実感したここ数日でした。

2018.07.08

ポゴレリチin奈良を見て

こんにちは。

西日本の大雨、千葉の地震と気になるニュースが続きます。

被害が少しでも少ないことを祈っています。

 

先日のNHK、Eテレで放送されたポゴレリチの奈良での演奏を収録した番組。

http://www4.nhk.or.jp/ongakukan/

録画してもらったのを見せてもらったのですが(うちにはテレビがないので)すばらしかった!

 

私が学生の頃、「若手ピアニスト」で活躍中、というイメージだったのですが、当然のことながら、年齢を重ねています。

音楽にも深みが出て、ノクターンなど、本当に美しいと思いました。

さらに、私にとって興味深かったのは、姿勢と手の使い方。

まず、とても高い位置でピアノに向かっています。

背中から腕、ひじ、手首までの使い方が非常に上手です。

 

そして、手の内側の筋肉、指の筋肉の使い方。

虫様筋を使って弾いています。

さらに手首の回転。

小指を使うとき、てのひらが見えるほど。

カメラがこれらを近い距離でとらえてくれているので、イメージがとてもつかみやすく、私としてはとてもありがたく思いました。

 

「小指を使うときには、親指でバランスをとる。親指が上に上がる。」

これは私が現在の先生に言われていることですが難しいのですね。

先生も実際に何度も弾いて見せてくださるのですが、なかなかうまく出来ずにいました。

今回、ポゴレリチを見ていて、無駄な力が全く入っていないことに気付きました。

私は、うかつにも先生が弾いているのを見るときに、「手」中心に見ていたのです。

ポゴレリチの弾き方を見るときには、カメラの枠に合わせて見ますから、全体を見ることができました。

私の場合だと、手首周辺にまだ余分な力が入っているのかもしれません。

 

そして、身体の小さい私の場合、ピアノの椅子を最大に上げても、ポゴレリチの高さでピアノに向かうことはできません。

ためしに、子どもさんのレッスン用に使っているコルクマットを、椅子の下に入れて弾いてみたところ、やはり響きが変わります。

とはいえ、まさかステージでクッションを使うわけにもいきませんし、ここは、バランス、軸の取り方を自分なりに考えていく必要があると気付きました。

ピアノとの距離をもう少しあけると良いのかもしれません。

これは、小柄なロシアピアニズムの女性ピアニストの動画をもう一度探して、軸の取り方、ひじの角度、手首の角度をしっかり見てみようと思いました。

 

また、今日7月8日に後半が放送されるようなので、とても楽しみです。

 

楽しむと上達も速くなる

こんにちは。

先日の内容とも少し重なりますが、人間が進歩していくためには、「自分でこうありたいと決める」ということがとても大切です。

人に言われたことは、抵抗がある場合が多いのですね。

自分で決めれば、進むことができます。

 

5月に入会された小学校3年生の生徒さん。

とても前向きで積極的なお子さんです。

お引っ越しのため、たうらピアノ教室に来ることになりました。

「ピアノひけるよ!ジュニア3」から始めることにしました。

 

前回のレッスンでは、慎重に学んでいきたい、という感じがしました。

あんまり宿題が多いと、出来なかったときが心配…。

ちょっとそんな雰囲気。

2週間あったので、最初の3曲を宿題にしました。

 

「こいぬのマーチ」「あわてんぼうのうた」「メリーさんのひつじ」

どれも、とても上手に弾いてきました。

「メリーさんのひつじ」の右手が付点4分音符+8分音符のリズム、左手が4分音符という部分もばっちりです。

○をつけ、次の「よろこびのうた」に進もうとしたら、

「次も練習してきた!」

聞かせてもらったら、これもまた、とても上手に弾けていました。

音符を読む力が、しっかり身についているのですね。

 

その次の「むすんでひらいて」も、分かるところは、少し練習し始めたのだそうです。

自分なりに出来る部分を先に進めよう、という気持ちになったとのこと。

これは、とてもうれしいことです。

もちろん、先に進むことが大切なわけではありません。

ただ、最初の段階では、「楽譜が読めること」「指のコントロールができること」の2つは重要なポイントであり、その中で表現力を養っていこうと考えています。

ですから、「自分で譜読みをする」気持ち、そして「できた」という実感が持てることがすばらしいと思うのです。

 

お母さまから「レッスンをとても楽しみにしていて、今日もはやく行こうとせかされました。」とうれしい言葉をいただきました。

楽しむと上達も速くなる、それを実感したレッスンでした。

2018.07.06

記録することの大切さ

こんにちは。

たうらピアノ教室では、レッスンノートを使っています。

ここには、レッスンのポイントを書く・毎日の練習時間を記録する・質問を書くなどの枠がとってあります。

 

脳科学や、心理学などで言われていることですが、人間はアウトプットする(話す・書く)ことで脳内に記憶を定着させていくことができます。

以前、あるお医者さんが話していらっしゃったことですが、患者さんに出すお薬の副作用について、一通り説明した後、

「お分かりになりましたか?」

「はい」

「では、言ってみてください」

というと、ほぼ全員が言えないのだとか。

 

レッスンでも似たようなことが起こります。

いくつか、手の使い方についてのポイントを話します。

その後、

「手の使い方で、大切なことを説明したけど、何を覚えてる?」

と聞くと、

「うーん。わすれちゃった…」ということがよくあります。

この説明したことをもう一度自分の言葉で言ってもらう、ということはレッスンの中で入れていますが、やはりできないこともあります。

そんなときも、お家に帰ってレッスンノートにポイントを書くことで、思い出し、意識していくことができるようになります。

 

もう一つ、練習時間の記録。

○をもらえると思ったのに残念…。

こういうときに、意外に練習出来ていないこともあります。

自分では練習した「つもり」

でも、記録を見ると、確かに多めに練習した「日があった」

ただ、1日だけで、練習しない日のほうが多かった。

 

意外に、記憶は不確かなものです。

記録していくことで、見えてくるものがたくさんあります。

同時に、右側のページで、自分にとってよかったことやうれしかったことを記録していくことで、自分自身の幸せを感じることもできます。

レッスンノート、ぜひ、有効活用していただきたいと思っています。

2018.07.05

柔軟に楽しく練習

こんにちは。

毎日暑い日が続きますね。

 

今、私はピアノを弾くのがとても楽しい。

でも、私も最初からこれほど「楽しい」と思っていたわけではありません。

特に子どもの頃は、練習が好きではありませんでした。

最大の理由は「5時に帰らなくてはならないから」

 

冬場は暗くなって、遊べないので大丈夫。

問題は夏、特に今頃のように、日が長い時期。

遊び始めると、時間を忘れてしまうのですね。

確か、当時も5時にはチャイムのようなものが鳴っていたかもしれませんが、全然聞こえない。

 

「5時に帰ってピアノの練習をする」約束が守れず、何度親に怒られたかわかりません。

「先にやればいい」のですが、学校から帰って宿題とピアノを1時間練習すると遊ぶ時間が少なくなってしまいます。

それで、5時に帰るという約束になっていたのですが、友達と遊ぶ方がずっと楽しかったのでしょう。

 

今の私が当時の私にアドバイスするとしたら何だろう?と考えます。

保護者である私の親にもアドバイスが必要だったかもしれませんが(笑)

たぶん、近所の方への迷惑を考えて6時までに練習を終わらせる必要があったのでしょうね。

まず、そこがよく理解できていなかったと思います。

小学校3・4年生なら、そこはきちんと話せば理解できるはず。

それを踏まえて、例えば30分は遊びに行く前に練習し、帰ってからもう30分やるとか。

休日に長めに練習するとか。

方法がいろいろあったような気がします。

 

大人になって、仕事をしながらピアノの練習をしてみて、二つのことに気付きました。

一つは、すこしであっても毎日練習することの大切さ。

同時に、柔軟に対応することの大切さ。

毎日1時間が理想かもしれませんが、30分の日があってもいいし、2時間の日があってもいい。

 

今のお子さん達は、習い事も多く、忙しい生活を送っているように思います。

柔軟に、そして楽しくピアノに向かってほしい、そう願っています。

2018.07.03

クリスマス会に向けて選曲開始

 

 

 

こんにちは。

先日のレッスンの時と、一昨日の日曜日に楽譜をたくさん買ってきました。

たぶん、全部で50冊くらい。

クリスマス会に向けて、選曲開始!です。

ピアノ教室を始めるにあたってそろえた手持ちの楽譜も、けっこうな量があります。

人前で演奏する良い機会なので、初心者、特に小さいお子さん達が楽しみながら弾けるように、そして力がつくような曲を探そうと考えています。

あの生徒さんにはこんな感じの曲が良いかな、など思い浮かべながら弾いています。

 

まだ本番までにはだいぶ間がありますし、今回購入した楽譜の多くは、曲そのものも短いです。

お子さんや初心者の場合には、どんどん進歩・変化していきます。

ですから、決める時期が早すぎると、飽きてしまったり、その時の状況に合わなくなってしまったりします。

参加希望をとり、その後に生徒さん本人の弾きたい曲のイメージを聞きながら、決めていく予定です。

数の上では、初心者の小さいお子さんが多いのですが、小学校高学年・中学生や大人の生徒さんもいらっしゃいます。

大人っぽい雰囲気のものも見つけていきたい。

ソロだけでなく、連弾も入れていきたい。

いろいろ考えると、とても楽しくなります。

 

楽器店の楽譜売り場を見ると、私が学生時代に教えていた頃と比べて、初心者向けの楽譜がとても増えています。

親しみやすい歌詞のついた曲や、ポップス風のリズムのものなど、さまざまなバリエーションがあり、感心しました。

「楽しんでピアノを弾きたい」という人が増え、それに応える楽譜も増えているのですね。

私も「ピアノを弾くのは楽しい!」と思っていただけるような日常のレッスン、そして今回の企画についても掘り下げていこうと、楽譜を前に考えています。

2018.07.02

ピアノの仲間との一時

こんにちは。

昨日は、大切なピアノ仲間とのオフ会(勉強会)。

ずっと主催してくださる方がいて、気付くと20回になっていました。

 

一人20分の持ち時間があります。

過去には、ほとんど全員がモーツァルトを弾いた回もありましたが、昨日はそれほどでもなく、いろいろでした。

ショパン・モーツァルト・ラフマニノフ・シューベルト…。ピアソラもありました。

私も、ヘンデルのシャコンヌとフォーレのノクター2番を弾きました。

こうやってみてみると、バロックから20世紀まで幅広い作曲家の曲が並んでいますね。

 

演奏のほうはというと、シャコンヌは、だいぶ形になってきていましたが、フォーレは人前で弾く状態としてはまだ練習不足。

仲間内なので、それは良しと言うことであえての挑戦。

人がたくさんいる中で弾くと、響きが変わってきます。

シャコンヌはそれを意識しつつ、きちんと聞く余裕がありました。

 

フォーレは、前回のレッスンで指導していただいた、親指の使い方がまだ不十分。

速い部分では特に指だけで弾いてしまいます。

これは、ゆっくりした練習をくり返すしかないのですが、今回は「止まらずに最後まで弾く」ほうに時間をかけていたので、ある意味、仕方がありません。

ただ、その分、当然のことながら、響きが思うように上がりませんでした。

これは、この後、また音を聞きながらくり返しくり返し練習していくつもりです。

 

いろいろ聞いていると、モーツァルトも良いな、と改めて思いました。

あのシンプルな中にある美しさは、格別です。

あと、シューベルトのAdagioホ長調d.612。

私は今まで知らなかったのですが、これも本当に美しい曲です。

シューベルトの曲も美しいたくさんあって、また弾きたいですね。

 

帰り際、駅まで何人かと話しながら歩きました。

ラフマニノフを弾いた方が、「ショパンの音ではなくて、もっと深い音といわれたんだけど、難しい。」と話していました。

確かに、ラフマニノフは深めの音。

でも、深くを狙いすぎると響きが上がらなくなってしまうので、そこが難しいところです。

「ここは支えて、指先は『ちくわ』といわれたんだけどね。」と笑っていました。

確かに、私も「ちくわ」は言われたことがあります。

指先の力を抜くイメージです。

 

途中の休憩では、持ち寄ったお菓子も楽しみつつ、とても充実した良い時間を過ごすことができ、幸せな日曜の午後でした。

2018.07.01

2018年前半をふり返る

こんにちは。

気がつくと2018年も半分が終わりました。

この半年間、いかがだったでしょうか?

 

私自身は、けっこう頑張った!という感覚を持っています。

プライベートでは、父の死後のあれこれの手続きをしました。

一人の人を送るということは、とても大きなことだと実感しました。

遺品の整理をする中で、父の考えていたこと、私自身の子ども時代のことを思い出し、見つめ直すことができました。

 

本当にうれしいことに、ピアノ教室の生徒さん達も、だんだんと増えてきています。

来てくださっている生徒さんお一人お一人に合わせて、教材を選んだり、レッスンの内容を考えたり。

もともと教えることは大好きですし、レッスンの内容を考えることは、自分自身の勉強にもつながります。

生徒さん達と、いろいろお話するのも楽しいし、保護者の方も、皆さんとても良い方々で、とても恵まれていると思っています。

そろそろ、クリスマス会に向けての準備も始めていくところで、これもまた楽しいことです。

 

同時に、自分自身の演奏面。

4月までは、葵の会定期演奏会に向けて「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲」を中心に練習していました。

同時に、モーツァルトのソナタを勉強していました。

本番後のここ2ヶ月は、約2年、集中的に弾いていたモーツァルトから離れ、いろいろな作曲家のものを学ぶ方向にしています。

 

2ヶ月でヘンデルのシャコンヌとフォーレのノクターン。

まがりなりにも「一応弾ける」ところまでもっていきました。

今までの私からすると、これはかなりのハイペース。

4月の本番で学んだことが、とても多く、それを生かすことができています。

先生からは、「次はベルクにしましょう。」と言っていただき、そのつもりでいます。

 

今までの自分のいた場所は、心地良い。

でもそこにいると、進歩はゆっくりになります。

そこを出ると、また次の新しい「何か」が見えてきます。

フォーレも新しい挑戦でしたし、ベルクに至っては、自分が演奏すると考えてもいませんでした。

フォーレを弾くことで見えてきたものもたくさんありますし、ベルクを弾くとまた違ってくると思います。

 

多くの人との関わり、支えがあったからこそ、充実した生活を送ることができる。

皆さんに心から感謝しつつ、2018年の前半をふり返ってみました。