「2019年」の記事一覧

2019.04.26

楽譜を読む力をつける

今日は、ピアノを弾く上でとても大切な「楽譜が読めるようになる」力をつけるということについて書いていきます。

短期の目標と長期の目標

ピアノのレッスンは、毎週、課題となる曲をレッスンで示し、次のレッスンでそれを弾いてもらう、という形で進んでいきます。

その「レッスン曲が弾けるようになる」ことは、1週間あるいは、2週間という短い期間の目標になります。

一方、「楽譜が読めるようになる」とか「手の使い方を学んで美しい音で弾けるようになる」とか「指が速く動くようになる」という力は、1週間という短い間隔ではなく、長い期間をかけて身につけていくことになります。

「楽譜を読む力」とは

具体的に、楽譜を読む力、にはどんな要素があるかを考えていきましょう。

まず、楽譜の仕組みが分かること。ト音記号・ヘ音記号や♯♭という調号、拍子。最初にそれを確認するところから始めます。

次に音の高さですね。ドレミファソの何の音なのか。ピアノならば、それをどの指で弾いていけばよいのかということも含まれてきます。

同時に重要なリズム。拍子が分かっていて、その中で、音符がどんなリズムを表しているのか、それも理解する必要があります。

このあたりは、レッスン曲と併用してワークブックを活用することでも学んでいきます。

「うたあそび」を使ってレッスン曲とは別に取り出して学んでいく

また、お子さんの場合には、レッスンの中で「うたあそび」を使って、レッスン曲とは別に取り出して学ぶようにしています。

見開き2ページで1回分、左側に歌が1曲。右側には、おどりがあったり、手遊びがあったり、リズム打ちがあったり。

音符を読む、実際に声に出して歌ってみる、段階が進むと簡単なメロディーをその場でピアノに向かって弾く、という場合もあります。

これを楽しみにしていて、1曲終わると「次は…。」と確認していくお子さんも多いですね。

リズム打ちでも、たいこが多いのですが、時には、楽器を変えてみよう、とカスタネットやタンバリンにしてみたりします。それだけでも変化がついて楽しくなります。

これは、楽しみながら、ピアノを弾く上で大切な「楽譜を読む力」をつけることになっていきます。

長期の目標も意識して

レッスンで課題のこの曲が○になった、という短期の目標は分かりやすく、ついそちらだけに目が向きがちです。

でも、同時に長期の目標に目を向けていくことで、レッスン曲そのものを仕上げていく力がついていきます。

また、楽譜が自分で読めるようになると、自分の弾きたい曲が、自分で弾けるようになったり、学校の音楽の授業で内容が深く理解できたりするようになります。

ぜひ、長期の目標も意識して、ピアノだけでなく、音楽を楽しむ力をつけられるように、世界が広がっていくように、と願いながら、レッスンをしています。

一念発起してピアノを始める

趣味で弾きたいという大人の方が入会なさいました。 お仕事をしている40代の方です。 以前から習いたいと思っていたのだそうですが、今までは、なかなかきっかけがなかったとか。

きっかけはアンサンブル

今回、直接のきっかけは、昨年末にアンサンブルに参加したことだったのだそうです。

それぞれが弾ける楽器を持ち寄って一緒に演奏したのだそうです。お話を伺うと、ヴァイオリンや管楽器などさまざまな楽器を弾く方が集まっていました。

その中に、キーボードで参加したそうです。知っている方に楽譜を見てもらい、1本の指で弾けるように、コードの中の1音を拾ってもらっての参加でした。

でも、とても楽しい経験だったので、ぜひ、両手で弾けるようになりたい、自分が弾きたいと思う曲を弾けるようになりたい、と一念発起、レッスンにいらっしゃいました。

両手で弾けるようになることを目標に

不規則かつ長時間会社にいるお仕事なのだそうですが、空いている時間を使って練習していき、両手で弾けるようになるのが目標とのこと。

大人用のピアノ教本や、コードから始める教本など何種類かを一緒に検討した結果、 「ピアノランド」を使っていくことにしました。

ポピュラー曲を弾けるようになりたいというご希望なので、音の響きやリズムなどが近いこと。大人の教本に比べると、両手で弾くようになるまでのステップが小さいので、スムーズに進められること。

練習時間が取りにくい現状から考えると、1つのステップが大きい大人の教本よりも、結果的に楽しく、スムーズに進められると判断したからです。

やりたいと思った時がチャンス

レッスン日には、残業を時間に合わせて切り上げるようにしたのだそうです。1つやりたいと思ったことを始めると、それが核となって、さまざまなことを整えていけるようになります。

日常生活は、ほうっておくと周囲に合わせてすべてが進んでいくようになりがちです。その中で「これ」という何かに「主体的」に取り組むと、そこから物事が変化していきます。

電子ピアノも購入したということで、いよいよ本格的にレッスン開始。目標の「両手で弾けるようになる」を目指して、練習に取り組んでいきたいと、うれしそうにおっしゃっていました。

2019.04.23

弱拍にスパイスを

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昨日はレッスンに行ってきました。都内は、ここ埼玉県よりもひと足早く春が来ていましたが、湯島聖堂前の銀杏並木の新緑がとても美しく、思わず写真を取りました。

速いテンポの曲で変化をつけるには

バッハのフランス組曲です。今回は、最後まで弾けるようにすることが一つの目標ではあったのですが、実際に練習していると、どうも平板な感じがしていました。特に速いテンポで弾くクーラントやジーグなどが気になります。

ポジションは元に戻ったので、基本の音の出し方そのものはある程度できています。

その中で、どう変化を付けていったらいいのか、自分の中でイメージのつかめるフレーズもありますが、ハッキリとはつかめないフレーズもあって、課題として抱えた状態でレッスンに臨みました。

一通り弾いたあと、ポジションが落ちているところはないことと「もう少し余裕が持てると良いですね。」とのことだったので、特に速い舞曲で平板さが気になるということを質問してみました。

弱拍に変化をつける

昨日のブログにも書きましたが、そういう場合、まず、「感覚が追いつくくらい、ゆっくり弾く」ということが大切になってきます。

「では、ゆっくり弾いてみましょう。」ということで最終曲のジーグをゆっくり弾き始めました。特に平板さが気になる下降音形の部分で、「ここをどうしたらよいのか分からないのです。」

「弱拍の時にはねあげるタッチを使うのも一つの方法です。」と教えていただきました。

8分の3拍子の2拍目です。ここでこの音を目立たせて良いのか?ただ、実際にやってみると、変化がつきます。「僕ならもっとはねあげるかもしれない。」と言われ、思いきってもう少しタッチに変化をつけてはね上げてみました。

はね上げるタッチは、「スパイス的に使う」ことが多いと、先生はセミナーでも言っていました。

「弱音にスパイス、ですね。」と笑いました。強拍は、聴き手も意識しながら聴いています。その中で、弱拍にはね上げるタッチが入ることで、全体としてつながってまとまりのある感じに聴こえるのです。

演奏を魅力的なものにするために

「ホロヴィッツがよくやるんですよ。ショパンなどを弾く時にもよくやっています。」

「弱拍はおとなしくしなくてはいけないと思っていました。」と言うと「アカデミックにはそうかもしれませんが、実際の演奏は魅力的であれば良いでしょう。」

「いろいろやってみてください。遊び心があったほうが良いですよ。」

「結局はセンスです。でも、センスは元々持っているものではなく、問題意識を持って磨くものです。」とも言われました。

何だか、こうあらねばならないという縛りが1つとれた気がしました。どんな演奏が魅力的であるか。そのために何をしたら良いか。自分なりに工夫をしていくこと。枠にはまらないで、魅力的な演奏を目指していろいろ試行錯誤してみること。

また大きな示唆をいただきました。練習しながら一つずつ試してみます。

2019.04.22

ゆっくり練習することの大切さ

今、バッハのフランス組曲を練習していますが、今週は、最終曲、速いテンポのジーグの譜読みをしています。

速い曲は、つい、速いテンポで弾く練習を繰り返しがちですが、実はゆっくり練習することがとても大切なのです。

ゆっくり練習することで筋肉に覚えさせる

ゆっくり練習する方法の最初の段階は、力をしっかりかけて、ものすごくゆっくりしたテンポで一つずつ「筋肉に覚えさせる」意識で弾くことです。

先日の大野先生のセミナーの時に、このことは質疑応答の中で「鍵盤と指とのコネクトを作る」段階として先生が取り上げていらっしゃいました。

実は、かつては私もついつい速いテンポでの練習が多く、ミスタッチがなかなかなくならない傾向がありました。

何年か前にドビュッシーの練習曲を弾いた時もそうでした。見かねた先生が「こうやってゆっくり一つずつ弾く練習をすると安定します。」と改めて(実は以前にも別の曲の時に教えていただいていたのですが)教えてくださったのですが、「これを全部やるのですね。気が遠くなりそうです。」などと言ってしまいました。

そういう意識でいては、なかなかミスタッチは減りません。

ある時、アシスタントの先生が何かの折に「私達は、このものすごくゆっくり弾く練習を、それこそいやというほどします。」と言ったことがありました。

その時、演奏家としてお客様に聴いていただく意識で練習する方の練習への意識の高さが実感として分かりました。

ついつい、「技術があるから。」と自分とは切り離して考えがちですが、その過程で地道な練習を積み重ねていることがよく分かったのです。

ゆっくり練習して響きを確認する

指に覚えさせる時には、力をかけて一音ずつ弾きますので、手の使い方は考えますが、響きについては二の次になります。

もう一つのゆっくり練習する目的は、響きを確認することです。こちらは、一つ一つの音についてタッチを考えながら、あるいは、一つのフレーズについてそのフレーズの性格を考えながら、響きを作っていく練習です。

速いテンポだと感覚がついていきません。ですから、ゆっくりと練習しながら響きのイメージをより具体的にし、同時に身体の使い方を考えていくことになります。

この段階をていねいにしていくことで、速いテンポでも響きのある音で演奏することができるようになります。

練習の質を上げることの積み重ねで演奏の質を上げていく

今の先生のところにレッスンに伺うようになってから、演奏家としてピアノを弾いている方たちと同席する機会が持てるようになりました。

時にレッスンが前後して、その方のレッスンを見せていただけたり、逆に私のレッスンの場にいて感想を述べてもらったりしたこともあります。

その中で感じたことは、当然といえば当然かもしれませんが、練習の質がものすごく高いということです。それを、以前は「プロの演奏家だから」「技術があるから」と自分と切り離して考えていました。

当時は、仕事としては学校で教えていて、ピアノは趣味ということもあったかもしれません。でも、ここ数年で、それは違うということが分かってきました。

今の自分なりの技術ではあっても、練習の質を上げていくことで演奏の質を上げることはできるし、その蓄積が技術そのものの向上にもつながります。

それを意識しながら、また、ゆっくり練習を積み重ねていきます。

親指の使い方を変えて響きが変わった

ロシアピアニズムの奏法のレッスンに来ている大人の生徒さん。だんだん響きが変わってきましたが、昨日、親指の使い方について意識が変わったことで、響きが大きく変わりました。

ご自分でもはっきりと分かったようで、「これほど違うとは思いませんでした。」とのこと。大きく手応えを感じたようです。

従来の奏法とは親指の使い方が違う

ピアノを弾く時、2(人差し指)~5(小指)の指は「付け根から曲げる」感覚で支えを作り、弾いていきます。

ところが、親指は他の指と曲がる向きも違いますし、指そのものにある関節の数が2つしかありません。

ロシアピアニズムの奏法でピアノを弾く時、その親指をどのように使っていくのかということはとても重要になってきます。

基本的に、親指は他の4本の指と向かい合うように曲がりますし、それだからこそ、物がつかめます。そして、ロシアピアニズムの奏法の場合、普通に物をつかむときの向きで親指を使い、ピアノを弾いていくことになります。ここが、一般的な奏法と大きく異なる部分です。

親指の使い方が変わると、全体のポジションが上がってくる

今までも、「立ててください。」とか「もっと全体のポジションを高くして。」などお話してきたのですが、今ひとつわかりにくかったようでした。

昨日のレッスンの時に、やはり親指の位置が下がっていましたので、改めて指の関節の位置を確認しつつお話をしました。

他の指の「付け根」にあたる関節は、もっとずっと手首に近い部分にあること。そこから曲げる感覚を持ち、同時にそこを使って鍵盤に置いていく感覚であること。

もともと私の師匠の大野眞嗣先生のブログや動画はよく見ている方ですから、「あの手の形は、こういう使い方をしているからなのですね。」と、とてもよくおわかりになり、納得できた様子。

「では、そのイメージで親指を使っていきましょう。」ということで弾き始めると、手全体のポジションが今までよりもはるかに上がり、同時に響きも上に上がってくるようになりました。

「今までのは何だったのでしょうね。」

生徒さん自身も、今までとは全く違う響き方に「これほど違うとは思いませんでした。今までのは何だったのでしょうね。」と驚いていました。

「親指の音がベタッとした感じは、何となく感じていたのですが、そのまま弾いているうちに、他の指の音もそちらに合ってしまい、結局、自分自身の感覚そのものが変わってきて、気にならなくなってしまっていました。」

「ほんとうに、全然違いますね。」

一つずつ、段階を経てここまできましたが、響き方の違いがご自分ではっきりとわかったことで、また新たな楽しみが出てきます。

今までの蓄積ができてきて、響きを聴き取る耳の訓練を重ねたところ。ちょうどそのタイミンだからこそ、今回の親指の使い方の違いによる響きの変化も、よりはっきりと分かっていただくことができたのだと思います。

一朝一夕で身につくものではありません。でも、蓄積していくことで大きな収穫を得ることができます。私もとてもうれしく思ったレッスンでした。

練習を続けることで進歩を実感できる

弾けると楽しくなる

昨日は、小学生のレッスンが続きました。みんな頑張って練習してきているので、とてもうれしく思っています。

ピアノには練習が欠かせません。弾けるようになると楽しい、だからまた練習しようと思う。この繰り返しが上達の最大のポイントです。

最初の段階は、音符が読めるようになると、右手と左手を交互に使うので、どんどん弾けるようになっていきます。この段階で、両手の指10本を使うと、かなりたくさんの音が弾けるので、知っている曲がたくさん弾けるようになり、これはこれでとても楽しい段階です。

次に、両手で別々の動きをする段階に入ります。ここがやはり大きなステップなので、練習が必要な段階です。

今までと、練習の質も変わってくるので、ここではちょっと「頑張る」必要のあるところでしょう。ここを過ぎて、両手で別々の動きをスムーズにできるようになると、またさらに楽しくなっていきます。

最初はちょっと大変

昨日は、ちょうどこの「両手別々の動きに入って間もない」段階の生徒さんが続きました。しかも、「メリーさんのひつじ」で右手と左手が違うタイミングで動く曲です。

ボンゴで両手のリズムだけ取り出して練習したり、別々の動きの部分だけ取り出して練習したりしました。みんな、苦労しながらも、粘り強く取り組めるし、ほんとうに一生懸命頑張りました。

この段階は、誰でもちょっと大変なのです。その時に頑張れると、自分に自信もついていきます。そういう意味で、ピアノだけではなく、成長していく上でも大切なことが学べる良い機会でもあるのです。

ピアノの楽しさは自分で力を獲得していくことの楽しさでもある

ある意味、ピアノの楽しさは、自分で力を獲得していくことの楽しさでもあるかもしれません。

両手で弾けるようになる力、自分で出している音をしっかり聴き取る力、曲のイメージを自分なりに感じ取る力、そのイメージを実際に表現していく力 。さまざまな力が必要になります。

そしてさらに、それらピアノに必要な力を身につけるために、毎日練習する力。ピアノという一つの習い事から、実にたくさんの力を身につけることができます。

昨日も、粘り強く頑張っている生徒さんたちの姿に、私自身もまた頑張ろうという気持ちをもらったレッスンでした。

2019.04.19

進級・進学で成長を感じる

4月。子供さんたちは小中学校に入学したり、進級したりして、新年度がスタートしました。

新小学生の成長

不思議なもので、入学して次の学校に行くと、とても成長した感じがします。

先日レッスンした小学校新1年生の生徒さん、もともとしっかりしているお子さんだったのですが、とても落ち着いた感じがしました。

「1年生になって、ずいぶん成長した感じがしますね。」というとお母様も「そうなんですよ。なんだか、とても大人っぽくなった感じがして。何日かの違いなんですけど、びっくりしました。」とおっしゃっていました。

1週目は、風が強かったり、積りはしないものの雪が降るほど寒い日があったりで、新入生たちは通学するのも大変だったのではないでしょうか。

新中学生も成長を実感

新中学1年生は、ジャージでレッスンに来ました。見慣れていた姿なのですが、中学校にいて、新入生のジャージ姿を見るのとはずいぶん違って感じられました。中学校で教えていた頃は、この時期の新入生たち、新しい環境に慣れようと一生懸命で、初々しさを強く感じていました。

でも、個人で小学生の頃からを見ていると、まず、成長したんだな、大きくなったんだな、ということを真っ先に感じます。確かに、もう私よりも背が高くなり、追い越されています。改めてその成長を実感しました。

やはり、自転車通学はまだ慣れなくて大変だったようで、特に風の強い日には、自転車が進まず、とうとう押して歩いたのだそうです。

「でも、2年生や3年生は、普通にこいでいるんですよ。」と言っていました。これもきっと慣れていくのでしょう。

部活動の仮入部のことも楽しそうに話してくれました。もう4月中には、入部届を出すようです。

多くの人に見守られて

そういえば、私の息子も、通いはじめのこの時期、自転車の荷ひもを後輪にからませてしまったことがありました。

私はもう仕事に出てしまった後だったのですが、通りかかった方が親切に自転車屋さんに電話してくださいました。おかげで本人が自転車屋さんまで自転車を押して歩き、そこで自転車を借りて登校できた、ということもありました。

考えてみたら、そうやって地域の方にもお世話になりながら成長したのですね。

特に今は、通学途中の事故も心配されるご時世。私の住むこの地域も、小学校の学区変更で低学年から桜山小学校にだんだんと通うようになっています。通学には必ず大人の方が付き添っていらっしゃいます。

多くの人に見守られて、子どもたちが元気に楽しく学校生活を送れるようであってほしい。私自身も、ピアノを通して、子どもたちに関わる大人の一人として、しっかりその成長を見守っていきたいと思っています。

年中さん、ピアノが楽しい

この4月から幼稚園年中になった男の子の生徒さん、昨日もニコニコしながらレッスンにきました。

髪の毛を切ってさっぱりしていたので、「髪の毛、切ったの?」と聞いたら、「バレたか。」と言うのがかわいくて、笑ってしまいました。付添いのお母様も思わず苦笑。幼稚園でいろいろな言葉を覚えてきますね。

音符が上手に書けるようになった

おんがくのーとにドとソをたくさん書いてきました。全音符が上手に書けるようになり、ドとソの区別もだいぶはっきりしてきました。

ピアノに向かって、ト音記号、ヘ音記号のドとソ、4つの音の組み合わせを弾く練習にもだいぶ慣れ、スムーズに弾けるようになってきました。

指人形もさっとはめてお歌に合わせて指を付け根から曲げる体操と、お指の逆立ちの体操。これは、手の使い方の練習と指の筋トレになります。

指を付け根から曲げる動きは、日常の中ではなかなかありません。ピアノの前に座ると、「音を出すこと」「曲を弾くこと」に気持ちが行きがちなので、取り出して練習しています。

曲の練習もたくさんしてきた

最初は「じー」から。リズムにのって3拍「じー」と弾きます。音楽を聴いて、タイミングよく入ることができました。

次は「けーぶるかー」ちょっとこれは難しかったようです。ヘ音記号のドとソ、ト音記号のドとソを下から上に4拍ずつのばして弾き、今度は上から下に下りてくるのですが、1回目は途中で違う音を弾いてしまいました。

「間違っちゃった。」「事故がおきちゃったね。」ということで、もう一回。今度は、ドソドソと上手に上がれたのですが、下りるときにソを弾かずにドの音から始めてしまいました。

「早く発車しすぎちゃった。」ということで、3回目のチャレンジ。今度は上手に弾けました。

小さいお子さんは特に楽しく

ピアノが上達するために、練習はどうしても必要です。ただ、せっかく練習するのなら、やっぱり楽しいほうが良い。特に小さいお子さんはそうですね。

楽しいから練習する、練習するから上手になる、上手になるからさらに楽しくなる。こんなふうにつながっていくことが理想です。

最後に「まつぼっくり」の歌を一緒に歌いながら、手遊びをして終わりましたが、にこにこして帰っていく様子を見ながら、楽しさと内容の両方を、レッスンの中で味わえるように、さらに工夫していこうと改めて思いました。

2019.04.16

身体の使い方をレッスンしてもらう

昨日は、都内までレッスンに行ってきました。新しい曲はまだ弾けていないのですが、身体の感覚を戻すために、先生に見ていただくことが最大の目的です。

このあたりのレッスンの受け方は、一般的なピアノのレッスンとは違い、むしろ声楽の、それも発声のレッスンに近いところですね。

手のポジションの修正

「ポジションが下がっていると思うのです。自分なりに修正してから来たのですが、まだ低いのではないかと思っていて…。」という話をしてからレッスンを受けました。

弾き始めてすぐ「惜しい。確かに少し下がっている。」とのこと。私自身も音の上がり方がいつもと違うと感じていました。

「基本は上にある感じ。弾く時に下りるイメージ。」と実際に弾いていただきました。聴きながら、手元も見て、手と響きの確認をしてから、もう一度弾き始めました。

「今だと、下部雑音がほとんどない状態になっていますね。」と言っていただき、ようやくリセットされた感じがしました。

小指の音が思うように上がらないと感じていた部分も、「もっと小指は引き上げる感じ。そうすれば、引き上げた瞬間に音が上に上がります。」と引き上げ方が足りなかったことを教えていただき、今度は響きがまっすぐ上に上がるイメージで弾けました。

良かった良かったと調子にのって、すぐ次の同じ音型を、同じタッチで弾いてしまいました。そこは「まったく同じ音ではないはずです。」ということで、修正。

自分では甘くなりがちな部分を、指摘していただき、耳の感覚もリセットされました。

椅子の高さ

姿勢との関係で、クッションを使ったほうが良いかもしれない、と言われ、クッションとそれでも足りずにひざ掛けも折りたたんで使いました。だいぶ高さが上がりました。

私は背が低いので、本当は、このほうが良いのですが、まさかステージのピアノ椅子にクッションを使うわけにもいかないので、本番の前には一般的なピアノ椅子の高さで練習をします。そうするとどうしても肘の高さが鍵盤よりも下がってしまうのです。

自宅のピアノ椅子は2種類あり、一つは普通の椅子。一つは小さいお子さんも使えるようにとかなり高くまで上げられる椅子。家でも、姿勢の確認をする時には、高い方の椅子を使います。

ここのところ、普通の椅子を使っていたので、それも全体として下がり気味になる原因だったかもしれません。

帰宅してから、高い方の椅子で弾いてみると、腕を自由に動かせる感じがしましたし、重さをしっかり鍵盤にのせられる感じがしました。やはり、椅子の高さは重要です。

自分の感覚そのものを進化させていく

今回は、自覚できていた部分が今までよりも大きかった、という意味で、自分自身の進化を感じることができました。

楽器が教えてくれた部分もたくさんあります。先生にも「ピアノが変わったから、自分で分かったんじゃないですか。」と言われましたが、ほんとうにそうです。

今のピアノだからこそ、細かい部分の違いを感じ取ることができた、ということは、確かに大きいと思います。

自分の感覚そのものを、少しの違いが感じ取れるように進化させていく、そのことが結果として自分の演奏に反映されていくのではないか。そんなことを感じながら、帰ってきました。

2019.04.15

身体の使い方を意識し直す

葵の会定期演奏会前は、どうしても、本番で演奏する曲目を中心に練習しがちでした。

姿勢は意識していたつもりではありましたが、速いテンポでトレモロをたくさん弾いていたので、全体に手のポジションは下がり気味だったようです。

演奏会も終了したので、昨日から改めて、身体の使い方を意識し直しながらバッハを練習しています。

姿勢をチェックし直す

座るところから始めて、お腹の支え・肩甲骨、大胸筋、前腕の支え、手首、虫様筋と一つずつ確認をしていきました。タッチの変化も意識しながら、ゆっくり弾いていきます。

腕・手の使い方や手首の位置のイメージの持ち方。肩甲骨から手までの意識の仕方…と考えながら弾いていると、肩に力が入っていてやり直し、今度は親指が下がっていた気がして、もう一度やり直し。

いわゆる「難しい曲」ではないのですが、ていねいに考えていると、きりがないような気がしてきました

考えすぎていても、音楽がすすまないのですが、今回は、身体全体の感覚のチェックが目的なので、しっかり考えることにしました。

音色のチェック

速い曲を弾いていると、どうしても音色の変化までは意識がいきません。今回のモーツァルトはとにかく必要なテンポ感を出していくことに重点をおいていましたので、よけいです。

ゆっくりした曲の音色の確認もしていきました。ほんの一週間くらいなのですが、やはり、感覚がずれてしまったと自分でも自覚しました。

音色の変化ということに対する、自分の耳の繊細さが変わってしまったという感覚でしょうか。

一音ずつ、タッチを確認しながら、同時にそのタッチによって上がってくる響きをもう一度頭の中に入れ直す感じです。

ていねいに、ていねいに。姿勢・指の使い方を確認しながら耳をすまして自分の音を聴いていきます。

自分の行きたい方向を自分で目指す

私自身の演奏の方向性、私自身の行きたい方向をしかり見定め、そこに向かって練習していく。

結局、いちばん大切なのはその部分です。曲のイメージに合った多彩な音色で演奏すること。響きを使って、彩りのある音楽を作っていくこと。その方向を目指していきたいのです。

今の師匠に指示してまる7年。今年は8年目になります。ようやく、自分なりに「意識する」ことはできるようになってきましたが、先はきりがありません。

ていねいに、自分の行きたい方向を向いて、練習していきます。