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2017.09.28

ピアノの先生も得意分野はそれぞれです

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

今、歯医者さんに通っています。先日は親知らずを抜きました。そこでの先生との会話の中に、「ピアノの先生も同じ」と思ったことがあったので、ご紹介します。

最近私が通い始めた歯医者さんは、最初から親知らずを抜くことに積極的でした。実は右奥の親知らずが虫歯になっていたのですが、今までは「様子を見ましょう。」ということで抜かずにいたのでした。

ところが、舌の特定の場所に歯がいつも当たることで、舌がんのリスクが高まる場合があるということを最近知って、だんだん親知らずが気になってきました。私の親知らずは変な方向に生えているため、いつも舌で触っている状態です。

親知らずが気になってきたことを、私が話すと、口腔外科のご出身だという今の歯医者さんは、今までたくさんの口腔がんの患者さんを見てきた経験から、口の中で歯が不自然に出っ張った状態で、舌や、口の内側に触っている方が気になるとおっしゃいました。

「歯科医でも、自分の専門分野によって、その辺りの考え方は変わってきますね。私は、口腔外科にいたので、条件の悪い抜きにくい歯でも、抜くことができますから、よけい抜く方に傾くのだと思います。」と続けました。

ピアノ教室も同じで、バックグラウンドによってずいぶん違うのではないでしょうか。音大出身の先生でも、ピアノ科の方、声楽の副科としてピアノをやっていらっしゃった方。ピアノ科出身でも、演奏活動をメインに教えること「も」します、という方と、その逆の方。また、演奏活動と一口に言っても、独奏を中心におやりになるか、アンサンブルをたくさんおやりになるか、によっても考え方は変わってくると思います。

さらにそれに加えて、ピアノの先生お一人お一人の考え方の違いも加わってきます。

私の場合は、教育学部の音楽科出身でもあり、教職経験が長かったことから、「ピアノを通して、人としての成長を支援する」とことに重きを置いています。もちろん、ピアノの上達がメインであり、そのための工夫はしています。その上で、レッスンノートの活用やレッスンでの関わりを通して、良い習慣をつけることや、自己肯定感を上げることなども重視しています。それが、私の専門分野を生かすことにもつながっています。

また、カウンセリングを学んだこと、たくさんの中学生と、その保護者の方との関わりがあった経験から、お子さんのレッスンを通して、保護者の方のお力にもなれたらいいな、という思いもあります。

「趣味として」「楽しみとして」ピアノを学ぼうと思っている方に、ピアノ+αで関わっていけたら幸いです。

2017.09.27

ピアノの楽しさとは

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

今日は、巾着田に行ってきました。今年は秋が来るのが早くて、残念ながら曼珠沙華は見頃を過ぎていましたが、それでも、ところどころにまだつややかな赤い花が残っていました。

さて、大変ありがたいことに、ここのところ、お問い合わせをいただくことが増えてきました。新しく始めたいとお考えの小さいお子さん、大人の方、そしてある程度今までに学んできた方。それぞれの皆さんの思いをしっかり受け止めていきたいと思っています。

そこで、あらためてピアノの楽しさは何かな、と自分自身の子供時代からのことを振り返りつつ、考えてみました。

一つは、新しい曲が弾けるようになる楽しさです。

まだ小さい子供だった時代には、これはとても大きく感じていたように思います。一つ弾けるようになって、○をもらって、また次を弾けるようになって……。実際にどんどん指も動くようになっていきますし、とても楽しかったと思います。今振り返ると、何だかあまり考えずに弾いていた気もします。

 

二つ目は作曲者と直接対話し、本当に美しいものに触れることのできる楽しさです。

バッハを弾けば、300年の年月を超えてバッハを感じることができます。モーツァルトを弾けば直接モーツァルトを感じることができます。ちょっとした音の並び方の中に美しさを発見したとき、幸せを感じることができます。もちろん、耳で聞いてもその美しさは感じられますが、自分の手を通して直接対話し、それを表現できることの喜び、幸せは、格別です。

三つ目は自分自身の個性を表現する楽しさです。

これは、二つ目の楽しさをふまえての楽しさだと思います。弾く人が、その曲をどうとらえ、どう感じているか。それは、弾く人の個性の表れです。私自身も、ピアノを弾くときには、伝えたい思いがあります。「思い」と書きましたが、言葉として表現できるものではありません。たぶん、もっと深いところにある、ある意味、混沌としたもののような気がします。

学生時代に学んだ恩師が「フォルテと書いてあるからフォルテを弾くのではないの。自分の気持ちが本当にフォルテで表現したいと思わなかったら、強く弾く必要はない。これは、私の先生が言っていたことでもあるけどね。」と言っていました。機械的に強くとか弱くとかいうのではなく、表現したい思いが先にあってこそのものだということでしょう。

四つ目は聴いてくれる方とつながれる楽しさです。

これは、最近になって感じることが増えてきました。奏法を変えて、音の響きを意識するとその先に、聴いてくださる方がいらっしゃる。ふと、演奏を通して、つながっていると感じるようになってきました。弾く、というより、音を届けるという感覚に近いかもしれません。

まだまだありますが、書いてみて、ピアノを弾くことができる私はとても幸せだとあらためて思った今日でした。

 

 

2017.09.26

ピアノ用お手玉とポップコーン

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

先日のピアノ用お手玉ですが、一昨日の日曜日に買ってきた端布で第2弾を作ってみました。猫と鍵盤の柄なので、思わず色違いで買ってきてしまいましたが、この猫の柄、なかなか動きがあります。

今回は2度目なので、さすがに慣れてきました。1時間で2つ、布に印をつけて裁断し、縫うところまで、できました。
まだ明るいうちにと、やまやで買ってきたポップコーンと一緒に大急ぎで写真をとりました。

1kgのポップコーンはけっこう存在感がありますし、ずっしり感じます。
250gのお手玉も、大きいし、ずっしりした感じがあります。

標準的な鍵盤の重さは約50gだそうです。合理的な力の使い方をするロシア奏法ではあっても、手の内側や手首の下側の筋肉で支えますから、そこには筋力が必要です。このお手玉を使うことによって、指や手の内側の筋肉を鍛えることができます。手の器用さを養うこともできます。さらに使い方によっては、手首の脱力も体感することができます。

何と言っても遊び感覚でいろいろな使い方が出来て、触っていて楽しいですよね。

前回のお手玉と合わせて6個になりました。こうやって増えていくのも楽しいです。
あと2つ、猫鍵盤柄のお手玉を作っていきます。

 

 

2017.09.24

同門の方と練習会でした

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

今日は、私の師匠である大野先生のレッスン室をお借りして、練習会でした。(オフ会と言っています)私を含め、7人の参加でした。

私は、しばらく弾いているモーツァルトのピアノソナタ第1番ハ長調第1楽章を弾きました。やはり人前で弾くというのは緊張感が違います。

今日の目的は、今までの置いていくタッチを、高いところから落とす動きを多用するタッチに変えているので、新しいタッチで音を上に上げること。置いていくタッチだと、私は音量がでないので、アンサンブルのことも考えて、落とすタッチをマスターしたいのです。少し手応えがあったとは思います。もう少し、細かい音符のところも、まるい響きが出るようにしたいので、また練習していきましょう。

もう一つは、モーツァルトを感じながら弾くこと。こちらは、自分なりに、感じられたと思います。若いモーツアルトの生き生きした、冗談がちりばめられていて遊び心いっぱいの音楽。

時間があって、2度目は、デュポールのメヌエットによる変奏曲のテーマ~第2変奏曲まで。こちらは、まだまだ余裕がありません。たくさんミスタッチがあって、ちょっと反省。これは来年の葵の会で演奏する予定なので、半年かけて練っていきます。

他の方達の演奏も、それぞれ個性があって、聴いていて楽しいです。音色も、音楽の作り方も、本当にいろいろです。シューマンの幻想曲、バッハのフランス組曲・平均律、モーツァルトのソナタ、リストの忘れられたワルツ、スクリャービンの詩曲、グリーグの叙情小曲集など、曲目もバラエティ豊かで、聴いていてとても楽しくなりました。

ピアノは個人で練習するのですが、こうやって仲間と聴き合う機会が持てるのも、幸せだと思いました。

帰りに、池袋のユザワヤで端布を買ってきました。鍵盤と猫、大好きなものが二つ組み合わさっていて、迷わず色違いで買ってきてしまいました。また、やまやでポップコーンを買ってきて、お手玉をもう4つ、これで作りたいと思います。

 

 

2017.09.23

ピアノ用お手玉を作ってみました

こんにちは、たうらピアノ教室の田浦雅子です。

今日、自転車で走っていたら、キンモクセイの香りが漂ってきました。見ると、もう花が咲き始めています。今年は本当に秋が早いですね。

昨日、ピアノ用のお手玉を作ってみました。もともとバスティンメソッドのお手玉ですが、先日お会いした大学時代の先輩が「小さいお子さんに教えるときに使うと、指が鍛えられるし、手首の脱力の感覚もつかめるようになるのでいいよ。」と教えてくれたので、早速作ってみたのです。

とりあえず、手元にある、ありあわせの布で作ってみたので、色・柄はちょっと不本意ではあるのですが、確かになかなか存在感のあるお手玉です。
中に入れたのは、ポップコーン用のコーン。

お手玉と言えば、小豆と思っていたので、最初は、東松山JAの直売所「いなほてらす」で買った小豆を入れようと思い、買ってきました。でも、その後、高坂のやまやで1kg入りのコーンの袋を見つけたので、小豆は食べることにして、お手玉の中身はコーンに変更。

8㎝×17.5㎝に縫いしろ5㎜です。ネットで検索すると、たくさんの方が作っていらっしゃって、すぐわかりました。こういうとき、本当にインターネットはありがたいなあと思います。

コーンが1kgあるので、4つ作ることにしました。ミシンで縫い合わせ、コーンを250gずつ中に入れます。口を閉じてできあがり。1つ当たり250gのコーンが入っているので、小さいお子さんにはけっこう重く感じるかもしれません。

入会されるお子さん方にはプレゼントしますね。

あと、ようやくLINEも認証アカウントになったので、「公式アカウント」から「たうらピアノ教室」を検索すると表示されるようになりました。よろしければ、ご覧になっていただき、友達に追加してくださるとうれしいです。LINEからも体験レッスンがお申し込みになれますし、お友達に追加してくださった方には、初月レッスン割引クーポンを差し上げていますので、ぜひどうぞ。

 

2017.09.21

たうらピアノ教室のレッスンノートの特長

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

今日はさわやかな秋風が吹いていましたね。お彼岸なので、私も母のお墓参りに行ってきました。今年は彼岸花の咲くのが早いようで、あぜ道の彼岸花は盛りをちょっと過ぎていた感じがしました。

さて、今日は大人の生徒さんのレッスン、2回目です。
前回の体験レッスンでご入会になったので、ピアノレッスンノートをお渡ししました。無地のルーズリーフにプリントアウトし、バインダーにはさんでお渡ししております。

このレッスンノートですが、大きな特長が3つあります。これは、私が心理学やカウンセリングを学んだことと、それを生かした教職経験を生かしたものです。
(今日は、主に大人の方に関わる部分を書きますね。)

1つは、練習時間の記録です。どれくらい練習したのか、自分で分かるように、時間を記録していきます。できるだけ毎日練習することは、上達には欠かせません。お仕事もあり、家事もあり、場合によって育児や介護もあるお忙しい方たちですから、出来る時間帯に、無理のない範囲で、とは思います。ただ、1日頑張りすぎて、あとはお休み、とならないで継続していくためにも、記録していくことは大切なのです。

2つめのポイントは、レッスンで学んだ内容をご自分で書いてもらうことです。私がお話ししたことが、伝わっているかどうか、書いていただいたものを見ることで、確認できます。さらに一番大切なのは、後で今日のポイントをそこに書くためには、レッスンを受ける生徒さんが意識して「何か」をつかみとらなくてはならないということです。そのため。自覚を持ってレッスンを受けることにつながっていきます。

3つめのポイントは、ピアノに限定せず自分の夢や目標を書くとともに、その日にあった「うれしかったこと、できたこと、良かったこと」を書くスペースを設けたことです。自分の夢や目標があって、それを常に目にしていると、前向きに頑張ることができます。また、人生を楽しむためにもポジティブな発想で物事をとらえることは欠かせません。自分自身の成長を実感する意味でも、ほんのわずかでも自分の変化を見て、記録していくことは大切なのです。

今日の生徒さんは、しっかり「良かったこと」を毎日書いて来てくれました。そして「良いことを書く部分があって、良かったです。ありがとうございました。」と話してくれました。

お子さんの場合には、あと少し、習慣形成に関するものが入っています。できるだけ、生徒さんや保護者の方のご負担にならないようにと配慮しつつも、中学生・高校生になった時、テストの学習計画や振り返りに役立つ内容を、小さいうちから入れていけるように工夫しています。

また折を見てご紹介してまいります。

2017.09.20

自分のレッスンに行ってきました

こんにちは、たうらピアノ教室の田浦雅子です。

月曜日に、自分のレッスンに行ってきました。

先生のレッスン室のスタインウェイ。先生が弾くと何とも言えない、つやのある、丸みのある音がします。

今回もモーツアルトのピアノソナタ1番・第1楽章から聴いていただきました。

かれこれ始めてから半年近く弾いています。この曲、本当に楽しいのです。若いモーツァルトが、「こんなこともできるよ!」「ここはちょっと大げさに悲しそうにしてみたい」「でもやっぱりそれは冗談」「この音型おもしろいでしょ」と遊んでいる感じがします。

オペラのイメージも浮かんできて、ここは「フィガロの結婚」のあの場面、「コシ・ファン・トゥッテ」のあの場面のイメージ、と思って弾くと、楽しいのです。こういう楽しさは、実際に演奏するという形でモーツァルトに触れるからこそ味わえるものであり、ピアノを弾けるからこそのものです。少しでも作曲家に近づいた気持ちがします。

とはいえ、音色はまだまだ課題がたくさん。特に展開部で、あれ?と思うところがあり、先生も「最後は持ち直したけど……。」とおっしゃっていました。和音があると手のポジションがどうしても本来あるべき形と違ってしまうように思いました。まだもうしばらく練習です。

次に、「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲」

これも本当に美しい曲です。前回、第2変奏曲の左手の音色が薄いというか固い感じがしていたので練習したのですが、先生のピアノで弾くと、思ったほど音が変わっていません。先生が最近ソコロフのタッチを研究していらっしゃるので、そのタッチを意識して、手の内側と指のつけねの筋肉を意識して弾いてみると、前より音が集まった感じがしました。

最後にブルグミュラーのアヴェ・マリア。やはり左手の動きのある部分で響きが薄くなります。一音ずつ指の付け根を意識して弾いてみると、少し良くなってきたと思いました。これは聖母マリアへの祈りの歌。もっと歌らしく、たっぷりと弾きたいと思いました。

今回も自分の課題をたくさん見つけられました。先生の美しい響きを聴いて、少しでも近づきたいと思いつつ、帰ってきたのでした。

2017.09.18

ご近所にピアノ教室開業の挨拶をしました

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

ご近所へのピアノ教室開業のご挨拶を始めました。やはり、平日は皆さん、お仕事でいらっしゃらない方も多いので、土日にできるだけ回ろうと考えたのです。

私の家のある場所は、ちょうど、古くからお住まいの方と、新しく引っ越してきた方とが混在している地域です。皆さん、とても親切で、今回、ご挨拶に伺っても、たくさんの方から「頑張ってね。」と言っていただきました。

本当にありがたいことだと心から感謝しています。

お孫さんのいらっしゃる方から「孫がうちへ来た時、うちにあるピアノを触っているの。今度娘に言っておくからね。」と言っていただきました。

大人の女性の方で「私もやってみたいけど、楽譜も読めないし……。」とおっしゃる方もいました。

思い立ったが吉日と言いますから、あまり考えすぎずに始めていただければ良いなあ、と思います。

話は変わりますが、ついにKindle用の端末を買いました。
というのも、ホームページを作っているとき、Kindleの無料電子書籍に大変よくまとまっているものを見つけ、unlimitedの会員になったからです。

最初は、パソコンとスマホで見ていたのですが、「これも読めるの?」というくらい、たくさんの書籍があるのを見て、端末が欲しくなってしまったのです。早速、ダウンロードして読書を楽しんでいますが、今、読んでいるものの中に、心理学者アルフレッド・アドラーの本があります。

私はこのホームページの「教室への想い」の中に、「自己肯定感」を高めたい、ということを書きました。そのため、このアドラー心理学の考え方をピアノのレッスンノートに取り入れています。簡単なことなのですが、夜、寝る前に(難しければ、1日のうち1回どこかの時間に)「今日あったうれしかったこと、できたこと、よかったこと、感謝」を書いていく、というものです。これは、精神医学者や、コーチ・カウンセラーの方でおやりになっている方が、何人もいらっしゃいます。

私自身も、これを書くことで、自分自身を見つめ、ピアノ教室オープンへの気持ちを固めることができました。

ついつい、人間、出来なかったこと、後悔することに気持ちを向けがちですが、1日を気持ちよく終わり、明日への鋭気を養うためにも、手帳やノートに始めてみてはいかがでしょうか。

 

2017.09.16

ピアノの弾き方によって手の負担は変わります

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

9月13日に放送された「ガッテン」、腱鞘炎が取り上げられていました。

その中で、スマホやパソコンの影響で腱鞘炎の患者さんが増えている、ということが放送されていました。
かつてはピアニストだったり、美容師だったりといった職業として指を使う方が中心だったのが、特にそういう方でなくても、腱鞘炎になるケースが増えているそうです。

確かに、若い方達は親指を使って、すごいスピードでスマホを操作していますものね。

ピアノを弾く人に、腱鞘炎が多いのは確かです。
私も学生時代、手首周辺に痛みがあることも多く、特に試験前などで一生懸命弾くとひどくなりました。
同級生の中には、常にサポーターをしている人もいました。

今は大丈夫です。今の奏法は手首を上げて、親指を自然に下げるからです。イメージとしては、幽霊が「うらめしや~」と出て来る時の手に、似ているかもしれません。力を入れないわけではありませんが、手の内側で支え、指は脱力するので、痛みがくることはありません。

ガッテンの最後にキーボードの手前にタオルを置いて、パソコンの操作をする画面が出て来ました。その時に出演していらっしゃった先生が「親指が下を向くだけで違います」とおっしゃっていました。

タオルを使うわけではありませんが、手首の下の筋肉で支えて、指は下げるので、親指にかかる負担は全く違うのです。

せっかく弾くのですから、身体に優しく、楽しく弾きたいですよね。

 

 

 

2017.09.15

ベートーベンのピアノソナタを聴いて

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

私は今現在、ピアノ教室の仕事だけではなく、パートで違う仕事もしています。

その仕事先、コーヒー豆販売兼喫茶店では、毎日、店長が音楽をかけるのですが、今日はフリードリヒ・グルダ(Friedrich Gulda, 1930年5月16日~2000年1月27日・オーストリアのピアニスト・作曲家)の演奏するベートーベン・ソナタ全集でした。

朝から「今日はピアノだ。ベートーベンだ。」とそこまではすぐ分かったのですが、「このピアノは今の楽器なのかな?まさかフォルテピアノではないし。」と思うくらい、音色が均一でした。曲の構造、構成というものは非常によく分かる、素晴らしい、さすが、という演奏だと思います。

ただ、今私が学んでいるロシアの奏法、響きで音楽を作っていく奏法とは、音楽そのもののとらえ方が大分違う、ということは、改めて感じました。

今の私の奏法だと、より、その場その場での変化が大きいと思います。どんな音色のイメージを頭に描いて一音を弾くか。ペダルはどうするか。それを、その演奏のまさに「その」時に自分で選んでいきます。

私が仕事先にいる間は、初期と中期までの曲だったので、今までに弾いたことのある曲が何曲もありました。

何だか大学時代の恩師の声が聞こえてくるようで、いろいろ思い出されました。
「そう言えば、大学1年生の時に最初の8小節だけで、レッスンが終わってしまったことがあった。」とか、
「このテンポの設定、速すぎて一蹴されてしまったっけ。若くて、間が持たなかったのかなあ」などなど、懐かしく思いました。

昨日も少し、ピアノと脳の関係について触れましたが、「ピアニストの脳を科学する」という本によると、

ピアニストがピアノの音を聴いているときには、音を聴くための神経細胞だけでなく、なんと指を動かすために働く脳部位の神経細胞も同時に活動していることがわかりました。(中略)ピアニストの場合、指を一切動かしていないにもかかわらず、ただピアノの音を聴くだけで、指を動かすための神経細胞が活動したのです。

とあります。

この本は、以前読んでいたのですが、今日、グルダの演奏を聴きながら、「ここは、こう手を動かすイメージで弾きたい!」とか、「ここを弾くときには指をこう使ってみたら良いかな。」とか、ピアニストの方たちの練習量にはほど遠い私でも、手の動きが頭の中にイメージされて、「あ、なるほど。」と実感しました。

ベートーベンのソナタの作品の持つ力にも触れられましたし、何だか、幸せな1日でした。