小・中学生のレッスン

練習を続けることで進歩を実感できる

弾けると楽しくなる

昨日は、小学生のレッスンが続きました。みんな頑張って練習してきているので、とてもうれしく思っています。

ピアノには練習が欠かせません。弾けるようになると楽しい、だからまた練習しようと思う。この繰り返しが上達の最大のポイントです。

最初の段階は、音符が読めるようになると、右手と左手を交互に使うので、どんどん弾けるようになっていきます。この段階で、両手の指10本を使うと、かなりたくさんの音が弾けるので、知っている曲がたくさん弾けるようになり、これはこれでとても楽しい段階です。

次に、両手で別々の動きをする段階に入ります。ここがやはり大きなステップなので、練習が必要な段階です。

今までと、練習の質も変わってくるので、ここではちょっと「頑張る」必要のあるところでしょう。ここを過ぎて、両手で別々の動きをスムーズにできるようになると、またさらに楽しくなっていきます。

最初はちょっと大変

昨日は、ちょうどこの「両手別々の動きに入って間もない」段階の生徒さんが続きました。しかも、「メリーさんのひつじ」で右手と左手が違うタイミングで動く曲です。

ボンゴで両手のリズムだけ取り出して練習したり、別々の動きの部分だけ取り出して練習したりしました。みんな、苦労しながらも、粘り強く取り組めるし、ほんとうに一生懸命頑張りました。

この段階は、誰でもちょっと大変なのです。その時に頑張れると、自分に自信もついていきます。そういう意味で、ピアノだけではなく、成長していく上でも大切なことが学べる良い機会でもあるのです。

ピアノの楽しさは自分で力を獲得していくことの楽しさでもある

ある意味、ピアノの楽しさは、自分で力を獲得していくことの楽しさでもあるかもしれません。

両手で弾けるようになる力、自分で出している音をしっかり聴き取る力、曲のイメージを自分なりに感じ取る力、そのイメージを実際に表現していく力 。さまざまな力が必要になります。

そしてさらに、それらピアノに必要な力を身につけるために、毎日練習する力。ピアノという一つの習い事から、実にたくさんの力を身につけることができます。

昨日も、粘り強く頑張っている生徒さんたちの姿に、私自身もまた頑張ろうという気持ちをもらったレッスンでした。

自分で納得のいくように練習する

自分の納得のいくように練習できるかどうか、というのはとても大切なことです。自分の中に基準があるかどうか、ということにつながってきます。

基準を自分で作る

新小学校1年生になる生徒さんの「ゴセックのガボット」(ピアノひけるよ!シニア)をレッスンしました。

スタッカートも軽やかに、とても上手に弾いていました。

「とてもすてきに弾けたね。」というと「家で練習していた時は、いっぱい間違えて、違う音をたくさん弾いていたんだけど…。」とのこと。

「それで、今日はたくさん練習してから来たの?」と聞くと、「そう。」とのこと。

自分なりに、まず「音符通り間違わずに弾けるようになりたい」という基準ができ、それに向かって練習してきたのでしょう。

自分の中に仕上がりのイメージをもつ

別の小学生の生徒さん、ディズニー映画「リトル・マーメイド」の中の「パート・オブ・ユア・ワールド」を練習中です。

この生徒さんも、音符が読めるようになって、自分で弾ける力がどんどんついてきました。

最後の仕上げの段階で、「こんなふうに弾いてみたら、より美しくなるよ。」ということで、話しながら、いくつか弾き方を変えて、私が弾いてみました。

「ああ、そうか!」ということで、生徒さん自身が、自分なりに少し工夫を加えていくと、また、曲の印象が大きく変わりました。

自分の中に仕上がりのイメージができてくると、音楽も大きく変わります。

「やりたい」という気持ちが大切

大切なのは、やはり「こう弾きたい」という本人の思いでしょう。

そのスタートになる部分を作る最初のうちは、練習回数を示して弾けるようになる体験を増やしていったり、弾き方の例を示したり、ということも必要になってきます。

最初は、先生やお家の人から与えられた部分は大きいかもしれません。でも、成長するにつれて、それがはっきりとお子さん本人のものになっていくのです。

趣味としてのピアノを楽しむ

3月最終週で、中学生以下の生徒さんの面談が終わりました。

それぞれのこの1年(途中から始めた生徒さんもたくさんいますが)の進歩・成長を、保護者の方と一緒に確認し、また次の一年、頑張ろうというお話をする良い機会になりました。

両手で弾けるようになった!

小さいお子さんが多いのですが、中学生になってからピアノを始めた生徒さんもいます。

大人の「趣味のピアノ」に近いですね。その生徒さんの場合、学校が忙しいので、レッスンも毎週ではなく、月に2回くらいのペースです。

でも、お家での練習もしっかりしてくるので、半年でピアノランド1と2の2冊が終わりました。中学校2生にもなると、知的な理解力が高いので、楽譜の読み方などはすぐに理解して覚えていったので、その柔軟性に感心していました。

生徒さん自身の1年のふり返りの中の「うれしかったこと」では、楽譜・楽語を覚えたこととともに、両手で弾けるようになったことが挙げられ、特に「頑張った」実感があったようです。

弾きたい曲を弾く段階が見えてきた

両手で弾けるようになってきたし、もう少しすると、自分の弾きたい曲が弾けるようになってくるかな、と思って、面談でちょっとそんな話をしました。

生徒さんが何曲かあげた中に、「千本桜」がありました。ちょうど去年のクリスマス会で、ボーカロイド曲を弾きたいという希望の生徒さんがいたので、初心者向けの連弾の楽譜をもっていて、その中に入っています。

「楽譜がありますよ。」ということで、見せてみると「この曲の難易度はどれくらいなんですか?」との質問。

「ピアノランドの3が半分くらいまで弾けるようになれば、これも弾けるようになります。」と言うと、うれしそうでした。

編曲を選んで初心者でも弾きたい曲を楽しむ

今は、一つの楽曲でも、さまざまな編曲で楽譜にして、それを販売しています。ですから、初心者向けに編曲してあるものを選べば、かなり弾ける曲の幅が広がります。

趣味でピアノを弾きたいと思っている方にとっては、恵まれた時代になったと言えるかもしれません。

最初の半年~1年位、両手でメロディーと伴奏が弾けるようになる段階までは、教本を中心に練習したほうが、結果的に上達が早いでしょう。

それ以降は、教本に加えて自分の弾きたい曲を積極的に楽しんでいく。そうすればピアノを弾くことの楽しさを、生活の中で味わっていくことができるようになります。

「両手でピアノが弾けるってすごいことですね」

「両手でピアノが弾けるってすごいことですね。左右違うことをするんですものね。」

確かにそのとおりです。ピアノでは、右手と左手が全く違う動きをするのですから、最初はちょっと戸惑います。でも、慣れてくると、それが当たり前になってきます。

慣れてくると当たり前に

最初に書いた言葉は、先日、小学生の生徒さんのレッスンの後、聴いていらっしゃっていたお母様が言っていたものです。

お子さんは、ピアノを始めてそろそろ2年になります。だんだん曲が難しくなってきて、左手の伴奏の上に、右手のメロディーがある曲を弾けるようになってきました。

当然、左右別々の動きをすることを当たり前のこととして、弾けるようになっています。

お母様は、ピアノはほんの少しやっただけなので、お子さんが今のように弾けることを感心して見ているのだそうです。

慣れるまでは、とにかくゆっくり弾く

確かに誰でも、最初は少し戸惑います。違う動きをするということは、例えば右手の親指と左手の小指を一緒に動かすことになります。

特に、弾くタイミングが左右違う時、一緒に動いてしまうので、その部分の慣れが必要です。

ただ、その頃には、ほとんどの生徒さんが、自力でかなり楽譜が読めるようになっています。

ですから、右手と左手を別々に練習する課題を宿題としてお家でしてきてもらい、できるだけ、両手で合わせる最初の段階をレッスンで見るようにしています。

初めて左右のタイミングの違う曲を弾く時には、とにかく、とてもゆっくり、考えながら弾ける速さから始め、タイミングが理解できてから、少しずつ速くしていくのです。

ピアノらしい楽しさが味わえるようになる

また、左手の伴奏の上に、右手のメロディーがつくようになると、ピアノらしい楽しさが味わえるようになってきます。これができるようになることは、生徒さんにとっても、とてもうれしいことです。

「両手になって大変だけど、面白くなってきた。」と生徒さん自身が言ったり、お母様から「大変だけど頑張る、本人が言っています。」というお話を聞きます。

大きなステップではありますが、同時に大きな楽しさももたらしてくれるのです。

ピアノでいろいろな曲が弾けるようになってうれしい

ここのところで、年度末の面談をしています。生徒さんと、保護者の方と私で、この1年のふり返りをしていきます。この1年のピアノレッスンで、できるようになったこと、頑張ったことを一緒に確認するのです。

ピアノを習っていてうれしかったこと

昨日も3人の生徒さんと、保護者を交えてお話しました。ふり返りの項目の中に、ピアノを習っていて、うれしかったことは?というのがあります。

昨日、お話した生徒さんが、3人ともほぼ同じ答えだったので、ちょっとびっくりしました。

小学校3年生の生徒さんは「いろいろな曲に出会えたこと」。1年生の生徒さんは2人とも「いろいろな曲がひけるようになったこと」。

確かに、教本の目次を見ただけでも、たくさんの曲が並んでいて、こんなにいろいろ弾いてきたのだな、ということが分かります。

「どんな曲を覚えている?」と聞くと、クリスマス会の曲を挙げる生徒さんもいますし、仕上げるのに苦心した曲を挙げる生徒さんもいます。

そうやって自分の中で、こんな曲を弾いてきたのだな、という思いから、「いろいろな曲が弾けるようになったこと」という言葉が出てきたのでしょう。

練習の習慣もついています

練習について、保護者の方にうかがうと、「ちょっとした時間を見つけて弾いています」「自分の中で、毎日やること、と決めているようです」ということで、言われなくても練習する習慣がついている様子が分かり、ほっとしました。

小学校低学年でも、学童保育に通っているお子さんの場合、家にいる時間が短いので、練習時間を確保するのが難しい場合があるのです。

「晩ご飯が早いので、ご飯を食べて、食器を片付けたあとで、弾くことにしています。」と具体的に答えてくれた生徒さんもいました。

毎日の中で、少しずつ積み重ねていくことの意味を、それぞれの年齢に応じて、生徒さん本人が実感できているようで、嬉しく思いました。

できたこと、頑張ったことに目を向けていく

このふり返りでは、基本的に「できたこと」「頑張ったこと」に目を向けていきます。

そうすることによって、自分で自分の良さを見つけていければ、と考えているからです。

年齢ごとに課題は変わっていきますし、ピアノの段階ごとに、それぞれの課題も変わっていきます。だからこそ、節目には前の段階ができたことを自分で確認して、次に進むエネルギーにしてほしいと思っています。

また来年度もたくさんの曲を弾こうね、と面談を終えました。

意志が上達を早める

自分がこうしよう、という意志を持って、そこに向かっていこうと決めた時、実現の可能性が高まります。何かにつけてよく言われることですが、ピアノでも同じです。

弾けるようになろう、と思った時、行動が変わりますし、結果として上達が早くなります。

幼稚園年長の生徒さんの例

あるレッスンの時に、楽譜に書き込みがしてあるのに気が付きました。間違いやすい、臨時記号と左手の伴奏の音が1小節ごとに変わる部分です。

「これ、自分で書いたの?」「そう。」何でもない様子でさらっと答えてくれました。

お迎えにきたお母様に伺ったところ、「自分で、付けたんですよ。時々ここはつけなくても、と思うところもあるのですが、だいたいは、ポイントをつかんでいるようですよね。」とおっしゃっていました。

ほんとうにそうです。自分にとって弾きにくい部分を自分で分かって、印をつけていることに驚きました。

当然、上手に弾けていました。その生徒さん、今も、自分で印をつけていますし、着実に上達しています。

小学校1年生の生徒さんの例

先日のレッスンでのことです。小学校1年生の生徒さんの楽譜にもたくさん○がついていたり、書き込みがしてあったりしました。

やはり、リズムの難しいところについています。前回のレッスンの時、なかなか弾けなかった部分にもついています。

「これ、自分でつけたの?」と聞くと、「はい。」とのこと。

よく見ると、ところどころに、「ド」のように階名の書き込みのしてある部分もありました。練習している中で、弾きにくい部分に印をつけ、さらに間違いやすい部分に書き込んでいったのでしょう。

ちょうど両手で違う動きが入ってきたところ。難しく感じてもいるようですが、ここのところ、とても頑張っている様子が見えていました。楽譜の書き込みから、「上手に弾けるようになりたい」という強い気持ちが伝わってきました。

上達したい思いがそこにある

2人とも、弾けるようになりたい、上達したいという思いが強くありました。だからこそ、自分で書き込みたくなったのでしょう。

その気持ちが伝わってくる楽譜を見て、とてもうれしくなりました。まっすぐに、一生懸命に、頑張っている様子が伝わってきました。

その思いがあるからこそ、毎日、練習に向かうことができます。その思いをしっかり受け止めていこう、と私自身も改めて感じたレッスンのひとときでした。

練習して弾けるようになるとピアノは楽しい

ピアノが楽しくなるには、練習が欠かせません。「楽しい」と思える生徒さんは、練習する→弾けるようになる→上達が実感できる→楽しい→だからもっと練習するという流れにうまく乗っています。

スイミングのように、その時間内に練習が組み込まれているわけではないからです。今日はそのあたりのお話を書いていきます。

上達するには練習が欠かせない

先日のレッスンでのこと。ある小学生の生徒さん。なかなか集中できません。ワークブックの○つけをしていると、手がちょっと荒れているところをいつまでもこすっていて「先生、血が出た!」

ばんそうこうをはって、「もう今日は、レッスンの間、はがさないでね。」とレッスンを始めました。

ピアノに座っても、なんだかもじもじしています。実際に弾いてみて、理由が分かりました。練習してこなかったのです。もちろん、○にはなりません。お迎えにきたお母さんにも、そのことを話しました。

同じ生徒さんが、その次のレッスンでは見違えるようでした。来るなり、にこにこしています。前回と全然違う様子に、「今日は練習してきたんでしょう。」と聞くと、「うん。」と自信を持って答えました。

音符を書く練習にも集中して取り組み、さっと終わりになりました。ピアノの前に座ると、「もう、弾けるもん。」ということで、3拍子のリズムにのって「バケツのあな」を弾きました。

次の「5のゆびをひこう」の練習も、さらにその次の「ふしぎなポケット」の譜読みも集中してできました。

表情そのものが前回とはまったく違い、にこにこしながら、ピアノを弾いて帰りました。

できた!という実感がもてるから楽しくなる

今、面談をしていますが、練習の様子を保護者の方から聞いていると、やはり「練習量」と楽しさには関係があります。

特に、段階が大きく変わる時、例えば、両手を交互に使っていたところから、一緒に使う時などに、それがはっきり表れてきます。

誰にとっても、その段階は最初少し難しく感じます。そういう時に、毎日練習ができると、その難しさを感じる期間が短くてすみます。

逆に、家で練習することができていないと、なかなかそのステップを上がることができず、楽しくなくなってしまうのです。

習慣化の段階は簡単なことから

最初からたくさん練習することは難しいかもしれません。これは、お子さんの性格と、ピアノへの気持ちにもよります。

ですから、最初は「ピアノの前に座って弾く」という習慣をつける段階では、簡単なことから始めていきましょう。

ピアノの前に座る。1回でも良いから弾く。

また、今ある習慣とセットにしていく、ということも習慣化するには有効です。「おやつを食べたら練習する」「学校から帰って宿題をしたら練習する」のように。

せっかく始めたピアノです。ぜひ楽しく、長く続けるためにも、「練習」をうまく日常生活の中に組み込んでいきましょう。

一つ階段を上る6年生の成長を実感

幼稚園・保育園や小学生の生徒さんたちは、3月、しめくくりの時期になります。1つ学年が上がるという自覚が、言動を変えていきます。

私自身も、そんな生徒さんの言葉の端々から、成長を実感しています。

小学校6年生。これから中学校に上がる生徒さん。今まで、新しい曲の譜読みは、レッスン中に片手ずつ音符の確認をしていました。

ただ、もう楽譜は確実に読めるし、実際に学校からもらってきた伴奏譜は全部自力で譜読みをして弾ける状態にしていました。

レッスンで、クレメンティのソナチネの1楽章を持ってきました。この前のレッスンの時は、あいみょんのマリーゴールドを弾いていたので、それが終わったら、この曲にしようね、と言っていたものです。

私は、前回のレッスンの様子を見て、まだもう1回はマリーゴールドが終わらないと思っていたので、ちょっと驚きました。マリーゴールドも上手に弾けるようになって、その次を自分で譜読みしてきたのです。

16分音符の連続も、ずいぶん練習してあって、なめらかに弾けるようになっていて、部分的な手の使い方の修正をすることにレッスンの重点を置くことができました。

今回は、3楽章通して弾く、ということをしてみようと考え、次の2楽章の譜読みを始めようとしたところ、「全部自分でやってみたい。」と言い始めました。

これにもびっくり。ずいぶん、成長したな、と思いました。伴奏の譜読みを通して、楽譜を読むのがとても早く、正確になったことは実感していましたが、気持ちの面でも自立しつつあるのですね。

小学校も、そろそろ卒業式の練習が始まったそうです。

歌の練習が2時間連続だったこと、呼びかけの練習もていねいにしていること、卒業生入場の歩き方、証書の受け取り方なども練習していること。

卒業式前後にプライベートで計画している、お友達との様々な楽しいイベントの予定。

いろいろ話してくれる顔が、一段としっかりしたものに見えました。

1年の振り返りする

年度末となる3月、たうらピアノ教室では、中学生以下の生徒さんと、保護者の方との面談を行います。

この1年でできるようになったことの成果を振り返り、次の1年の目標を設定していくためです。

「振り返り」と「反省」

学校でも、だんだん「振り返り」という言葉が使われるようになってきました。特に、授業の中では増えてきました。

でも、少し前まで、「反省」という言葉をたくさん使っていたように思います。広辞苑で「反省」を調べてみると「自分の行いについてかえりみること。自分の行為について考察し、批判的な評価を加えること。」

本来、何か行動すれば、良いこと(思うようになったこと)も悪いこと(思うようにならなかったこと)も両方ありうるものです。

でも、学校の中では、どうしても「できなかったこと、うまくゆかなかったこと」に焦点を当てて「反省」することを行ってきました。

ただ、どうしてもそればかりに焦点を当てると、「ちゃんとできなかったこと」ばかりがクローズアップされてきて、残念な自分、できない自分ばかりに目が行きがちです。

そうすると、次の行動がなかなか起こしにくくなってしまうのです。また失敗するかもしれない、またうまくいかないかもしれない、となってしまうからです。

それよりも「うまくいったこと、良いこと」に焦点を当てて「振り返り」、よくできたんだ、頑張ったんだ、と認めていくことがとても大切なのです。

その上で、もう少しこうしていけば「もっと良くなる」ということを考えると、次の一歩が踏み出しやすくなっていきます。

この時期だからこそ

一年は、長いようでいて短く、でも無自覚でいるとあっという間に過ぎてしまいます。だからこそ、できるようになったことを、振り返り、味わうことが大切なのです。

できたことを振り返ると、それぞれの生徒さんが成長し、進歩している様子がとてもよく分かります。

こんなにできるようになっていたんだ、ということは、意外に自分では自覚できないことが多いのです。

だからこそ、本人だけでなく、保護者、先生の目から見ても、こういう進歩があった、こんなふうに頑張っていた、ということをフィードバックする機会が大切です。

それぞれの成長、進歩を見る

保護者の方も、同じ年頃の他のお子さんのことが気になる場合があるかもしれません。

でも、大切なことは、かけがえのない、そのお子さんがどう成長したか、進歩したか、ということです。

改めてふり返る機会を持つことで、お子さんが「また、次に頑張ろう」と思えるような面談にしていきたいと考えています。

シンコペーションは慣れが必要

ここのところ、生徒さんの希望で、ポピュラー曲のレッスンが続いています。

時には、好きな曲を弾いて楽しむことも、ピアノを弾いていく上では良いことだと考えているのですが、皆さん、リズムがわかりにくくて、そこに苦労している様子。

ディズニーの「パート・オブ・ユア・ワールド」を練習中の生徒さん。最初の8小節のリズムだけ取り出すと次のようになります。

左手は、あまり動きがないのですが、右手が難しく感じている様子。やはり、小節をまたいだタイがあったり、タタンタという8分音符+4分音符+8分音符というところで、「あれ?どう弾くんだっけ?」となっています。

音楽を知っているのと、右手の音がレミファファー、ミファソソーのように続いていること、左手が全音符で動きが少ないので、前半は大丈夫。

後半4小節は、左手も2拍ずつで動くので、より難しく感じていました。ですから、まず、リズム打ちをしてみました。

次に1ト2ト…数えながら、ゆっくり右手の練習をして、それからだんだん速くしていきました。

ある程度、回数を重ねて練習しているうちに、感覚がつかめてきたようです。

中学校で教えていた時、吹奏楽部の演奏を聴いていて、「なんてシンコペーションが多いんだろう!」と思っていました。

生徒たちや、顧問の先生の話を聞いてみると、やはり、数をこなすことで、譜読みが早くなることは確かなようです。

よく、メトロノームをかけて、上級生が数えながらパート練習をしている姿を見かけました。

ピアノでも同じですね。最初はゆっくり数えながら、何度もくりかえすこと。感覚がつかめれば、できるようになります。