小・中学生のレッスン

リズム打ちをすると、楽に弾けるようになります

こんにちは。

リズム打ちをして、最初に左右の手の動くタイミングをつかんでおくと、両手で合わせて弾くときに楽に弾けるようになります。

 

小学校3年生の生徒さん。

とても感性の豊かなお子さんです。

細かい表情をつけるのが上手。

2年生からピアノを始めたので、今、教本は「ピアノひけるよ!ジュニア3」をやっています。

昨日のレッスンでは「アマリリス」を聞かせてもらいました。

 

右手がスラーからスタッカートになる部分、ちょうど「道化師たち」と同じなので、とても上手に弾けました。

一度、弾いてから、メロディーをしっかり聴きながらもう一度、ということで2回めはもっと美しく弾くことができました。

右手と左手のリズムが違っている部分があります。

最初のうちは、これが意外に難しいのですね。

右手と左手がつい、いっしょに動きたくなってしまいます。

私の教室では、ワークブックもいっしょに使っているので、さっきもリズムちをしましたが、とても上手にできていました。

その時は、「リズム打ち」と思ってやっているのですが、実際にピアノに向かうと、それが生きてきます。

スムーズに手を動かすことができるのです。

 

左右、違うリズムのリズム打ちをする時には、ボンゴを使います。

生徒さん、みんな好きですね。

前の生徒さんが使って、ボンゴが出ていると、まだ左右別々の動きのリズム打ちをしない生徒さんから、「あれ、たたいてみたいな。」とリクエストされることもあります。

そういう時は、最初に右手だけ、とか左手だけとか、でリズム打ちの練習をしてから、「ちょっとだけ、好きにたたいていいよ。」と言うと、喜んでたたいています。

 

ピアノ歴の長い、小学校6年生の生徒さんも、時々ボンゴで両手別々のリズム打ちをやります。

こちらは、16分音符あり、付点8分音符あり…とずっと複雑ですが、それでも、回数を重ねるに従って、たたけるようになるまでの時間がどんどん短くなっています。

結局それも、実際にピアノに向かった時、とても役にたっていくのです。

 

姿勢を変えると音の響きが変わります

こんにちは。

姿勢を変えると、音の響きが変わってきます。

 

小学校6年生の生徒さん。

この1年、響きを聴き取る練習もしてきて、音色の変化が分かるようになってきました。

同時に、曲想を感じる力もついてきました。

細かい音の変化をどうつけていくか、ということをしっかり自分で考えられるようになってきたのです。

これは、年齢的なものも大きいように思います。

もともと感性の豊かなお子さんですが、それを「言葉で」どう表現したらよいか、そういうことが分析できるようになる年齢になってきたのですね。

 

さて、今の課題として伴奏を弾くので、もう少し音量がほしいということが出て来ま

単純に「大きな音」をだそうとして、力を入れても、そういう音は響かないのです。

ホールに行くと、逆に音が届きにくくなってしまいます。

生徒さん本人もそれがよく分かっています。

 

ただ、今までの姿勢だと、腕の重みがまだ鍵盤に伝わりきっていません。

そこを改善していくことにしました。

いすをぎりぎりまで後ろに下げ、浅く腰をかけます。

少し身体を前に倒して、その分、椅子から落ちないように、身体が傾きすぎないように、お腹でささえます。

その状態で、弾いてみました。

音の上がり方が変わってきました。

腕の重みを使えると、やはり大きく変わります。

 

実際に曲を弾きながらレッスンしながらということで、くるみ割り人形を弾いてもらいました。

残念ながら、弾いているうちに姿勢が元に戻ってしまいました。

「どのタイミングで言おうかな。」と思いながら見ていたちょうどその時、自分で気がついて、姿勢を変えたのです。

すると、響きが大きくそこで違ってきました。

 

生徒さんに「姿勢、自分で気がついて直せたね。」と言いました。

「そうなんです。途中で、『あ、姿勢!』と思って変えたんです。」

「そこで、音が変わったのが分かった?」

「自分でも、はっきり分かりました。」

 

姿勢を変えていくと、響きも大きく変わります。

良い響き、良い音色で自分の音楽を表現していく。

また1つステップを上がった生徒さんでした。

慣れてくると上手に力が抜けるようになります

こんにちは。

慣れてくると力が抜けて、楽に動けるようになりますが、ピアノも同じです。

今思えば、私なども、車の運転をし始めた初期の頃は、力が入って、肩が凝るほどでしたが、今はうまく力を抜けるようになっています。

 

小学校1年生の生徒さん。

ここのところ、毎日ピアノの練習をする習慣がついて、どんどん上手になっています。

最初は、かなり力を入れて弾いていたのですが、今クリスマス会の曲をずっと練習していて、同じ曲にじっくり取り組むことができるようになり、生徒さん本人が「弾き方」に意識が向けられるようになってきました。

この音とこの音をつながるように弾けるといいね、と前回のレッスンでお話ししていたところが、今回は上手につなげられるようになっていました。

 

お母さまに、「とても上手になりましたね。」とお話しすると

「毎日頑張って練習しています。毎日練習することがこれほど大切で、これほど違ってくるのだということがよくわかりました。」とおっしゃっていました。

力の入れ方、弾き方に意識を向けると音が変わってきます。

この生徒さんの音も、ずいぶんきれいになってきました。

 

もう1人の小学校1年生の生徒さん。

こちらの生徒さんも、このところ、練習量が増えていて、どんどん上達しています。

最初のうちは、どうしても力を入れて弾きたくなってしまうのですね。

特に、手の小さいお子さんの場合「音を出さなくては。」と思って「頑張って」弾きがちです。

こちらの生徒さんも、手首を使って下に向かって押し下げるように「頑張って」弾きがちでした。

でも、ここのところ、1つの曲をじっくり練習しているうちに、ずいぶん手の使い方が柔らかくなってきました。

ちょうど、教本の変わり目でクリスマス会の曲の練習に入ったので、「早くこっち(教本)もやりたいな。」と意欲的でした。

 

それぞれの生徒さんの成長ぶり、頑張っている様子に、また元気をもらいつつ、レッスンをしています。

音楽の細かい変化を感じる力

こんにちは。

音楽を表現するとき、その流れの細かい変化を「感じる力」が養われていきます。

 

小学校6年生の生徒さん。

合唱のオーディション、見事「合格」の連絡がきました!

楽譜をもらってから、実際のオーディションまでとても期間が短かったのですが、本当によく頑張りました!

最後のレッスンでは、音楽の「細かい変化」と音量のコントロールについて話していきました。

 

いただいた合唱曲は、8小節がひとまとまりになっていて、基本的にその8小節ごとに強弱記号がついています。

でも、音楽というのは、実際にはその流れの中でもっともっと細かく表情が変化していくのです。

8小節で表現していくのではあまりにも大味になってしまいます。

合唱の場合には、歌のメロディーを意識して、音が上がるところ、下がるところを意識していきます。

 

同時に、伴奏が弾く部分の和音の変化をしっかり感じていきます。

特に臨時記号が付いている部分。

ここにシャープが、あるいはフラットがつくことで、和音の印象がどう変わるだろうか?

臨時記号がつくことで、緊張感が生まれたり、意外な感じがしたりと、音楽が大きく変化します。

それを感じて、演奏に生かすことができるようにしていくのです。

ピアノを通して細かい音楽の変化を「感じる力」を養うことができます。

これが「感性」を豊かにすることなのですね。

少しの変化を感じ取って、表現出来る。

この生徒さんは、今までの蓄積があったからこそ、今回の伴奏曲でその細かい変化をしっかり感じ取ることができ、さらに表現する力がついていました。

 

同時に音量のコントロールも大切です。

mpと書いてある。mfと書いてある。ここにはfと書いてある。

でも、それをそのまま表現しようとすると、fの印象がなくなってしまうことも多いのです。

頭の中で最終のfの音量をしっかりイメージして、そこから逆算してmfやmpの音量を決めていきます。

これには、自分の弾いている手元に意識を置かず、出ている音を聴く意識が必要になってきます。

この意識も、日頃からの練習の中で身につけることができます。

 

音楽の細かい変化を感じる力をつけていくこと。

それを通して感性を養うこと。

これは、音楽を楽しむことに通じるとても大切な、そして素晴らしいことなのです。

ピアノで「勝負」ーゲーム感覚で練習回数を増やす

こんにちは。

男の子は、勝負が大好き。

中学生でもそうでしたね。何かにつけて生徒同士でも「勝負」していました。

 

先日のレッスンの時、だんだん飽きてきたようすがちょっと見えたので、「先生と勝負しよう!」というと「え?」という感じ。

「うずまきめだまに なっちゃった」を弾いていたのですが、左手を弾いているときには、右手が、右手を弾いているときには左手が、鍵盤から離れてしまうので、右左の連続がうまくいかないのです。

テンポにのって弾くことができません。

その練習をしたいと思って、何回かくり返したかったのですが、単調にくり返していても面白くありません。

そこで、「勝負」。

 

最初にお手本を弾きます。

一緒に階名で歌います。

もうそれは今までもやっているので、とても上手。

「今みたいに右手と左手がつながって弾けたら、○○くんの勝ちね。つながらなかったら、先生の勝ち。」

ということで始めました。

 

最初は、今までの習慣で手が鍵盤から離れてしまいます。

そうすると、リズム通りに弾くことができません。

負けが続きます。

「もう一回」「もう一回」とやっているうちに、だんだんと両方の手を鍵盤の上に置くように意識が変わってきました

 

5回めくらいでしょうか。

「○○くんの勝ち!」

とってもうれしそうです。

「もう一回やる。」

残念ながら次は負け。

「もう一回…。」ということで、あっと言う間に10回くらい、集中して練習することができました。

だんだん勝ちが増えてきて、最後の「勝負」は勝ちでしめくくれたので、楽しそうでした。

「また次もやる?」と聞かれたので、「うん、やろうね。」と答えると、にこにこしていました。

 

同じことをするのでも、ちょっとゲーム感覚にすると、楽しくできます。

そういえば、息子が小さい頃、雨の日に洗濯物をたたむのをゲームにしたことがありました。

私が2階まで階段を上って1つたたんで下りてくる。

バトンタッチして、今度は息子。

何と言うこともありませんが、洗濯物もたためたし、身体も少しは動かせたし、楽しくなりました。

ふと、そんなことも思い出しながら、「勝負」を楽しんだレッスンでした。

響きの違いを知っていくー「響きを聴き取ろう」という気持ちが大切です

こんにちは。

響きの違いを知るためには、耳の訓練が欠かせません。

目に見えない「響き」を聴き分けるのですから、なかなか分かりにくく思うのですが、「響きを聴き取ろう」とする気持ちがとても大切であり、その意識を持ってしっかり聴いていくと必ず分かってきます。

 

先日からレッスンにいらっしゃることになった中学校2年生の生徒さん。

とても理解力が高く、いろいろな知識も豊富です。

基礎にあるのは、好奇心や細かいことに注意を向けようとする力だな、と感心しています。

いろいろ考えたのですが、当面は「ピアノランド」を使って、必要に応じて間を飛ばすことも視野に入れながらレッスンしていくことにしました。

 

前回は、体験レッスンでは、一番コントロールしやすい中指、3の指を使っていたのですが、テキストにあるとおりに1の指でドを弾くところから始めます。

親指は他の指と向かい合うようについています。

物を握るときに使うためですね。

それをほぼそのままの形でピアノの上にのせて使います。

 

これがなかなか難しい。

私も、奏法を変えた時、一番難しく感じたのがこの親指の向きと使い方でした。

どうしても下がってしまいがちでした。

でも、「日常生活で使っている向きそのままで良いんだ!」と分かり、それを理解できたところから親指の使い方がだいぶ進歩しました。

 

説明をして、ピアノに向かってもらいます。

親指で一音。

なかなか良い音です。

「どどどど どーなつ」を弾いてもらいます。

音符は単純なので、すぐできます。

ただ、音が続くので、だんだん力がはいってきました。

鍵盤の底に指がついたらすぐに力を抜くことを話しました。

 

今度はどうかな?

その時の音を「さっきと違うのがわかる?」と聞くと

「少し。」

そうなんです。

下に押しつけている音と、力が抜けている音は違うんですね。

「少し」でも違いを聴き分けることが大切であり、そのために「聴き分けようとする気持ち」がとても大切なのです。

 

今回は、親指、人差し指のところまでレッスンしました。

少しずつ使える指を増やしていきます。

同時に、大切な響きを聴き分ける耳の訓練もしていきます。

譜読みの時は、パターンをつかんでいきましょう

こんにちは。

譜読みをするときに、パターンをつかんでいくと、効率的に読めるようになります。

 

昨日のレッスンで、小学校6年生の生徒さんが、合唱曲を持ってきました。

オーディションがあるので、取り組みたいとのこと。

貼りあわせてある楽譜を広げたら、長い。

さらに繰り返しもあります。

 

「全部で5分以上になるみたいです。」

それは小学生の合唱曲としては、確かに長いですね。

「それに、前半が♯1つで、後半に♭が4つもあるんですよ。つい後半なのにファに♯をつけたくなってしまって…。」

ちょっと大変そうでした。

まだ、楽譜をもらってから数日なので、あまり譜読みが進んでいないとのことでしたが、とにかくできるところまで、ということで聞かせてもらいました。

 

楽譜を見ながら聞かせてもらうと、確かに長いものの、同じパターンの繰り返しがたくさんあります。

全く同じフレーズがくり返されている部分。

「この段とこの段は同じでしょう。こっちとこっちがまた同じでしょう。」

「あ、本当だ。」

 

同じ音型の繰り返しがありました。

「ドを弾いて半音上がってオクターブ下、レを弾いて半音上がってオクターブ下、このパターンの繰り返し。リズムも全部同じ。」

「あ、そうだ。」

ということで、繰り返しのパターンをたくさん見つけていくことで「長くて大変。」がだいぶ軽減されたようです。

同時に、特に左手の場合、ここは1拍目と3拍目で1音ずつ下がっているパターン、というのもありました。

 

最初から一つずつ見ていくと、全部を読んでいく必要があります。

特に長い曲だと、それだけで「もう大変!」となりがち。

でも、曲全体を見て、この部分とこの部分は同じ、ということが分かってくると、これができれば後半に同じものが出てくるから…というように、見通しが持てるようになってきます。

「もう大変」がなくなるだけでも、気分的にずいぶん楽になります。

曲全体を見て、繰り返しのパターンを見つけてから練習する。

「分かりました。なんか、半分くらいになった気がします。」と言って帰っていきました。

中学生、毎日の蓄積はすごい

こんにちは。

昨日のレッスンで、毎日していることの蓄積はすごいな、と思った出来事がありました。

 

中学校1年生の男の子の生徒さん。

ピアノは去年の11月から始めました。

中学生になって、学校の勉強や部活動が忙しく、思うようにはピアノの練習ができていない様子。

でも、中学校の吹奏楽部でトロンボーンを吹いていて、音楽はそちらでも楽しんでいます。

「部活の練習、大変だった~!」と口では言いながら、楽しそうにしています。

ピアノを先にやっていたはずなのに、ピアノの楽譜の指番号を見て、「トロンボーンの楽譜と同じだ。」とトロンボーンが基準になっている口ぶりです。

 

クリスマス会では、連弾1曲を弾くことにしています。

曲は、初音ミクの「Tell Your World」

前半の練習をしていたのですが、同じ音型が続くので、ずっと自分のパートだけ弾いているのも飽きるかな、と思って、昨日は私と合わせてみました。

 

ピアノを始めて日の浅い生徒さんの場合、連弾をすると、最初のうちは、相手のパートの音を聴きながら自分の音を出すのが難しい場合が多いです。

特に、自分のパートに不安があると、そうなりがちです。

どうかな、という思いがありました。

ところが、さすが、毎日吹奏楽で鍛えられているだけのことはあります。

拍子をきちんと数え、私の音を聴きながら自分の音を弾く。

1回目でしっかり合わせることができました。

 

リズム感、合わせるときの間の取り方。

やはり、この辺り、合奏の経験が豊富なこともあり、しっかり身についていることがわかりました。

中学1年生の後半の時期。

身長もどんどん伸びていて、なかなか頼もしくなってきたな、と思いつつレッスンを終えました。

鉄琴を使って手のイメージをつかむ

こんにちは。

ピアノは、鍵盤を下げるとハンマーが上がり弦を打つことで音を出す楽器です。

打鍵と離鍵のスピードで、音の響きが大きく変わってきます。

昨日は何人かの生徒さんに、鉄琴を使って、それをイメージしてもらいました。

 

小学校1年生の生徒さん。

ここのところ、ぐんと上達しました。

練習の習慣がしっかりついてきたからです。

毎日楽譜を見ているので、音符もすらすら読めるようになってきましたし、リズム打ちもすぐに正確にできるようになってきました。

「毎日」がいかに大切か、ということですね。

「明日、お出かけするけど、行く前にちゃんとピアノの練習してから行くの。」と計画を考え、教えてくれました。

 

その生徒さん、指に力が入ってしまいます。

「こいぬのマーチは、やさしい気持ちが伝わるように弾く」と決めたので、それを表現するためにも、指の力を抜きたいと思い、鉄琴を使いました。

何も言わずに、「たたいてみよう。」と言うと、マレットをぎゅっと握っているので、音が響きません。

「ふわっと握ってたたいてみよう。」と力を抜いてたたくと音が響きました。

「ピアノも同じだよ。」「こういう感じで弾いてみようね。」

うんうんと納得していました。

 

次の生徒さんは小学校6年生。

修学旅行がとても楽しかったのだそうです。

モーツァルトのピアノソナタもだんだん曲のイメージができあがってきました。

くるみ割り人形は、スタッカートが多いのですが、その音色が気になりました。

 

そこで、鉄琴。

たたいてもらうと、やはり、音がつまりがち。

ピアノよりも、分かりやすいのが良いですね。

たたいた瞬間に力を抜く。

柔らかく持つ。

手首を上げること。

ピアノと同じことに気をつけてたたいてもらうと、だんだん響く良い音が出るようになってきました。

 

「今のイメージでピアノを弾いてみましょう。」とピアノに移動。

弾いてもらうと、「音が上に上がる!」

そう、その通りです。抜けた音になりました。

 

ピアノの響きは鉄琴ほど分かりやすくはありません。

また、どうしても「弾くこと」に意識が行きがちなので、よけいに聞くことがおろそかになりやすいのです。

鉄琴を使うことで、音のイメージがよりはっきりとして、同時に腕や手首などの力がうまく抜けていくのです。

「わあ!きれい」という思いを伝える

こんにちは。

昨日のレッスンで、小学生の生徒さんが、表現力がぐんと広がった感じがしました。

 

ギロックの「道化師たち」

とても素敵な曲です。

小学校3年生の生徒さん。

とても感性の豊かなお子さんです。

今回は、クリスマス会でこの曲を弾くのですが、候補曲の中で、迷わず「これ」と選んだ「弾きたい曲」でした。

 

前回、1段目の譜読みをしました。

今回は2段目です。

最初の和音、特徴のある音が使われています。

右手はラ・ド。左手は最初ミ♭でレになります。

このミ♭・ラ・ドという三つを同時に弾くと、今まで聞いたことのある和音とは全く違っていたのでしょうね。

「わあ!きれい。」と感心したような声を出しました。

 

ギロックの楽譜は、とても丁寧に記号をつけて表現するヒントをたくさん与えてくれています。

ですから、小さいお子さんが表現力を学ぶヒントが、たくさんあるのですね。

この生徒さんが「わあ、きれい!」と言った部分には、アクセントがついています。

「とてもきれいだから、みんなにしっかり聴いてほしいよね。だからアクセントがついているよ。」

ということで、そのアクセントを味わいつつ、次のレのスタッカートへ。

ところが、レのスタッカートを意識すると、そちらのほうが強くなりがち。

「きれいな音を聴いてもらう気持ちで、このミ♭が聞こえるように練習しようね。」と何回かその練習をしました。

 

7~8小節目にかけてもそうです。

アクセントの付いている左手の音が、ミ♭→ミ→ファ→ファ♯と上がっていきます。

そして、その部分、だんだん大きくしていき、最後にファ♯の音にはフェルマータがついています。

ここも、丁寧に、意識しながら練習しました。

 

同時に、表現の原則についても確認をしました。

上行するときは、だんだん大きくし、下行するときはだんだん小さくすること。

フレーズの終わりは納める気持ちで少し弱めて弾くこと。

とても細やかに聴き分けられる生徒さんなので、意識することで、表現力がもっともっと磨かれていくと思いました。

これからが楽しみです。