「2017年」の記事一覧

2017.09.20

自分のレッスンに行ってきました

こんにちは、たうらピアノ教室の田浦雅子です。

月曜日に、自分のレッスンに行ってきました。

先生のレッスン室のスタインウェイ。先生が弾くと何とも言えない、つやのある、丸みのある音がします。

今回もモーツアルトのピアノソナタ1番・第1楽章から聴いていただきました。

かれこれ始めてから半年近く弾いています。この曲、本当に楽しいのです。若いモーツァルトが、「こんなこともできるよ!」「ここはちょっと大げさに悲しそうにしてみたい」「でもやっぱりそれは冗談」「この音型おもしろいでしょ」と遊んでいる感じがします。

オペラのイメージも浮かんできて、ここは「フィガロの結婚」のあの場面、「コシ・ファン・トゥッテ」のあの場面のイメージ、と思って弾くと、楽しいのです。こういう楽しさは、実際に演奏するという形でモーツァルトに触れるからこそ味わえるものであり、ピアノを弾けるからこそのものです。少しでも作曲家に近づいた気持ちがします。

とはいえ、音色はまだまだ課題がたくさん。特に展開部で、あれ?と思うところがあり、先生も「最後は持ち直したけど……。」とおっしゃっていました。和音があると手のポジションがどうしても本来あるべき形と違ってしまうように思いました。まだもうしばらく練習です。

次に、「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲」

これも本当に美しい曲です。前回、第2変奏曲の左手の音色が薄いというか固い感じがしていたので練習したのですが、先生のピアノで弾くと、思ったほど音が変わっていません。先生が最近ソコロフのタッチを研究していらっしゃるので、そのタッチを意識して、手の内側と指のつけねの筋肉を意識して弾いてみると、前より音が集まった感じがしました。

最後にブルグミュラーのアヴェ・マリア。やはり左手の動きのある部分で響きが薄くなります。一音ずつ指の付け根を意識して弾いてみると、少し良くなってきたと思いました。これは聖母マリアへの祈りの歌。もっと歌らしく、たっぷりと弾きたいと思いました。

今回も自分の課題をたくさん見つけられました。先生の美しい響きを聴いて、少しでも近づきたいと思いつつ、帰ってきたのでした。

2017.09.18

ご近所にピアノ教室開業の挨拶をしました

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

ご近所へのピアノ教室開業のご挨拶を始めました。やはり、平日は皆さん、お仕事でいらっしゃらない方も多いので、土日にできるだけ回ろうと考えたのです。

私の家のある場所は、ちょうど、古くからお住まいの方と、新しく引っ越してきた方とが混在している地域です。皆さん、とても親切で、今回、ご挨拶に伺っても、たくさんの方から「頑張ってね。」と言っていただきました。

本当にありがたいことだと心から感謝しています。

お孫さんのいらっしゃる方から「孫がうちへ来た時、うちにあるピアノを触っているの。今度娘に言っておくからね。」と言っていただきました。

大人の女性の方で「私もやってみたいけど、楽譜も読めないし……。」とおっしゃる方もいました。

思い立ったが吉日と言いますから、あまり考えすぎずに始めていただければ良いなあ、と思います。

話は変わりますが、ついにKindle用の端末を買いました。
というのも、ホームページを作っているとき、Kindleの無料電子書籍に大変よくまとまっているものを見つけ、unlimitedの会員になったからです。

最初は、パソコンとスマホで見ていたのですが、「これも読めるの?」というくらい、たくさんの書籍があるのを見て、端末が欲しくなってしまったのです。早速、ダウンロードして読書を楽しんでいますが、今、読んでいるものの中に、心理学者アルフレッド・アドラーの本があります。

私はこのホームページの「教室への想い」の中に、「自己肯定感」を高めたい、ということを書きました。そのため、このアドラー心理学の考え方をピアノのレッスンノートに取り入れています。簡単なことなのですが、夜、寝る前に(難しければ、1日のうち1回どこかの時間に)「今日あったうれしかったこと、できたこと、よかったこと、感謝」を書いていく、というものです。これは、精神医学者や、コーチ・カウンセラーの方でおやりになっている方が、何人もいらっしゃいます。

私自身も、これを書くことで、自分自身を見つめ、ピアノ教室オープンへの気持ちを固めることができました。

ついつい、人間、出来なかったこと、後悔することに気持ちを向けがちですが、1日を気持ちよく終わり、明日への鋭気を養うためにも、手帳やノートに始めてみてはいかがでしょうか。

 

2017.09.16

ピアノの弾き方によって手の負担は変わります

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

9月13日に放送された「ガッテン」、腱鞘炎が取り上げられていました。

その中で、スマホやパソコンの影響で腱鞘炎の患者さんが増えている、ということが放送されていました。
かつてはピアニストだったり、美容師だったりといった職業として指を使う方が中心だったのが、特にそういう方でなくても、腱鞘炎になるケースが増えているそうです。

確かに、若い方達は親指を使って、すごいスピードでスマホを操作していますものね。

ピアノを弾く人に、腱鞘炎が多いのは確かです。
私も学生時代、手首周辺に痛みがあることも多く、特に試験前などで一生懸命弾くとひどくなりました。
同級生の中には、常にサポーターをしている人もいました。

今は大丈夫です。今の奏法は手首を上げて、親指を自然に下げるからです。イメージとしては、幽霊が「うらめしや~」と出て来る時の手に、似ているかもしれません。力を入れないわけではありませんが、手の内側で支え、指は脱力するので、痛みがくることはありません。

ガッテンの最後にキーボードの手前にタオルを置いて、パソコンの操作をする画面が出て来ました。その時に出演していらっしゃった先生が「親指が下を向くだけで違います」とおっしゃっていました。

タオルを使うわけではありませんが、手首の下の筋肉で支えて、指は下げるので、親指にかかる負担は全く違うのです。

せっかく弾くのですから、身体に優しく、楽しく弾きたいですよね。

 

 

 

2017.09.15

ベートーベンのピアノソナタを聴いて

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

私は今現在、ピアノ教室の仕事だけではなく、パートで違う仕事もしています。

その仕事先、コーヒー豆販売兼喫茶店では、毎日、店長が音楽をかけるのですが、今日はフリードリヒ・グルダ(Friedrich Gulda, 1930年5月16日~2000年1月27日・オーストリアのピアニスト・作曲家)の演奏するベートーベン・ソナタ全集でした。

朝から「今日はピアノだ。ベートーベンだ。」とそこまではすぐ分かったのですが、「このピアノは今の楽器なのかな?まさかフォルテピアノではないし。」と思うくらい、音色が均一でした。曲の構造、構成というものは非常によく分かる、素晴らしい、さすが、という演奏だと思います。

ただ、今私が学んでいるロシアの奏法、響きで音楽を作っていく奏法とは、音楽そのもののとらえ方が大分違う、ということは、改めて感じました。

今の私の奏法だと、より、その場その場での変化が大きいと思います。どんな音色のイメージを頭に描いて一音を弾くか。ペダルはどうするか。それを、その演奏のまさに「その」時に自分で選んでいきます。

私が仕事先にいる間は、初期と中期までの曲だったので、今までに弾いたことのある曲が何曲もありました。

何だか大学時代の恩師の声が聞こえてくるようで、いろいろ思い出されました。
「そう言えば、大学1年生の時に最初の8小節だけで、レッスンが終わってしまったことがあった。」とか、
「このテンポの設定、速すぎて一蹴されてしまったっけ。若くて、間が持たなかったのかなあ」などなど、懐かしく思いました。

昨日も少し、ピアノと脳の関係について触れましたが、「ピアニストの脳を科学する」という本によると、

ピアニストがピアノの音を聴いているときには、音を聴くための神経細胞だけでなく、なんと指を動かすために働く脳部位の神経細胞も同時に活動していることがわかりました。(中略)ピアニストの場合、指を一切動かしていないにもかかわらず、ただピアノの音を聴くだけで、指を動かすための神経細胞が活動したのです。

とあります。

この本は、以前読んでいたのですが、今日、グルダの演奏を聴きながら、「ここは、こう手を動かすイメージで弾きたい!」とか、「ここを弾くときには指をこう使ってみたら良いかな。」とか、ピアニストの方たちの練習量にはほど遠い私でも、手の動きが頭の中にイメージされて、「あ、なるほど。」と実感しました。

ベートーベンのソナタの作品の持つ力にも触れられましたし、何だか、幸せな1日でした。

2017.09.15

ピアノを習うことと脳の発達

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

最近の脳科学の進歩はすばらしく、NHKスペシャルのアーカイブで脳をテーマにした番組を見ていると、こんなことまでわかるのか、と驚くばかりです。

そんな脳科学を研究している脳科学者が、お子さんの習い事として薦めるのがピアノ。

3年ほど前に、テレビ番組で放送された

「脳科学者11人に聞いた(複数回答あり)脳の発達に効く!
12歳までに通わせるべき習い事ランキング」では

1位 ピアノ 同時処理能力UP

ということで、11人の脳科学者全員が、脳の発達にピアノが有効、と言っていたそうです。

確かにピアノは、右手と左手を同時に使います。しかも、別々の動きをします。
さらに意外に足もたくさん使っています。
右足でも左足でもペダルを踏みますが、これもまた、左右が違う動きをします。

例えば、左足はペダルを下まで踏んで、右足は半分くらい浮かせてそこから徐々に右足だけペダルを上げていくこともあります。逆に、左足を次第に上げていくこともあります。こう考えると確かにすべてが全く違う動きをしています。

この、両手両足がそれぞれ違う動きをすることで、人間の脳の「前頭前野」という部分を発達させるのだそうです。

脳科学辞典によると

前頭前野はヒトをヒトたらしめ,思考や創造性を担う脳の最高中枢であると考えられている。

とのことで、人間らしい思考や創造性を司る部分がピアノによって、より発達するというのは、ピアノを愛する者としてはとてもうれしいことです。

もちろん、脳の発達に「役立つ」から、というだけではなく、美しいものにたくさん触れる体験は子供さんの心にとって、どれほど大切なことでしょう。

特に小さいお子さんの成長は、本当に速いので、小さい頃から音楽に触れていくことで、自然に芸術に親しんでいく基礎が築かれていくと思います。

脳とは関係ありませんが、ペダルを踏むのに足を使うということに関連して思い出したことがあります。以前足裏マッサージを受けたときに、「足の裏の厚みが普通の方とずいぶん違うのですが、どうしてでしょうね。」と言われたことがあります。

ピアノのペダルを踏むことで、足の裏の筋肉の付き方も変わってくるのかもしれませんね。

 

2017.09.13

ピアノ体験レッスンとご入会

昨日、体験レッスンにおみえになり、そのままご入会いただけました。

六十代の女性の方で、合唱をなさっていらっしゃるそうです。
ご自宅にピアノもお持ちになっているとのこと。

まず、お話をうかがってから、実際にピアノの前に座っていただきました。
椅子の座り方、鍵盤への手の置き方、ボールを使って手の形と音の引き出し方、ゴムを使っての脱力の仕方などを体験していただきました。

脱力の感覚をつかむのが難しい方が多いのですが、歌を長く歌っていらっしゃるだけあって
「今は力が入っていますね。」
とおわかりになります。

手に一度力を入れて、それから力を抜くと分かるかもしれません、と言いますと、
「歌の時もそうですね、肩を上げてから下げますもの。」
と今までの経験と比較してすぐご理解いただけました。

また、音色についても
「今のはとがっていますね。」
とすぐ違いを聞き分けていらっしゃいました。

大人の方の場合は、このように今までの経験と結び付けることが、新しいことを学ぶときの助けになります。これはお子さんとの大きな違いで、大人ならではの強みと言えます。

楽譜を読むことはすぐおできになりますので、「ロシア奏法によるピアノ教本・はじめの一歩」の最初の2曲「リス」と「ラードゥシキ」をそれぞれ右手と左手で弾いていただきました。

「リス」の曲も、伴奏部分を私が弾きますと、「この挿絵のイメージですね。」とおっしゃっていました。

その後、ソルフェージュです。「やさしいソルフェージュ」の本を使って、リズム打ちと視唱をしました。リズム打ちは4分の4拍子で、四分音符と四分休符ですので、やすやすと、視唱もハ長調ですので、だいたいは1度で、少し音程が取りにくかったものも2度目には正確に歌うことができました。

個人レッスンの良さは、その方に合わせてオーダーメイドでレッスンを組んでいくことができるところにあります。

ぜひお気軽に体験レッスンにお申し込み下さい。LINEからのお申し込みも受け付けております。

 

2017.09.11

50年以上演奏し続けるということ

昨日は、私の所属する葵の会の例会でした。

葵の会は、埼玉大学教育学部で音楽を学んだ同窓生の演奏団体です。
来年で54回目の定期演奏会を迎える、県内でも最も古い団体の1つだそうです。

現在も創立時のメンバーを含め、歌・ピアノ・作品発表でプログラムを組み、毎年4月に定期演奏会を行っています。

何より私がすごいと思うのは、54年間のすべての定期演奏会で演奏している先輩を始め、50回以上出演の方が何人もいらっしゃるということです。教員として仕事をしていた方が多く、その期間も含めて半世紀以上にわたって、ずっと自分の音楽を作り続けてきたことに尊敬の念を持っています。

「定期演奏会で歌うと、自分の演奏の不十分さがわかるの。だから来年は今年より少しでも上手になりたいなあ、と思って続けているうちに50年たってしまったのよね。」とある方はおっしゃっていました。

「とうとう後期高齢者になってしまった!」と言いながら、今年も4人8手連弾にチャレンジする方がいらっしゃいます。

この先輩方と会って、お話を伺うことで、私はとてもたくさんのパワーをいただきます。皆さん本当に前向きで、向上心にあふれています。私自身、その方々とともに演奏できるということ、自分で音楽を作っていけるということの幸せを感じます。

昨日は次回、来年4月に向けての曲目をエントリーしてきました。私はモーツァルトを弾きます。これから4月まで、モーツァルトとしっかり向き合って、今より少しでもいい音で弾けるよう、少しでもモーツァルトの音楽の本質に近づけるように弾いていきます。

 

 

2017.09.10

看板と庭の草取りとピアノの練習

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

昨夜、ピアノ教室の看板が届きました。Mサイズをお願いしたのですが、一目見て「大きい!」という感じました。室内なので大きく感じられるのかもしれません。

でも、オレンジ色がかわいくて、音符もカラフルで、とても気に入っています。ちょっとドキドキしつつも、「この看板にふさわしいレッスンをしよう。」と気がひきしまりました。もし、お近くを通る方がいらっしゃったら、見ていただけるとうれしく思います。

さて、今日になって、教室南側道路に面したフェンスの、どの位置に設置しようかな、と見ていました。その時、ふと視線が自分の足下に行き、ブロック塀と道路の間が草だらけだということに気づいたのでした。

いくら気に入った看板でも、下がこの草では、看板がかわいそう。さっそく草取りをしました。ブロック塀の縁がきれいになった後、先日から気になっていた庭の草取りもしました。

実は、この行動の仕方がピアノの練習と関係があるのです。

「庭の草取りをしなくては。」と思っていても、なかなか取りかかれませんでした。ブロック塀の縁の草取りをすると、その勢いで庭の草取りもさっと取りかかれました。

ピアノの練習も同じです。「やる気」になるのを待っていては実際にはなかなか行動に移せません。まずはとりあえず、ピアノの前に座る、楽譜を開いてみる、などピアノに関わる何か「行動」をし始めると、すっとピアノの練習に取りかかれます。

これは、ピアノだけでなく、家庭学習も同じです。何か始めてみる、教科書を開いてみると、学習に取りかかれます。

さらに、決まった時間に毎日繰り返していくと、習慣として定着していきます。

ということで、せっかく看板もきたことですし、私も庭と看板下の草取りを習慣として定着させていきます。

2017.09.08

ピアノとソルフェージュ

こんにちは。たうらピアノ教室の田浦雅子です。

ソルフェージュとは音楽の基礎力です。

ソルフェージュ(フランス語: solfège)とは西洋音楽の学習において楽譜を読むことを中心とした基礎訓練のことである。

ソルフェージュは楽譜を中心とした音楽理論を実際の音に結びつける訓練を指す。これらの訓練を通じて得られる能力、特に読譜能力はソルフェージュ能力と呼ばれる。                     

ソルフェージュ Wikipediaより

音を聴き取ったり、楽譜を見て歌ったり、リズム打ちをしたりして、その力を養っていきます。このソルフェージュの力を伸ばすことは、ピアノを初めとした楽器の演奏を楽しむために、とても大切だと考えています。

まだ中学校の教師をしていた頃のことですが、ピアノ伴奏の生徒がなかなか楽譜が読めなくて、とても苦労しているのを見たことがありました。

前の年の伴奏がとても上手に弾けていたので、安心していたのですが、「楽譜を読むのは苦手」とのこと。特に左手の低い音の加線がついている部分は一つずつ一つずつ確認して、ドレミファを書き込んでいました。

一人で楽譜が読めないという状態では、自分で弾きたい曲を楽しむことは難しくなってしまいます。せっかく弾けるのに、とてももったいないことだと思った覚えがあります。

逆に、吹奏楽部の練習が盛んだった学校に勤めていた時には、吹奏楽部の生徒達の譜読みの速さにびっくりしました。合唱コンクールの曲なども、すぐ歌えるようになります。当然のことですが、吹奏楽の演奏もたくさんのレパートリーを短期間にどんどん仕上げていました。

せっかくピアノのレッスンに来るのですから、ぜひ自分で好きな曲が楽しめるようになってほしいと思います。

ですから、楽譜について学んだり、簡単な楽譜をドレミで歌ったりしながら、ソルフェージュの力を伸ばしていくための時間もレッスンの中でとっていきます。特にまだ手のしっかりしていない小さいお子さんの場合には、ソルフェージュの時間を長めにとってレッスンをしていきます。

ソルフェージュ

 

 

 

 

2017.09.06

ピアノは何歳からでも始められます、楽しめます

こんにちは。たうらピアノ教室講師の田浦雅子です。

昨日、チラシが出来ました。さっそくそのチラシがご縁で体験レッスンのお申し込みをしてくださった六十代の方がいらっしゃいます。

ピアノはご自宅にあり、お歌がお好きで、合唱をなさっているそうです。
以前からピアノを習いたいと思っていらっしゃったとのことで、「新しいことにチャレンジしてみたいと思いました。」とおっしゃっていました。

ピアノを始めるのに○歳では遅すぎる、ということはありません。

もちろん、幼児や小中学生のように、身体も脳も成長著しい時期とは違いますが、その分、ピアノを弾くことに対する気持ちの入り方が違うのではないでしょうか。

私の学んでいる奏法は、合理的に脱力した状態(もちろん適切に腕や手の内側で支えた上でですが)で弾くので、らくに弾けてとても身体に優しいのです。先日お会いした私の恩師は、81歳ですが、以前と変わることなくどんどんお弾きになっていました。

私自身も五十代ですが、レッスンを受け、練習をすることで、自分の演奏が変わっていくことを実感しています。

また、以前、ピアノ講師をしている学生時代の友人から、「最高齢は七十代で始めた方で、82歳でレッスンに通い、進歩していらっしゃる。」という話を聞いたこともあります。

脳科学者・澤口俊之先生によると、ピアノを弾くことによって、脳の機能が高まる効果があり、それは子どもだけでなく大人にもあてはまるそうです。楽譜を見ること、鍵盤で音をならすまでの間楽譜の内容を記憶しておくこと、右手と左手を同時に使うこと、さらにその両手がそれぞれ違う動きをすること。これらの要素が脳を刺激するのだそうです。

大人の生徒さんの場合には、ピアノを習う目的や、目標とされるものが個人によって大きく違うと思います。お一人お一人の個性を生かすことを大切に、できるだけご希望に添う形でのレッスンをしていきたいと考えております。

何歳になっても、その年齢に応じた楽しみ方ができる、それもピアノの魅力だと思います。